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【第4部】浩輔編
9.関係(前編)
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「三原君って、意外に筋肉あるんだね」
「……そう、なのかな」
毎日タイヤを転がして、そこそこ重量のあるものを運ぶこともある。細身だが、貧弱ではないとは思っていた。
ミサが浩輔の胸や腕を撫で摩り、嬉しそうに笑っている。
触れられた浩輔は緊張で身体が強ばっている。
「初めての時も思ったけど、いい身体つきだよね」
「……褒められてるのかな」
「もちろん褒めてるよ、言われるの嫌だった?」
「嫌じゃない……、ていうか、言われたことないし」
「そっかー」
ふふっ、とミサは不敵に笑った。
二人がベッドの上で裸のまま横になっている。ミサは熱くなっている身体を浩輔の身体に密着させるように寄せてきた。
浩輔の身体もまだ熱を帯びている。
先程まで散々身体を絡ませ果てたというのに、浩輔の身体は疼いている。
(やべ……)
〈初めて〉をミサとしてから、何度かこうして肌を重ね、男女の関係が続いていた。特に恋愛感情はないが、ミサに誘われてふらっと関係を持ってしまった。ミサには自分のほかにも関係を持っている男性がいるような気がしている。その相手とは、何かの対価なのか、本気なのかはわからないが。
今日はミサの部屋に招かれている。よほど信頼されているのか、それとも他の理由があるのか。浩輔にはもうどうでもよかった。
本当は駄目らしいが、店に行ったあと、こっそり連絡先を交換した。自分からではなくミサから求められ、高虎や祐策に内緒で交換したのだ。店に行かなくても、ミサが「会いたい」と言えば会ったし、一ヶ月程経過してミサの部屋に呼ばれるようになった。
「わたしで勉強して練習して、本気の子の時に失敗しなかったらいいじゃない?」
最初はそう言われた。
おそらく、練習相手、ということだ。
こういうことは好きな人とじゃなけれな駄目だと思っていたが、好きでもない相手とできるものなのだと知った。残念ながら自分が彼女に欲情してしまった。ただの男だったと思いしらされる。
しかし、ミサは何も知らない浩輔を笑うことなく、手ほどきをしてくれたのだ。
「もう一回する?」
「いいの?」
「いいよ? だって三原君、足りないでしょ?」
浩輔が頷こうかどうしようか思案しているうちに、ミサは起き上がって浩輔に跨がった。
「しよ」
「……けど、ミサさん、疲れてるでしょ」
ミサが指で浩輔の胸の突起を撫でた。
「平気よ」
「…………うん、したい」
「じゃあ、しよ」
ミサは浩輔の頬を挟み、深くキスを落とした。彼女の身体に腕を回すと、浩輔に覆い被さってくる。
(初めて舞衣とした時のキス、忘れるな……)
こんな情熱的なキスがあるなんて知らなかった。
漫画や小説の世界のものしか知らなかった。
しばらくのあと、離れたミサは浩輔の下半身へと顔を移動させた。
(……っ……)
手慣れているらしく、すぐに固くなった浩輔のモノを握ると、そのあと口に含んだ。
「……っ……う……」
不慣れな自分はこれだけで果ててしまいそうになる。
自分でするよりよほど巧い。
卑猥な音が部屋に響き、身震いをする。
「駄目駄目、ほんとに……」
「駄目なの?」
「これで終わったら、俺、恥ずかしいから……。ミサさんのもしてあげないと……」
ミサは言うことをきかず、執拗に舌で攻め立てた。
「駄目だって……ゴム……して……ミサさんに挿れたいから……」
何かが上ってくる感覚がある。これはまずい、と感じた。
「イ……イクって……駄目だって……」
ピタリ、とミサの動きが止まる。
「は……はあ……ヤバ……」
「イキそうだった?」
「ですよ……」
「イカせてあげたかったのにな。挿れたいなんて言うから止めちゃった」
それでいいですよ、と浩輔は力なく笑った。
「ゴム……わたしがしてあげるね」
「え……」
枕元の箱を手に取ると、ミサは戸惑うこともなくコンドームを装着してくれた。
(ほんとに、慣れてるな……)
「わたしが上になるね」
「待って」
「大丈夫だから」
再び跨がって、ミサは浩輔のモノを手にして自分の秘部に撫で擦りつけた。先端が、彼女が待っている場所を撫でる感覚にぞくりとする。ゆっくり、ゆっくりとミサが腰を落とし、彼女のナカへ侵入させられていく。
「……う……」
「……っ……入っちゃった」
「うん」
ぴったりくっつくと、ミサは浩輔の顔を覗き込んできた。
「動いてもいい?」
「……うん」
彼女が積極的なのか、それとも浩輔が経験がなく知らないだけなのか、腰を動かして快楽を与えてくれる。男性側が動くものなのかと思っていたが、女性もしてあげるんだよとミサは言っていた。
動く度に揺れる両胸に手を伸ばすと、その上から彼女は手を押さえた。離すわけにはいかず、離すつもりはなかったが、彼女の胸を強く掴む。手が離れ、彼女が胸を突き出すように仰け反ると、先端を抓んだ。
(エロい声……)
女はこんな声出すんだな、と初めて知ることばかりで興奮が増す。
動きを速めたり、緩めたりを繰り返しながら、ミサは執拗に腰を振った。我慢できず浩輔も下から突き上げると、悲鳴をあげて彼女は果てた。
がばっと起き上がり、息を整えるミサを正面から見つめる。
「疲れたでしょ?」
「だ……大丈夫……三原君のが良すぎて……」
(良いとか良くないとかわかんねえし)
首筋に手をやり、キスをする。
キスなんてしなくていいから、と彼女は言うが、それではあからさまに行為だけが目的な気がしたのだ。恋愛感情は全くないが、相手は美人な女性だし、それくらいはさせてもらってもいいだろうと思ったのだ。
「三原君のキスって優しいな」
「……そう?」
とんっとミサを倒し、今度は自分が覗き込んだ。
「今度は俺が動いてもいい?」
「……うん」
「下手くそだけど」
「そんなことないよ」
正直、誰かに見せてもらったAVの見様見真似ばかりではあるが、ミサは嬉しそうに啼いてくれた。
「それでいいよ」
と浩輔のすることは否定しなかった。
こうしてほしい、だとかいう希望を口にして浩輔をリードしてくれた。
未だにドキドキはするが、初めての時は心臓がうるさすぎてミサに聞こえてるのではと思ったほどだ。服を脱がせるのも、女性の身体を見るのも、触るのも全て初めてで、未経験なのが恥ずかしかったのに、彼女は全部受け入れてくれた。……恋愛感情はないのに。
ミサの大きい柔らかな胸を掴むと、つながった部分が締め付けられた。
(こんなに柔らかいもんなんだな……)
一つ一つに感激してた初めての時よりは、ほんの少しだけ余裕ぶって、腰を打ち付ける。ミサがしたように強弱をつけ、ミサを啼かせ、その声や姿を見ると気持ちが昂ぶってくる。
(気持ちいい……なんで俺はこんなことを知らなかったんだろうな……)
高校生の頃に既に経験した同級生もいたし、専門学校時代も同様だ。自分はひたすら勉強とバイトに明け暮れて、余裕がなかったし仕方がない。
乱暴に動き続けていると、奥のほうからこみ上げてくる感覚が生まれ出す。
「ヤバ……っ……」
もうすぐ我慢できなくなる、ということを察し、ミサに怖々と尋ねる。
「もう……っ……」
「いいよ……っ……」
快楽の絶頂はもうすぐそこまで来ていた……。
「……そう、なのかな」
毎日タイヤを転がして、そこそこ重量のあるものを運ぶこともある。細身だが、貧弱ではないとは思っていた。
ミサが浩輔の胸や腕を撫で摩り、嬉しそうに笑っている。
触れられた浩輔は緊張で身体が強ばっている。
「初めての時も思ったけど、いい身体つきだよね」
「……褒められてるのかな」
「もちろん褒めてるよ、言われるの嫌だった?」
「嫌じゃない……、ていうか、言われたことないし」
「そっかー」
ふふっ、とミサは不敵に笑った。
二人がベッドの上で裸のまま横になっている。ミサは熱くなっている身体を浩輔の身体に密着させるように寄せてきた。
浩輔の身体もまだ熱を帯びている。
先程まで散々身体を絡ませ果てたというのに、浩輔の身体は疼いている。
(やべ……)
〈初めて〉をミサとしてから、何度かこうして肌を重ね、男女の関係が続いていた。特に恋愛感情はないが、ミサに誘われてふらっと関係を持ってしまった。ミサには自分のほかにも関係を持っている男性がいるような気がしている。その相手とは、何かの対価なのか、本気なのかはわからないが。
今日はミサの部屋に招かれている。よほど信頼されているのか、それとも他の理由があるのか。浩輔にはもうどうでもよかった。
本当は駄目らしいが、店に行ったあと、こっそり連絡先を交換した。自分からではなくミサから求められ、高虎や祐策に内緒で交換したのだ。店に行かなくても、ミサが「会いたい」と言えば会ったし、一ヶ月程経過してミサの部屋に呼ばれるようになった。
「わたしで勉強して練習して、本気の子の時に失敗しなかったらいいじゃない?」
最初はそう言われた。
おそらく、練習相手、ということだ。
こういうことは好きな人とじゃなけれな駄目だと思っていたが、好きでもない相手とできるものなのだと知った。残念ながら自分が彼女に欲情してしまった。ただの男だったと思いしらされる。
しかし、ミサは何も知らない浩輔を笑うことなく、手ほどきをしてくれたのだ。
「もう一回する?」
「いいの?」
「いいよ? だって三原君、足りないでしょ?」
浩輔が頷こうかどうしようか思案しているうちに、ミサは起き上がって浩輔に跨がった。
「しよ」
「……けど、ミサさん、疲れてるでしょ」
ミサが指で浩輔の胸の突起を撫でた。
「平気よ」
「…………うん、したい」
「じゃあ、しよ」
ミサは浩輔の頬を挟み、深くキスを落とした。彼女の身体に腕を回すと、浩輔に覆い被さってくる。
(初めて舞衣とした時のキス、忘れるな……)
こんな情熱的なキスがあるなんて知らなかった。
漫画や小説の世界のものしか知らなかった。
しばらくのあと、離れたミサは浩輔の下半身へと顔を移動させた。
(……っ……)
手慣れているらしく、すぐに固くなった浩輔のモノを握ると、そのあと口に含んだ。
「……っ……う……」
不慣れな自分はこれだけで果ててしまいそうになる。
自分でするよりよほど巧い。
卑猥な音が部屋に響き、身震いをする。
「駄目駄目、ほんとに……」
「駄目なの?」
「これで終わったら、俺、恥ずかしいから……。ミサさんのもしてあげないと……」
ミサは言うことをきかず、執拗に舌で攻め立てた。
「駄目だって……ゴム……して……ミサさんに挿れたいから……」
何かが上ってくる感覚がある。これはまずい、と感じた。
「イ……イクって……駄目だって……」
ピタリ、とミサの動きが止まる。
「は……はあ……ヤバ……」
「イキそうだった?」
「ですよ……」
「イカせてあげたかったのにな。挿れたいなんて言うから止めちゃった」
それでいいですよ、と浩輔は力なく笑った。
「ゴム……わたしがしてあげるね」
「え……」
枕元の箱を手に取ると、ミサは戸惑うこともなくコンドームを装着してくれた。
(ほんとに、慣れてるな……)
「わたしが上になるね」
「待って」
「大丈夫だから」
再び跨がって、ミサは浩輔のモノを手にして自分の秘部に撫で擦りつけた。先端が、彼女が待っている場所を撫でる感覚にぞくりとする。ゆっくり、ゆっくりとミサが腰を落とし、彼女のナカへ侵入させられていく。
「……う……」
「……っ……入っちゃった」
「うん」
ぴったりくっつくと、ミサは浩輔の顔を覗き込んできた。
「動いてもいい?」
「……うん」
彼女が積極的なのか、それとも浩輔が経験がなく知らないだけなのか、腰を動かして快楽を与えてくれる。男性側が動くものなのかと思っていたが、女性もしてあげるんだよとミサは言っていた。
動く度に揺れる両胸に手を伸ばすと、その上から彼女は手を押さえた。離すわけにはいかず、離すつもりはなかったが、彼女の胸を強く掴む。手が離れ、彼女が胸を突き出すように仰け反ると、先端を抓んだ。
(エロい声……)
女はこんな声出すんだな、と初めて知ることばかりで興奮が増す。
動きを速めたり、緩めたりを繰り返しながら、ミサは執拗に腰を振った。我慢できず浩輔も下から突き上げると、悲鳴をあげて彼女は果てた。
がばっと起き上がり、息を整えるミサを正面から見つめる。
「疲れたでしょ?」
「だ……大丈夫……三原君のが良すぎて……」
(良いとか良くないとかわかんねえし)
首筋に手をやり、キスをする。
キスなんてしなくていいから、と彼女は言うが、それではあからさまに行為だけが目的な気がしたのだ。恋愛感情は全くないが、相手は美人な女性だし、それくらいはさせてもらってもいいだろうと思ったのだ。
「三原君のキスって優しいな」
「……そう?」
とんっとミサを倒し、今度は自分が覗き込んだ。
「今度は俺が動いてもいい?」
「……うん」
「下手くそだけど」
「そんなことないよ」
正直、誰かに見せてもらったAVの見様見真似ばかりではあるが、ミサは嬉しそうに啼いてくれた。
「それでいいよ」
と浩輔のすることは否定しなかった。
こうしてほしい、だとかいう希望を口にして浩輔をリードしてくれた。
未だにドキドキはするが、初めての時は心臓がうるさすぎてミサに聞こえてるのではと思ったほどだ。服を脱がせるのも、女性の身体を見るのも、触るのも全て初めてで、未経験なのが恥ずかしかったのに、彼女は全部受け入れてくれた。……恋愛感情はないのに。
ミサの大きい柔らかな胸を掴むと、つながった部分が締め付けられた。
(こんなに柔らかいもんなんだな……)
一つ一つに感激してた初めての時よりは、ほんの少しだけ余裕ぶって、腰を打ち付ける。ミサがしたように強弱をつけ、ミサを啼かせ、その声や姿を見ると気持ちが昂ぶってくる。
(気持ちいい……なんで俺はこんなことを知らなかったんだろうな……)
高校生の頃に既に経験した同級生もいたし、専門学校時代も同様だ。自分はひたすら勉強とバイトに明け暮れて、余裕がなかったし仕方がない。
乱暴に動き続けていると、奥のほうからこみ上げてくる感覚が生まれ出す。
「ヤバ……っ……」
もうすぐ我慢できなくなる、ということを察し、ミサに怖々と尋ねる。
「もう……っ……」
「いいよ……っ……」
快楽の絶頂はもうすぐそこまで来ていた……。
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