4 / 126
4話
しおりを挟む
初仕事を終えて約銀貨2枚を手に入れ、その足で武器を見に来ていた。もちろん井戸で身体を洗いましたとも。井戸で洗い物などしていた奥様方には物凄い顔で睨まれていたし、臭いもまだ残っていると思うが・・・。
「た、高い」これが武器を見た感想である。1番安い銅の槍でも銀貨15枚もする。
項垂れていると店の奥から厳ついおっさんが出てきて、
「坊主、なにしている?ここは坊主のような奴が遊びに来るとこじゃないぞ!」と言われ放り出されてしまった。
「ちっ、見るくらいいいじゃないか!」愚痴りつつも値段が知れただけよしとしようと思うのだった。
それから俺は2週間休みなしにひたすらドブを攫った。そりゃもう攫いまくった!
そのおかげでなんとか武器のお金銀貨15枚以上貯めることができた。
早速、再び大通りにある武器屋に行く。
「らっしゃい、っていつぞやの坊主か」
そう言ってまた放り出すつもりなのか近寄ってきたので、
「お、お金ならある!槍を売ってくれ!こんな見た目でも組合員です!」
と捲し立てると、武器屋のおっさんは
「ん?そうかそうか、金があるなら客だ!すまんな!予算はいくらだ?」
とガハガハと笑い背中を叩いてくる。ものすごく痛い。
今の所持金が銀貨22枚くらいなので銀貨15枚!と答えると、
「なら銅のやつだな これなんかどうだ?坊主みてぇにちっこいやつだとちょうどいいんじゃないか?」
渡されたのは一般的に銅の短槍って言われているものだった。
「そいつなら特別に銀貨8枚で売ってやる。どうだ?」
俺が訝しげにおっさんを睨んでいると、
「短槍ってのはな使い手がいねぇんだよ。だから坊主みたいに金がなく背も低いやつにおすすめしてんだ。騙されたと思って中庭で振ってみろ!」
言いたいことはいろいろあるが、とりあえず武器屋のおっさんに中庭に案内されて言われてとおりに短槍を試しに振ってみる。
お、なかなかいいんじゃないか?今の力でも十分振り回せる。それから十数分短槍を振り回したり突いたりしていた。
「もう少し身長が伸びてから普通の槍を買えばいいか・・・」そう思うことにして短槍を購入した。
武器を購入してから門の外に出るために必要なものを買いそろえていったら所持金がいつの間にか銀貨4枚ほどになっていた。
「鞄とか靴がこんなに高いとは・・・」
寂しくなった革袋を眺めながら肩を落とし歩くが、
『いや、また明日から頑張って貯めればいいんだ!また暫くは1日1食になりそうだけど』と自分にいいきかせてから大通りから外れた先にある安宿に戻り寝た。
ちなみに今泊まっている宿は1泊食事なしで銅貨3枚のボロ宿だ。
「た、高い」これが武器を見た感想である。1番安い銅の槍でも銀貨15枚もする。
項垂れていると店の奥から厳ついおっさんが出てきて、
「坊主、なにしている?ここは坊主のような奴が遊びに来るとこじゃないぞ!」と言われ放り出されてしまった。
「ちっ、見るくらいいいじゃないか!」愚痴りつつも値段が知れただけよしとしようと思うのだった。
それから俺は2週間休みなしにひたすらドブを攫った。そりゃもう攫いまくった!
そのおかげでなんとか武器のお金銀貨15枚以上貯めることができた。
早速、再び大通りにある武器屋に行く。
「らっしゃい、っていつぞやの坊主か」
そう言ってまた放り出すつもりなのか近寄ってきたので、
「お、お金ならある!槍を売ってくれ!こんな見た目でも組合員です!」
と捲し立てると、武器屋のおっさんは
「ん?そうかそうか、金があるなら客だ!すまんな!予算はいくらだ?」
とガハガハと笑い背中を叩いてくる。ものすごく痛い。
今の所持金が銀貨22枚くらいなので銀貨15枚!と答えると、
「なら銅のやつだな これなんかどうだ?坊主みてぇにちっこいやつだとちょうどいいんじゃないか?」
渡されたのは一般的に銅の短槍って言われているものだった。
「そいつなら特別に銀貨8枚で売ってやる。どうだ?」
俺が訝しげにおっさんを睨んでいると、
「短槍ってのはな使い手がいねぇんだよ。だから坊主みたいに金がなく背も低いやつにおすすめしてんだ。騙されたと思って中庭で振ってみろ!」
言いたいことはいろいろあるが、とりあえず武器屋のおっさんに中庭に案内されて言われてとおりに短槍を試しに振ってみる。
お、なかなかいいんじゃないか?今の力でも十分振り回せる。それから十数分短槍を振り回したり突いたりしていた。
「もう少し身長が伸びてから普通の槍を買えばいいか・・・」そう思うことにして短槍を購入した。
武器を購入してから門の外に出るために必要なものを買いそろえていったら所持金がいつの間にか銀貨4枚ほどになっていた。
「鞄とか靴がこんなに高いとは・・・」
寂しくなった革袋を眺めながら肩を落とし歩くが、
『いや、また明日から頑張って貯めればいいんだ!また暫くは1日1食になりそうだけど』と自分にいいきかせてから大通りから外れた先にある安宿に戻り寝た。
ちなみに今泊まっている宿は1泊食事なしで銅貨3枚のボロ宿だ。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

私、パーティー追放されちゃいました
菜花
ファンタジー
異世界にふとしたはずみで来てしまった少女。幸いにもチート能力があったのでそれを頼りに拾ってもらった人達と働いていたら……。「調子に乗りやがって。お前といるの苦痛なんだよ」 カクヨムにも同じ話があります。

マヨマヨ~迷々の旅人~
雪野湯
ファンタジー
誰でもよかった系の人に刺されて笠鷺燎は死んだ。(享年十四歳・男)
んで、あの世で裁判。
主文・『前世の罪』を償っていないので宇宙追放→次元の狭間にポイッ。
襲いかかる理不尽の連続。でも、土壇場で運良く異世界へ渡る。
なぜか、黒髪の美少女の姿だったけど……。
オマケとして剣と魔法の才と、自分が忘れていた記憶に触れるという、いまいち微妙なスキルもついてきた。
では、才能溢れる俺の初クエストは!?
ドブ掃除でした……。
掃除はともかく、異世界の人たちは良い人ばかりで居心地は悪くない。
故郷に帰りたい気持ちはあるけど、まぁ残ってもいいかなぁ、と思い始めたところにとんだ試練が。
『前世の罪』と『マヨマヨ』という奇妙な存在が、大切な日常を壊しやがった。

《完》わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう?
桐生桜月姫
恋愛
『無能はいらない』
魔力を持っていないという理由で婚約破棄されて従姉妹に婚約者を取られたアイーシャは、実は特別な力を持っていた!?
大好きな刺繍でわたしを愛してくれる国と国民を守ります。
無能はいらないのでしょう?わたしを捨てた貴方達を救う義理はわたしにはございません!!
*******************
毎朝7時更新です。

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。

黒豚辺境伯令息の婚約者
ツノゼミ
ファンタジー
デイビッド・デュロックは自他ともに認める醜男。
ついたあだ名は“黒豚”で、王都中の貴族子女に嫌われていた。
そんな彼がある日しぶしぶ参加した夜会にて、王族の理不尽な断崖劇に巻き込まれ、ひとりの令嬢と婚約することになってしまう。
始めは同情から保護するだけのつもりが、いつの間にか令嬢にも慕われ始め…
ゆるゆるなファンタジー設定のお話を書きました。
誤字脱字お許しください。
【完結】ミックス・ブラッド ~とある混血児の英雄譚~
久悟
ファンタジー
人族が生まれる遙か昔、この大陸ではある四つの種族が戦を繰り返していた。
各種族を統べる四人の王。
『鬼王』『仙王』『魔王』『龍王』
『始祖四王』と呼ばれた彼らが互いに睨み合い、この世の均衡が保たれていた。
ユーゴ・グランディールはこの始祖四王の物語が大好きだった。毎晩母親に読み聞かせてもらい、想いを膨らませた。
ユーゴは五歳で母親を亡くし、父親は失踪。
父親の置き手紙で、自分は『ミックス・ブラッド』である事を知る。
異種族間に産まれた子供、ミックス・ブラッド。
ある者は種族に壊滅的な被害をもたらし、ある者は兵器として生み出された存在。
自分がそんな希少な存在であると告げられたユーゴは、父親から受け継いだ刀を手に、置き手紙に書かれた島を目指し二人の仲間と旅に出る。
その島で剣技や術を師匠に学び、様々な技を吸収しどんどん強くなる三人。
仲間たちの悲しい過去や、告白。語られない世界の歴史と、種族間の争い。
各種族の血が複雑に混じり合い、世界を巻き込む争いへと発展する。
お伽噺だと思っていた『始祖四王』の物語が動き出す。
剣技、魔法、術の数々。異世界が舞台の冒険ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる