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114話
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名も無き村に拠点を置いたジグレイドは先ず浅層の探索を開始した。
まだ浅層という事で森の中にはシャルドゥーンに跨り短時間で広範囲の探索を行う事にした。
「うーん、西側でもそうだったけど本当に浅層だと魔物は何も出てこないな…。まぁお陰で食料は簡単に集まるから良いけど。西側と然程変わらないなら明日からは中層を目指そうかな…」
その日は浅層を適当に探索しただけで終わった。
持ち帰った食料は村の住人に喜ばれて宴会となったが、ほどほどに参加してから貸し出されたぼろ家に戻り就寝した。
翌日、早朝から深緑の森の中層へと出発した。
今回は中層域の範囲の特定を行う予定だ。
西側と同じであれば中層から魔物が増え始めるため、シャルドゥーンを連れては行かない方がいいだろう。
だが今回はあえてシャルドゥーンを連れて行く事にした。
単に徒歩で探索するのがめんどくさかったというのもあるだろうが、やはり早めに深層の探索に移りたいというのもあるのだろう。
シャルドゥーンに乗って探索したお陰で数日で中層を大凡把握できた。
西側にはアリや蟷螂などといった昆虫系の魔物が多く生息していた。
だが現在探索している東側には蛇や蜥蜴などといった爬虫類系の魔物が多く生息しているようだった。
何にしても中層にいる魔物をジグレイドは馬上からでも簡単に倒せるのは驚きだった。
それといくつか魔物の集落を発見したが殲滅する必要は特に感じなかったので今回はスルーすることにした。
まぁ集落の場所は把握しているのでいつでも殲滅することはできるのだが。
そして探索を終えたジグレイドは村へと戻り深緑の森で得た食料を村人にも渡してお返しに野菜などを貰うといったまるで村の狩人かのような生活を連日していた。
中層も大凡把握できたジグレイドは本命の深層へ行く準備をしていた。
準備といっても保存食や調味料、水などといった食料を調達して背嚢に入れるだけなのだが。
「おや?ジグレイドくん、そんなに買うってことは泊まり込みで探索でもするのかい?」
「ええ、日帰りだとどうしても浅いとこまでしかいけませんから。何日かかけて探索するつもりです」
「気をつけてね、あんたのお陰でお肉に困らなくなったんだからね」
「深緑の森は浅くても危険ですからね、まだそんなに長い事は探索するつもりはありませんので安心してください」
「あまり遅くならないようにね。あんたの事気に入ってる娘も沢山いるんだからここに永住してもいいんだよ?」
「はは、皆さんには申し訳ないですけどそのつもりはありませんよ。ありがたいですけどね。では…」
いつも野菜をくれるおばさんとそんなやり取りをしつつ、買い物を終えたジグレイドは翌日の朝から深緑の森へと出かけていった。
まだ浅層という事で森の中にはシャルドゥーンに跨り短時間で広範囲の探索を行う事にした。
「うーん、西側でもそうだったけど本当に浅層だと魔物は何も出てこないな…。まぁお陰で食料は簡単に集まるから良いけど。西側と然程変わらないなら明日からは中層を目指そうかな…」
その日は浅層を適当に探索しただけで終わった。
持ち帰った食料は村の住人に喜ばれて宴会となったが、ほどほどに参加してから貸し出されたぼろ家に戻り就寝した。
翌日、早朝から深緑の森の中層へと出発した。
今回は中層域の範囲の特定を行う予定だ。
西側と同じであれば中層から魔物が増え始めるため、シャルドゥーンを連れては行かない方がいいだろう。
だが今回はあえてシャルドゥーンを連れて行く事にした。
単に徒歩で探索するのがめんどくさかったというのもあるだろうが、やはり早めに深層の探索に移りたいというのもあるのだろう。
シャルドゥーンに乗って探索したお陰で数日で中層を大凡把握できた。
西側にはアリや蟷螂などといった昆虫系の魔物が多く生息していた。
だが現在探索している東側には蛇や蜥蜴などといった爬虫類系の魔物が多く生息しているようだった。
何にしても中層にいる魔物をジグレイドは馬上からでも簡単に倒せるのは驚きだった。
それといくつか魔物の集落を発見したが殲滅する必要は特に感じなかったので今回はスルーすることにした。
まぁ集落の場所は把握しているのでいつでも殲滅することはできるのだが。
そして探索を終えたジグレイドは村へと戻り深緑の森で得た食料を村人にも渡してお返しに野菜などを貰うといったまるで村の狩人かのような生活を連日していた。
中層も大凡把握できたジグレイドは本命の深層へ行く準備をしていた。
準備といっても保存食や調味料、水などといった食料を調達して背嚢に入れるだけなのだが。
「おや?ジグレイドくん、そんなに買うってことは泊まり込みで探索でもするのかい?」
「ええ、日帰りだとどうしても浅いとこまでしかいけませんから。何日かかけて探索するつもりです」
「気をつけてね、あんたのお陰でお肉に困らなくなったんだからね」
「深緑の森は浅くても危険ですからね、まだそんなに長い事は探索するつもりはありませんので安心してください」
「あまり遅くならないようにね。あんたの事気に入ってる娘も沢山いるんだからここに永住してもいいんだよ?」
「はは、皆さんには申し訳ないですけどそのつもりはありませんよ。ありがたいですけどね。では…」
いつも野菜をくれるおばさんとそんなやり取りをしつつ、買い物を終えたジグレイドは翌日の朝から深緑の森へと出かけていった。
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