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670年 冬 フェイシル王国 王都ムルスにある王城のとある部屋にて
「今回の会議は以前よりバルクド帝国に放っていた密偵による報告についてである」
「陛下、それについては私から・・・」
フェイシル王国の国王ウルスマグア・フォン・フェイシルは将軍ローレン・マーガイアに頷き続きを促す
「報告によるとバルクド帝国は今冬が明けると同時、もしくは少し先辺りで再び戦争を仕掛けてくる可能性が大きいとのこと。つきましては情報の共有、対策、必要な物資などを話し合いましょう。ではまず情報から・・・」
数日後・・・
「大臣もし費用が足りなくなれば追加で国庫から捻出しても構わん。防衛側でやりすぎというのは決して悪いことではないのだからな。他になにか問題になりそうなものはあるか?」
「はっ!今のところ予算ないに収まる予定ですが、如何せん組合側の請求金額が読めませんので・・・それと関係ないと思いますがここ数年、奴隷商が何者かに襲撃され奴隷を奪われているという報告が増えています」
「ふむ、奴隷商の件も対処したいが今は手を回せんな、大臣の判断で戦争に関係しているとするならば、なんとか手を回してくれ。望むのならば関係なく今は後回しにしたいが・・・」
膨大な紙の山に埋もれながら大臣ウォルマ・パーシルはウルスマグアと応答する。もちろんウルスマグアも紙の山に埋もれながら忙しそうにしている・・・。
一方、将軍と魔法師団長カリーナ・メルベスは組合に来ていた。
国軍のトップ2人がなぜ組合にきているのかというと、予想を裏切らずに依頼である。
組合は国の機関ではないために戦争のための依頼は暗黙の了解で重役が依頼をするというルールがあるためである。
「すまない、私は王国騎士団所属 将軍を賜っているローレン・マーガイアだ。隣にいる彼女は王国魔法師団 団長のカリーナ・メルベスだ。ユニオンマスターと会う約束をしているのだが・・・」
「ローレン様とカリーナ様ですね。伺っておりますので部屋まで案内させていただきます」受付嬢はそう答えると組合に造られた貴賓室に案内した。
暫く出されたお茶を飲みつつ待っているとユニオンマスターが入ってきたので、世間話もそこそこに依頼の料金や内容を詰めていった。
その結果、数週後には戦争参加への依頼がフェイシル王国内の組合の掲示板に張り出されるのであった。
一方、ジグレイドとサルシャはというと・・・
あのファングブルの依頼以降、(魔物退治)から始まり(盗賊退治)、(商人の護衛)、(素材の採取)など精力的に幅広い内容の依頼をこなしていっていた。
とある街までの護衛依頼を完了した2人は完了報告をするために組合を訪れた。
「お前らはどうすんだ?」
「うちらは止めとくかなー」
「俺は一旗あげにいくぜ!」などといった会話がいたる所でされていた。
「なんだ?なんの騒ぎだ」不思議に思いジグレイドは受付嬢に完了報告ついでに聞いてみると、
「またバルクド帝国が戦争を仕掛けてくるらしいですよ」と教えてもらった。
他の組合員の騒ぎの原因はなんとバルクド帝国とフェイシル王国の戦争の話だったのだ。
とりあえず戦争について2人で相談するために宿に向かって歩き出したのだった。
「今回の会議は以前よりバルクド帝国に放っていた密偵による報告についてである」
「陛下、それについては私から・・・」
フェイシル王国の国王ウルスマグア・フォン・フェイシルは将軍ローレン・マーガイアに頷き続きを促す
「報告によるとバルクド帝国は今冬が明けると同時、もしくは少し先辺りで再び戦争を仕掛けてくる可能性が大きいとのこと。つきましては情報の共有、対策、必要な物資などを話し合いましょう。ではまず情報から・・・」
数日後・・・
「大臣もし費用が足りなくなれば追加で国庫から捻出しても構わん。防衛側でやりすぎというのは決して悪いことではないのだからな。他になにか問題になりそうなものはあるか?」
「はっ!今のところ予算ないに収まる予定ですが、如何せん組合側の請求金額が読めませんので・・・それと関係ないと思いますがここ数年、奴隷商が何者かに襲撃され奴隷を奪われているという報告が増えています」
「ふむ、奴隷商の件も対処したいが今は手を回せんな、大臣の判断で戦争に関係しているとするならば、なんとか手を回してくれ。望むのならば関係なく今は後回しにしたいが・・・」
膨大な紙の山に埋もれながら大臣ウォルマ・パーシルはウルスマグアと応答する。もちろんウルスマグアも紙の山に埋もれながら忙しそうにしている・・・。
一方、将軍と魔法師団長カリーナ・メルベスは組合に来ていた。
国軍のトップ2人がなぜ組合にきているのかというと、予想を裏切らずに依頼である。
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「すまない、私は王国騎士団所属 将軍を賜っているローレン・マーガイアだ。隣にいる彼女は王国魔法師団 団長のカリーナ・メルベスだ。ユニオンマスターと会う約束をしているのだが・・・」
「ローレン様とカリーナ様ですね。伺っておりますので部屋まで案内させていただきます」受付嬢はそう答えると組合に造られた貴賓室に案内した。
暫く出されたお茶を飲みつつ待っているとユニオンマスターが入ってきたので、世間話もそこそこに依頼の料金や内容を詰めていった。
その結果、数週後には戦争参加への依頼がフェイシル王国内の組合の掲示板に張り出されるのであった。
一方、ジグレイドとサルシャはというと・・・
あのファングブルの依頼以降、(魔物退治)から始まり(盗賊退治)、(商人の護衛)、(素材の採取)など精力的に幅広い内容の依頼をこなしていっていた。
とある街までの護衛依頼を完了した2人は完了報告をするために組合を訪れた。
「お前らはどうすんだ?」
「うちらは止めとくかなー」
「俺は一旗あげにいくぜ!」などといった会話がいたる所でされていた。
「なんだ?なんの騒ぎだ」不思議に思いジグレイドは受付嬢に完了報告ついでに聞いてみると、
「またバルクド帝国が戦争を仕掛けてくるらしいですよ」と教えてもらった。
他の組合員の騒ぎの原因はなんとバルクド帝国とフェイシル王国の戦争の話だったのだ。
とりあえず戦争について2人で相談するために宿に向かって歩き出したのだった。
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