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1章 廃墟と化した王国で
2話 恩人? (24/1/13修正)
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「いきてる……? 生きてた、死んでない!」
森で目が覚めた。生きていることがこんなにも嬉しいなんて前までは思うこともなかった。死にたくないとも思わなかったし、なんだか1度死んでから、死への抵抗が強くなった気がする。
そういえば、私は水不足で倒れた、確実に。けれど、倦怠感はあるものの、喉の乾きは薄れている。一体どうしてだろう。川辺で倒れていたのに、大きな木の近くで寝ていたし、誰かに助けてもらったのか? それにこんな場所、あの廃墟の周りにはなかったような気がする。
……重い足音が近づいてきた。大型の動物だろうか。咄嗟に周りを見渡すが、隠れられる場所は木の後ろだけだ。逃げたところで足はそこまで速くない。どちらにしろ、すぐ見つかるだろうな。無駄かもしれないが、木の後ろに隠れよう。
足音が止まった。息を殺してそれが通り過ぎるのを待つ。心臓がひどくうるさい。
「目が覚めたようだから来たが、何故隠れる?」
「……こわい」
「ふむ、なるほどな」
バレてた。低くて太い声だ。返事はできたが、声は震えていた。恐怖と緊張で足が竦む。これでは走れそうにない。逃げられない。話が通じるから時間は稼げそうだ。
「干からびかけのお前さんを助けたのが、儂とその友人だと言ってもか?」
なんと! まさかの恩人さんだった。時間稼ぎは必要なかった。恐怖が少し消える。喋れるということは人なのだろう。だいぶ重そうだったから、巨人とかかな? とりあえず木から顔を出す。そこに見えたのは4mくらいの巨大な狼だった。
「おお、やっと顔を出したな。それ、近くにおいで……って、何故また引っ込む」
「ひぇ、食べられちゃうよぉぉぉ……!!!」
「んなっ! 食べない、食べない! ヒューマンなんぞ食べないわ!」
「そう言って、油断したところをガブッと食べる気なんでしょ……?」
「食べないと言っているだろう、まったく……。儂はお前さんに手も足も出さない、噛みちぎったりもしない。約束しよう。信用ならないだろうが、信じてほしい」
怖い怖い怖い!!! あんな大きな狼見たことがない! 銀色でちょっと可愛いなって思ったけど! なんでか喋ってるし、怖いよ!
……取り乱した。一旦冷静に、落ち着いて考えよう。まず、最初から食べる気なら話なんて始めないだろう。そのままガブッと……。うぅ、考えれば考える程怖くなる気がする。やめだ、信じるしかない。
木の後ろから出て、狼の前に立つ。もう一度、今度はしっかりと見てみる。銀色の綺麗で柔らかそうな毛、ふっさふさだ。座っても大きい。金色で、知性を感じる瞳だ。ちょっと怖いけど。
「ようやく出てきたか」
「ここはどこ? あなたは誰? どうして私を助けたの? それに、」
「ああもう、出てきたと思えば一息に言いおって! 答えようにも答えられん!」
「……ごめん」
「お前さんを見つけてから今までの事は全て説明しよう。質問はその後にしなさい。長くなるだろうから、座るといい」
言われた通り、狼の前に座る。さすがに一気に聞きすぎた。話してくれるらしいので、大人しく話を聞く。
「まず、先程の質問に答えよう。ここはあの廃墟の傍にある森だ」
「でも、廃墟から森なんて見えなかった」
「だろうな。外からは別の景色に見えるようになっている。ここには儂の友人が不可視の結界を張っているからな」
「結界? 魔法があるの?」
「……お前さん、今までどんな場所で生きてきたんだ。それに結界術は分類的には……いや、いい。後で話そう。で、儂が誰かだったか?」
「うん。私は吹雪、東雲吹雪。あなたは?」
「あー……そうだな、名前はない、ただの狼だ」
「それだけ?」
「他に話せることもないしな。さて、今までの説明をするか。お前さんを助けた理由もここで話そう」
狼は静かに話し始めた。
「最初に言っておくが、お前さんの存在に気づいたのは友人だ。儂自身は話を聞いて、この森に運ぶくらいしかしておらん。だから儂目線の話になるが……」
**********
狼side
『え、なんか生き物湧いたんだけど!ねぇねぇねぇ! 起きて!』
昼寝をしていると突然、隣で鹿がそう叫び出した。突然起こされて気分が悪い。人が気持ちよく寝ているのに起こすな。思わず低く唸る。
「煩い。それで、どこにだ」
『廃墟だよ! あの王国の!』
「……にわかに信じ難いが、お前が言うならそうなのだろうな。種族はこの距離でも分かるか?」
『それくらいならね……ってうわ、マジか。多分ヒューマンだ』
「はぁ!? 」
あの都市に突然、な。湧いたと言うから儂らのような者かと思ったが、どうやら違ったらしい。しかもヒューマンとは。
「調査にでも来たのか」
『いや、それがそうでも無いかも。キョロキョロしてるし、何も持ってない。うん、ちょっと見に行ってくるわ』
「は?おい、待て! 相手は魔法使いの可能性も……!」
『だいじょーぶ、だいじょーぶ! 見たらすぐ帰ってくるから!』
そう言ってあいつは駆け出した。追いかけることも出来たが、あの廃墟にはもう近づきたくもない。あいつも弱くない、攻撃されてもすぐ死ぬことはないな。すぐ帰ってくるとは言ったが、そう言ってすぐに帰ってきたことはない。昼寝を再開する。
足音がする。どうやら帰ってきたらしい。寝起きで重たい体を持ち上げ伸びをする。なかなかに気持ちいい。少し寝て気分も少しはマシになった。昼寝を再開した頃から日はさほど動いていない。珍しく、本当にすぐに帰ってきたようだ。
『ただいま!』
「早かったな」
『今回はホントにすぐ帰ってきたからね!』
『それでね』鹿が先程とは変わったトーンで、いつもはしない、真剣な表情をして言った。
『あの子、驚いてはいたけど、俺を見る目に敵意がなかった』
「敵意がない? だが、あの種族は儂らの事を魔獣と称して討伐対象にしておるだろう。幼い頃から教えられていると思ったのだが」
『まだ教えられてない、とか? でもあの子、見た感じ10歳以上だった。女の子だから教えないとかそういう地域は今はなかったと思うし、何も知らない子がここに来るとしたら……』
「捨てられたか、魔力の暴走か、だな」
『そうだね』
どちらにしろ魔力が高いのだろうな。だからどう、ということは無いが。
『明日も見に行こっかなー!』
「そうか、勝手にしろ」
『えっ、冷たっ! 勝手にしますよーだ……』
その日から鹿は一日1回、廃墟に行った。『今日は手を振ってたから川の方に行く気だ! 絶対そう!』とか、『あの子明日くらいには倒れそうだな』とか、聞いてもいないのに毎日話をされた。大して興味も無かったから聞き流していたが。
そして四日目。いつも通り廃墟へ行ったと思えば、直ぐに帰ってきた。どうやら向かっていた川には着いたが、その娘が倒れたらしい。
『あの子倒れちゃった!!! どうしたらいい!?』
「ここには何も無い、起きてもいずれ死ぬ。放っておけば良いだろう」
『やだ! 俺あの子助けたい!』
「勝手にしろ。それに、助けたところでお前はともかく、儂に何の得がある?」
『うーん……。あっ! そういえばあの子が倒れる前に雨が降り出したんだよ! もしかしたら綺麗な水が飲めるようになるかもしれないよ!?』
「憶測の話だろう」
『そうだけど……。お願い! 違ったら今度なんか手伝うから!』
……憶測だとはいえ、汚染されていない水が飲めるのは良い事だな。外れていてもこいつをこき使えるのは気持ちがいい。よし。
「今回だけだ。約束は違えるなよ」
『よっしゃ! それで、俺はどうすればいい?』
「降った雨を集めろ。あの周辺に植物はあるが水は無い。倒れたのは水不足のせいだろう。その間にその娘をこちらに連れてくる」
『わかった、ありがとう!』
そうして2匹で川の方へ向かった。森の外は雨が降っている。ここから川まではそれなりの距離があるというのにだ。死にかけて魔法が発現したのか、それともただの偶然か。
川の近くに着き、鹿の言う方に向かう。
『あの子!』そう言って鹿が指したのは、見事な黒髪の見たことの無い服装をした少女だった。
「……あいつらも酷いことをするものよな」
『なんか言った?』
「気にしなくていい。それよりお前は水を集めろ。結界術の応用でできるだろう」
『前もやったしね。水集めたらどうすればいい?』
「あー……食えそうな実でも集めといたらどうだ」
『わかった、そうするわ』
少女を背中に乗せ森へ帰る。想像していたよりも小さく軽い。吹っ飛ばさないようにゆっくりと走った。森の中央の大木の傍にでも寝かせておこう。
**********
吹雪side
「あいつが水を飲ませて、しばらくするとお前さんの声が聞こえたから様子を見に来た訳だ。さて、質問はあるか?」
なるほど。話に出てきた鹿は4つ目の鹿の事だろう。あの鹿以外の鹿には会わなかったし。狼の話で今までのことはあらかた分かった。そのことに対しての質問は無い。残る疑問は、狼がなぜ人の言葉を話せるのか、それと、魔法のことについてだ。そういえば、魔法のことは後で話すと言っていたな。
「なぜあなたは喋れるの?」
「……聞かれるとは思っていた。だが、儂はまだお前さんを信用した訳では無い」
「話したくないならいいや」
「いいんかい! はぁ……まぁいい。こちらのことは話した。次はお前さんのことを教えてもらおうか」
狼は大きなため息をつき、こちらを見据えた。なにやら今度は私が質問を受ける側らしい。
森で目が覚めた。生きていることがこんなにも嬉しいなんて前までは思うこともなかった。死にたくないとも思わなかったし、なんだか1度死んでから、死への抵抗が強くなった気がする。
そういえば、私は水不足で倒れた、確実に。けれど、倦怠感はあるものの、喉の乾きは薄れている。一体どうしてだろう。川辺で倒れていたのに、大きな木の近くで寝ていたし、誰かに助けてもらったのか? それにこんな場所、あの廃墟の周りにはなかったような気がする。
……重い足音が近づいてきた。大型の動物だろうか。咄嗟に周りを見渡すが、隠れられる場所は木の後ろだけだ。逃げたところで足はそこまで速くない。どちらにしろ、すぐ見つかるだろうな。無駄かもしれないが、木の後ろに隠れよう。
足音が止まった。息を殺してそれが通り過ぎるのを待つ。心臓がひどくうるさい。
「目が覚めたようだから来たが、何故隠れる?」
「……こわい」
「ふむ、なるほどな」
バレてた。低くて太い声だ。返事はできたが、声は震えていた。恐怖と緊張で足が竦む。これでは走れそうにない。逃げられない。話が通じるから時間は稼げそうだ。
「干からびかけのお前さんを助けたのが、儂とその友人だと言ってもか?」
なんと! まさかの恩人さんだった。時間稼ぎは必要なかった。恐怖が少し消える。喋れるということは人なのだろう。だいぶ重そうだったから、巨人とかかな? とりあえず木から顔を出す。そこに見えたのは4mくらいの巨大な狼だった。
「おお、やっと顔を出したな。それ、近くにおいで……って、何故また引っ込む」
「ひぇ、食べられちゃうよぉぉぉ……!!!」
「んなっ! 食べない、食べない! ヒューマンなんぞ食べないわ!」
「そう言って、油断したところをガブッと食べる気なんでしょ……?」
「食べないと言っているだろう、まったく……。儂はお前さんに手も足も出さない、噛みちぎったりもしない。約束しよう。信用ならないだろうが、信じてほしい」
怖い怖い怖い!!! あんな大きな狼見たことがない! 銀色でちょっと可愛いなって思ったけど! なんでか喋ってるし、怖いよ!
……取り乱した。一旦冷静に、落ち着いて考えよう。まず、最初から食べる気なら話なんて始めないだろう。そのままガブッと……。うぅ、考えれば考える程怖くなる気がする。やめだ、信じるしかない。
木の後ろから出て、狼の前に立つ。もう一度、今度はしっかりと見てみる。銀色の綺麗で柔らかそうな毛、ふっさふさだ。座っても大きい。金色で、知性を感じる瞳だ。ちょっと怖いけど。
「ようやく出てきたか」
「ここはどこ? あなたは誰? どうして私を助けたの? それに、」
「ああもう、出てきたと思えば一息に言いおって! 答えようにも答えられん!」
「……ごめん」
「お前さんを見つけてから今までの事は全て説明しよう。質問はその後にしなさい。長くなるだろうから、座るといい」
言われた通り、狼の前に座る。さすがに一気に聞きすぎた。話してくれるらしいので、大人しく話を聞く。
「まず、先程の質問に答えよう。ここはあの廃墟の傍にある森だ」
「でも、廃墟から森なんて見えなかった」
「だろうな。外からは別の景色に見えるようになっている。ここには儂の友人が不可視の結界を張っているからな」
「結界? 魔法があるの?」
「……お前さん、今までどんな場所で生きてきたんだ。それに結界術は分類的には……いや、いい。後で話そう。で、儂が誰かだったか?」
「うん。私は吹雪、東雲吹雪。あなたは?」
「あー……そうだな、名前はない、ただの狼だ」
「それだけ?」
「他に話せることもないしな。さて、今までの説明をするか。お前さんを助けた理由もここで話そう」
狼は静かに話し始めた。
「最初に言っておくが、お前さんの存在に気づいたのは友人だ。儂自身は話を聞いて、この森に運ぶくらいしかしておらん。だから儂目線の話になるが……」
**********
狼side
『え、なんか生き物湧いたんだけど!ねぇねぇねぇ! 起きて!』
昼寝をしていると突然、隣で鹿がそう叫び出した。突然起こされて気分が悪い。人が気持ちよく寝ているのに起こすな。思わず低く唸る。
「煩い。それで、どこにだ」
『廃墟だよ! あの王国の!』
「……にわかに信じ難いが、お前が言うならそうなのだろうな。種族はこの距離でも分かるか?」
『それくらいならね……ってうわ、マジか。多分ヒューマンだ』
「はぁ!? 」
あの都市に突然、な。湧いたと言うから儂らのような者かと思ったが、どうやら違ったらしい。しかもヒューマンとは。
「調査にでも来たのか」
『いや、それがそうでも無いかも。キョロキョロしてるし、何も持ってない。うん、ちょっと見に行ってくるわ』
「は?おい、待て! 相手は魔法使いの可能性も……!」
『だいじょーぶ、だいじょーぶ! 見たらすぐ帰ってくるから!』
そう言ってあいつは駆け出した。追いかけることも出来たが、あの廃墟にはもう近づきたくもない。あいつも弱くない、攻撃されてもすぐ死ぬことはないな。すぐ帰ってくるとは言ったが、そう言ってすぐに帰ってきたことはない。昼寝を再開する。
足音がする。どうやら帰ってきたらしい。寝起きで重たい体を持ち上げ伸びをする。なかなかに気持ちいい。少し寝て気分も少しはマシになった。昼寝を再開した頃から日はさほど動いていない。珍しく、本当にすぐに帰ってきたようだ。
『ただいま!』
「早かったな」
『今回はホントにすぐ帰ってきたからね!』
『それでね』鹿が先程とは変わったトーンで、いつもはしない、真剣な表情をして言った。
『あの子、驚いてはいたけど、俺を見る目に敵意がなかった』
「敵意がない? だが、あの種族は儂らの事を魔獣と称して討伐対象にしておるだろう。幼い頃から教えられていると思ったのだが」
『まだ教えられてない、とか? でもあの子、見た感じ10歳以上だった。女の子だから教えないとかそういう地域は今はなかったと思うし、何も知らない子がここに来るとしたら……』
「捨てられたか、魔力の暴走か、だな」
『そうだね』
どちらにしろ魔力が高いのだろうな。だからどう、ということは無いが。
『明日も見に行こっかなー!』
「そうか、勝手にしろ」
『えっ、冷たっ! 勝手にしますよーだ……』
その日から鹿は一日1回、廃墟に行った。『今日は手を振ってたから川の方に行く気だ! 絶対そう!』とか、『あの子明日くらいには倒れそうだな』とか、聞いてもいないのに毎日話をされた。大して興味も無かったから聞き流していたが。
そして四日目。いつも通り廃墟へ行ったと思えば、直ぐに帰ってきた。どうやら向かっていた川には着いたが、その娘が倒れたらしい。
『あの子倒れちゃった!!! どうしたらいい!?』
「ここには何も無い、起きてもいずれ死ぬ。放っておけば良いだろう」
『やだ! 俺あの子助けたい!』
「勝手にしろ。それに、助けたところでお前はともかく、儂に何の得がある?」
『うーん……。あっ! そういえばあの子が倒れる前に雨が降り出したんだよ! もしかしたら綺麗な水が飲めるようになるかもしれないよ!?』
「憶測の話だろう」
『そうだけど……。お願い! 違ったら今度なんか手伝うから!』
……憶測だとはいえ、汚染されていない水が飲めるのは良い事だな。外れていてもこいつをこき使えるのは気持ちがいい。よし。
「今回だけだ。約束は違えるなよ」
『よっしゃ! それで、俺はどうすればいい?』
「降った雨を集めろ。あの周辺に植物はあるが水は無い。倒れたのは水不足のせいだろう。その間にその娘をこちらに連れてくる」
『わかった、ありがとう!』
そうして2匹で川の方へ向かった。森の外は雨が降っている。ここから川まではそれなりの距離があるというのにだ。死にかけて魔法が発現したのか、それともただの偶然か。
川の近くに着き、鹿の言う方に向かう。
『あの子!』そう言って鹿が指したのは、見事な黒髪の見たことの無い服装をした少女だった。
「……あいつらも酷いことをするものよな」
『なんか言った?』
「気にしなくていい。それよりお前は水を集めろ。結界術の応用でできるだろう」
『前もやったしね。水集めたらどうすればいい?』
「あー……食えそうな実でも集めといたらどうだ」
『わかった、そうするわ』
少女を背中に乗せ森へ帰る。想像していたよりも小さく軽い。吹っ飛ばさないようにゆっくりと走った。森の中央の大木の傍にでも寝かせておこう。
**********
吹雪side
「あいつが水を飲ませて、しばらくするとお前さんの声が聞こえたから様子を見に来た訳だ。さて、質問はあるか?」
なるほど。話に出てきた鹿は4つ目の鹿の事だろう。あの鹿以外の鹿には会わなかったし。狼の話で今までのことはあらかた分かった。そのことに対しての質問は無い。残る疑問は、狼がなぜ人の言葉を話せるのか、それと、魔法のことについてだ。そういえば、魔法のことは後で話すと言っていたな。
「なぜあなたは喋れるの?」
「……聞かれるとは思っていた。だが、儂はまだお前さんを信用した訳では無い」
「話したくないならいいや」
「いいんかい! はぁ……まぁいい。こちらのことは話した。次はお前さんのことを教えてもらおうか」
狼は大きなため息をつき、こちらを見据えた。なにやら今度は私が質問を受ける側らしい。
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