おちゆく先に

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121話

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 猛毒の領域が発動されたが集落に住んでいた大半の亜人に比べると今対峙している六人に対しては効果が鈍いようだ。
本来猛毒を浴びた一般人はほぼ即死する。
だがエリックは幹部でありエルフ族で最強だと思われるのでハヌマエンやカイチガ同様に効果がでるまで時間が掛かると予想ができていた。
だがエリックが連れている五人は予想外だった。
集落で反抗してきた亜人は耐えているものの猛毒の影響が目に見えて分かるほどだった。
しかし目の前にいる五人は違和感を感じてはいるようだがまだまだ戦闘に支障が無い程度に収まっているようだった。
それも時間の問題なのは変わりないが…。

「貴様…冗談だとしたら笑えない冗談だな」
「冗談か…ま、そう思うならそれでいいさ。で?そこで殺気立ってるだけの五人はどうだ?俺が犯人だとしたらその握り込んだ拳をどうしたいんだ?」

それが戦闘開始の合図となった。
なんとも煽り耐性のない連中である。
雄叫びを上げながら五人はジグレイド目掛けて突撃してきた。
それは1対6の有利を棄てるようなただの突撃だった。

最初の攻撃は飛び上がったエルフの弓矢だった。
ただの弓矢ではなく、魔法が付加された弓矢を流石はエルフと思えるような速射で放ってきた。
ほとんど同時に射られた四本の矢がジグレイドの着た鎧の隙間を正確に眉間、喉、腹、脚を狙って放たれていた。

その弓矢に続いて三人の大槌を持ったドワーフが別々の方向から潜り込むようにジグレイドの足元へと突撃してきていた。

ジグレイドは横に移動する事で弓矢を回避し、そのままドワーフと弓矢を放ってきたエルフが直線上になるように位置どりをした。
続け様に低空から振り上げられる大槌は強化された身体能力で無理矢理盾で反らし、すぐ様短槍を振り抜く。

とりあえず一人目。

流石は精鋭といったところか。
仲間の一人があっさりやられたのにも関わらず一変の躊躇なく振り上げた大槌を振り下ろす。
先程と同様に対処したかったが、横から迫るもう一人のドワーフがすでに大槌を振りかぶっていたので後方へと飛び退く。
だが飛び退いた先へと弓矢が殺到する。
その本数約十数本。

チラッと確認してみると先程のエルフだけでなくエリック迄もが弓矢を射っていた。
もちろん射られた弓矢の全てには魔法が付加されている。
鎧の上からならばまだしも生身で浴びるのだけは何としてでも避けなければならない。
ジグレイドは仕方なく更に後方へと飛び退き、またしてもドワーフを盾として弓矢を防ぐ事にした。

しかしここで今まで何もしていなかったかに思えた最期のエルフから恐ろしいほどの魔力の迸りが生じた。
ジグレイドが気づいた時には敵はすでに退避しており、その強大な魔法はジグレイドに直撃した。
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