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27話
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4人がテントに入るとジグレイドはベッドにもたれかかって座っていた。
「失礼するよ・・・早速だが夜中で歩いていたそうじゃないか、どこに行っていたんだい?」
テントに入るなりいきなり質問を投げかけたのはオウルーゼルであった。
「・・・どこでもいいだろ?というかどちら様で?」
ジグレイドは一瞥してから不快な顔を隠そうともせずに聞いた。
「ふむ、これは申し訳なかった。私はオウルーゼル・ノストフェレスというここら一帯を領地とする貴族だよ。貴殿はジグレイド殿であっているね?」
オウルーゼルはとりあえず事情は何も聴かず名乗りだけをして様子を見てみることにした。
「そうか、あなたが公爵閣下か・・・」
ジグレイドは再びオウルーゼルを一瞥してからそう言うと、なにも言わなくなった。見かねたリーリャが話に割り込んできた。
「ジグレイド君、あんな状態なのになんで動いたの?お姉さん心配したのだけど!」
リーリャはオウルーゼルに目配せを送りジグレイドに話しかけたが、
「リーリャさん、すいませんでした・・・」
謝ってくるだけで訳は話してもらえなかった。
「とりあえず今の状態を見るからじっとしててね」
そう言うとリーリャは“アナライズ”と言い診断して絶句した。
「えっ・・・!?」
絶句したリーリャにモルドが話しかけた。
「どうした?完治でもしていたのか?」
モルドはジグレイドが普通に歩き回っていたという報告からだいぶ回復したのだろうと思っていた。
「ど、どうしたもないわよ!ジグレイド君なんで普通に起きていられるのかしら?普通この状態なら痛みで起きることもまして歩くこともできないと思うのだけれど・・・」
リーリャの発言にジグレイド以外は息をのんだ。
「どうして・・・ですか?なんででしょうね、無理やり動かしたら動けました。」
ジグレイドは散々考えた挙句、龍人がどこにいるのかもわからず、探す当てもないことに気づき軽く絶望し帰ってきていたため今は全てがどうでもよくなっていた。
「無理やりって・・・今の状態わかって言っているの?身体のほどんどの筋肉がズタズタに引き裂かれているのよ!」
リーリャの悲痛な叫びにまたしてもジグレイド以外が息をのんだ。
「そうですか・・・そんなことよりも公爵閣下、龍人のいそうな場所に心当たりありませんか?」
まるで自分のことなどどうでもいいかのようなジグレイドをリーリャは叱りつけたくなったが、なぜか遥か昔に神によって滅ぼされたと伝えられている種族のことを気にしだしたのだ。叱るよりもなぜ今?という疑問が出てきていた?
「ふむ、なぜ竜人のことなど気にするのかわからんが、遥か昔に絶滅した種族で今も生きているとするなら別の大陸だと言われておるな」
律義にも突拍子のない質問にもきちんと答えてくれるオウルーゼルにジグレイドは、
「・・・。」
公爵閣下ならという思いがあったのか落胆の表情を浮かべてから下唇を噛みしめて俯いてしまった。良くも悪くもあまり常識にとらわれないモルドが普通は一蹴されるようなとんでもない発言をした。
「ジグレイドもしかして竜人にやられたのか?」
モルドの言葉にジグレイド以外は呆然として気が付いていなかったがモルドはジグレイドはこぶしを血がにじむほど握りしめているのを見ていた。
「失礼するよ・・・早速だが夜中で歩いていたそうじゃないか、どこに行っていたんだい?」
テントに入るなりいきなり質問を投げかけたのはオウルーゼルであった。
「・・・どこでもいいだろ?というかどちら様で?」
ジグレイドは一瞥してから不快な顔を隠そうともせずに聞いた。
「ふむ、これは申し訳なかった。私はオウルーゼル・ノストフェレスというここら一帯を領地とする貴族だよ。貴殿はジグレイド殿であっているね?」
オウルーゼルはとりあえず事情は何も聴かず名乗りだけをして様子を見てみることにした。
「そうか、あなたが公爵閣下か・・・」
ジグレイドは再びオウルーゼルを一瞥してからそう言うと、なにも言わなくなった。見かねたリーリャが話に割り込んできた。
「ジグレイド君、あんな状態なのになんで動いたの?お姉さん心配したのだけど!」
リーリャはオウルーゼルに目配せを送りジグレイドに話しかけたが、
「リーリャさん、すいませんでした・・・」
謝ってくるだけで訳は話してもらえなかった。
「とりあえず今の状態を見るからじっとしててね」
そう言うとリーリャは“アナライズ”と言い診断して絶句した。
「えっ・・・!?」
絶句したリーリャにモルドが話しかけた。
「どうした?完治でもしていたのか?」
モルドはジグレイドが普通に歩き回っていたという報告からだいぶ回復したのだろうと思っていた。
「ど、どうしたもないわよ!ジグレイド君なんで普通に起きていられるのかしら?普通この状態なら痛みで起きることもまして歩くこともできないと思うのだけれど・・・」
リーリャの発言にジグレイド以外は息をのんだ。
「どうして・・・ですか?なんででしょうね、無理やり動かしたら動けました。」
ジグレイドは散々考えた挙句、龍人がどこにいるのかもわからず、探す当てもないことに気づき軽く絶望し帰ってきていたため今は全てがどうでもよくなっていた。
「無理やりって・・・今の状態わかって言っているの?身体のほどんどの筋肉がズタズタに引き裂かれているのよ!」
リーリャの悲痛な叫びにまたしてもジグレイド以外が息をのんだ。
「そうですか・・・そんなことよりも公爵閣下、龍人のいそうな場所に心当たりありませんか?」
まるで自分のことなどどうでもいいかのようなジグレイドをリーリャは叱りつけたくなったが、なぜか遥か昔に神によって滅ぼされたと伝えられている種族のことを気にしだしたのだ。叱るよりもなぜ今?という疑問が出てきていた?
「ふむ、なぜ竜人のことなど気にするのかわからんが、遥か昔に絶滅した種族で今も生きているとするなら別の大陸だと言われておるな」
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「・・・。」
公爵閣下ならという思いがあったのか落胆の表情を浮かべてから下唇を噛みしめて俯いてしまった。良くも悪くもあまり常識にとらわれないモルドが普通は一蹴されるようなとんでもない発言をした。
「ジグレイドもしかして竜人にやられたのか?」
モルドの言葉にジグレイド以外は呆然として気が付いていなかったがモルドはジグレイドはこぶしを血がにじむほど握りしめているのを見ていた。
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