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35.ユディトの企み
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そうとはバレないようにしながらも、表面上はあくまでも穏やかに、余裕を持って令嬢達との話に花を咲かせる。結果を焦ってはいけない。油断は禁物だ。いつころがってくるかも分からないチャンスを万に一つも見逃さないように、俺はひたすらにその瞬間を待ち続けた。そしてその忍耐は、茶会終盤でようやく報われる事となる。
「そうそう、そういえば! 実は我がダンコーナ公爵家は、かつて領地内に侵入した強大な魔物を領民と領主力を合わせて退治した際に、国土を守った褒美として王家から下賜された祝いの品があるのです。勿論先日より強大な魔物の王を倒したイーライ様の武功には遠く及びませんが、今でもこの話は下賜された祝いの品と共にダンコーナ公爵家の宝ですわ。下賜された祝いの品は、我が公爵家の家宝として先祖より代々伝わって今も大切にされております。折角同じように魔物を倒して功績を上げたご縁があるのですから、もし宜しかったらイーライ様もご覧になりませんか? 普段は厳重に保管されているのですが、イーライ様になら父上もきっと特別に家宝をお見せする許可をくださる筈ですわ!」
当たり障りのない話を何回か遣り取りしていたら、突然ユディトがそんな事を言い出した。あくまでもにこやかに提案の体を取っているが、俺の方にやや前のめりに体を傾けていて、笑って細めた目は爛々と邪悪に輝いている。一応隠してはいるものの明らかに何かを決起したその様子は、とうとう彼女がこちらに対して仕掛けてきたのだという事が伝わってきた。
王家から下賜された大切な家宝……あなたになら特別に……。成程、見えてきたぞ。これはあれだな。大事な大事な家宝を態と壊して、その罪を俺に擦り付けるやつだな。例え俺が態とではないと言い張ろうが、王家やダンコーナ公爵家……引いては国王派の貴族達に対して面子に泥を塗り無礼を働いた事になるから、これまでの多大な功績があって俺と王太子の婚約が解消になる可能性が大いにある。
ふむふむ、流石は王太子とは違い賢いユディトだ。いきなり俺の死刑という大穴を狙うのではなく、先ずはスモールステップから。小さい目標を徐々に積み上げて行ってコツコツと、先ずは俺と王太子の婚約を白紙にしてから段階的に自分がその後釜に座る事から始めるらしい。
プライドの高い彼女の事だから、卑しい平民の出ながら王太子の婚約者の座をかっさらい、1度は高貴なる血筋の彼女自身に浮気相手の汚名を着せた俺を許したりはしないだろう。十中八九攻撃はこれきりにならず、追撃に追撃を重ね死刑まで追い詰めようとする筈。
よしよし、いいぞいいぞ。それなら俺も、彼女の掌の上に乗って快く踊らされてあげなくては! ユディトに負けず劣らず表には出さずとも、内心ではノリノリで、俺は彼女の話に食いつく。折角ユディトが用意してくれたこのチャンス、絶対に物にしてみせる!
「王家から下賜された、ダンコーナ公爵家の家宝ですか! それは素晴らしい、ご当主様からお許しさえいただけるのなら、是非拝見させていただきたいです」
「まあ、本当ですか? それなら私、早速今から父上にお話をしてきて、許可を頂いてきますわ! 父上も今は在宅中ですし、きっと直ぐ許可が出る筈です。少々お待ちくださいね」
さもたった今思いついた妙案をタイミングよく家に居た父に実行の許可を貰いに行く風を装っているが、実際は予め全て仕組まれていて段取りは整っているのだろう。流石に自分の一存だけで先祖伝来の家宝を壊す勇気はユディトにはあるまい。ダンコーナ公爵家の親子仲がどのようなものかは知らないが、親からの愛顧がなくなれば嫁ぎ先や日々の暮らしの選択権を握られている令嬢なんて、簡単に人生が歪んでしまう。そんな危うい身の上で、家宝を生け贄に捧げる程ユディトが考えなしではないのは、これまで接した短い時間でも十分に分かっている。
まあ、娘の幸せな結婚の為に家宝の破壊の許可を当主たる父親が出す所からするに、ユディトはなかなか親から愛されているのだろうな。王家に娘を嫁がせ家の繋がりを強化する為で、あくまでも娘の幸せはついでと言われたらそれまでだが……。
そうは言ってもダンコーナ公爵家は2代前に姫が降嫁しているらしく、つまりはユディトの祖母が元王族なのだ。また、所属派閥の信条的にも、ダンコーナ公爵家は王家との親和性が高い。故に今更必要ない程に既にかなり王家との繋がりが強いので、おまけは王家とのパイプ作りの方だろう。歴史はあれど所詮古いだけの家宝という物品より、血を分けた我が子の方が大事か。幼くして親に売られた俺には分からない感覚だ。
そうこうしている内にユディトが帰ってきて当主の許可が下りたと言ったので、俺とユディトと何人かの令嬢で連れ立ってダンコーナ公爵邸内に足を踏み入れる。令嬢達が連れ立っているのは流石に男の俺と年頃の令嬢であるユディトが2人切りになるのは対面上よろしくないし、後はユディトが自分に有利な証言をする目撃者を沢山揃えたかったからだろう。
俺とユディトが立場的に敵対しているのは公然の事実に等しい。そんなユディトが彼女の邸宅内で起こった事件で俺を糾弾しても、状況的に俺が嵌められたと言い出す人間が少なからず出てくるかもしれない。世間が俺に同情的な今なら尚更だ。その点何人も俺の落ち度を指摘する人間が、それも高位貴族の令嬢の立場を伴って居たら、いくらその人間がユディトの陣営の人間とは言えそれだけで俺の旗色は一気に悪くなる事請け合いだ。
着々と俺を陥れる包囲網は狭まっているようだった。道中内装や調度品をそれとなく褒めつつ案内に従い歩いて行けば、あっという間にその家宝とやらが収められているらしい部屋の前までたどり着く。案内はこのままユディトが行うらしい。普通常識から言って家宝なのだから当主のダンコーナ公爵が案内しそうなものだが、これはユディトに同情を集め後々王太子妃にする為の布石か現れない。まあ、もしダンコーナ公爵家の悪巧みが露見した際に当主よりも令嬢の方が立場的に替えがきくので、より蜥蜴の尻尾切りしやすいようにかもしれないが……。それは考えすぎか。扉の前に立ったユディトが、クルリとこちらを振り向く。
「この扉を開けた先が、ダンコーナ公爵家の家宝を始めとした様々な至宝を収めた部屋になります。部屋の中にあるものはどれも貴重で我が家にとって大切なものばかりですので、どうか許可なくお手を触れないようにお願い致します。万が一壊してしまったら後々大変なのは勿論、中には泥棒避けの呪いがかけられていて危険なものもございますから。まあ、両家の子女である皆様が相手なら、変な心配をしろという方が無理なのでしょうけれどね」
オホホホホ……と上品な笑い声で令嬢達がさざめく。俺も鉄仮面なりに頑張って愛想笑いをしておいた。今のは俺の卑しい生まれをそれとなく皮肉った当て擦りか? この中で青い血が流れていないのは、俺だけだもんな。まあ、そんなのどうだっていい。今大事なのは、俺が間違いなく失態をおなせるかどうか、それだけだ。
さあ、いよいよ正念場だ。きっとこの扉の先に、俺を陥れる為の罠が仕掛けられている。ユディトは俺が嵌められたがっているとは知らない筈だから、頭のいい彼女が考えた渾身の罠が張られているのだろう。完璧な罠に、それにかかる気満々の獲物。これ以上の展開はない。必ずやこの企みは成功する筈だ。
周囲に気が付かれないよう軽く息を吸い込み、気合いを十分に入れ直す。決意を込めて、俺は令嬢達の歩みに黙って付き従うのだった。
「そうそう、そういえば! 実は我がダンコーナ公爵家は、かつて領地内に侵入した強大な魔物を領民と領主力を合わせて退治した際に、国土を守った褒美として王家から下賜された祝いの品があるのです。勿論先日より強大な魔物の王を倒したイーライ様の武功には遠く及びませんが、今でもこの話は下賜された祝いの品と共にダンコーナ公爵家の宝ですわ。下賜された祝いの品は、我が公爵家の家宝として先祖より代々伝わって今も大切にされております。折角同じように魔物を倒して功績を上げたご縁があるのですから、もし宜しかったらイーライ様もご覧になりませんか? 普段は厳重に保管されているのですが、イーライ様になら父上もきっと特別に家宝をお見せする許可をくださる筈ですわ!」
当たり障りのない話を何回か遣り取りしていたら、突然ユディトがそんな事を言い出した。あくまでもにこやかに提案の体を取っているが、俺の方にやや前のめりに体を傾けていて、笑って細めた目は爛々と邪悪に輝いている。一応隠してはいるものの明らかに何かを決起したその様子は、とうとう彼女がこちらに対して仕掛けてきたのだという事が伝わってきた。
王家から下賜された大切な家宝……あなたになら特別に……。成程、見えてきたぞ。これはあれだな。大事な大事な家宝を態と壊して、その罪を俺に擦り付けるやつだな。例え俺が態とではないと言い張ろうが、王家やダンコーナ公爵家……引いては国王派の貴族達に対して面子に泥を塗り無礼を働いた事になるから、これまでの多大な功績があって俺と王太子の婚約が解消になる可能性が大いにある。
ふむふむ、流石は王太子とは違い賢いユディトだ。いきなり俺の死刑という大穴を狙うのではなく、先ずはスモールステップから。小さい目標を徐々に積み上げて行ってコツコツと、先ずは俺と王太子の婚約を白紙にしてから段階的に自分がその後釜に座る事から始めるらしい。
プライドの高い彼女の事だから、卑しい平民の出ながら王太子の婚約者の座をかっさらい、1度は高貴なる血筋の彼女自身に浮気相手の汚名を着せた俺を許したりはしないだろう。十中八九攻撃はこれきりにならず、追撃に追撃を重ね死刑まで追い詰めようとする筈。
よしよし、いいぞいいぞ。それなら俺も、彼女の掌の上に乗って快く踊らされてあげなくては! ユディトに負けず劣らず表には出さずとも、内心ではノリノリで、俺は彼女の話に食いつく。折角ユディトが用意してくれたこのチャンス、絶対に物にしてみせる!
「王家から下賜された、ダンコーナ公爵家の家宝ですか! それは素晴らしい、ご当主様からお許しさえいただけるのなら、是非拝見させていただきたいです」
「まあ、本当ですか? それなら私、早速今から父上にお話をしてきて、許可を頂いてきますわ! 父上も今は在宅中ですし、きっと直ぐ許可が出る筈です。少々お待ちくださいね」
さもたった今思いついた妙案をタイミングよく家に居た父に実行の許可を貰いに行く風を装っているが、実際は予め全て仕組まれていて段取りは整っているのだろう。流石に自分の一存だけで先祖伝来の家宝を壊す勇気はユディトにはあるまい。ダンコーナ公爵家の親子仲がどのようなものかは知らないが、親からの愛顧がなくなれば嫁ぎ先や日々の暮らしの選択権を握られている令嬢なんて、簡単に人生が歪んでしまう。そんな危うい身の上で、家宝を生け贄に捧げる程ユディトが考えなしではないのは、これまで接した短い時間でも十分に分かっている。
まあ、娘の幸せな結婚の為に家宝の破壊の許可を当主たる父親が出す所からするに、ユディトはなかなか親から愛されているのだろうな。王家に娘を嫁がせ家の繋がりを強化する為で、あくまでも娘の幸せはついでと言われたらそれまでだが……。
そうは言ってもダンコーナ公爵家は2代前に姫が降嫁しているらしく、つまりはユディトの祖母が元王族なのだ。また、所属派閥の信条的にも、ダンコーナ公爵家は王家との親和性が高い。故に今更必要ない程に既にかなり王家との繋がりが強いので、おまけは王家とのパイプ作りの方だろう。歴史はあれど所詮古いだけの家宝という物品より、血を分けた我が子の方が大事か。幼くして親に売られた俺には分からない感覚だ。
そうこうしている内にユディトが帰ってきて当主の許可が下りたと言ったので、俺とユディトと何人かの令嬢で連れ立ってダンコーナ公爵邸内に足を踏み入れる。令嬢達が連れ立っているのは流石に男の俺と年頃の令嬢であるユディトが2人切りになるのは対面上よろしくないし、後はユディトが自分に有利な証言をする目撃者を沢山揃えたかったからだろう。
俺とユディトが立場的に敵対しているのは公然の事実に等しい。そんなユディトが彼女の邸宅内で起こった事件で俺を糾弾しても、状況的に俺が嵌められたと言い出す人間が少なからず出てくるかもしれない。世間が俺に同情的な今なら尚更だ。その点何人も俺の落ち度を指摘する人間が、それも高位貴族の令嬢の立場を伴って居たら、いくらその人間がユディトの陣営の人間とは言えそれだけで俺の旗色は一気に悪くなる事請け合いだ。
着々と俺を陥れる包囲網は狭まっているようだった。道中内装や調度品をそれとなく褒めつつ案内に従い歩いて行けば、あっという間にその家宝とやらが収められているらしい部屋の前までたどり着く。案内はこのままユディトが行うらしい。普通常識から言って家宝なのだから当主のダンコーナ公爵が案内しそうなものだが、これはユディトに同情を集め後々王太子妃にする為の布石か現れない。まあ、もしダンコーナ公爵家の悪巧みが露見した際に当主よりも令嬢の方が立場的に替えがきくので、より蜥蜴の尻尾切りしやすいようにかもしれないが……。それは考えすぎか。扉の前に立ったユディトが、クルリとこちらを振り向く。
「この扉を開けた先が、ダンコーナ公爵家の家宝を始めとした様々な至宝を収めた部屋になります。部屋の中にあるものはどれも貴重で我が家にとって大切なものばかりですので、どうか許可なくお手を触れないようにお願い致します。万が一壊してしまったら後々大変なのは勿論、中には泥棒避けの呪いがかけられていて危険なものもございますから。まあ、両家の子女である皆様が相手なら、変な心配をしろという方が無理なのでしょうけれどね」
オホホホホ……と上品な笑い声で令嬢達がさざめく。俺も鉄仮面なりに頑張って愛想笑いをしておいた。今のは俺の卑しい生まれをそれとなく皮肉った当て擦りか? この中で青い血が流れていないのは、俺だけだもんな。まあ、そんなのどうだっていい。今大事なのは、俺が間違いなく失態をおなせるかどうか、それだけだ。
さあ、いよいよ正念場だ。きっとこの扉の先に、俺を陥れる為の罠が仕掛けられている。ユディトは俺が嵌められたがっているとは知らない筈だから、頭のいい彼女が考えた渾身の罠が張られているのだろう。完璧な罠に、それにかかる気満々の獲物。これ以上の展開はない。必ずやこの企みは成功する筈だ。
周囲に気が付かれないよう軽く息を吸い込み、気合いを十分に入れ直す。決意を込めて、俺は令嬢達の歩みに黙って付き従うのだった。
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