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ペーター編

66話 マグ太君、出番です

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どうしよう、すっごい嬉しい。
私たちやっと仲良くおしゃべりできるのかな。

ペーターは髪をきあげた。

「すまないねマグ太君。キミの出番がなくなってしまった」
「イワイワ、平和が一番さ。オイラはこれを拾ったから持ち主に届けることにするよ」

マグ太様が黒っぽくて汚い何かを出して、べりべりとマジックテープをはがすと、ゼイツ准将じゅんしょうが反応した。

「おお、俺の財布! どこにあった?」
「ニワトリ小屋」
「なんでそんな所にあるんだよ」
「知るかよ。中身は空だけど、オイラは盗ってないぞ」
「そうか。前に失くしたんだが、アホン決済ばっか使ってたから忘れてた」

ゼイツ准将とマグ太様。
彼らのごくごく自然なやりとりも、私はきゅんきゅんしながら見守っていた。
バトルするなんて言ってたけど冗談だったんだ!

「受け取っとく。ありがとな」
「ほらよ」

財布が投げられた。弧を描いて、まるで友好の懸け橋のようにこっちへ飛んでくる。
私は前へ進みでて、みなさんに呼びかけた。

「あのっ、これから四人でお茶でもしませんか♪ 私のど乾いちゃって……」

この時、多くの事が同時に起こった。
マグ太様がお財布を放る。ゼイツ准将が受け取ろうと腕を伸ばす。ペーターが手をかざす。くしゃみをする。マグ太様とペーターの声がハモる。

「あのっ、これから四人でお茶でもしませんか♪ 私のど乾いちゃって……」
「ハックシュン!【ストローク】」
「ほらよ。くらえ【ホットスポットォ】!!」
ビカビカッ!!
ボンッッッ!!! 
ドッカン!!!


★ ★ ★

「――……ムカつく」

目を覚ましたゼイツは、瞬時に寝返りを打って飛びのいた。マグマの中にマグ太が立っていた。
 
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