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ペーター編
63話 フェルリナ、69の刑にあう
しおりを挟む「イワイワ……あれで終わりなのかな?」
「今のナシ。たぶん脇腹庇ったせいだ。…………ハッ ハックシュン!」
コケッ バサバサッ ケケケーッ
塔の裏側のニワトリ小屋が騒がしくなり、二人はそっちに食いついた。
「ニワトリ小屋だ!」
「見に行こう!」
彼らが行ってしまうと、ゼイツ准将が私の元へ滑ってきた。もう裸足ではなく、靴を履いていた。
「気がついたんだな、大丈夫か?」
「ゼイツ准将こそ、火傷大丈夫なのですか?」
肌に血が掠れている。焼けこげた服の下はどうなっているのだろう。
こんな時、癒しの能力を有するプリシラお姉様がいてくれたらいいのに。
何かできることないかなってあせあせしている私を前に、彼は霰を齧って水分補給していた。
「あとで赤青緑の薬風呂につかるから平気だ」
「赤青緑……、ってあの荒治療薬のことですか? あれのお風呂があるんですか?」
「三つ並んでるのを順番につかるのがめんどうだけどな。全部まとめてくれりゃあいいのによ」
「…………」
「フェルリナも一風呂どうだ? なんてな」
色々言葉を失った。
ゼイツ准将、私のこと責めないんだ……。
「五回雷受けたらそれでチャラだ」って言ってたの、五回って、数えてみたら救命の数だった。
浮気(でもなんでもないのに)の罰を、一人で受けようとしたんですよね……?
申し訳なさが突き上げて、私は頭をさげた。
「ジョニーの事、言わなくてすみませんでした」
「イヤ、分かってたからいい」
「へ?」
顔をあげると、彼はあごひげをいじりながら斜め上を向いていた。
「え? 分かってたんですか? いつから?」
「まあわりと初期の段階だな」
「ジョニーが、私のペットって?」
「ジョンっていただろ? 野球帽被ってるおっさん」
「あ、はい」
「そのジョンも昔、提督っつーミミズク飼って可愛がってたんだよ。今でも寂しそうにしてるから、フェルリナもそんなところだろうと検討がついた」
……。
「え。動物だって分かってたんですか?」
「アア。だからもう何も言うな。それより今後の作戦を……」
「えぇっ?」
私はキツネにつままれたようだった。
「じゃどうしてペーターの事ジョニーって呼んでたんですか?」
「それは…………だから……」
「俺の本気を見せればジョニーも私に優し」
「!///」
突然のタックル、腰回りを抱えられ足が浮いた。
「フグッ!?!?」
ぐるんと逆さまにされ、天地がひっくり返る。私はゼイツ准将に太腿を抱えられ、吊るされていた。髪の毛が頭上へ垂れ、目の前には彼の股があった。
「陸軍名物シックスナインの刑だ」
ゼイツ准将はそう言うなり、私の腰骨を激しくまさぐって、ポケットに手を潜りこませてきた。
「ピギッ! ピギイイッ!」
「じっとしてろ!」
「くすぐったいやめてぇっっ」
ポケットに何か入れられたような気がしたがすぐに忘れてしまった。腹筋を使って上半身を起こそうと暴れた拍子に、股間のふくらみに顔がフィットした。
「最悪!」
「最悪っていうな」
「下ろしてくださいぃ!」
「これより作戦会議を始める」
「ひぃっ ひぃっ ひぃっ」
「何首振ってんだ」
「コカンから顔をそむけてるんですッ!」
ゼイツ准将が一瞬ふきだした。
「真実から顔をそむけるな、コカンと向き合え! いいか、」
「笑ってませんかっ??」
つづくw
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