トーリの幸せ家族計画

我利我利亡者

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 ダグラスに気持ちを伝える場として、僕は自分の部屋を選んだ。最近のダグラスは忙しいと言って前より僕に割いてくれる時間が減り、ゆっくり雰囲気のいい店で食事をしながらお話を……という手が使えそうになかったから仕方がない。大丈夫。場所が自宅だろうが、前のボロ屋と違って、今はセキュリティの関係でかなりシッカリした作りのアパルトマンに住んでるから、飾りつければムードくらい出せる筈さ。
 雰囲気作りに食事も要るよね。それなら、料理はどうしよう。ケータリングでも頼もうか? あ、でも、前にダグラスが僕の手料理を食べてみたいって言ってたっけ。なんだかんだ一回も食べさせてあげてない。簡単なのしかできないし当然プロには敵わないけど、丁度いい機会だし何品か作ってあげよう。ダグラス、きっと喜ぶぞ。
 よし、だんだん計画が形になってきた。後は日時を決めてその日に向かって準備をして、決行するだけ。そして、僕の思いの丈を告白するんだ。大丈夫、僕ならできる。男性不妊を告げられた時も、もう駄目だと思ったけど諦めずに魔法を研究して、結果困難を克服しダグラスという素敵な相手との縁もできたんだ。今回も、きっと上手くいく。
 どこかで纏まった時間を作って僕の家でノンビリしない? とダグラスに持ちかければ、最近忙しくてトーリ君とゆっくりする時間が足りなかったから、是非お願いします! と色いい返事。トントン拍子に夜に僕の家で一緒の時間を過ごす事が決まる。この為に雰囲気の出そうなキャンドルやテーブルクロス、食器も新調した。メインディッシュはケータリングで、アペタイザーとかの何品かは僕が作ろう。勿論前もって料理の練習もしたから、結構上手に作れるようになった筈。当日の為に緊張で頭真っ白にならないようある程度は話す事を予め決めておいて……。やる事は盛り沢山だ。相変わらずあちこちから色んなお呼びがかかる仕事と並行しているし、結構忙しい。
 普段の仕事に並行してお家ディナーの準備をしていると、タスクに忙殺されて未だに届く封筒の不穏な中身や、回数も時間も減ったダグラスの来訪も気にならなくなる。嫌な事は全部頭の外に追い出して、ただひたすらに明るい未来を想像した。……そうする事でしか、やり過ごせなかったとも言える。そして、とうとうその時がやってきた。
「お邪魔します……え、何これ!? 凄い! トーリ君がやったの!? 今日なにかの記念日だっけ!? ごめん、私なんにも用意してない!」
「ハハハ、大丈夫。記念日とかじゃないから安心して。ただちょっと、特別な雰囲気にしたかっただけさ」
「そうなんだ……。でも、いきなりどうして?」
「それは、えーっとぉ……。あれだ! ほら、最近ダグラス疲れてるみたいだから、労わろうと思ってね」
「トーリ君、私の為に……!」
 先ず飾り付けられた室内を見て驚き、次に僕の言葉に感動しきった様子で目を潤ませるダグラス。一応今回のディナーにダグラスに対する慰労の意図があるのは本当の事ではあるので、嘘は言っていない。交際の申し込みの為の雰囲気作りもあるので、全てではないが。でも、できる事なら交際の申し込みはサプライズで言いたい。今しがた僕が用意したディナーに破顔した以上に、婚約の申し込みでダグラスを喜ばせたかったのだ。それこそ、以前交際前提の友人付き合いを僕から申し込んだ時みたいに。
「メインディッシュはケータリングだけどね、アペタイザーとか簡単なものは僕が用意したんだ。上手くできてるといいんだけど……」
「若しかして、私の為に?」
「勿論。前に僕の手料理食べたいって言ってくれてたから、良かれと思って」
「トーリ君……! 君の手料理が食べられるなんて、夢みたいだ! このまま天に召されてしまいそうなくらい嬉しい!」
「えー。折角作ったんだから、どうせなら食べてから召されて欲しいなぁ」
 そんな軽口と共に、最高の空気感でディナーは始まった。評判を調べて頑張って選んだケータリングのメインディッシュは勿論、僕の作ったアペタイザーも好評。ダグラスは僕の持て成しを余っ程気に入ってくれたらしく、舞い上がった様子で始終饒舌だ。ムーディーな蝋燭のほの灯りの下でも分かる程頬を赤く染め、喜びではにかむダグラスは惚れ惚れする程カッコイイ。……必ずや、彼との明るい未来を実現してみせよう。目の前の幸せな光景に、僕はそんな決意を固くする。そして、宴もたけなわ……。遂にその時がきた。
「ダグラス……。話したい事があるんだけど、いいかな?」
「なんだい、改まって。君の話ならなんだって、いくらでも聞くよ」
 酒も入って僕の持て成しにダグラスはニコニコと上機嫌だ。僕に向かってとっても大切な宝物でも眺めているみたいな目を向けて、最近忙しいと言ってずっとしんどそうだったのが嘘のよう。その片手は僕の手を握って離そうとしない。……よし、これならきっと上手くいく。こんな態度を取っておいて、僕に気がないなんて言わせないぞ。少し安心し多少は自信を持って、僕は話を始める。
「ダグラスはさ、本当に素敵な人だよね。頭が良くて努力家で、優しいしカッコイイしチャーミングだし」
「待って待って、何で私褒められてるの? 照れるなぁ。ディナーの事といいトーリにチヤホヤされて、夢みたい。こんなに特別扱いしてもらえるなんて、もしかして今日は私の命日?」
「もう! 茶化さないでよ。僕は本気で言ってるんだからさ」
「ごめん、つい。嬉しくて」
「兎に角ね。そんな素敵な人とご縁ができて、こうして友達付き合いができて、僕だってとぉーっても幸せなわけですよ」
「トーリ君……!」
 ダグラスがウットリと僕を見る目を細めた。握っている手とは反対の手を心臓の上に当て、夢みる乙女みたいな表情をしている。ちょっと小っ恥ずかしい台詞を言って照れくさかったけど、この顔が見れただけで十分言った甲斐があったというもの。でも、本番はこれからだ。覚悟しろよ、ダグラス。次の僕の言葉を聞いたら、お前はもうそんな風に余裕ぶっちゃ居られないぞ。
「でね? 僕としては幸せをこの程度で終わらせようという気はないし、なんならダグラスとも一緒に幸せになりたいんだ」
「うんうん」
「でもさ、今だけでも僕達の関係性って完璧とかは言い過ぎかもしれないけど、結構充実してて満ち足りたものじゃん? これ以上ってなかなか難しいなぁ……って思ったんだけど、一つだけあるんだ。今以上に、二人で幸せになれる方法」
「うん……うん?」
「きっと楽しい事ばっかじゃなくて、辛い事も増えるんだろうと思う。でも、お互い違ってる所も許容して受け入れ合えた僕とダグラスは一緒なら強くなれるから、どんな事でも絶対に乗り越えられると思うんだ。楽しい事も辛い事も全部半分こして、これからの人生を二人で一緒に生きて行けたらな……って思って……」
「……」
 と、そこで僕はおかしな事に気が付く。僕の予定ではここまで露骨な言葉を並べたら、賢いダグラスの事だから諸々察して赤面し、瞳を潤ませハワワッてなってる筈なんだけど……。どうしてそんな難しい顔をしているの? まるで、やらかしたとでも言いたげな……。顔色だって悪いし、冷や汗ダラダラで、目は泳いでる。え、なんで?
 あ、あれかな? あまりの感動で感極まっていっそ一周しちゃって失神直前! みたいな感じ? そうだよね? そうであってくれ。そうでなくちゃ、まるでダグラスが僕からの交際申し込みを察して負の反応をしているみたいじゃないか。そんな事ないって……信じてるん……だけど……。いや、まだだ。まだ焦るには早い。今日の大本命、告白の言葉をちゃんと告げるまでは決着が着いたとは言えない! 怖気付くな! 勇気を出して告白するんだ! 行け、トーリ! 男だろ!
「やっぱりこういうのってちゃんと言葉にしたいよね。折角の二人の門出なんだもん。ちょっと照れるけど……でも、二人の未来の為だ。どうか言わせて欲しい。ダグラス、僕と」
「ちょっと待った!」
 正式に付き合ってください。そう言おうとして、その前に言葉はダグラスの叫びに遮られる。その鋭さに、言葉を発しようと中途半端に口を開いた間抜けな状態で、僕はピタリと止まらざるを得なかった。ダグラスがギュッと顔を顰め、とても苦しそうな表情を作る。僕の手を握ってくれているダグラスの手が、さっきまでとても暖かかった筈なのに今はゾッとする程に冷たい。しかも、その手からは力が抜け、最終的には離れていってしまった。呆然とする僕の前でダグラスは離したその手を自分の額に当てる。もうこれで彼の表情は見えないが、それでも苦々しく唇を噛み締めているのは分かった。何で。どうして。ダグラスが深々とため息を着いた。かぶりを振って、ダグラスがモゴモゴと口を開く。
「えっと……その……何と言うか……。あれだ! それにしても今日の料理は美味しかった! 特に君の作ってくれたアペタイザーのガーリック風味の卵が乗った海老の料理が絶品! 良ければまた食べたいな。あれは何という名前なんだい?」
「え、ガーリックシュリンプのエッグベネディクトだけど……。って、いやいや、なんで急に料理の話? それよりも今は」
「ああ、ずっと座っていたから何だか体がこったな! トーリ君と話すのが楽し過ぎて時間が経つのはあっという間だったし、夢中になり過ぎたからだね! トーリ君もそうだろう? ちょっと体を動かそうか。これから散歩なんてどうだい? 今頃は夜風が気持ちのいい季節だよ。今晩は時間があるし、久しぶりにノンビリ散歩して過ごそうよ」
「散歩って……いきなり何? 折角部屋を飾り付けしたんだから、もう少しここに居ようよ」
 いや、話逸らすの下手過ぎか? 脈絡がなさ過ぎるし普段ダグラスの育ちの良さ故に絶対にやらない僕の話を途中で遮るという行為をしているせいで、かなり焦っているのが分かる。ペラペラよく回る弁舌も、空回りしている気がしてならない。て、ていうか、ちょっと待ってくれ。ダグラスは僕の話を逸らそうとしたり、遮ったりした。それも、僕の話の矛先がわかった途端に。まるで、その先は聞きたくないとでも言いたげな様子で。まさか、そんな……。
「いや、それよりも、僕からダグラスに話したいことがあるんだってば」
「そう? でもさ、折角ならもうちょっとこの時間を楽しまない? どうせなら私、もっと沢山トーリ君とたわいもない日常のありふれた話をしていたいな」
「なんで今更。それなら普段しているじゃん」
「今、この素敵な雰囲気の中だからこそ、日常の話もしてみたいと思わない?」
 訳が分からない。今のダグラスは言ってる事が支離滅裂で無茶苦茶だ。そのチグハグさに説明を付けられる筋の通った考えとして、一つだけ確かなのはどうやらダグラスが僕が交際を申し込もうとしているのを察して、どうにかこうにかあれこれ画策してそれを未然に防ごうとしているらしい事。悲しい事に、それだけだった。
「駄目だ、待って。このままじゃ埒が明かない。取り敢えず、ダグラスは僕の話したい事、察しついているよな? それを踏まえた上で、僕の話を聞きたくないと暗に言ってるんだよな?」
「察してないし、聞きたくなくなんかないよ! トーリ君とのお話はいつだって大歓迎さ」
 それは嘘だ。現に今、ダグラスは僕からの交際申し込みを何とか躱そうと躍起になっている。辛うじて浮かべた笑みもぎこちないし、視線は合わない。あまりにも不自然な事この上なかった。ぎこちないにも程がある。一応腹の探り合いだって多分に含まれているであろう公務に関わる人間なのに、こうまで簡単に感情が表に現れてしまう程動揺しやすくていいのだろうか? 居心地悪そうにモゾモゾしているのですら我慢しようと思えばできるだろうに、それすらしないなんて……。まあ、態度を取り繕えない程動揺しているだけかもしれないが。
 何にせよ、ここまで来れば明白だ。明らかにダグラスは僕の交際申し込みをそうと分かって言わせないようにしている。これは暗に拒絶されていると言い替えても過言ではないだろう。
 随分前の事を思い出す。いずれ交際に進む前提でお友達になった時の事を。あの時のダグラスは本当に見ものだった。顔を真っ赤にして喜びで目を潤ませて……なんならちょっと涙ぐんですらいたと思う。その後もダグラスの僕に対する執着や思いの熱量は傍から見ても明らかで、決して僕の自惚れでそういう風に勘違いして見てしまっているのではないと思って安心していた。けど……どうやらそれは僕の滑稽な虚栄心の生み出した幻想というやつだったらしい。
 僕はいつの間にか自分は選ばれる側でなく、選ぶ側だと思い上がっていたのだ。ダグラスと付き合うも付き合わないも、僕次第。決定権は全てこちらにある。そんな痛い思い込みをしていた。
 しかし、現実はどうだろう? ダグラスは僕が交際を持ちかけようとしたのを察して必死に話題を逸らし、居心地悪そうに落ち着きなく居住まいを質している。そこに、以前見た僕と交際する未来を夢見て頬を染める恋する男の姿はない。ただひたすらに、どうにかこの場を上手く切り抜けようと必死になっている事しか、今のダグラスからは伝わってこなかった。
 何通も届いた封筒の存在が頭を過ぎる。幼なじみの家族ぐるみで仲のいい王女。最近再接近している二人の距離。ダグラスの家に泊まっているらしいという彼女。様々な断片的思考は、最後にあの日見た栗色でウェーブのかかった長髪の美しい女性の後ろ姿で締めくくられる。
 久しぶりに懐かしい相手と会って、男の僕と比較してみてそっちの方が良くなった? それとも、思い出補正がかかってただけでいざ友達付き合いしてみたら僕はそんなに魅力的じゃなかったとか? 沢山嫌な態度をとったのが良くなかったのかも。友達付き合いだけで満足できちゃって、交際まではいいかなって思った可能性もある。交際申し込みすらさせて貰えないってことは、それが一番有り得るかもな。……やっぱり、僕じゃ無理だった?
 呆然として無表情でダグラスを見つめる僕に、奴は流石にこれ以上この空気で居続けるのは居た堪れないとでも思ったらしい。ゴホン、と大きく一つ態とらしい咳払いをして、椅子を引き立ち上がる。
「あー……。済まない、ちょっと今日は少し疲れてしまって……。最近の無理なスケジュールが祟ったのかな? 皿洗いをしたら、お暇しようかな……なんて……」
「……皿洗いはしなくていい。疲れたなら直ぐ帰れ」
「いや、もてなしてもらったんだから、それくらいは」
「僕がいいと言っている。お前の疲れを労う為にこの場を設けたのに、お前を働かせてちゃ本末転倒だ。いいから帰れ」
「でも」
「帰れ」
 僕がギッと睨みつけると、ダグラスはここで下手に反論する方が悪手だと察したらしい。モゴモゴとお礼を言って席を立ち、僕の方を気にしつつもノロノロと玄関に向かう。礼儀として見送るべきなんだろうが、とてもじゃないがそんな事できる気分じゃなかった。ただ、黙って俯き、テーブルの上の皿を見続ける。
「……それじゃあ、本当に今日はお招き頂きありがとう。とても素晴らしい時間を過ごせたよ。今直ぐは無理だけど、このお礼はいつか必ずするから。期待してくれたら嬉しいな」
「……」
「あの、その……。それじゃあ、また……」
 パタリ、と力なく扉が閉まった。扉の前でダグラスが立ち去るのを躊躇うような気配がしたが、やがて去っていく足音が聞こえてくる。僕はそれを聞くともなしに聞いて、深々と溜息をつき目を閉じた。ああ、本当に……最悪の気分だ。
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