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【第1部】11.泥酔
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翌日の日曜日、聡子は川村と出かけることにした。
トモとの食事は、ラーメン屋だが、川村は前回連れて行ってくれたお洒落な酒造カフェに連れていってくれた。
「この前はほんとうに悪いことしたって反省してる。ミヅキちゃんが食事に行くのOKしてくれたからって、焦って……」
彼は頭を下げた。
「親や周囲にも、誰かいないのかって言われて……つい、会計の知識のある女性がいるって話してしまって……でも俺が一方的に好意を持っているだけだっていうのもちゃんと言ったし。それくらい、俺はミヅキちゃんと親密になりたいと思ってるんだ」
真っ赤な顔で川村は言った。
(すごく真剣……)
「でも水商売だとは言ってないんですよね」
「……ま、まあ」
「釣り合わないですよ」
「待つから」
川村の車で、最初の待ち合わせ場所に向かってもらった。今日は明るいうちに家に帰ることにしたのだ。
(あれって……)
その途中、聡子はトモらしきの姿を見かけた。派手な女と一緒だった。
彼は料理人だと言っていたが、日曜の夕方なら暇ではないはずだ。
(トモさん……)
トモの腕に女性は自分の腕を絡め、胸を押し付けるようにしているのが見えた。
(なにあれ……)
いやいやどうでもいいや忘れなきゃ、と聡子は目を瞑った。
「……なんだけど、どうかな」
「え?」
聡子は人の話をきいていなかった。
「どうかした?」
「あ、いえ、なんでもないです……」
「じゃあ、ちょっとだけ寄り道、するね」
もう少し話がしたい、と川村が言ったのだった。話を聞いていないばっかりに、帰るのはもう少しあとになってしまうのだった。
トモとの食事は、ラーメン屋だが、川村は前回連れて行ってくれたお洒落な酒造カフェに連れていってくれた。
「この前はほんとうに悪いことしたって反省してる。ミヅキちゃんが食事に行くのOKしてくれたからって、焦って……」
彼は頭を下げた。
「親や周囲にも、誰かいないのかって言われて……つい、会計の知識のある女性がいるって話してしまって……でも俺が一方的に好意を持っているだけだっていうのもちゃんと言ったし。それくらい、俺はミヅキちゃんと親密になりたいと思ってるんだ」
真っ赤な顔で川村は言った。
(すごく真剣……)
「でも水商売だとは言ってないんですよね」
「……ま、まあ」
「釣り合わないですよ」
「待つから」
川村の車で、最初の待ち合わせ場所に向かってもらった。今日は明るいうちに家に帰ることにしたのだ。
(あれって……)
その途中、聡子はトモらしきの姿を見かけた。派手な女と一緒だった。
彼は料理人だと言っていたが、日曜の夕方なら暇ではないはずだ。
(トモさん……)
トモの腕に女性は自分の腕を絡め、胸を押し付けるようにしているのが見えた。
(なにあれ……)
いやいやどうでもいいや忘れなきゃ、と聡子は目を瞑った。
「……なんだけど、どうかな」
「え?」
聡子は人の話をきいていなかった。
「どうかした?」
「あ、いえ、なんでもないです……」
「じゃあ、ちょっとだけ寄り道、するね」
もう少し話がしたい、と川村が言ったのだった。話を聞いていないばっかりに、帰るのはもう少しあとになってしまうのだった。
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