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聖女候補になりましたその4
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聖属性か光属性がある人が聖女候補になるけれど。私とアリアちゃんはまだステータスの検査を受けていないから、属性は基本的には分からないはずなのよね。
「お二人が選ばれた理由は…。女神さまからのお告げがあったからです。」
ジェシカ様がにこりと笑って教えてくれたけど…忘れてたよー!そうだ、女神さまがもう伝えてあるとかなんとか言ってたー!でもそういえばゲームでも確かお告げだったはずだよー!
「えええ!?め、女神様から…ですか…?」
アリアちゃんも、目が大きく見開いちゃってる。
「はい、女神様からのお告げで聖女や聖女候補が決まることはときどきあるのですよ。ただ、そのときは何か大きな出来事がある場合が多く、それに対応できるものが選ばれると考えられています。」
大きな出来事…。
私とアリアちゃんは顔を見合わせた。大きな出来事があるって……。
山でドラゴンと戦うくらいしかなかったんじゃない?あとは疫病だっけ?ほかはなんだっけ?オルフェ様?オルフェ様を女神さまにすごく勧められてるからあと浮かばないわ。
「まだ分かっている予兆はありません。それに、おそらく聖女になってからだと思います。焦らずに学んでいけば、おのずと力もついていくでしょう。」
ジェシカ様は落ち着いた声で淡々とおっしゃっているけど。聖女になったあとのことはどうだろう。聖女になったところでエンディングだし、後日談みたいなのもあるけど、事件みたいなのはなかったんじゃないかな。ジェシカ様以外の二人の聖女は40歳以上だったよね。私たちが聖女の間に起こることすべてを知ってるわけじゃないし。そこまで考えても仕方ないか。
「分かりました。」
アリアちゃんは真剣な顔になった。
「ノエルさんは?」
ロイド様が私に質問ないかと聞いてくれるけど。えーと、私は。
・質問はありません。
・お休みはいつですか?
・聖女候補は何をするのですか?
「聖女候補は何をするのですか?」
本当は質問はない。知ってるし。それに、この部分は…というか今日は、ゲームではチュートリアルのような部分で、あとのゲーム展開には大きな影響はしない。多少、好感度や相性、ヒロインの考え方には影響はあるんだけど。ただ、今はゲームではないので、やる気がないと思われるとあとで困るかもしれないと思って。
「聖女は、悪しき力や思念を寄せ付けない結界を張ったり、女神や精霊からの祝福が得られるように祈ったり、人や物、土地などの呪いや穢れの浄化、毒や麻痺や精神異常などの状態異常になった人の回復、病気や怪我の回復など多岐にわたります。」
ジェシカ様、うん、聖女はそうですね。
「そして聖女候補は、聖女のそういった術を使えるように修行したり、けがや病気を治療する薬を作ったり、魔石という魔法の力を蓄えられる石に力を込めて守護石を作れるようにします。」
「守護石というと、城にあるような…。」
国を守る守護石が王城にあるのだ。厳重保管されていて、公開されていない。
「そこまでのものは作りませんね。都市の門などにある物理攻撃軽減の守護石や、一般の人が教会で受けられる子供用の病気や怪我の軽減の守護石などです。この子供用のものはよく作ることになりますね。あなた達も持っていませんか?」
「持っています!」
「あります。」
アリアちゃんは元気よく答え、わたしも持っていると伝えた。子供用のお守りは、三センチくらいの楕円形の白や透明、薄紅色など何色かある石を選んで、その場で紐を通してもらい、ペンダントにしてもらうのだ。そのままペンダントとして身に着けるもよし、腕輪にするもよしだが、紐はお守りである石をなくさないように切れないよう魔法で加工をされるので切ることはできない。成人するまではマール王国では必ずみんな身に着けている。そっか、あれも聖女様たちが作っていたのね。
「魔石に力を込めるのは、魔法士もやることです。彼らは主に様々なことを便利に行うために、魔石に力を込めて魔法石にします。すぐに髪を乾かしたり、部屋の明かりをボタン一つですぐつけられるのも、魔法石のおかげですよね。聖女や聖女候補は守るためもの、あるいは誰かや何かを回復させるものが主な用途として、守護石を作ります。」
「なるほど、わかりました。ありがとうございます。」
ジェシカ様の説明で、そういえばそうだったと思った。この世界は、電気はないのよね。だから、特定の魔法をためていて使用可能回数が決まっている魔法石か、魔力だけためてあって、ある程度好きな用途に使える魔力石がある。あまりにも普通に生活していたから、忘れていたわよ。
ほかには質問は何もなかったので、「じゃあ、来週からよろしくお願いします。」というロイド様の言葉で終わり。
さて、教会に行きますか!
「お二人が選ばれた理由は…。女神さまからのお告げがあったからです。」
ジェシカ様がにこりと笑って教えてくれたけど…忘れてたよー!そうだ、女神さまがもう伝えてあるとかなんとか言ってたー!でもそういえばゲームでも確かお告げだったはずだよー!
「えええ!?め、女神様から…ですか…?」
アリアちゃんも、目が大きく見開いちゃってる。
「はい、女神様からのお告げで聖女や聖女候補が決まることはときどきあるのですよ。ただ、そのときは何か大きな出来事がある場合が多く、それに対応できるものが選ばれると考えられています。」
大きな出来事…。
私とアリアちゃんは顔を見合わせた。大きな出来事があるって……。
山でドラゴンと戦うくらいしかなかったんじゃない?あとは疫病だっけ?ほかはなんだっけ?オルフェ様?オルフェ様を女神さまにすごく勧められてるからあと浮かばないわ。
「まだ分かっている予兆はありません。それに、おそらく聖女になってからだと思います。焦らずに学んでいけば、おのずと力もついていくでしょう。」
ジェシカ様は落ち着いた声で淡々とおっしゃっているけど。聖女になったあとのことはどうだろう。聖女になったところでエンディングだし、後日談みたいなのもあるけど、事件みたいなのはなかったんじゃないかな。ジェシカ様以外の二人の聖女は40歳以上だったよね。私たちが聖女の間に起こることすべてを知ってるわけじゃないし。そこまで考えても仕方ないか。
「分かりました。」
アリアちゃんは真剣な顔になった。
「ノエルさんは?」
ロイド様が私に質問ないかと聞いてくれるけど。えーと、私は。
・質問はありません。
・お休みはいつですか?
・聖女候補は何をするのですか?
「聖女候補は何をするのですか?」
本当は質問はない。知ってるし。それに、この部分は…というか今日は、ゲームではチュートリアルのような部分で、あとのゲーム展開には大きな影響はしない。多少、好感度や相性、ヒロインの考え方には影響はあるんだけど。ただ、今はゲームではないので、やる気がないと思われるとあとで困るかもしれないと思って。
「聖女は、悪しき力や思念を寄せ付けない結界を張ったり、女神や精霊からの祝福が得られるように祈ったり、人や物、土地などの呪いや穢れの浄化、毒や麻痺や精神異常などの状態異常になった人の回復、病気や怪我の回復など多岐にわたります。」
ジェシカ様、うん、聖女はそうですね。
「そして聖女候補は、聖女のそういった術を使えるように修行したり、けがや病気を治療する薬を作ったり、魔石という魔法の力を蓄えられる石に力を込めて守護石を作れるようにします。」
「守護石というと、城にあるような…。」
国を守る守護石が王城にあるのだ。厳重保管されていて、公開されていない。
「そこまでのものは作りませんね。都市の門などにある物理攻撃軽減の守護石や、一般の人が教会で受けられる子供用の病気や怪我の軽減の守護石などです。この子供用のものはよく作ることになりますね。あなた達も持っていませんか?」
「持っています!」
「あります。」
アリアちゃんは元気よく答え、わたしも持っていると伝えた。子供用のお守りは、三センチくらいの楕円形の白や透明、薄紅色など何色かある石を選んで、その場で紐を通してもらい、ペンダントにしてもらうのだ。そのままペンダントとして身に着けるもよし、腕輪にするもよしだが、紐はお守りである石をなくさないように切れないよう魔法で加工をされるので切ることはできない。成人するまではマール王国では必ずみんな身に着けている。そっか、あれも聖女様たちが作っていたのね。
「魔石に力を込めるのは、魔法士もやることです。彼らは主に様々なことを便利に行うために、魔石に力を込めて魔法石にします。すぐに髪を乾かしたり、部屋の明かりをボタン一つですぐつけられるのも、魔法石のおかげですよね。聖女や聖女候補は守るためもの、あるいは誰かや何かを回復させるものが主な用途として、守護石を作ります。」
「なるほど、わかりました。ありがとうございます。」
ジェシカ様の説明で、そういえばそうだったと思った。この世界は、電気はないのよね。だから、特定の魔法をためていて使用可能回数が決まっている魔法石か、魔力だけためてあって、ある程度好きな用途に使える魔力石がある。あまりにも普通に生活していたから、忘れていたわよ。
ほかには質問は何もなかったので、「じゃあ、来週からよろしくお願いします。」というロイド様の言葉で終わり。
さて、教会に行きますか!
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