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入学式当日その4
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ゆかいな男子二人組とは別れてすぐに、一人で教養科の校舎に着いた。
玄関ホールの入り口の両脇には大きめの花瓶に色とりどり花が活けてある。
あ、「入学おめでとう」ってキレイな字で花瓶にリボンが…!
校舎前にも、「入学おめでとう!」とキレイに大きく書かれた立て看板があったのよね。
教室の場所と集合時間、講堂での式の時間も書いてあった。
同じ人の字だったりして。
懐中時計を確認すると、登校時間にはあと二十分ほど余裕があるわね。
当たり前かもしれないけれど、日本のように下駄箱はなかったわ!
外靴のままって楽なのよね。
校舎内は白が基調となっている内装で、床は茶色のタイル。
玄関ホールの真ん中辺りからの両サイドに階段があり、これで上級生の二年生は二階、三年生は三階に行くのね。
一年の私は左奥の方にあるはずの自分のクラスへ。
「そうなの!うちの商会の売れ筋の商品なの!気に入ったらよろしく!」
なんか、商魂たくましい声が聞こえてくるわ。
誰だか分かってしまうけど。
教室のドアは開いているので、そのまま入ってみる。
「あ、ノエル様、おはよう!さっきそう呼ばれてたよね?」
なんと!アリアちゃんに声をかけられた!
「ええ!?聞こえていたのですか!?」
まさか、教室までは聞こえないはずでは!?
「うん、玄関辺りの廊下にいたら聞こえてたよ。楽しそうだったね。名前を呼び合うなんて!どっちが好きな人?どっちも?」
「ち、違います!今日初めて会った方たちですわ!」
まさか、アリアちゃんが近くにいたなんて…。
しかもとんでもないことを言われているし!
でも、アリアちゃんとの出会いが教室なのはゲームと同じだけれど。
ノエルがアリアに、商売はよそでやってと注意するのが出会いじゃなかったっけ?商品の紹介だけじゃなくて販売もしようとしてたから、だった気がするけど。
「えー、でももう恋が始まってるかも知れない…」
「改めまして、私はノエルと申します。よろしくお願いいたします
。」
アリアちゃんの言葉に被せて自己紹介。
「あ、私はアリアです!よろしくね!タメ口でいいよ?」
「いえ、私はこれが普通ですので」
「ふーん?そうなの?まあいいや!ノエル様の話しやすいように話してね!で?誰か好きな人は!?」
グイグイ来るわね。
でも、何が好きかって聞かれることはあっても、誰が好きかって言うのは……。
あ、聞かれるわ。
でもそれは二人で部屋で話しているときやカフェか食堂でそういう話をすらことがあるのよね。
教室ではなく。
それで、好きな人が自分と違う人なら少し距離を置いてもらえるし、その人の居場所を教えてくれることもあるのよ!
もう、優しさに感動してたわ!
でも同じ人だったときには、「負けないから!」とライバル宣言みたいになる。その人とデートが楽しかっただの私の方が仲がいいとか、なんかそんな話になって張り合う方向に。
誰が好きかって質問は何回もあるのよね。
プレイヤーが聞くこともあれば、選ばなかったヒロインに聞かれることもある。
で、今は……。
「今は、おりませんわ。」
だって、攻略対象の二人にしか会ってないし。
他の攻略対象にも学校の他の生徒にも会ってないし。
前世の推しだったライル様も、女神様には私に合わないと断言され…。
女神様によろしくと言われたオルフェ様にもまだ会ってないからね。
それに、どういうテンションで会えばいいのよ!
「えー、そうなんだー?私はねー、ライル様!」
な、なんですってぇー!!
玄関ホールの入り口の両脇には大きめの花瓶に色とりどり花が活けてある。
あ、「入学おめでとう」ってキレイな字で花瓶にリボンが…!
校舎前にも、「入学おめでとう!」とキレイに大きく書かれた立て看板があったのよね。
教室の場所と集合時間、講堂での式の時間も書いてあった。
同じ人の字だったりして。
懐中時計を確認すると、登校時間にはあと二十分ほど余裕があるわね。
当たり前かもしれないけれど、日本のように下駄箱はなかったわ!
外靴のままって楽なのよね。
校舎内は白が基調となっている内装で、床は茶色のタイル。
玄関ホールの真ん中辺りからの両サイドに階段があり、これで上級生の二年生は二階、三年生は三階に行くのね。
一年の私は左奥の方にあるはずの自分のクラスへ。
「そうなの!うちの商会の売れ筋の商品なの!気に入ったらよろしく!」
なんか、商魂たくましい声が聞こえてくるわ。
誰だか分かってしまうけど。
教室のドアは開いているので、そのまま入ってみる。
「あ、ノエル様、おはよう!さっきそう呼ばれてたよね?」
なんと!アリアちゃんに声をかけられた!
「ええ!?聞こえていたのですか!?」
まさか、教室までは聞こえないはずでは!?
「うん、玄関辺りの廊下にいたら聞こえてたよ。楽しそうだったね。名前を呼び合うなんて!どっちが好きな人?どっちも?」
「ち、違います!今日初めて会った方たちですわ!」
まさか、アリアちゃんが近くにいたなんて…。
しかもとんでもないことを言われているし!
でも、アリアちゃんとの出会いが教室なのはゲームと同じだけれど。
ノエルがアリアに、商売はよそでやってと注意するのが出会いじゃなかったっけ?商品の紹介だけじゃなくて販売もしようとしてたから、だった気がするけど。
「えー、でももう恋が始まってるかも知れない…」
「改めまして、私はノエルと申します。よろしくお願いいたします
。」
アリアちゃんの言葉に被せて自己紹介。
「あ、私はアリアです!よろしくね!タメ口でいいよ?」
「いえ、私はこれが普通ですので」
「ふーん?そうなの?まあいいや!ノエル様の話しやすいように話してね!で?誰か好きな人は!?」
グイグイ来るわね。
でも、何が好きかって聞かれることはあっても、誰が好きかって言うのは……。
あ、聞かれるわ。
でもそれは二人で部屋で話しているときやカフェか食堂でそういう話をすらことがあるのよね。
教室ではなく。
それで、好きな人が自分と違う人なら少し距離を置いてもらえるし、その人の居場所を教えてくれることもあるのよ!
もう、優しさに感動してたわ!
でも同じ人だったときには、「負けないから!」とライバル宣言みたいになる。その人とデートが楽しかっただの私の方が仲がいいとか、なんかそんな話になって張り合う方向に。
誰が好きかって質問は何回もあるのよね。
プレイヤーが聞くこともあれば、選ばなかったヒロインに聞かれることもある。
で、今は……。
「今は、おりませんわ。」
だって、攻略対象の二人にしか会ってないし。
他の攻略対象にも学校の他の生徒にも会ってないし。
前世の推しだったライル様も、女神様には私に合わないと断言され…。
女神様によろしくと言われたオルフェ様にもまだ会ってないからね。
それに、どういうテンションで会えばいいのよ!
「えー、そうなんだー?私はねー、ライル様!」
な、なんですってぇー!!
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