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確認は大事なのでその2
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知らぬが仏という言葉もあるけど、知っておきたいこともあると思うの。
ゲームなら、ゲームの攻略対象の好感度や相性を教えてくれるのは当たり前だと思っていたわ。でも、ゲームなら当たり前でも、今は違和感がある。ほかの人と私が言っただけで、攻略対象のことを教えてくれるのは変なのだ。好きな人や両親や友達、私は入学初日だから先生や今日あった人が出てもおかしくないのに。
「……それを望んでいると思ったからですよ。あなたの望んだ人たちのものを示しました。」
私はジェシカ様をじっと見つめながら聞いていく。
「なるほど。相手に聞いてもいなくても相手が望んでいれば示せるんですね?でも、そもそもなんの説明もなしに好感度も相性も教えてくれましたよね。」
「え?」
「私、ここで好感度や相性が教えてもらえるという説明を受けていませんよ?聞いたこともありませんし。」
そう、神官が結婚や恋愛、交渉の相談を受けるということは国民ならみんな知っているでしょうね。その中でも好感度や相性は限られた神官しか分からないらしい。でも、聖女様が相談に乗ってくれるというのは、王族や限られた人しか知らないはず。
聖女様は王族や貴族からの依頼で好感度や相性なども含めた恋愛や交渉の相談を受けることもある。それは誰でも受け付けるわけではなく、教会の神官や大神官との話し合いで国にとって重要だと判断された場合に限られるわ。誰にでもやっていたら、国内外からも見てもらいたい人たちが押し寄せて、ほかの仕事なんてしていられなくなってしまうもの。
聖女には好感度や相性を見る力があるということと、相手の現在の状態や少し先の行動などが分かるみたい。聖女候補には特別にやってあげるというのも含めて説明があるはずだったのよね。その説明の後に、「何か知りたいことはありますか?」と聞かれるのがゲームの流れ。
「私はいきなり好感度を教えてほしいと頼みましたが、神官が相談に乗って下さるのは知っていても、聖女様が好感度や相性を教えて下さるなんて、私は聞いたこともありませんでしたよ?」
「それは…」
「この世界では…ですけどね?」
少し、いたずらっぽくジェシカ様を見ながら告げると、ジェシカ様の目が一瞬大きく開く。そして、小さくため息をつきながらつぶやいた。
「……やっぱり、転生者ね。」
「ふふ、ジェシカ様もそうでしょう?」
「…ええ。」
ジェシカ様はあっさりと肯定した。それにしても、ほかにも転生者がいたのね。しかも、ヒロインではなく聖女に転生とは…。このゲームでいうとモブってことになってしまうのかしら。
ゲームなら、ゲームの攻略対象の好感度や相性を教えてくれるのは当たり前だと思っていたわ。でも、ゲームなら当たり前でも、今は違和感がある。ほかの人と私が言っただけで、攻略対象のことを教えてくれるのは変なのだ。好きな人や両親や友達、私は入学初日だから先生や今日あった人が出てもおかしくないのに。
「……それを望んでいると思ったからですよ。あなたの望んだ人たちのものを示しました。」
私はジェシカ様をじっと見つめながら聞いていく。
「なるほど。相手に聞いてもいなくても相手が望んでいれば示せるんですね?でも、そもそもなんの説明もなしに好感度も相性も教えてくれましたよね。」
「え?」
「私、ここで好感度や相性が教えてもらえるという説明を受けていませんよ?聞いたこともありませんし。」
そう、神官が結婚や恋愛、交渉の相談を受けるということは国民ならみんな知っているでしょうね。その中でも好感度や相性は限られた神官しか分からないらしい。でも、聖女様が相談に乗ってくれるというのは、王族や限られた人しか知らないはず。
聖女様は王族や貴族からの依頼で好感度や相性なども含めた恋愛や交渉の相談を受けることもある。それは誰でも受け付けるわけではなく、教会の神官や大神官との話し合いで国にとって重要だと判断された場合に限られるわ。誰にでもやっていたら、国内外からも見てもらいたい人たちが押し寄せて、ほかの仕事なんてしていられなくなってしまうもの。
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「……やっぱり、転生者ね。」
「ふふ、ジェシカ様もそうでしょう?」
「…ええ。」
ジェシカ様はあっさりと肯定した。それにしても、ほかにも転生者がいたのね。しかも、ヒロインではなく聖女に転生とは…。このゲームでいうとモブってことになってしまうのかしら。
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