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【第2部】22.絶望
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注意) この章では暴力的な場面、表現があります。
聡子は金曜日の仕事を終え帰宅していた。
トモは、今日の夜は明日の仕込みのために遅くなりだから行けそうにない、そう連絡をくれた。そのかわり、明日の土曜日の夜は部屋に行く、ともメッセージにあった。
相変わらず泊まってはくれないが、仕事を終えると少しの時間だけでもと、会いに来てくれる。
週末が嬉しい聡子だった。
その高揚した気分は一瞬にしてどん底に突き落とされることになるとは、その時の聡子は思いもしなかった。
「トモの彼女だよね?」
聡子はトモの名前にうっかり振り返ってしまった。
そこには知らない男がいた。
訝しげに聡子は相手を見返している。
「俺は前にトモと同じ組にいたんだよ」
「…………」
不信感は否めない。
正直、トモの過去は知らないが、あまり人を信用していた風には見えなかった。神崎会長やカズと初めとする同居人の話題は出ることがある。彼らに対しては決して悪くは言わないし、信頼しているのを感じる。それ以外の人物はほぼ出ない。時折出てくるが、他の組に移った者のことなどは快く思っていないことが感じられる。
(慣れ慣れしい、ということは、智幸さんが好きではないほうのタイプ)
後者のほうだと察した。
聡子は無視を決め込み、そのまま通り過ぎることにした。
「おい、トモの女だろ」
口調が変わる。
聡子はその男に見覚えはない。相手が一方的にこちらを知っているのだろう。だとしても、関わらないほうがいいのは明らかだった。
「無視かよ。トモの女癖悪いの知ってて付き合うとは、あんたもそうとうなビッチか」
カチンと来ても、これは無視するしかない、と聡子は早足で歩く。
男が付いてくる気配を感じた。
「待てよ」
嫌な予感がした。
早く逃げよう、そう思った時だった。
「いっ…………」
首に痛みを感じたと思うや、電流が流れた。
数秒何かが当てられていた気がしたが、これは、と思った時にはもう聡子は意識を失ってしまっていた…………。
聡子は金曜日の仕事を終え帰宅していた。
トモは、今日の夜は明日の仕込みのために遅くなりだから行けそうにない、そう連絡をくれた。そのかわり、明日の土曜日の夜は部屋に行く、ともメッセージにあった。
相変わらず泊まってはくれないが、仕事を終えると少しの時間だけでもと、会いに来てくれる。
週末が嬉しい聡子だった。
その高揚した気分は一瞬にしてどん底に突き落とされることになるとは、その時の聡子は思いもしなかった。
「トモの彼女だよね?」
聡子はトモの名前にうっかり振り返ってしまった。
そこには知らない男がいた。
訝しげに聡子は相手を見返している。
「俺は前にトモと同じ組にいたんだよ」
「…………」
不信感は否めない。
正直、トモの過去は知らないが、あまり人を信用していた風には見えなかった。神崎会長やカズと初めとする同居人の話題は出ることがある。彼らに対しては決して悪くは言わないし、信頼しているのを感じる。それ以外の人物はほぼ出ない。時折出てくるが、他の組に移った者のことなどは快く思っていないことが感じられる。
(慣れ慣れしい、ということは、智幸さんが好きではないほうのタイプ)
後者のほうだと察した。
聡子は無視を決め込み、そのまま通り過ぎることにした。
「おい、トモの女だろ」
口調が変わる。
聡子はその男に見覚えはない。相手が一方的にこちらを知っているのだろう。だとしても、関わらないほうがいいのは明らかだった。
「無視かよ。トモの女癖悪いの知ってて付き合うとは、あんたもそうとうなビッチか」
カチンと来ても、これは無視するしかない、と聡子は早足で歩く。
男が付いてくる気配を感じた。
「待てよ」
嫌な予感がした。
早く逃げよう、そう思った時だった。
「いっ…………」
首に痛みを感じたと思うや、電流が流れた。
数秒何かが当てられていた気がしたが、これは、と思った時にはもう聡子は意識を失ってしまっていた…………。
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