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【第2部】29.エピローグ
エピローグ
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神崎邸を後にし、二人は自分たちのアパートに戻った。
「さすがに疲れたな」
「そうですね……。でも楽しい疲れだと思いますよ。あっ、お風呂沸かしますね」
疲れたと言いながら、聡子はぱたぱたと動いている。
トモが脱ぎ捨てたコートと自分のコートをハンガーに掛けたり、やかんを火にかけたり、忙しなく動いていた。
「お風呂沸かしてる間に、お茶飲みましょう」
「うん。悪いな」
もう片付けるのを簡単にしたい、と聡子は茶葉を使わず、ティーバッグのお茶を用意してくれた。
「ありがとう」
「お風呂沸いたら、先にどうぞ」
「一緒に入らないのか?」
「一緒に入ったら……また……」
「しない」
何を言いたいのか察したトモは苦笑して言った。
「ほんとに?」
「ああ、そのつもり。でも今日はしてないしな……」
「やっぱりお先にどうぞ」
先にトモが風呂に入り、警戒した聡子は後から入った。
トモはいつでも聡子を求める準備は出来ているが、今日はさすがに聡子は疲れてしまったのだろう。仕方ないか、と諦めた。
テレビを点けると、どれも正月番組が放送されている。特にどれに興味があるわけではないが、漫才の番組が面白どそうだなと思い、それにした。
「何見てるんですか?」
「漫才やってたから、それ見てる」
「わたしも見ようっと」
席に着いた聡子も、トモの向かいでテレビに視線をやった。
面白い漫才もあれば特に笑えない漫才もあったり、色々だったが聡子はくすくすと笑っている。
「なあ、聡子は実家に帰らなくていいのか?」
ふいに尋ねた。
「いいですよ、別に。弟は帰ってきてると思いますけど、すぐに戻るでしょうし。母も、旦那様とお正月過ごしてるでしょうし、別にわたしが帰らなくても何の問題もないですよ。それに時々顔出してますし」
「そうか」
いいんです、と聡子は笑った。
「俺に気ぃ遣わなくていいんだって言おうと思ったけど、そんなことなさそうだな」
「遣ってませんよ。せっかくのお休み、智幸さんと一緒にいたいなあって」
「そうか、そんなこと言われたら嬉しいもんだな」
聡子の乾ききっていない髪を撫でると、ふにゃりと笑った。
「髪、まだ濡れてるな」
「あ、はい。あとで乾かします」
「風邪ひくぞ。疲れてるだろ。俺が乾かしてやるよ」
「えっ、いいですよ、自分で出来ますから」
拒む聡子を余所に、トモは洗面所からドライヤーを持ってきた。
「たまには俺にやらせてくれよ。正月なんだし」
テレビを正面にして聡子を座らせ、トモはドライヤーの電源を入れた。
タオルである程度拭ったようだが、セミロングの聡子の髪は乾いてはいない。手櫛を淹れながら、彼女の柔らかい髪を乾かしていく。
聡子はトモの髪を乾かしてくれることがあった。
なんのサービスなんだ、と揶揄ったことがあったが、彼女は、
「恋人の髪を乾かすっていうシチュエーション、いいなあって思ったことがあったので」
と恥ずかしそうに言っていた。
彼女の高校時代の友人が、少女漫画オタクだとかで「キュンなシチュエーション」を語ってくれていたのだという。自分と違って、サッカー部の恋人と少女漫画のような恋愛をしていたと笑って話してくれた。彼女のことを羨ましいと思ったことはないが、トモと付き合うようになって、実体験なのか漫画の世界なのかはわからないが、友人の話してくれたエピソードを思い出したと聡子は言っていた。
トモの髪を乾かしながら、嬉しそうにしていた。昔は茶髪に脱色したり、染めたりで髪は傷んでしまっていたが、料理人として働くようになってからは、髪のことを気にしなくなっていた。すっかり地毛になって、傷んだ部分はなくなっている。聡子と一緒に暮らすようになって、まだ二ヶ月程度だが、時々髪を手入れしてくれるのが心地良い。
同じようにしてやりたい、と聡子の髪を乾すことを試みるトモだ。
「おまえの髪、綺麗だな」
「何か言いました?」
ドライヤーの音で呟きが聞き取れなかったようで、聡子がそう言った。
「いや、何も言ってないよ」
少し大きめの声で応える。
聡子は正面のテレビを見やり、時々笑ったり、真顔になったりしている。聡子の気に入った漫才師が出てくると、興味津々に見入っていた。
聡子の髪を乾かすのには時間を要した。
「はい、乾いた」
ようやく乾かし終え、ドライヤーをオフにすると、聡子は、
「ありがとうございます」
と、とろんとした目で言った。
「どうした? 眠たいか?」
「あ、うん……なんか、頭を触ってもらうと気持ちよくて……なんかうとうとしてしまって……。美容院でもいつも寝そうになるんですよね……」
目を擦り、彼女は立ち上がって椅子を元に戻した。トモはドライヤーをしまいに洗面所に行く。その間に、彼女はフローリングワイパーで落ちた自分の髪を掃除し、のろのろとまた椅子に座った。
「眠くなったみたいだな」
「……はい、なんだか、智幸さんの手が気持ちよくて」
(俺の手……)
自分の右手を見つめる。
彼女を抱く時、この手で彼女の身体を気持ちよくさせているが、それ以外にも彼女を心地よくさせることができたことに正直驚いてしまった。
(そっか……)
それだけじゃないよな、と妙に感心してしまう。
聡子は、トモに頭を撫でられるのが好きだと言っていた。一緒に住む前、別れ際に右手でぽんぽんと頭を撫でていたが、それが好きだとも話してくれた。
(そうだったな……)
眠そうに椅子に座った聡子に声をかける。
「聡子、もう寝ようか」
「うん……」
のそりと立ち上がった聡子を、ひょいと姫抱きにする。
「わっ……」
「俺が連れていくよ」
突然のことに聡子は目が覚めたように、瞼をぱっちり開いた。
「……うん」
トモの部屋のベッドに連れて行く。
「なあ、明日、初詣行くか。昨日も今日も行けなかったしな」
「……はい」
聡子はトモの首に腕を回し、頷いた。
ベッドに行き、聡子をゆっくり下ろした。
もぞもぞとベッドに入った聡子に、
「コップ片付けたら俺もすぐ寝るから。先に寝てろ。な?」
声をかけた。
「あ、置いといて下さい。明日の朝洗いますから」
「それくらいは俺がやる。おまえは休め」
「……はい。ありがとうございます」
髪を撫でると、彼女は笑った。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
ちゅっ、とキスをして微笑んだ。
聡子も微笑み返してくれた。
聡子が目を閉じたのを見て、電気を消して部屋を出た。
(可愛いな……)
毎日寝顔を見ているというのに、その寝顔に恋慕が収まることはない。
(はあ……やばいな……めちゃくちゃ惚れてんだよな……俺のほうが)
彼女には言葉で気持ちを伝えることがあまりない。抱いている時に感情が高ぶって、気持ちを行為で表すこともあるが、聡子に伝わっているかはわからない。ただセックスが好きな、性欲の強い恋人、というふうに思われているだけかもしれない。聡子のほうは伝えてくれているというのに、自分は上手く伝えることができていない。
(こんなに惚れるとはな……)
自分の中の感情に時々驚いてしまう。
二人分のコップを洗い終えると、トモも寝室に行った。
ほんの十分程度の時間だったというのに、彼女はもう寝息を立てていた。彼女を起こさないようにベッドに潜り込み、彼女に寄り添う。
すうすう、と規則的な寝息に思わず口元が緩む。
休みは明日までで、二人とも四日が仕事始めだ。二人で一日中一緒にいられるのは明日までで、また当分その時間はないだろう。
明日は初詣に行って、またのんびりするか、とぼんやり考える。そのあとのことは……また彼女に訊いて考えよう。イチャイチャもしたいよなあ、と聡子の柔らかな頬を撫でた。
「聡子……」
トモはふいに口を開いた。
そして、今まで誰にも言ったことのない言葉を紡いだ。
「──愛、してる」
今、聡子に対してそういう気持ちでいるんだ、とわかった。
(ただ惚れてるだけじゃないんだ……)
今までに感じたことのない気持ちだ。
自然と口をついて出てきた言葉に、かっと身体が熱くなっていく。
たった五文字の単語なのに、ものすごく恥ずかしくなっていくのだ。
この言葉を言うのに、とんでもないエネルギーが必要なことも感じた。
無闇矢鱈を言えない言葉だということも。
(無理だ、言えない)
「今度は、おまえが起きてる時に……。いつか、言うから、もう少し時間をくれ」
もう一度彼女の頬を撫で、目を閉じた。
fin...
「さすがに疲れたな」
「そうですね……。でも楽しい疲れだと思いますよ。あっ、お風呂沸かしますね」
疲れたと言いながら、聡子はぱたぱたと動いている。
トモが脱ぎ捨てたコートと自分のコートをハンガーに掛けたり、やかんを火にかけたり、忙しなく動いていた。
「お風呂沸かしてる間に、お茶飲みましょう」
「うん。悪いな」
もう片付けるのを簡単にしたい、と聡子は茶葉を使わず、ティーバッグのお茶を用意してくれた。
「ありがとう」
「お風呂沸いたら、先にどうぞ」
「一緒に入らないのか?」
「一緒に入ったら……また……」
「しない」
何を言いたいのか察したトモは苦笑して言った。
「ほんとに?」
「ああ、そのつもり。でも今日はしてないしな……」
「やっぱりお先にどうぞ」
先にトモが風呂に入り、警戒した聡子は後から入った。
トモはいつでも聡子を求める準備は出来ているが、今日はさすがに聡子は疲れてしまったのだろう。仕方ないか、と諦めた。
テレビを点けると、どれも正月番組が放送されている。特にどれに興味があるわけではないが、漫才の番組が面白どそうだなと思い、それにした。
「何見てるんですか?」
「漫才やってたから、それ見てる」
「わたしも見ようっと」
席に着いた聡子も、トモの向かいでテレビに視線をやった。
面白い漫才もあれば特に笑えない漫才もあったり、色々だったが聡子はくすくすと笑っている。
「なあ、聡子は実家に帰らなくていいのか?」
ふいに尋ねた。
「いいですよ、別に。弟は帰ってきてると思いますけど、すぐに戻るでしょうし。母も、旦那様とお正月過ごしてるでしょうし、別にわたしが帰らなくても何の問題もないですよ。それに時々顔出してますし」
「そうか」
いいんです、と聡子は笑った。
「俺に気ぃ遣わなくていいんだって言おうと思ったけど、そんなことなさそうだな」
「遣ってませんよ。せっかくのお休み、智幸さんと一緒にいたいなあって」
「そうか、そんなこと言われたら嬉しいもんだな」
聡子の乾ききっていない髪を撫でると、ふにゃりと笑った。
「髪、まだ濡れてるな」
「あ、はい。あとで乾かします」
「風邪ひくぞ。疲れてるだろ。俺が乾かしてやるよ」
「えっ、いいですよ、自分で出来ますから」
拒む聡子を余所に、トモは洗面所からドライヤーを持ってきた。
「たまには俺にやらせてくれよ。正月なんだし」
テレビを正面にして聡子を座らせ、トモはドライヤーの電源を入れた。
タオルである程度拭ったようだが、セミロングの聡子の髪は乾いてはいない。手櫛を淹れながら、彼女の柔らかい髪を乾かしていく。
聡子はトモの髪を乾かしてくれることがあった。
なんのサービスなんだ、と揶揄ったことがあったが、彼女は、
「恋人の髪を乾かすっていうシチュエーション、いいなあって思ったことがあったので」
と恥ずかしそうに言っていた。
彼女の高校時代の友人が、少女漫画オタクだとかで「キュンなシチュエーション」を語ってくれていたのだという。自分と違って、サッカー部の恋人と少女漫画のような恋愛をしていたと笑って話してくれた。彼女のことを羨ましいと思ったことはないが、トモと付き合うようになって、実体験なのか漫画の世界なのかはわからないが、友人の話してくれたエピソードを思い出したと聡子は言っていた。
トモの髪を乾かしながら、嬉しそうにしていた。昔は茶髪に脱色したり、染めたりで髪は傷んでしまっていたが、料理人として働くようになってからは、髪のことを気にしなくなっていた。すっかり地毛になって、傷んだ部分はなくなっている。聡子と一緒に暮らすようになって、まだ二ヶ月程度だが、時々髪を手入れしてくれるのが心地良い。
同じようにしてやりたい、と聡子の髪を乾すことを試みるトモだ。
「おまえの髪、綺麗だな」
「何か言いました?」
ドライヤーの音で呟きが聞き取れなかったようで、聡子がそう言った。
「いや、何も言ってないよ」
少し大きめの声で応える。
聡子は正面のテレビを見やり、時々笑ったり、真顔になったりしている。聡子の気に入った漫才師が出てくると、興味津々に見入っていた。
聡子の髪を乾かすのには時間を要した。
「はい、乾いた」
ようやく乾かし終え、ドライヤーをオフにすると、聡子は、
「ありがとうございます」
と、とろんとした目で言った。
「どうした? 眠たいか?」
「あ、うん……なんか、頭を触ってもらうと気持ちよくて……なんかうとうとしてしまって……。美容院でもいつも寝そうになるんですよね……」
目を擦り、彼女は立ち上がって椅子を元に戻した。トモはドライヤーをしまいに洗面所に行く。その間に、彼女はフローリングワイパーで落ちた自分の髪を掃除し、のろのろとまた椅子に座った。
「眠くなったみたいだな」
「……はい、なんだか、智幸さんの手が気持ちよくて」
(俺の手……)
自分の右手を見つめる。
彼女を抱く時、この手で彼女の身体を気持ちよくさせているが、それ以外にも彼女を心地よくさせることができたことに正直驚いてしまった。
(そっか……)
それだけじゃないよな、と妙に感心してしまう。
聡子は、トモに頭を撫でられるのが好きだと言っていた。一緒に住む前、別れ際に右手でぽんぽんと頭を撫でていたが、それが好きだとも話してくれた。
(そうだったな……)
眠そうに椅子に座った聡子に声をかける。
「聡子、もう寝ようか」
「うん……」
のそりと立ち上がった聡子を、ひょいと姫抱きにする。
「わっ……」
「俺が連れていくよ」
突然のことに聡子は目が覚めたように、瞼をぱっちり開いた。
「……うん」
トモの部屋のベッドに連れて行く。
「なあ、明日、初詣行くか。昨日も今日も行けなかったしな」
「……はい」
聡子はトモの首に腕を回し、頷いた。
ベッドに行き、聡子をゆっくり下ろした。
もぞもぞとベッドに入った聡子に、
「コップ片付けたら俺もすぐ寝るから。先に寝てろ。な?」
声をかけた。
「あ、置いといて下さい。明日の朝洗いますから」
「それくらいは俺がやる。おまえは休め」
「……はい。ありがとうございます」
髪を撫でると、彼女は笑った。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
ちゅっ、とキスをして微笑んだ。
聡子も微笑み返してくれた。
聡子が目を閉じたのを見て、電気を消して部屋を出た。
(可愛いな……)
毎日寝顔を見ているというのに、その寝顔に恋慕が収まることはない。
(はあ……やばいな……めちゃくちゃ惚れてんだよな……俺のほうが)
彼女には言葉で気持ちを伝えることがあまりない。抱いている時に感情が高ぶって、気持ちを行為で表すこともあるが、聡子に伝わっているかはわからない。ただセックスが好きな、性欲の強い恋人、というふうに思われているだけかもしれない。聡子のほうは伝えてくれているというのに、自分は上手く伝えることができていない。
(こんなに惚れるとはな……)
自分の中の感情に時々驚いてしまう。
二人分のコップを洗い終えると、トモも寝室に行った。
ほんの十分程度の時間だったというのに、彼女はもう寝息を立てていた。彼女を起こさないようにベッドに潜り込み、彼女に寄り添う。
すうすう、と規則的な寝息に思わず口元が緩む。
休みは明日までで、二人とも四日が仕事始めだ。二人で一日中一緒にいられるのは明日までで、また当分その時間はないだろう。
明日は初詣に行って、またのんびりするか、とぼんやり考える。そのあとのことは……また彼女に訊いて考えよう。イチャイチャもしたいよなあ、と聡子の柔らかな頬を撫でた。
「聡子……」
トモはふいに口を開いた。
そして、今まで誰にも言ったことのない言葉を紡いだ。
「──愛、してる」
今、聡子に対してそういう気持ちでいるんだ、とわかった。
(ただ惚れてるだけじゃないんだ……)
今までに感じたことのない気持ちだ。
自然と口をついて出てきた言葉に、かっと身体が熱くなっていく。
たった五文字の単語なのに、ものすごく恥ずかしくなっていくのだ。
この言葉を言うのに、とんでもないエネルギーが必要なことも感じた。
無闇矢鱈を言えない言葉だということも。
(無理だ、言えない)
「今度は、おまえが起きてる時に……。いつか、言うから、もう少し時間をくれ」
もう一度彼女の頬を撫で、目を閉じた。
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