1 / 126
1話
しおりを挟む
「あー、しんどい」
腐臭漂う中、俺はため息を吐きながらつぶやく。
足場もないかのように人が横たわっている。もちろん寝ているのではなく、死体だ。
そんな場所をびちゃびちゃ歩いていると、陽気な声で呼びかけられた。
「よう!ジグ、お前も生き残ったか!」
そう話しかけてきたのは、何度か同じ戦場を渡り歩いた戦友?のモルドだ。
「モルドか、そっちこそまだ生きていられたな」
声のした方に顔も向けず淡々と答える。
モルドはこんな無愛想になった俺にも愛想よく話しかけてくる気さくでいい奴だ。ちなみに38歳、俺の16歳上だ。
「ハハハ、こう見えて俺は運がいいからな!しっかし今回はいつもに増して酷い戦いだったな、ギルドの仲間が何人もやられちまった」
モルドは陽気に話しながらどこか悲しそうに笑う。
元から人付き合いが得意ではなく、それにここ数年はむしろ避けている俺はなんて答えたらいいのかわからず黙っていると、
「それでなジグ、よかったら俺のギルドに来ないか?お前なら他のみんなもいいっていうしよ もうソロで活動するのも限界じゃないのか?」
いきなりそんなことを言い出した。
ギルドとは仲の良い組合員が少なくとも5~6人のパーティーが4組以上集まり結成され大規模な依頼を受けるための組織のことだ。もちろん普段はパーティー単位で行動するらしい。
モルドのギルドは【戦場の狼】といい少し…いや、かなり有名なギルドだ。今回みたいに戦争での傭兵から魔物退治どれも難しい依頼でも難無くこなせると云われている。
「すまない、俺はどこにも入る気はないんだ」
「そうか・・・まーいつでもソロやめたくなったり、入りたくなったら言ってこい!大歓迎だからよ!」
俺はその言葉を聞き流しその場をあとにした。
675年 主人公 ジグレイド・オルトレイム 22歳 フェイシル王国側の傭兵として参戦
この戦争はバルクド帝国がフェイシル王国に攻め入り、防衛側のフェイシル王国が辛勝した。
腐臭漂う中、俺はため息を吐きながらつぶやく。
足場もないかのように人が横たわっている。もちろん寝ているのではなく、死体だ。
そんな場所をびちゃびちゃ歩いていると、陽気な声で呼びかけられた。
「よう!ジグ、お前も生き残ったか!」
そう話しかけてきたのは、何度か同じ戦場を渡り歩いた戦友?のモルドだ。
「モルドか、そっちこそまだ生きていられたな」
声のした方に顔も向けず淡々と答える。
モルドはこんな無愛想になった俺にも愛想よく話しかけてくる気さくでいい奴だ。ちなみに38歳、俺の16歳上だ。
「ハハハ、こう見えて俺は運がいいからな!しっかし今回はいつもに増して酷い戦いだったな、ギルドの仲間が何人もやられちまった」
モルドは陽気に話しながらどこか悲しそうに笑う。
元から人付き合いが得意ではなく、それにここ数年はむしろ避けている俺はなんて答えたらいいのかわからず黙っていると、
「それでなジグ、よかったら俺のギルドに来ないか?お前なら他のみんなもいいっていうしよ もうソロで活動するのも限界じゃないのか?」
いきなりそんなことを言い出した。
ギルドとは仲の良い組合員が少なくとも5~6人のパーティーが4組以上集まり結成され大規模な依頼を受けるための組織のことだ。もちろん普段はパーティー単位で行動するらしい。
モルドのギルドは【戦場の狼】といい少し…いや、かなり有名なギルドだ。今回みたいに戦争での傭兵から魔物退治どれも難しい依頼でも難無くこなせると云われている。
「すまない、俺はどこにも入る気はないんだ」
「そうか・・・まーいつでもソロやめたくなったり、入りたくなったら言ってこい!大歓迎だからよ!」
俺はその言葉を聞き流しその場をあとにした。
675年 主人公 ジグレイド・オルトレイム 22歳 フェイシル王国側の傭兵として参戦
この戦争はバルクド帝国がフェイシル王国に攻め入り、防衛側のフェイシル王国が辛勝した。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
転生したら捨てられたが、拾われて楽しく生きています。
トロ猫
ファンタジー
2025.2月下旬コミックス2巻出荷予定
2024.7月下旬5巻刊行
2024.6月下旬コミックス1巻刊行
2024.1月下旬4巻刊行
2023.12.19 コミカライズ連載スタート
2023.9月下旬三巻刊行
2023.3月30日二巻刊行
2022.11月30日一巻刊行
寺崎美里亜は転生するが、5ヶ月で教会の前に捨てられる。
しかも誰も通らないところに。
あー詰んだ
と思っていたら後に宿屋を営む夫婦に拾われ大好きなお菓子や食べ物のために奮闘する話。
コメント欄を解放しました。
誤字脱字のコメントも受け付けておりますが、必要箇所の修正後コメントは非表示とさせていただきます。また、ストーリーや今後の展開に迫る質問等は返信を控えさせていただきます。
書籍の誤字脱字につきましては近況ボードの『書籍の誤字脱字はここに』にてお願いいたします。
出版社との規約に触れる質問等も基本お答えできない内容が多いですので、ノーコメントまたは非表示にさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

竹林にて清談に耽る~竹姫さまの異世界生存戦略~
月芝
ファンタジー
庭師であった祖父の薫陶を受けて、立派な竹林好きに育ったヒロイン。
大学院へと進学し、待望の竹の研究に携われることになり、ひゃっほう!
忙しくも充実した毎日を過ごしていたが、そんな日々は唐突に終わってしまう。
で、気がついたら見知らぬ竹林の中にいた。
酔っ払って寝てしまったのかとおもいきや、さにあらず。
異世界にて、タケノコになっちゃった!
「くっ、どうせならカグヤ姫とかになって、ウハウハ逆ハーレムルートがよかった」
いかに竹林好きとて、さすがにこれはちょっと……がっくし。
でも、いつまでもうつむいていたってしょうがない。
というわけで、持ち前のポジティブさでサクっと頭を切り替えたヒロインは、カーボンファイバーのメンタルと豊富な竹知識を武器に、厳しい自然界を成り上がる。
竹の、竹による、竹のための異世界生存戦略。
めざせ! 快適生活と世界征服?
竹林王に、私はなる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる