2 / 2
王都への道中
しおりを挟む
「ララとルルは相変わらずだなあ。」
馬車に揺られながら、ルドおじさんが言った。
「ルドおじさんは久しぶりに会ったんだよね。」
「まあな、お前の村には3ヵ月に一度行けばいい方だよな。でもよ、アルト。お前、村のものを売りに行くときで良かったのか?しばらく手伝わされるぞ?だろ?」
ルドおじさんが、村から乗ってきたおじさん2人に声をかける。
「「おう!こきつかってやるよ!」」
…だそうだ。
「あー、まあ、一人で歩いて行くよりマシですよ。だって、王都までは馬車で10日でしょう?歩いて行ったら、途中で水も食料もなくなっちゃうよ。途中で食べ物が採れればいいけど、狩りはきっと難しいよ。一人では何をやるのも大変だもん。」
猟のために罠をしかけたとしても、行ったことがなければ道が分からないし、どんな魔物や動物がいるかも分からない。獲物がとれたとしても、さばいたり焼いたりしなきゃいけない。その間に魔物が襲ってくるかもしれないもん。
「いや、それをやってるのが冒険者だっての!」
「まだなってないもん!」
思わず敬語がなくなった。
「あーん?それじゃあ、ならない方がいいぞ?ひどいときだってあるんだからな。飯は食えねえ、体も洗えねえ、魔物には追い回されて傷だらけで追いつかれれば死ぬってときも…」
「まだ行かない!まずは王都でできることやるんだから!」
ルドおじさんが冒険者の話をしてくるけど、僕は王都とか王都の近場でしばらくはやっていくつもりなんだ。
「…甘いなあ。」
「すっげえあめえわ。」
「兄ちゃんに会ったらもう帰れ。」
「「それがいいな!」」
「帰らないよ!」
ルドおじさんと村のおじさんたちに言われてるけど、そういうわけにはいかないんだ。
「だって、ララとルルに成人のお祝いあげるんだもん。うちに仕送りだってしたいんだもん。」
「あー、それか。うーん。冒険者じゃない仕事もあるからな。なんかあるだろ。」
「そっかー、兄ちゃんだもんなあ。あー、王都なら、なんか仕事あるだろ。」
「そうだな。王都なんだから。」
ルドおじさんと村のおじさんたちの態度が、ちょっと優しくなった。なんか、複雑。僕はゴールを撫でて気を紛らわしていた。
馬車に揺られながら、ルドおじさんが言った。
「ルドおじさんは久しぶりに会ったんだよね。」
「まあな、お前の村には3ヵ月に一度行けばいい方だよな。でもよ、アルト。お前、村のものを売りに行くときで良かったのか?しばらく手伝わされるぞ?だろ?」
ルドおじさんが、村から乗ってきたおじさん2人に声をかける。
「「おう!こきつかってやるよ!」」
…だそうだ。
「あー、まあ、一人で歩いて行くよりマシですよ。だって、王都までは馬車で10日でしょう?歩いて行ったら、途中で水も食料もなくなっちゃうよ。途中で食べ物が採れればいいけど、狩りはきっと難しいよ。一人では何をやるのも大変だもん。」
猟のために罠をしかけたとしても、行ったことがなければ道が分からないし、どんな魔物や動物がいるかも分からない。獲物がとれたとしても、さばいたり焼いたりしなきゃいけない。その間に魔物が襲ってくるかもしれないもん。
「いや、それをやってるのが冒険者だっての!」
「まだなってないもん!」
思わず敬語がなくなった。
「あーん?それじゃあ、ならない方がいいぞ?ひどいときだってあるんだからな。飯は食えねえ、体も洗えねえ、魔物には追い回されて傷だらけで追いつかれれば死ぬってときも…」
「まだ行かない!まずは王都でできることやるんだから!」
ルドおじさんが冒険者の話をしてくるけど、僕は王都とか王都の近場でしばらくはやっていくつもりなんだ。
「…甘いなあ。」
「すっげえあめえわ。」
「兄ちゃんに会ったらもう帰れ。」
「「それがいいな!」」
「帰らないよ!」
ルドおじさんと村のおじさんたちに言われてるけど、そういうわけにはいかないんだ。
「だって、ララとルルに成人のお祝いあげるんだもん。うちに仕送りだってしたいんだもん。」
「あー、それか。うーん。冒険者じゃない仕事もあるからな。なんかあるだろ。」
「そっかー、兄ちゃんだもんなあ。あー、王都なら、なんか仕事あるだろ。」
「そうだな。王都なんだから。」
ルドおじさんと村のおじさんたちの態度が、ちょっと優しくなった。なんか、複雑。僕はゴールを撫でて気を紛らわしていた。
0
お気に入りに追加
6
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
選ばれたのはケモナーでした
竹端景
ファンタジー
魔法やスキルが当たり前に使われる世界。その世界でも異質な才能は神と同格であった。
この世で一番目にするものはなんだろうか?文字?人?動物?いや、それらを構成している『円』と『線』に気づいている人はどのくらいいるだろうか。
円と線の神から、彼が管理する星へと転生することになった一つの魂。記憶はないが、知識と、神に匹敵する一つの号を掲げて、世界を一つの言葉に染め上げる。
『みんなまとめてフルモッフ』
これは、ケモナーな神(見た目棒人間)と知識とかなり天然な少年の物語。
神と同格なケモナーが色んな人と仲良く、やりたいことをやっていくお話。
※ほぼ毎日、更新しています。ちらりとのぞいてみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる