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【第4部】浩輔編
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「そういえば、浩輔さんと彼女さんの馴れ初め、聞いたことないですね」
ふいに和宏が言った。
世話になっている神崎邸のリビングで、同居人の男三人で寛いでいる。
市川和宏、宮城祐策、そして自分の三人だ。もう一人、影山智幸という男がいるが、飲食店勤務で、会社勤めの自分たちより帰りが遅く、週末も仕事だ。
土曜日の今日はもちろん仕事だし、帰りにいつも恋人の所へ寄り道をしている。もうしばらくは帰ってこないだろう。
「話したことなかったっけ?」
浩輔は首を傾けた。
散々惚気話をしてきたような気がしていた。
「俺がここに来た時には、もう浩輔さんはもう付き合ってたみたいですし」
「あー、そういえば、そうだっけ」
浩輔は、そっか、と頷いた。
祐策も、
「俺と出会った頃にはもう付き合ってた? 違うか?」
祐策と浩輔は同い年で、それを抜きにしても気が合う相手だった。
知り合ったのは……二十歳過ぎくらいだったように思う浩輔だった。
「いや、付き合ってないし、その時は会ってもなかったな」
「そうなの? 昔から知ってるっぽいこと言ってなかった?」
祐策は興味津々な様子だ。
和宏も気になるのか、聞き入っている。
「小学校一年生からの知り合いかな」
「幼馴染ってことですか?」
「いや、幼馴染っていうのとは違うかな」
和宏の言葉を、やんわり否定した。浩輔が聞いたところでは「幼馴染」の定義とは、だいたい小学校に上がる前まえに知り合った友人のことをいうらしい。なので浩輔は、そう言った。
「えーとね……」
浩輔は記憶を辿りながら、口を開いた。
ふいに和宏が言った。
世話になっている神崎邸のリビングで、同居人の男三人で寛いでいる。
市川和宏、宮城祐策、そして自分の三人だ。もう一人、影山智幸という男がいるが、飲食店勤務で、会社勤めの自分たちより帰りが遅く、週末も仕事だ。
土曜日の今日はもちろん仕事だし、帰りにいつも恋人の所へ寄り道をしている。もうしばらくは帰ってこないだろう。
「話したことなかったっけ?」
浩輔は首を傾けた。
散々惚気話をしてきたような気がしていた。
「俺がここに来た時には、もう浩輔さんはもう付き合ってたみたいですし」
「あー、そういえば、そうだっけ」
浩輔は、そっか、と頷いた。
祐策も、
「俺と出会った頃にはもう付き合ってた? 違うか?」
祐策と浩輔は同い年で、それを抜きにしても気が合う相手だった。
知り合ったのは……二十歳過ぎくらいだったように思う浩輔だった。
「いや、付き合ってないし、その時は会ってもなかったな」
「そうなの? 昔から知ってるっぽいこと言ってなかった?」
祐策は興味津々な様子だ。
和宏も気になるのか、聞き入っている。
「小学校一年生からの知り合いかな」
「幼馴染ってことですか?」
「いや、幼馴染っていうのとは違うかな」
和宏の言葉を、やんわり否定した。浩輔が聞いたところでは「幼馴染」の定義とは、だいたい小学校に上がる前まえに知り合った友人のことをいうらしい。なので浩輔は、そう言った。
「えーとね……」
浩輔は記憶を辿りながら、口を開いた。
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