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【第4部】浩輔編
24.決別(前編)
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久しぶりにミサの呼び出しがあり、応じることにした。
土曜日の夜だ。
秋めいて、涼しくなってきた。
ミサの部屋を訪ねると、
「三原君、久しぶり。ずっと連絡しなくてゴメンね」
彼女が嬉しそうに抱きついてきた。
正直な所、以前のような高揚感はなくなっていた。
「いえ、それは大丈夫なんですけど」
「どうしたの? なんかちょっと冷たくない?」
「そんなことないですよ」
浩輔は笑った。
少しぎこちない笑い方だったかもしれない、そう思うほどミサに対してすうっと冷めていく自分がいた。
(今日、言わないといけない)
「ならいいんだけど」
ミサはそう言い、すぐに二人は服を脱いで絡み合った。
冷めていくのを感じたのに、現金なもので身体はそんなことはない。勝手に反応して、ミサとの情事に耽って、快楽に溺れていくのはこれまでとなんら変わりない。
(やっぱ……気持ち……いい……)
ミサが自分のものを咥え、自分もミサの身体を貪る。
ミサの身体が魅力的だが、少しだけ物足りなさを感じている。
(けど気持ちいい)
腰を打ち付け、自分のものがこすれると、ぞくぞくとする。
早く出したい、イキたい、でももう少しこのまま……と勝手なことばかり考えてしまう。
「ま……い……ああ……ヤバい……」
「待って、もうちょっと……もう少しこのままっ……」
浩輔は絶頂に近づくのを察したミサは、まだイかないでと言った。
「無理……もう、駄目……」
動きが速くなる。
「うっ……」
ミサに止められても、自分の欲望は抑えられなかった。
「はー……」
肩で息をしながらミサに雪崩れ込んだ。
「まだって言ったのに……ずるいんだから……」
「ごめん、けど、ミサさんのナカ、急に締まるから……」
「もう一回するからね」
「うん……けどもうちょっと待ってね……今、出したばっかで……」
謝る浩輔の身体をミサは勢いよく突き飛ばした。
「うわっ」
「待てない!」
「えっ」
転がった浩輔の股間まで顔を寄せ、
「おっきくするんだから」
と掴んだ。
「いてっ、ちょっと待って、待って」
「待たない」
ゴムを外されたあと、今大人しくなっていこうとしているものを握られ、浩輔は思わず悲鳴を上げた。
「乱暴にしないでくださいよ、痛い」
「じゃあ、早くおっきくして」
「そんな無茶な……」
他の男にもそんなことしてるのか、と思ったが、ミサの目は本気だ。
元気のなくなったそれを口に含み、今度は優しく舐め始めた。
「それくらいなら……すぐに大きくなるかも……」
「んっ」
手で付け根辺りを押さえ、口の中で転がされた。
「ミサさん……巧すぎ……」
つい今しがた痛いと悲鳴を上げたのに、もうミサの口によって膨張するそれに、自分はなんて単純なんだろうと思った。
(終わりにするなんて言えるかな……)
そんなことより、今はこの快楽に浸りたかった。
「うう……っ……」
ようやくミサが口を離し、転がる浩輔の顔を覗き込んだ。
「わたしにもしてよ」
「……うん、する」
浩輔の手を掴み、ミサは自分の胸に当てた。
「好きでしょ」
「うん」
「他の女のよりも好き?」
「うん」
勢いで頷いてしまった。
他の女と言われても、ミサとマユカしか知らないし、マユカとは今もう会ってもいない。ミサしか知らないも同然で、そんな質問の意図がわからなかった。
「わたしが一番?」
「うん」
胸にしゃぶりつきながら、相槌を打つ。
「大きな赤ちゃんみたい」
「うん」
ミサは浩輔の頭を抱えた。
「ここだけじゃなくて、もっと別の所も、お願い」
「うん」
ミサを横たわらせたあと両脚を開いて顔を埋めた。
「ずっとトロトロなんだね」
「三原君のせいよ」
「いやらしいな」
舌でぷっくりとした場所を刺激すると、愛液が次々を溢れてきた。
「なんでこんなに敏感なんですか?」
「三原君のせいだよ」
「へえ……」
断りもなく指を入れ、ずぶりずぶりと抜き差しを繰り返す。ミサは嬌声を上げ、腰をくねらせた。動く腰を掴み、指の動きを早めると嬌声は大きくなっていく。
「駄目っ……駄目っ……」
ダメッと一際大きくなったかと思うと、ミサは果ててしまった。
今日のミサはなんだか敏感になっている気がした。
「イっちゃった……」
「……三原君のでイキたいのに……」
「いいよ、俺のでイキたいなら、挿れてあげますよ」
「お願い」
「うん」
浩輔はゴムを付けようと箱を探した。
「なくてもいいよ」
ミサはそう言った。
今までそんなことを言われたことはない。
「ダメですよ、ちゃんと付けないと」
「大丈夫な日だから」
「ダメ」
(ミサさんは他の男とも寝てるし……お互いちゃんとしないと)
そのままでしようよ、とミサは渋ったが、
「ちゃんと付けます」
と抵抗したあと、装着した。
もぞもぞと動いて、浩輔がいざ……と思った時、ミサが起き上がった。
「わたしが乗る」
「え?」
浩輔を荒々しく押し倒し、ミサが跨がってきた。
「えっ」
「いいでしょ、三原君は見てて」
「ちょっ……」
ミサは腰を落とし、浩輔と繋がった。
「どうしたんですか……」
なんだか今日は積極的、というより変な気がした。
「わたしが動くからね」
ぐいぐいとミサが押しつけると、奥に当たるのがわかる。
さっきしたばかりなのに、もうこんな状態の自分が気恥ずかしい。腰を動かし、ミサが上を仰いだ。
「んっ……んっ……」
浩輔が何かしなくてもミサが勝手に腰を振って、喘いでいる。
(やべ……)
目を閉じ、半ば口を開けて惚けていると、ミサがふいに唇を押しつけてきた。
「んっ……!」
舌を入れ、口内をも侵してくる。
唾液まみれの口元にもおかまいなしで、喘ぎ声と共に襲いかかってくる。
「んんっ……どうしたの……」
ようやく離れると、またミサは激しく動いた。
「足りないの……足りないの!」
ミサの虚ろな目に、浩輔は、まさか、という嫌な予感がした。
(……キメセク……? クスリ……?)
以前感じた違和感は、クスリだと思った。
証拠は無いが、高虎に相談し、限りなく黒に近いことを言われ、今日終わりにするためにここにやってきた。
前回よりも強く、ヤバい、と感じた。
部屋の香りも、キスの味も、初めての頃と違いすぎていた。浩輔にはわからないし、寧ろ違和感を感じるので、身体が受け付けていないのだろう。
これで終わらないと、と危険信号が灯る。
しかし。
ミサが果て、自分が果てても、まだミサは浩輔を貪ろうとした。何度も何度も果てさせられ、遂には浩輔は目を閉じてしまった。
「無理……ミサさん、俺、もう無理……」
「起きて! 起きてよ!」
「ダメ、出し尽くした……潰れる……」
ミサがゆさゆさと身体を揺すったが、浩輔は疲労で目を開けようとはしなかった。
土曜日の夜だ。
秋めいて、涼しくなってきた。
ミサの部屋を訪ねると、
「三原君、久しぶり。ずっと連絡しなくてゴメンね」
彼女が嬉しそうに抱きついてきた。
正直な所、以前のような高揚感はなくなっていた。
「いえ、それは大丈夫なんですけど」
「どうしたの? なんかちょっと冷たくない?」
「そんなことないですよ」
浩輔は笑った。
少しぎこちない笑い方だったかもしれない、そう思うほどミサに対してすうっと冷めていく自分がいた。
(今日、言わないといけない)
「ならいいんだけど」
ミサはそう言い、すぐに二人は服を脱いで絡み合った。
冷めていくのを感じたのに、現金なもので身体はそんなことはない。勝手に反応して、ミサとの情事に耽って、快楽に溺れていくのはこれまでとなんら変わりない。
(やっぱ……気持ち……いい……)
ミサが自分のものを咥え、自分もミサの身体を貪る。
ミサの身体が魅力的だが、少しだけ物足りなさを感じている。
(けど気持ちいい)
腰を打ち付け、自分のものがこすれると、ぞくぞくとする。
早く出したい、イキたい、でももう少しこのまま……と勝手なことばかり考えてしまう。
「ま……い……ああ……ヤバい……」
「待って、もうちょっと……もう少しこのままっ……」
浩輔は絶頂に近づくのを察したミサは、まだイかないでと言った。
「無理……もう、駄目……」
動きが速くなる。
「うっ……」
ミサに止められても、自分の欲望は抑えられなかった。
「はー……」
肩で息をしながらミサに雪崩れ込んだ。
「まだって言ったのに……ずるいんだから……」
「ごめん、けど、ミサさんのナカ、急に締まるから……」
「もう一回するからね」
「うん……けどもうちょっと待ってね……今、出したばっかで……」
謝る浩輔の身体をミサは勢いよく突き飛ばした。
「うわっ」
「待てない!」
「えっ」
転がった浩輔の股間まで顔を寄せ、
「おっきくするんだから」
と掴んだ。
「いてっ、ちょっと待って、待って」
「待たない」
ゴムを外されたあと、今大人しくなっていこうとしているものを握られ、浩輔は思わず悲鳴を上げた。
「乱暴にしないでくださいよ、痛い」
「じゃあ、早くおっきくして」
「そんな無茶な……」
他の男にもそんなことしてるのか、と思ったが、ミサの目は本気だ。
元気のなくなったそれを口に含み、今度は優しく舐め始めた。
「それくらいなら……すぐに大きくなるかも……」
「んっ」
手で付け根辺りを押さえ、口の中で転がされた。
「ミサさん……巧すぎ……」
つい今しがた痛いと悲鳴を上げたのに、もうミサの口によって膨張するそれに、自分はなんて単純なんだろうと思った。
(終わりにするなんて言えるかな……)
そんなことより、今はこの快楽に浸りたかった。
「うう……っ……」
ようやくミサが口を離し、転がる浩輔の顔を覗き込んだ。
「わたしにもしてよ」
「……うん、する」
浩輔の手を掴み、ミサは自分の胸に当てた。
「好きでしょ」
「うん」
「他の女のよりも好き?」
「うん」
勢いで頷いてしまった。
他の女と言われても、ミサとマユカしか知らないし、マユカとは今もう会ってもいない。ミサしか知らないも同然で、そんな質問の意図がわからなかった。
「わたしが一番?」
「うん」
胸にしゃぶりつきながら、相槌を打つ。
「大きな赤ちゃんみたい」
「うん」
ミサは浩輔の頭を抱えた。
「ここだけじゃなくて、もっと別の所も、お願い」
「うん」
ミサを横たわらせたあと両脚を開いて顔を埋めた。
「ずっとトロトロなんだね」
「三原君のせいよ」
「いやらしいな」
舌でぷっくりとした場所を刺激すると、愛液が次々を溢れてきた。
「なんでこんなに敏感なんですか?」
「三原君のせいだよ」
「へえ……」
断りもなく指を入れ、ずぶりずぶりと抜き差しを繰り返す。ミサは嬌声を上げ、腰をくねらせた。動く腰を掴み、指の動きを早めると嬌声は大きくなっていく。
「駄目っ……駄目っ……」
ダメッと一際大きくなったかと思うと、ミサは果ててしまった。
今日のミサはなんだか敏感になっている気がした。
「イっちゃった……」
「……三原君のでイキたいのに……」
「いいよ、俺のでイキたいなら、挿れてあげますよ」
「お願い」
「うん」
浩輔はゴムを付けようと箱を探した。
「なくてもいいよ」
ミサはそう言った。
今までそんなことを言われたことはない。
「ダメですよ、ちゃんと付けないと」
「大丈夫な日だから」
「ダメ」
(ミサさんは他の男とも寝てるし……お互いちゃんとしないと)
そのままでしようよ、とミサは渋ったが、
「ちゃんと付けます」
と抵抗したあと、装着した。
もぞもぞと動いて、浩輔がいざ……と思った時、ミサが起き上がった。
「わたしが乗る」
「え?」
浩輔を荒々しく押し倒し、ミサが跨がってきた。
「えっ」
「いいでしょ、三原君は見てて」
「ちょっ……」
ミサは腰を落とし、浩輔と繋がった。
「どうしたんですか……」
なんだか今日は積極的、というより変な気がした。
「わたしが動くからね」
ぐいぐいとミサが押しつけると、奥に当たるのがわかる。
さっきしたばかりなのに、もうこんな状態の自分が気恥ずかしい。腰を動かし、ミサが上を仰いだ。
「んっ……んっ……」
浩輔が何かしなくてもミサが勝手に腰を振って、喘いでいる。
(やべ……)
目を閉じ、半ば口を開けて惚けていると、ミサがふいに唇を押しつけてきた。
「んっ……!」
舌を入れ、口内をも侵してくる。
唾液まみれの口元にもおかまいなしで、喘ぎ声と共に襲いかかってくる。
「んんっ……どうしたの……」
ようやく離れると、またミサは激しく動いた。
「足りないの……足りないの!」
ミサの虚ろな目に、浩輔は、まさか、という嫌な予感がした。
(……キメセク……? クスリ……?)
以前感じた違和感は、クスリだと思った。
証拠は無いが、高虎に相談し、限りなく黒に近いことを言われ、今日終わりにするためにここにやってきた。
前回よりも強く、ヤバい、と感じた。
部屋の香りも、キスの味も、初めての頃と違いすぎていた。浩輔にはわからないし、寧ろ違和感を感じるので、身体が受け付けていないのだろう。
これで終わらないと、と危険信号が灯る。
しかし。
ミサが果て、自分が果てても、まだミサは浩輔を貪ろうとした。何度も何度も果てさせられ、遂には浩輔は目を閉じてしまった。
「無理……ミサさん、俺、もう無理……」
「起きて! 起きてよ!」
「ダメ、出し尽くした……潰れる……」
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