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1.出会いは突然
3.告白
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たらふくケーキを食べた二人は、レストランを出た。
「おなかいっぱいですね」
「ああ、もうしばらくケーキが見たくないかも」
「ええっ、そうですか? わたしは時間を置けばまだいけますよ」
「げー……マジかよ」
いくら好きでもキツくないか、と慶孝は笑った。
「女の子の腹はどうなってんだよ」
「甘いものは別腹なんですよ」
聞いたことあるな、とまた笑う。
ロビーに行き、レシートを提示して駐車券を受け取ってホテルを出た。
「あの、松田さん、今日はごちそうになりました」
急に立ち止まり、佑香がお辞儀をした。
「え……いや、誘われたのは俺のほうだからな」
「でもチケットをくださったのは松田さんのほうで」
「それは佑香ちゃんへのお礼であって……」
元々俺を助けてくれたのは佑香ちゃんだ、と慶孝は首を振った。
堂々巡りになりそうだな、と失笑する。
「佑香!」
彼女を呼ぶ声に佑香が声のするほうを振り向いた。
佑香と同じ年端の男女がこちらに向かって駆けてくる。
「莉乃ちゃん……大原君……」
佑香の表情が曇った。
彼女の友人だろうというのを察した。きっと大原というのが、佑香の思い人で、佑香を利用して友人に近づいた少年だ。
「佑香に似てるなあって思ってたんだけど、佑香がこんなとこ来るはずないって言ったら、翔くんが佑香に間違いないって言うから声かけちゃった」
「そ、そう。二人もスイーツバイキング?」
「うん」
「莉乃が行きたいって言うから、チケット取ったんだ」
そんなことまで佑香は訊いてないけどな、と感じた慶孝は佑香の一歩後ろで二人を観察した。そして、二人の視線が自然と慶孝に向けられているのを感じた。
(だろうな、俺が何者なのか気になるだろうな。どうせそれが知りたくて声かけてきたんだろうが)
佑香が困らないように応えないとな、と思案した。
「ねえ、佑香、こちらは……?」
佑香が切り出さないことに痺れを切らしたのか、莉乃が言った。
「松田です」
「え、彼氏?」
「ちが……」
「前に佑香ちゃんのバイトが一緒だったんですよね。佑香ちゃんにいろいろ助けてもらってたんで、今日は誘って一緒に来たんですよ」
「へえ……」
彼氏じゃないとわかって、あまり興味がわかなかったのか、棒のような相槌だった。
(なんだよそれ)
「それじゃ、俺らまだ行くとこあるんで」
慶孝は佑香の腕を引き、適当な会釈をしてその場から立ち去った。
そのまま駐車場に向かい、車の助手席を開くと、彼女に乗るよう促した。
「すみません……」
「何が?」
発進し、駐車場を出た。
「ごまかしてもらって……」
「いんや、別に。なんか嫌な感じがしたからさ。あの二人でしょ、佑香ちゃんの友達と、佑香ちゃんが好きだった男」
「…………」
「俺の直感だけど、佑香ちゃんとあの子がつきあわなくてよかったと思うよ。なんか狡賢そうだし、友達と付き合ってよかったんじゃない? 佑香ちゃん、あの女の子も、実は苦手だろ? 友達と言いながら、元々は自分からそんなに話はしないだろ」
「……わかりますか」
「なんとなく、な」
佑香ちゃんより長く生きてるし、と静かに言った。
「佑香ちゃんと会うのは三回目だけど、なんとなく、わかった」
「…………」
「俺の直感だけど、あの二人、一年くらいで破局しそうだな」
車は海へを向かっていた。
彼女はどこに行くのかとは聞かなかった。
このまま送っていくのもなんだし、と慶孝は車を走らせたのだった。
海浜公園に到着し、
「ちょっと散歩しようか」
と誘う。
「……はい」
返事をしたのを見て、慶孝は降りてすぐに助手席の外に駆けた。ドアを開け、彼女に降車を促した。
「ありがとうございます」
せっかく楽しかったのに、友人達に出会ってしまったせいでぶち壊しだ。
と言いたいのを我慢し、慶孝は佑香の少し前を歩いた。
「なあ、佑香ちゃん」
歩幅を合わせ、佑香の隣に並んだ。
「俺とき合うっての、どう。偶然ぶつかって再会したイケメンとかじゃ全然ないけど」
と慶孝は言った。
「え!」
「俺は佑香ちゃんに惚れた」
「え……」
会って三回だし、がっつり話をしたのは今日が初めてだ。お互いのことは全く知らないに等しい。
「おっさんが何言ってんだって話だけどな」
「松田さんのこと、本当に何も知らないし……」
「じゃあ、知っていけばいい」
「好きになれるかわからないし」
「……だよな」
無茶言ったなあ、と片手で顔を覆った。
「ごめん、勇み足だったな。俺昔っからせっかちなんだよな」
ベンチを見つけ、二人は腰を下ろした。
「あの、その前に、松田さんには恋人がいらっしゃるのでは」
「いないけど」
「でも、女の人に殴られたって……痴話喧嘩だって……」
あれか、と慶孝はまた顔を覆った。
「痴話喧嘩ってのは、警察への言い訳で言ったんだよ。事件じゃないって言う為にな。殴った女は……俺に遊ばれたって怒って殴ってきたんだよ。俺が悪いんだけどな」
「遊ばれた……」
「遊んだのは事実」
「……大人、なんですね」
そんな大人の男の人とは、と佑香は呟き、口を噤んだ。
「遊びで女とつきあう男なんか信用できるわけないよな」
「そういう、わけじゃ……」
「……わかってる。俺が無茶言っただけだ。忘れていいよ」
俯き加減の佑香に、慶孝はにっと笑ってみせた。
「あ、けど冗談じゃないからな」
「え……」
「俺、昔っからせっかちでさ。言いたいこと言わないでうじうじするの、無理な性格なんだよ。だから何でも当たって砕けてきたんだよな」
佑香ちゃんにまでそんな態度じゃ駄目だよな、と苦笑いをした。
「……惚れるスピードも速いから。直感っての? まあすぐ玉砕するけど」
本気の恋愛してみたいんだけどな、と慶孝はぼやいた。
スピードが速すぎて、まともに人とつきあったことがない。フラれてばかりだし、遊ばれてばかりだ。だからこちらも軽い女と身体の関係だけだ。
この前殴ってきた女も「遊ばれた」と言いつつ、遊びのつもりで誘ってきたのは向こうのほうだったのだから。
「……ゆっくりしたら、帰るか。最寄り駅まで送るから」
言われた駅まで車を走らせた。
「佑香ちゃん、着いたよ」
「……ふぇ……」
佑香は眠っていたようで、慶孝の声に目をゆっくりと開けた。満腹になって車に揺られれば眠くもなるだろう。
「す、すみません、寝てしまって」
「いいよ、俺の運転が悪くなかったってことだろ」
「えと……」
「寝顔も可愛かったしな」
「えっ」
ぼんっと頭から煙を出しそうな勢いで、佑香は顔を赤らめた。
「ははは」
可愛いよな、と呟くと佑香は俯いた。
「ちょっと待ってな」
慶孝は車から降りると、助手席側に行きドアを開いた。
「はい、いいよ」
「ありがとうございます」
佑香が車から降りると、慶孝はドアをゆっくり閉めた。
「佑香ちゃん、今日はありがとな」
「こ、こちらこそ、ありがとうございました。美味しいものたくさん食べられて……嬉しかったし、楽しかったです」
ぺこり、と佑香は頭を下げた。
「おう、俺も楽しかった。じゃ、気をつけて帰りな」
「……はい、ありがとうございました」
「じゃあな」
「失礼します」
何か言いたそうな佑香だったが、会釈をして踵を返した。
「おなかいっぱいですね」
「ああ、もうしばらくケーキが見たくないかも」
「ええっ、そうですか? わたしは時間を置けばまだいけますよ」
「げー……マジかよ」
いくら好きでもキツくないか、と慶孝は笑った。
「女の子の腹はどうなってんだよ」
「甘いものは別腹なんですよ」
聞いたことあるな、とまた笑う。
ロビーに行き、レシートを提示して駐車券を受け取ってホテルを出た。
「あの、松田さん、今日はごちそうになりました」
急に立ち止まり、佑香がお辞儀をした。
「え……いや、誘われたのは俺のほうだからな」
「でもチケットをくださったのは松田さんのほうで」
「それは佑香ちゃんへのお礼であって……」
元々俺を助けてくれたのは佑香ちゃんだ、と慶孝は首を振った。
堂々巡りになりそうだな、と失笑する。
「佑香!」
彼女を呼ぶ声に佑香が声のするほうを振り向いた。
佑香と同じ年端の男女がこちらに向かって駆けてくる。
「莉乃ちゃん……大原君……」
佑香の表情が曇った。
彼女の友人だろうというのを察した。きっと大原というのが、佑香の思い人で、佑香を利用して友人に近づいた少年だ。
「佑香に似てるなあって思ってたんだけど、佑香がこんなとこ来るはずないって言ったら、翔くんが佑香に間違いないって言うから声かけちゃった」
「そ、そう。二人もスイーツバイキング?」
「うん」
「莉乃が行きたいって言うから、チケット取ったんだ」
そんなことまで佑香は訊いてないけどな、と感じた慶孝は佑香の一歩後ろで二人を観察した。そして、二人の視線が自然と慶孝に向けられているのを感じた。
(だろうな、俺が何者なのか気になるだろうな。どうせそれが知りたくて声かけてきたんだろうが)
佑香が困らないように応えないとな、と思案した。
「ねえ、佑香、こちらは……?」
佑香が切り出さないことに痺れを切らしたのか、莉乃が言った。
「松田です」
「え、彼氏?」
「ちが……」
「前に佑香ちゃんのバイトが一緒だったんですよね。佑香ちゃんにいろいろ助けてもらってたんで、今日は誘って一緒に来たんですよ」
「へえ……」
彼氏じゃないとわかって、あまり興味がわかなかったのか、棒のような相槌だった。
(なんだよそれ)
「それじゃ、俺らまだ行くとこあるんで」
慶孝は佑香の腕を引き、適当な会釈をしてその場から立ち去った。
そのまま駐車場に向かい、車の助手席を開くと、彼女に乗るよう促した。
「すみません……」
「何が?」
発進し、駐車場を出た。
「ごまかしてもらって……」
「いんや、別に。なんか嫌な感じがしたからさ。あの二人でしょ、佑香ちゃんの友達と、佑香ちゃんが好きだった男」
「…………」
「俺の直感だけど、佑香ちゃんとあの子がつきあわなくてよかったと思うよ。なんか狡賢そうだし、友達と付き合ってよかったんじゃない? 佑香ちゃん、あの女の子も、実は苦手だろ? 友達と言いながら、元々は自分からそんなに話はしないだろ」
「……わかりますか」
「なんとなく、な」
佑香ちゃんより長く生きてるし、と静かに言った。
「佑香ちゃんと会うのは三回目だけど、なんとなく、わかった」
「…………」
「俺の直感だけど、あの二人、一年くらいで破局しそうだな」
車は海へを向かっていた。
彼女はどこに行くのかとは聞かなかった。
このまま送っていくのもなんだし、と慶孝は車を走らせたのだった。
海浜公園に到着し、
「ちょっと散歩しようか」
と誘う。
「……はい」
返事をしたのを見て、慶孝は降りてすぐに助手席の外に駆けた。ドアを開け、彼女に降車を促した。
「ありがとうございます」
せっかく楽しかったのに、友人達に出会ってしまったせいでぶち壊しだ。
と言いたいのを我慢し、慶孝は佑香の少し前を歩いた。
「なあ、佑香ちゃん」
歩幅を合わせ、佑香の隣に並んだ。
「俺とき合うっての、どう。偶然ぶつかって再会したイケメンとかじゃ全然ないけど」
と慶孝は言った。
「え!」
「俺は佑香ちゃんに惚れた」
「え……」
会って三回だし、がっつり話をしたのは今日が初めてだ。お互いのことは全く知らないに等しい。
「おっさんが何言ってんだって話だけどな」
「松田さんのこと、本当に何も知らないし……」
「じゃあ、知っていけばいい」
「好きになれるかわからないし」
「……だよな」
無茶言ったなあ、と片手で顔を覆った。
「ごめん、勇み足だったな。俺昔っからせっかちなんだよな」
ベンチを見つけ、二人は腰を下ろした。
「あの、その前に、松田さんには恋人がいらっしゃるのでは」
「いないけど」
「でも、女の人に殴られたって……痴話喧嘩だって……」
あれか、と慶孝はまた顔を覆った。
「痴話喧嘩ってのは、警察への言い訳で言ったんだよ。事件じゃないって言う為にな。殴った女は……俺に遊ばれたって怒って殴ってきたんだよ。俺が悪いんだけどな」
「遊ばれた……」
「遊んだのは事実」
「……大人、なんですね」
そんな大人の男の人とは、と佑香は呟き、口を噤んだ。
「遊びで女とつきあう男なんか信用できるわけないよな」
「そういう、わけじゃ……」
「……わかってる。俺が無茶言っただけだ。忘れていいよ」
俯き加減の佑香に、慶孝はにっと笑ってみせた。
「あ、けど冗談じゃないからな」
「え……」
「俺、昔っからせっかちでさ。言いたいこと言わないでうじうじするの、無理な性格なんだよ。だから何でも当たって砕けてきたんだよな」
佑香ちゃんにまでそんな態度じゃ駄目だよな、と苦笑いをした。
「……惚れるスピードも速いから。直感っての? まあすぐ玉砕するけど」
本気の恋愛してみたいんだけどな、と慶孝はぼやいた。
スピードが速すぎて、まともに人とつきあったことがない。フラれてばかりだし、遊ばれてばかりだ。だからこちらも軽い女と身体の関係だけだ。
この前殴ってきた女も「遊ばれた」と言いつつ、遊びのつもりで誘ってきたのは向こうのほうだったのだから。
「……ゆっくりしたら、帰るか。最寄り駅まで送るから」
言われた駅まで車を走らせた。
「佑香ちゃん、着いたよ」
「……ふぇ……」
佑香は眠っていたようで、慶孝の声に目をゆっくりと開けた。満腹になって車に揺られれば眠くもなるだろう。
「す、すみません、寝てしまって」
「いいよ、俺の運転が悪くなかったってことだろ」
「えと……」
「寝顔も可愛かったしな」
「えっ」
ぼんっと頭から煙を出しそうな勢いで、佑香は顔を赤らめた。
「ははは」
可愛いよな、と呟くと佑香は俯いた。
「ちょっと待ってな」
慶孝は車から降りると、助手席側に行きドアを開いた。
「はい、いいよ」
「ありがとうございます」
佑香が車から降りると、慶孝はドアをゆっくり閉めた。
「佑香ちゃん、今日はありがとな」
「こ、こちらこそ、ありがとうございました。美味しいものたくさん食べられて……嬉しかったし、楽しかったです」
ぺこり、と佑香は頭を下げた。
「おう、俺も楽しかった。じゃ、気をつけて帰りな」
「……はい、ありがとうございました」
「じゃあな」
「失礼します」
何か言いたそうな佑香だったが、会釈をして踵を返した。
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