伝えたい、伝えられない。

文字の大きさ
上 下
45 / 65

37.夙夜(前編)

しおりを挟む
 そして、目を覚ますと真緒がいることに気づいて、目を擦った。
「ほんとに真緒がいる……」
 身体を起こし、顔を覗き込んできた真緒を抱きしめた。
「おはよ」
『おはようございます』
「今何時だ?」
 寝惚け眼で時計を見ると、午前九時を過ぎた頃だ。
 真緒は本当に来てくれた。
「何時くらいに来たの?」
『八時半くらいです』
 彼女は、創平の朝食と、昼食の準備をしてくれていたようだ。
「まーおー、こっち来て」
 素直に彼女が創平の側に近づいてきた。
 手招きをして真緒の身体を抱き寄せた。
「ほんとに真緒だ。嬉しい、朝起きたら真緒がいた。めちゃくちゃ幸せ」
 立ったままでいる真緒の腹の辺りに頭を寄せると、彼女は創平の頭を撫でてくれた。
 その手が心地よく感じた。
「ぁ……ぇぅ」
 寝癖が、と真緒が笑う。
「どこ?」
『この辺です』
 上目遣いで見上げると、頭の後頭部に手を伸ばした。
 目の前に胸があることに気づき、思わず両手で掴んでしまった。
「……ゃっ」
 顔を埋め、
「朝から目の毒だなー」
 と呟いた。
「いきなり目の前に乳があったらこうしたくもなる」
 手を退かせ、背中に手を回して真緒を抱きしめる。彼女は驚きはしたが、抵抗する様子はなかった。
 だがすぐその手は膨らみへと戻る。服越しに、両手で胸を撫で、形を確かめる。確かめなくても、今日の服は身体のラインが出るような薄手のニットを着ていた。
「んー、朝から真緒のおっぱい。直接触りたいなあ」
 そう言いながら既に、ニットの裾を引っ張り、中へと手を忍ばせていた。
「あー、おっぱい気持ちいい」
 さっさとブラジャーのホックをはずし、直に胸に触れた。
『こらっ……』
 真緒は抵抗はするものの、創平の力には敵わない様子だった。
「いつも柔らかいよな。はあ……久しぶりだ。もう二週間も抱いてないんだから……ちょっとだけ触らせて」
 ニットをめくり、胸をはだけさせると、にやにやと笑う。
「吸っちゃお」
 胸を揉みながら、ちゅうちゅうとピンク色の先端を口に含む。
「んー、ほらすぐに固くなるよな」
「…………」
 しばらく吸い付いたあと、創平は真緒にちゅっと軽くキスをして、服を下ろした。
「今日……一日中真緒とセックスしてたいな。駄目か?」
「…………」
「ぶっ続けじゃないけど。二週間ぶりだから、たっくさん真緒を堪能したい。いろんなセックスしたい。スローなのも激しいのも、たっくさん」
 会い変わらず恥ずかしそうだが、真緒は頷いてくれた。
「朝早く来てもらったのは、それもある。めちゃくちゃ抱きたかったから。でも身体目当てじゃない、信じて」
 このまましたいところだけどさ、と創平は神妙な面持ちになった。
「トイレ行きたい」
『えっ』
「悪い」
 創平はベッドから飛び降り、トイレに向かった。


 真緒の作ってくれた朝食を食べ、顔を洗ったあと、創平は服を着替えようか迷っていた。
(このまま……)
 どうしようか、と真緒を見やる。
 テレビを見ながら、寛いでいた。
「まーお、おいで」
 自分の隣に座らせようと呼ぶと、彼女は素直に従った。が、少し構えているのか身体が硬かった。
 先程創平が宣言したことで、きっとそのことで頭がいっぱいなのだろう。
「はは、そんな構えるなって」
『……』
「真緒はやる気満々なんだな」
『ちが……っ』
「俺はそういう真緒も好き」
 ちゅっとキスをして、真緒を床に倒した。
「俺はやる気満々。今日はいつでも真緒を抱けるよ?」
『……』
「気分が乗らないなら、あとにしよっか」
『そういうわけじゃ……』
「けど今日は真緒といっぱいセックスしたいから」
 創平は再び宣言した。
 何度出来るかわからないが、真緒を抱くつもりでいる。
「俺が嫌?」
 真緒は首を横に振る。
「セックスは嫌?」
 同じように首を振る。
「真緒の口から聞きたい。したいか、したくないか」
『…………』
「なあ」
 真緒がごくりと息を飲んだ。
 し、た、い、と真緒の口が動いた。
 否や、創平は真緒の唇を奪ったのだった。

 既に服をまとっていない真緒が、創平のズボンを脱がせる。
 下着だけになり、中央部が大きく膨れているのを見て、創平を見上げた。
「いいよ」
 そっと真ん中に触れ、指先を動かした。
「ん、気持ちいい。でも、直接のほうがもっと気持ちいいんだけどな」
 真緒は下着を下ろそうとし、大きくなったソレを傷つけないように、ゆっくり下ろしてくれた。
「大丈夫だよ」
 真緒の頭を撫で、露わになったモノを目の前に突き出した。
 先程までは創平が真緒の身体を堪能していたが、真緒が自分も創平にしたい、と言い出したのだ。何度かその行為はあったが、創平がしてほしくて、無理にさせているだけのものだった。
 しかし彼女は、自分からしたいと言い、こうして創平のモノを目の前にしている。
「無理はするなよ?」
 彼女は頷いた。
 小さな舌を出すと、先端をぺろりと舐めた。可愛い舌がくすぐったい。
 何度か舌先で舐め、口にして先に吸い付くように舐めていた。
 創平は真緒の手を取り、根元へと誘導し、掴ませる。
「持って」
 言われたとおりに、彼女は根元近くを握った。
 先端だけだったものが、次第に口の奥へとそれを含ませていく。小さな口には入りきらないのは当然で、口内では舌を使ってそれを舐めていた。
「ちょっと、座る」
 脚を開いてベッドに腰を下ろすと、真緒は跪いて再び咥えた。
 出したり入れたりを繰り返し、じゅぷじゅぷと音を立てている。
 真剣な真緒の顔に、創平のそこが熱くなっていくのを感じた。まだまだ彼女のテクニックでは絶頂には到達できないだろう。しかし、彼女の一生懸命な姿がたまらなく嬉しくて、愛おしいと感じる。
 頭を撫で、さらに手を伸ばして胸の先を転がした。
 なんていやらしい光景なんだろうなと思うが、二人にしかわからないことだ。真緒がこんなことをするなんて、自分だけが知っていればいいことなのだから。
 もっとしてもらいたいこともあるし、言えばきっと彼女は素直に行動してくれるのだ。
「あー……いい……」
 咥えていたモノを、今度は舌で下から上へと舐め上げている。
 ぞくぞくしていた。
「そうそう……それ、いいな……うっ」
 真緒は片手で袋をさわさわと撫でた。
「それは強く握るなよ? 痛むからな」
 うん、と真緒は舐めながら頷いた。
 舌を出しながらの上目遣いは、とてもいらやしかった。
(こんなの、他の男にさせられねえ、俺でよかった)
 巧くはないのに、どうしてこんなに快感を得られるのだろう。
(真緒が好きだから……)
 彼女がしてくれることに意味があるのだ、と心底から思った。
 淫靡な水音にクラクラし、そのまま後ろに倒れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と… 「Ninagawa Queen's Hotel」 若きホテル王 蜷川朱鷺  妹     蜷川美鳥 人気美容家 佐井友理奈 「オークワイナリー」 国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介 血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…? 華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

めーぷる
恋愛
 見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。  秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。  呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――  地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。  ちょっとだけ三角関係もあるかも? ・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。 ・毎日11時に投稿予定です。 ・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。 ・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。

処理中です...