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夢で女神様と(その2)
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※少しシリアスです。
前のお話よりはコメディです。
「それにしても、オルフェにひどくあたりすぎなのよ。」
……へ?
ため息つかれながらおっしゃられていますが、今度は何ですか?
「ライルはイイコよ。でもライルはもっとかわいくて心の優しい子か勝ち気で引っ張ってくれるお姉さんが合うの。」
「はぁー!?女神様ー!?」
なんでライル様のこと?
何の話が始まったの?
てかなんか早口になって勢いが増してきましたよ!?
「まったく、あなたは何を考えているの?せっかくオルフェが来てあげているというのに、おかしなことばかり言って!相性はこれ以上なく最高だし良縁なんだから、逃げてるんじゃないわよ!」
「ひぇぇー!口調がガラリと変わられていますよー!なんかすんごい怒られてるぅぅー!相性最高なのは知ってますけど、なんか違うことも言ってました?あ、聞きたくないからやっぱりいいです!」
女神様の勢いが怖くて、こちらも叫びながら返事をする。
あと聞き逃したのは聞かない方が良さそうだ。
何も聞き逃してない!
ちゃんと聞いてます!
大丈夫!
「でも、でも!オルフェ様じゃない他の攻略対象のファン人だっているでしょう!それにオルフェ様ファンはあのゲームで一番多いじゃないですか!ゲームの話なのに私が怒られるのは理不尽では……!」
「……どこが?」
「うわぁ!」
こ、怖い!
思わず大声で叫んでしまった。
女神様の低い声の迫力がすごすぎるよ!
「あなたは素直さが足りないわ。」
「そ、そうですか?だいぶ素直さには自信がありますが。」
またいきなり話が変わった?
ちょっとビクビクしながら返事をする。
「好きなもの、得意なものを素直にそうだということは得意よね。」
「はい。そうですよね?」
「相手の好意は、受け取れていた?」
「それは…。」
「断るクセがついていたわよね。それに何か相手にしてもらっても、裏があるっていつも思っていた。」
まあ、詐欺に気を付けてたし。
誰かに手伝ってもらったときや頼んだときも、見返りを要求してくるんじゃないかとかって思ってた。
「相手の好意は好意として、一旦受け取りなさい。相手に声をかけるというのも、勇気がいるものよ。」
「あ、確かに。あの人困ってるのかなって思っても、声かけたら迷惑かなとか断られたらやだなとか考えちゃうし。」
「なにかをしてもらったらありがとうと言えばいいのよ。相手が自分を手伝おうとしてくれたなら、まずは自分にそうやって声をかけてくれたことに、ありがとうと礼を言えばいいの。」
「あ、ああー。な、なるほど?それならできそうです。」
なんだか分からないけど、たぶん今まではやってなかったんだろう。
具体的にはちょっと浮かばなくて分からないけど。
寝ぼけてるのかな。
「いいのよ、一人で全てをやらなくても。」
優しく諭すような声がする。
一人で?
前には一人で……えーと。
「それは、もう終わったことだから。」
あ、私の言うことまた遮られた。
なんだかやっぱり前のことがうまく思い出せない。
もしかして、過去よりもこれからってことなのかな。
「もう過ぎたことも、あなたの糧になっているわ。」
かて……糧か。
「女神様……。そのときはそのときで、私も頑張ったってこと?ですよね。」
「ええ」
「!…良かった。ありがとうございます。」
自分を肯定してもらえたのが嬉しかった。
何をしていたか、あんまり思い出せないけれど。
また涙がじんわりと浮かんできた。
「いつでも見守っているわ。………オルフェをよろしく。」
……ん?
「……………え?ちょっと!なんでそこはブレないんですかあぁぁーー?今しんみりしてたじゃないですかぁー!」
ビックリして叫びながら勢いよく上半身を起こした。
ん?
あれ、もともと座ってなかったかな。
……ここ、ノエルの部屋だね。
さっき見たバラとか絵がある。
「私、ベッドで寝てたの?」
あれは夢?
コンコンとノックの音がする。
あ、まさか。
「お嬢様?どうかなさいましたか?」
あー、……またやってしまったのか。
===============
お読みいただき、ありがとうございます!
前のお話よりはコメディです。
「それにしても、オルフェにひどくあたりすぎなのよ。」
……へ?
ため息つかれながらおっしゃられていますが、今度は何ですか?
「ライルはイイコよ。でもライルはもっとかわいくて心の優しい子か勝ち気で引っ張ってくれるお姉さんが合うの。」
「はぁー!?女神様ー!?」
なんでライル様のこと?
何の話が始まったの?
てかなんか早口になって勢いが増してきましたよ!?
「まったく、あなたは何を考えているの?せっかくオルフェが来てあげているというのに、おかしなことばかり言って!相性はこれ以上なく最高だし良縁なんだから、逃げてるんじゃないわよ!」
「ひぇぇー!口調がガラリと変わられていますよー!なんかすんごい怒られてるぅぅー!相性最高なのは知ってますけど、なんか違うことも言ってました?あ、聞きたくないからやっぱりいいです!」
女神様の勢いが怖くて、こちらも叫びながら返事をする。
あと聞き逃したのは聞かない方が良さそうだ。
何も聞き逃してない!
ちゃんと聞いてます!
大丈夫!
「でも、でも!オルフェ様じゃない他の攻略対象のファン人だっているでしょう!それにオルフェ様ファンはあのゲームで一番多いじゃないですか!ゲームの話なのに私が怒られるのは理不尽では……!」
「……どこが?」
「うわぁ!」
こ、怖い!
思わず大声で叫んでしまった。
女神様の低い声の迫力がすごすぎるよ!
「あなたは素直さが足りないわ。」
「そ、そうですか?だいぶ素直さには自信がありますが。」
またいきなり話が変わった?
ちょっとビクビクしながら返事をする。
「好きなもの、得意なものを素直にそうだということは得意よね。」
「はい。そうですよね?」
「相手の好意は、受け取れていた?」
「それは…。」
「断るクセがついていたわよね。それに何か相手にしてもらっても、裏があるっていつも思っていた。」
まあ、詐欺に気を付けてたし。
誰かに手伝ってもらったときや頼んだときも、見返りを要求してくるんじゃないかとかって思ってた。
「相手の好意は好意として、一旦受け取りなさい。相手に声をかけるというのも、勇気がいるものよ。」
「あ、確かに。あの人困ってるのかなって思っても、声かけたら迷惑かなとか断られたらやだなとか考えちゃうし。」
「なにかをしてもらったらありがとうと言えばいいのよ。相手が自分を手伝おうとしてくれたなら、まずは自分にそうやって声をかけてくれたことに、ありがとうと礼を言えばいいの。」
「あ、ああー。な、なるほど?それならできそうです。」
なんだか分からないけど、たぶん今まではやってなかったんだろう。
具体的にはちょっと浮かばなくて分からないけど。
寝ぼけてるのかな。
「いいのよ、一人で全てをやらなくても。」
優しく諭すような声がする。
一人で?
前には一人で……えーと。
「それは、もう終わったことだから。」
あ、私の言うことまた遮られた。
なんだかやっぱり前のことがうまく思い出せない。
もしかして、過去よりもこれからってことなのかな。
「もう過ぎたことも、あなたの糧になっているわ。」
かて……糧か。
「女神様……。そのときはそのときで、私も頑張ったってこと?ですよね。」
「ええ」
「!…良かった。ありがとうございます。」
自分を肯定してもらえたのが嬉しかった。
何をしていたか、あんまり思い出せないけれど。
また涙がじんわりと浮かんできた。
「いつでも見守っているわ。………オルフェをよろしく。」
……ん?
「……………え?ちょっと!なんでそこはブレないんですかあぁぁーー?今しんみりしてたじゃないですかぁー!」
ビックリして叫びながら勢いよく上半身を起こした。
ん?
あれ、もともと座ってなかったかな。
……ここ、ノエルの部屋だね。
さっき見たバラとか絵がある。
「私、ベッドで寝てたの?」
あれは夢?
コンコンとノックの音がする。
あ、まさか。
「お嬢様?どうかなさいましたか?」
あー、……またやってしまったのか。
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お読みいただき、ありがとうございます!
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