おちゆく先に

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9話

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 662年 ジグレイドが9歳のとき突然両親が罪に問われ貴族位を剥奪された。

 ジグレイドの両親は一人息子のジグレイドだけは生かしてくれと国王陛下に嘆願して、国王陛下の計らいで当時両親が納めていたオルトレイム子爵領にある港町の孤児院にジグレイドは入れられたのだった。

 孤児院は沢山の孤児で溢れていたよ。もちろんスラムにはまだまだ孤児は沢山いたけどね。
 そのおかげか孤児院を経営している神父は人格者のように思われており誰もその神父・・・いや、神父一味が日常的に暴力を振るっているとは誰も思わなかった。
 やつらは暴力がばれないように朝になれば痣が消えるくらいの回復魔法を使っていたからね。
 暴力の内容?酷すぎるからあまり口にしたくないかな・・・とまあ俺たちは日常的に暴力を振るわれていたんだ。
 とくに俺なんて元領主の息子だろ?神父一味の格好の的だったよ。

 そんな日常でサルシャと出会ったんだ。

 俺が孤児院を脱走するまではサルシャも知ってるだろ?だから割愛して、俺が12歳のときかな?

 いつも通り孤児院から抜け道を使って抜け出そうとしていた時、神父一味の何人かが子供が入りそうなくらいの麻袋を担いで帰ってきて、そのまま地下室に行くのが見えたんだ。
 気になって後をつけてみたら、1人だけ身なりのいい男の子が縄でぐるぐる巻きにされて鉄格子に入れられていたんだ。
 これはチャンスだって思ったよ。なぜならその男の子がもし貴族の息子なら神父一味を一網打尽にできると思ったからね。
 それから俺は孤児院から抜け出し、貴族の男の子を探している人を探したんだ。

 朝から探し始めて日が落ちるくらいかな?やっと男の子を探している騎士っぽい人を見つけたんだ。その騎士っぽい人に男の子の特徴を伝えてみたら大当たり!ってわけさ。
 時間かかったのはその男の子はよく地元の街に繰り出しては買い物をしていたらしく、誘拐されたと最初は思っていなかったみたいだったよ。
 その騎士っぽ・・・騎士の人に事情を説明した男の子を探し回っていた騎士達と警備兵で孤児院に乗り込んでくれるって言うんだよ。

 その乗り込んだ時の騎士達の大立ち回りが凄いのなんの!特に槍を持ってた騎士が凄く強くてね!あまりのかっこよさに騎士になりたくなったよ。まあ騎士は貴族にしかなれないから冒険者か傭兵になろうと思ったんだけどね。
 それから俺は助けた男の子、実は新しい領主の息子だったんだけど、領主邸にお呼ばれされちゃって・・・もともと住んでたところにお呼ばれされるのって複雑だったけどね。

 んで!息子を助けた褒美に何が欲しいかって言われたから無難にお金を貰って、そのお金を使ってメイルに向かおうと思ったんだ。
 サルシャも誘おうと思ったんだけどどこにいるのかわからなくて・・・結局出発の日までに会えなかったんだ。ごめんね。

 とまあ、孤児院を抜け出してからは特に面白い話はないよ。だってひたすらに領主様に貰ったお金をやり繰りしてなんとか過ごしていたんだからね。
 15歳になるまではこんな感じかな?組合に登録してからの話はまた今度かな。もういい時間になってきたしここで軽く食べて帰ろうか。

 久しぶりの再会だからか随分と話し込んでしまった・・・いつの間にか外が暗くなっている。
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