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37話
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バルクド帝国軍が撤退を開始した日 深緑の森 某所にて
薄暗い部屋に置かれた八角形のテーブルを8人が囲って座っていた。
「それでは各自の報告を聞こうか」
ひと際豪華な椅子に座って偉そうにしている男が言う
「では儂からいこうかの」
そう言ったのは白銀の髪をした猿人と呼ばれる獣人族であった。
「ハヌマエンか、お前はドワーフ部隊とバルクド軍本陣での同胞救出が任務だったな」
「うむ、儂らはガガルド殿が率いるドワーフ部隊と共に魔法で地中から侵入し目標の小屋に着いた。はじめは計画通り進んでおったのだが・・・途中でログ・ハイローが現れた。だが幸いにも交戦にはならなかった。」
「ちょっと待つのじゃ!交戦にはならなかったと言ったが、どうやって儂を取り戻してくれたんじゃ?」
「それはだな、ログ・ハイロー殿が眠いからと儂らを見逃して帰っていったのだ・・・結果だけ見れば儂らの目的は完遂できたのだが、運よく見逃されたことによるのが否めないな」
複雑な感情を隠せず苦い顔になるハヌマエン
「なるほど・・・もともとログ・ハイローは奴隷に否定的だったらしいからな。我が集めさせた情報には奴隷は皇帝の指示によるものだと出ているが、止めなかった時点で同罪だ」
「次は私がいくねえー 私が率いた竜人族部隊はエルフ族部隊と手分けしてフェイシル側で湿地帯にいる傭兵を殺していったよおー もちろん私の部隊は一人残らず殲滅しておいたけどねえー そうそう、エルフ族部隊が逃がした傭兵も尻拭いはばっちりだよおー」
「次は私が報告します」
「ククルカか、任務はイルル、エリックと共にフェイシル側での傭兵殲滅だったな」
「はい、私たちエルフ族部隊は広大な湿地帯側をイルル様にお任せして森林側の傭兵を殲滅いたしました。特にこれといった出来事もなく殲滅しましたので、もちろんこちらの部隊では漏らしなどありません」
「お主らは儂を責めておるのかの?確かに儂が率いた部隊は傭兵をうち漏らしたが、それは予想外に強力な人族がおったからじゃしの。ログ・ハイローに情けを掛けられたことよりはマシじゃと思うがの」
飄々とした態度で言い訳をするエリックに堪らず笑いながら罵倒するのはもちろん
「ぎゃははは、でも負けたんだろ?だっせえええ!俺様なら余裕で勝てたぜ、ぎゃはははは!」
当然この男だ
「カイチガ・・・少し黙れ、今は報告会の時間だ。罵倒するのなら後でにしろ!」少しイライラしながら注意する偉そうな男
「リーダー様に感謝するんだな」ニヤニヤしながらエリックに言うカイチガ
「儂らドワーフ族部隊はハヌマエン殿と報告は同じじゃから省略させてもらうのじゃ」
「では最後は我だな。我はバルクド帝国の情報を集めていた。集めた情報を元に次の作戦はバルクドの補給路を完全に断つつもりだ。情報をまとめたのがこれだ。それと次の作戦内容と各自任務はこれに書いてある、各々読んでおけ。第一の復讐はもうすぐだ・・・貴様らくれぐれもぬかるなよ」
不敵な笑みを浮かべながら退出していったのはヤズメ・ガルグイユであり、
この亜人解放組織【クォムボーラ】のリーダーであった。
クォムボーラはヤズメが立ち上げた組織であり、今のところ竜人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族が所属している。
幹部は上記の4種族から2名ずつ計8名が選ばれており、各部隊を幹部が率いている。
現在の所属人数は2000名を超えているが、ほとんどが非戦闘員である。
主な目的は人族に捕らえられた同胞の救出、亜人を虐げている人族または国への報復であると言われている。
薄暗い部屋に置かれた八角形のテーブルを8人が囲って座っていた。
「それでは各自の報告を聞こうか」
ひと際豪華な椅子に座って偉そうにしている男が言う
「では儂からいこうかの」
そう言ったのは白銀の髪をした猿人と呼ばれる獣人族であった。
「ハヌマエンか、お前はドワーフ部隊とバルクド軍本陣での同胞救出が任務だったな」
「うむ、儂らはガガルド殿が率いるドワーフ部隊と共に魔法で地中から侵入し目標の小屋に着いた。はじめは計画通り進んでおったのだが・・・途中でログ・ハイローが現れた。だが幸いにも交戦にはならなかった。」
「ちょっと待つのじゃ!交戦にはならなかったと言ったが、どうやって儂を取り戻してくれたんじゃ?」
「それはだな、ログ・ハイロー殿が眠いからと儂らを見逃して帰っていったのだ・・・結果だけ見れば儂らの目的は完遂できたのだが、運よく見逃されたことによるのが否めないな」
複雑な感情を隠せず苦い顔になるハヌマエン
「なるほど・・・もともとログ・ハイローは奴隷に否定的だったらしいからな。我が集めさせた情報には奴隷は皇帝の指示によるものだと出ているが、止めなかった時点で同罪だ」
「次は私がいくねえー 私が率いた竜人族部隊はエルフ族部隊と手分けしてフェイシル側で湿地帯にいる傭兵を殺していったよおー もちろん私の部隊は一人残らず殲滅しておいたけどねえー そうそう、エルフ族部隊が逃がした傭兵も尻拭いはばっちりだよおー」
「次は私が報告します」
「ククルカか、任務はイルル、エリックと共にフェイシル側での傭兵殲滅だったな」
「はい、私たちエルフ族部隊は広大な湿地帯側をイルル様にお任せして森林側の傭兵を殲滅いたしました。特にこれといった出来事もなく殲滅しましたので、もちろんこちらの部隊では漏らしなどありません」
「お主らは儂を責めておるのかの?確かに儂が率いた部隊は傭兵をうち漏らしたが、それは予想外に強力な人族がおったからじゃしの。ログ・ハイローに情けを掛けられたことよりはマシじゃと思うがの」
飄々とした態度で言い訳をするエリックに堪らず笑いながら罵倒するのはもちろん
「ぎゃははは、でも負けたんだろ?だっせえええ!俺様なら余裕で勝てたぜ、ぎゃはははは!」
当然この男だ
「カイチガ・・・少し黙れ、今は報告会の時間だ。罵倒するのなら後でにしろ!」少しイライラしながら注意する偉そうな男
「リーダー様に感謝するんだな」ニヤニヤしながらエリックに言うカイチガ
「儂らドワーフ族部隊はハヌマエン殿と報告は同じじゃから省略させてもらうのじゃ」
「では最後は我だな。我はバルクド帝国の情報を集めていた。集めた情報を元に次の作戦はバルクドの補給路を完全に断つつもりだ。情報をまとめたのがこれだ。それと次の作戦内容と各自任務はこれに書いてある、各々読んでおけ。第一の復讐はもうすぐだ・・・貴様らくれぐれもぬかるなよ」
不敵な笑みを浮かべながら退出していったのはヤズメ・ガルグイユであり、
この亜人解放組織【クォムボーラ】のリーダーであった。
クォムボーラはヤズメが立ち上げた組織であり、今のところ竜人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族が所属している。
幹部は上記の4種族から2名ずつ計8名が選ばれており、各部隊を幹部が率いている。
現在の所属人数は2000名を超えているが、ほとんどが非戦闘員である。
主な目的は人族に捕らえられた同胞の救出、亜人を虐げている人族または国への報復であると言われている。
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