トーリの幸せ家族計画

我利我利亡者

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「で、どうなんですか、バークレーさん。私の予想は当たっていますか?」
「いや、その、それは、うーん……」
 いや、意中の相手に会いに行ってたってのは合ってるんですよ。会いに行くのに気合いが入ってたのもそのせい。相手は女性じゃないけど。そして僕がサポート役ではなく大本命なだけで。でも、そんな事目の前のダグラス大公夫人は思いもしない。ついでに言うと世間的には当然異性愛が中心で、同性愛はまだまだ異端だ。近年理解が進み公言するカップルも多いが、公的な結婚はまだ無理、程度には法整備が追いついていない過渡期。僕の親世代である大公夫人が僕を息子の本命と思えないのは、仕方がない事なのかもしれない。
「私も馬鹿ではありませんから、分かっています。ただからかわれるのが恥ずかしいだけで、ダグラスが家族にも交際を隠している訳がないって。きっと道ならぬ恋なんでしょう? 御相手は誰なんです? 身分の低いお方? 敵国の工作員? ま、まさか、人妻とか!?」
「どれも違います。少し落ち着いてください、大公夫人」
 そこまで行って何故男が相手だと思わないんだ。いや、そもそも相手は女性だという大前提の元考えているから、埒外の男性が俎上に載るわけもないのか。これは良かったのだろうか……分からない。僕の専門は医療魔法で、こういうのは守備範囲外だ。誰か助けてくれ。
「そ、そうね……。私とした事が、取り乱してしまったわ。オホホ、ごめん遊ばせ。あ、でも、一応心当たりはあるのよ? その方なら色々説明も着きますし」
「心当たり……ですか?」
「ええ、そう! ……答え合わせ、してもいいかしら?」
 大公夫人は、僕がダグラスの意中の人を知っているという前提で話を進めている。きっと彼女の頭の中の答えと僕が知っていると思っている真実を照らし合わせたいのだろう。まあ、僕の知っている真実なんて一つもないので、ここで話されても一方的な答えの暴露にしかなり得ないのだけれど。
 本当は、僕はここで遠慮して何も聞かないのが人として一番誠実な道なのだろう。けれど、僕は知りたいと思ってしまった。ダグラスの意中の人、僕より奴に近しい家族にそうだろうと思われる程なら、きっと本当に本命であるでろう女性の事を。ここまでの振る舞いを見る限り、きっとダグラスはこのまま僕からフェードアウトして縁を切り、その本命とくっつく気だ。最後の餞別として相手を教えろと本人に迫る気はないが、新聞の一面でダグラスと奴の大本命との結婚を知るだなんて、それはちょっと嫌だった。あれだけ仲良くしたんだし、ここでフライングして知ってしまっても、バチは当たらないに違いない。そんな悪魔の声に、僕は耳を貸してしまった。
「……答え合わせですか? どうぞ、話してください」
「ああ、良かった! 流石はダグラスがお友達に選ぶだけあるわ、お優しいんですのね!」
「いえいえ、そんな事はありません」
「またまた、ご謙遜なさって!」
 いや、本当に優しくないよ。優しかったらこんな騙し討ちみたいな卑怯な手を使ってダグラスの本命を知ろうとしないし。でも、別に『何よ! この泥棒猫!』って本命さんに危害を加えようとかそんな意図はないから、許して欲しい。そもそも僕とダグラスは恋人として付き合ってすらいないんだから、そんな事主張する権利は元からないんだけどさ。
「さて、話を戻しますけど、先程私はダグラスは昔から色恋沙汰に対する興味が薄かった、と申し上げましたが……。それは私の勘違いではなかったのかと思いますの。と言いますのもどういう事かと言いますと、実はダグラスには幼い頃からこの人と決めた相手が居てその相手を思っているのが常態化していた為、傍目には異性に興味がないように映っていたのではないか……というのが私の立てた仮説です。その相手に対する操を立てていて、心に一人の決めた相手が居たのなら歳頃になってもその人以外に興味を示せないのも頷けます」
「成程」
「この『ダグラスが幼い頃に見初め、以来ずっと思い続けていた御相手』として思い当たる方が一人いらっしゃいます。その方は某国の王女で、我が家とも昔からの付き合いなんですのよ」
「ああ……。それが誰かは大体見当がつきます」
「あら、それは良かったわ!」
 自分のここまでの考えが当たっていたのだと思って笑う大公夫人。大方僕がダグラスが聞いていると大公夫人が思い込んでいる本命の話と、彼女がここまで話した本命像が合致したのだとでも考えているに違いない。現実はそれとは全く異なり、どこかの誰かによる親切なご注進の封筒によって僕が想像を立てているだけなのだが。しかし、恐らく思い浮かべる相手は同じ栗色の髪の女性なのだろう。
「その王女……ここではお嬢さん、とお呼びしましょう。そのお嬢さんはとても快活で利発的なとてもいい娘さんなんですけれど、なんというか、幼い頃からダグラス以上に異性との浮いた話のない子だったんです。男性とお話するよりは女友達と一緒に遊んでいたい、誰に求婚されてもタイプじゃないとバッサリ切り捨ててそれっきり。ダグラスは心に決めた相手が居るから興味がないように見えていただけでしょうけど、そのお嬢さんは本当に色恋に興味がなかったのね」
「だから、ダグラスも告白して気まずくなるよりは、友人として見守っている道を選んだと?」
「そう、その通り! 流石学者さんね。話が早くて助かるわぁ。そんなこんなで、ダグラスは胸中に思いを秘めたままお嬢さんと仲良くしていたのだと思うのだけれど……。ほら、あの子もなかなか立場ある身の上じゃない? 大公家のたった一人の子供ですもの。流石にいつまでも独り身では居られないわよね? きっとこの思いは叶わない。この際他に相手を作って諦めよう。破れかぶれになってそう考えたあの子は、手当たり次第に女性にモーションをかけ始めたのよ」
「それが、約一年前のやたら女性に声をかけていた時期の事だと」
「そうそう! けれど、ここで終わったらお話が盛り上がらないわ。今まで女っ気がなかったあの子が積極的にお相手を探すようになったのは、きっと某国にまで伝わってそれをお嬢さんも聞いた筈なのよ。そこでお嬢さんはチクリと胸に刺さる棘のような違和感を覚えて、この胸の違和感はなんだろうと考え……。そして気がつくの! そうか、自分はダグラスの事が好きだったんだ、って!」
 いや、急展開過ぎん? まあ、劇とかならよくある展開だけどさ。てか、大公夫人もお話が盛り上がらないって言っちゃってるし。気分としてはもう既に息子の恋愛関係を探っているというよりは、観劇している観客なのかもしれない。話の筋立てだって劇によくあるロマンチックなものだしな。僕も劇は好きな方だが、恋愛ものはさして見ないので合ってるかどうか保証はできないけどね。
「元々自分の考えに素直なお嬢さんは、気持ちに気がついた時点でダグラスに手紙を書くの。あなたの事が好きよ、っていう愛の手紙をね! 事実、お嬢さんから久しぶりに手紙が届いて交流が復活してから、ダグラスが浮名を流していたのがピタリと止んだわ。そして文通は続き愛情が深まり気持ちの通じあった二人は、久々に会う事になるのよ! でも、一国の大公子と王女が会うなんて、大事だわ。隣国だし友好関係にあるから物理的に会う事は簡単ですけれど、公に会うとなると大変です。あれこれ噂を立てられますし、色んな思惑の横槍が入るし、大騒ぎされる事は確定ですもの。そういう立場の人間だからある程度は仕方のないことですけれど、それでもやっぱり煩わしい事に違いはないわ。更に言えばお嬢さんの祖父であるあちらの国の前国王陛下はとても気難しい方で嫁入り前の高貴な身の上の女性が男性と会うだなんて、と言われかねません。これでは上手くいく物も行かなくなってしまう。そこで! バークレーさん、あなたの出番なのですよ!」
「はあ」
「新しくできた友達として、あなたは二人がこっそり会う為のアリバイ作りに協力したんですね! ああ、なんて友達思いなのかしら! そうして愛の深まった二人は、どんどん心を通わせていきます。先月ダグラスはお嬢さんのいる国に行ったわ。仕事がどうかとか言って無理やり理由を作って行ったみたいだけど、きっとお嬢さんに会いたかったのよ! 学会で一緒にその国を訪問したバークレーさんならご存知よね? あの子の滞在先の迎賓館にお嬢さんが訪ねてきた事も、もう調べがついてるんです。更に言えば、その前日にお嬢さんがご家族にいずれ紹介したい相手が居ると言った事も! 今まで浮いた話が一つもなかったお嬢さんがそんなことを言うなんて、時期的にそうとしか思えませんわ! きっと、あのタイミングで二人は結婚を決意したのね!」
「そこまで筒抜けなんですね……」
「まあ、私達のような立場の人間は、ある程度のプライベートの侵害は仕方のない事なのですよ。さっきの話は私の憶測も多分に入っておりますしね。お嬢さん側の情報はあちらの御家族からの伝聞ですし」
 まあ、誰と仲良くして誰と仲良くしないかで一つの店を潰したり家を没落させたりできちゃう身の上だもんな。仕方がないのはまあ分かる。それでもちょっと引くけど。……こんなんだから、ダグラスは母親には親しい人間が特に居ないように見えるよう振舞っているのではなかろうか。いや、これは僕の勝手で失礼な想像だな。これ以上は考えないようにしよう。
「なににせよ、結婚の約束をした二人の愛はもう止められません! ダグラスとお嬢さんには何か考えがあるらしく直ぐにはあちらの御家族に紹介をしなかったようなんですけれど、そしたらお嬢さんのお爺様が『挨拶も直ぐに来れんような相手には嫁にはやらん!』と言って反対したみたいです。そしたら、お嬢さんてばこの間我が国に渡航してきて我が家に泊めてくださいって言いに来たのよ! 愛の逃避行ね! 勿論、私は全て把握していましたから、快くお嬢さんの滞在を受けいれました。そして時を同じくしてダグラスがバークレーさんと遊びに行くのを止めて、お嬢さんと二人切りで過ごすようになりました。態々忍んで行かなくとも会えるようになったんだから、当たり前よね! これはもう、そういう事よね!? ね!?」
 実際のところはどうなのだろうか。大公夫人の話してくれた憶測混じりのラブロマンスは一見筋が通っている。以前ダグラスが僕に話した、昔僕に惚れて一途に思い続けていたという話もだ。一体どっちが本当なのだろう? いや待て、こういう考え方もある。という考えも。
 要はこういう事だ。実際ダグラスは幼い頃シンシア王女に恋をした。しかし、王女の気持ちがダグラスに向くとはその時は思えなかったのだろうな。気持ちを伝えて変にギクシャクするよりは何も伝えず良い友人のままで居る事を選んだダグラスは、その後僕と出会う。何だかんだ叶わぬ思いに疲れていたダグラスは、僕を相手に新しい恋を始める。僕が初恋だと言っていたのは、あれだ。ドラマチックな演出の為の脚色というやつだろう。そして順調に僕との関係を深めていったダグラスだったが、どこかしらでシンシア王女とコンタクトを取って告白された。なんだかんだ言って初恋の人で、僕とは違って高貴な身分の誰からも祝福される真っ当な女性の相手である。そこで焼けぼっくいに火がついたのだろうな。それで少し二股を続けていったら、本命がシンシア王女になった。いや、僕はただの友達だったから二股ではないか。んで、僕に騒がれないように完全に縁を切ってから家族や世間に公表しようとしたけど、王女がフライングしちゃって先方のお爺様を怒らせちゃたから、急遽予定変更で予定を前倒しにしてダグラスのところに来たと。本命の方が大事なのでそっちに入り浸ってついでに僕からは少しずつ距離を取ろうと思ってたのに、焦った僕が前回あんな交際申し込みをしかけて慌てたダグラスはそれを遮って……。あー、どうしよう。全部繋がってしまった。
「どうですか、バークレーさん。私の予想、当たっていますか?」
「あー、まあ……当たらずとも遠からず、みたいな? いい線いってるんじゃないですかね?」
「やっぱり!? そうですよね!? 良かったぁ、これで全然違って本当に人妻と不倫なんてしていたら、あの子をボコボコにしなくてはならない所でしたわ!」
「アハハハ」
 僕の適当こいた答えを真に受け、大公夫人はホッと胸を撫で下ろす。こっちはそれどころではない。何せ今しがた自分が本命から転落し、二番手になって切り捨てられた可能性が浮上したのだ。それも、かなり高い確率で。確かにダグラスとは駄目になりかけてる自覚があったが、他人からもうどうにもならないと知らされるのはまた別のダメージというものがある。ここまで来るともう、虚しい空笑いしか出てこなかった。
「あー、答え合わせができて胸のモヤモヤしたつかえが取れて、スッキリしましたわ! 最近ダグラスが陛下に会いに行っていたのも、きっと結婚の許可を取り付ける為ね。貴族の結婚には、国王陛下の許可が要りますもの。まったく、あの子ったら叔父に話しているのなら、私にも話したっていいのに! 酷いんですのよ、夫もダグラスも『あなたは勘違いで一人突っ走る所があるから、引っ掻き回されないようにある程度事が済んでからじゃないと何事も話したくない』って言って、私の事はいつも仲間外れにして! でも、今回はちゃんと話されなくても全部自分で調べあげたわ。私だってやる時はやるのよ! 変に隠すから、本当にとんでもない御相手との道ならぬ恋かと思ってヒヤヒヤしたじゃない。そういえば、そもそも人妻だったりしたらあんな事言うわけもないし、最初から落ち着いて考えればよかったのかもしれないわね」
「あんな事?」
「あらやだ、私ったら。口が滑ってしまったわ」
 オホホホホ、とすまし顔を作る大公夫人。僕に追求して欲しいのが見え見えの表情だ。話したくて堪らない話題なのだろう。もうここまで来たらやけだ。最後まで付き合ってやるか。そんな思いで、僕は大公夫人に先を促す。
「あんな事って、何です?」
「フフッ、バークレーさんも気になります?」
「ええ、是非聞きたいな」
「それなら、今日お付き合いいただいたお礼に、お話しましょう。他言無用、ここだけの話ですからね?」
「はい、それは勿論」
 ニヤニヤ笑いでやけに勿体ぶる大公夫人。ウキウキワクワクしていて、僕のシラケた態度に気がついた様子もない。その事にややゲンナリしつつも、ここを乗り越えれば開放されるだろう、という一縷の望みに賭けてニッコリ嘘の笑みを顔面に貼り付ける。どうせダグラスとシンシア王女との適当な惚気でも聞かされるんだろう。そう、タカを括っていたのだが。
「私ね、あんまりにもダグラスが隠し立てするものだから、最初はあの子に好い人が居るとは気がついてなかったんです。ですから、早く相手を見つけて身を固めて頂戴、孫の顔が見たいわ! なんて、かなり執拗くあの子に言ったんですけど、そしたらあの子、観念したんでしょうね。ウンザリした顔をしながらも『相手ならもう居る! 母上は婚姻届の証人欄にサインする準備だけしておいてくれたらいいから、もう黙っててくれ!』って言ったの! もうビックリよね! そこから急いで相手は誰なのか探ってさっき申し上げたような情報を集めて推論を立てたのよ。いやぁ、遂にこの時が来たのね! お相手は素敵な娘さんだし、御家族も気心知れた仲だから本当に安心だわぁ。あの子も照れずに早く私に教えてくれたら良かったのに……」
 大公夫人の言葉が虚しく耳を滑っていく。それは何も大公夫人の弁舌に僕がウンザリしているからじゃない。いや、多少はウンザリさせられているが、少なくとも今はそれが主体で彼女の話を聞き流しているのではなかった。僕が大公夫人の話をちゃんと聞いていない……いいや、聞けない理由。それは、大公夫人が今話したある事実にショックを受けたからだ。
 大公夫人によると、ダグラスは婚姻届の証人欄にサインする準備だけをしておけと自分の母親に行ったのだという。この国では同性同士は法的に結婚できない。それはつまり、ダグラスが結婚したいと思う程思っている相手は、女性だという事だ。これの意味するところは、完全に僕には芽がなくなったという事で……。
 僕はこれ程結婚を望んでいるのに、一度目は男性不妊のせいで失敗した。だから男性不妊を克服して、僕の事を好きだと言い寄ってくれたダグラスと交際前提……いつかは結婚するかもしれないという前提条件で友達にもなったのに。それなのに、あっという間にダグラスは心変わりして、他に好い相手を見つけてそっちと結婚秒読みなのだという。結婚したくて堪らない……家族が欲しいと言った僕に、それなら自分はどうだとアピールしておいて。
 確かに、先に僕の事を好きになってくれたのはダグラスだ。ダッキーの期間を除けば、最初僕はダグラスの事を嫌いな部類だったと思う。それでも僕のペースに合わせて歩み寄り、優しく接してくれて、愛情に満ち溢れた目でこちらを見るダグラスの事を、僕だって確かに好きになっていて……こんなにも愛しているのに……それなのに……。心が静かに凍りついていく。
 もう、楽しそうに話し続ける大公夫人の言葉は完全に頭の中に入ってこない。絶望でまともに頭が働かなかった。ただ、キュッと小さくて唇を噛み締める。一度目の婚約破棄の時も思った事だけれど、やっぱり本当に辛い時こそ涙は出なかった。
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