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【第2部】28.温泉
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しおりを挟む朝起きて、二人はまた客室内の露天風呂に浸かった。
向かいは山なので、誰かに見られている心配はない。昨夜はここで散々愛し合ったあと、聡子が急に不安になったようで「誰かに見られてなかったか」と気にしていた。そもそも露天風呂がここにある時点で、誰かに覗き見される心配はないとトモは思ったが。
「安心したか?」
「うん、まあ……」
「今からしても誰にも見られる心配はないぞ?」
「しませんよ」
「しないのか」
残念、とトモは聡子に身体を寄せた。
「せっかく温泉に来たしさ……いつもと違う雰囲気だし、何度もセックスしたくなる」
「もう……。智幸さん、そんなにわたしとしたら……」
言いたくなさそうな聡子だ。
「言いたいことはちゃんと言えって」
「……こんなに毎日、毎晩わたしとしてたら……そのうち飽きちゃいますよ」
「おまえにか?」
こくりと彼女は頷いた。
「飽きない。ますますおまえが欲しくなる。すぐ手が届くようになったら性欲がなくなるぞって人に言われたけど、俺はそうはなってないな」
おまえが欲しくてたまらない、とキスをする。
「求めてもらえるのはすごく嬉しいんですけど……」
「けど?」
「わたしは智幸さんみたいに体力がないんで……すぐいバテちゃいますよ……」
困った顔でトモを見やった。
体力がないと言いながら、いつもトモに付き合ってくれている彼女だ。トモには充分だった。
「それでもいいですか?」
顔を近づけてきた聡子の腰に手を回し、彼女の唇を受け入れる。
「いいに決まってるだろ」
そうして、聡子の唇を貪った。
「まだあと一泊するし。それに今日は大晦日だしな。今夜も思う存分、露天風呂に浸かろう」
二人の温泉旅行は、濃厚なものになった。
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