スキルが芽生えたので復讐したいと思います~スライムにされてしまいました。意外と快適です~

北きつね

文字の大きさ
上 下
41 / 143
第二章 スライム街へ

第九話 相談

しおりを挟む

 キングとクイーンは、もう少し池?湖?川?の状況を確認したいらしい。
 私とカーディナルは、急いで家に戻ることにした。

 家では、既に私が状況を説明している。

 私が家に戻ると、議論は終わっていた。
 反対者は居なかったということだ。どうやら、ライが、私の受けた衝撃や哀しみを皆に伝えたようだ。ライが感じた衝撃や哀しみや憎しみが私に伝わるように、私に生じた感情は、ライにも伝わってしまう。

『ご主人さま。困りました』

”ライ?どうしたの?”

 私とカーディナルが到着してすぐに、ライとアドニスが近くにやってきた。

『はい。今回の掃討作戦は、かなりの規模になってしまいます』

”そうだね”

『皆に危険を説明したのですが、誰一人として反対をしませんでした』

”うん。それは聞いた”

『皆が参戦を希望しています』

”え?カラントやキャロルは無理でしょ?”

『はい。でも、場所が川のような場所なので、自分たちが必要だと言っています』

”あっ・・・”

 それからが大変だった。
 パロットは、家を守るために残ってくれると最初に宣言をしてくれた。

 続いて、ギブソンとノックも、裏庭の守護と家の周りの警戒をしてくれる。
 ラスカルは、少しだけ渋っていたが、裏庭と裏山の巡回をしてくれることになった。私たちの家が拠点で、帰ってくる場所だ。奪われるわけにはいかない。あの川での出来事が、私たちの近くで発生しない保証はない。だから、戦闘力があって飛行能力がない物には残ってもらいたかった。

 皆に、しっかりと説明をした。

 最後まで、渋っていた。カラントやキャロルも、近くの川や興津川までなら移動が出来る。そこから、情報収集をお願いした。

 出陣するのは、私の分体。ライの分体(多数)。カーディナル。キング&クイーン。アドニス。テネシー&クーラー。ピコン&グレナデン。

 フィズは1/3が参戦して、ナップが小さくなって背中に乗っていく。

 アイズとドーンは、どこに居ても違和感がないから、連絡兼予備戦力として、待機することになる。家と現場までの各地を繋ぐ役目を担当する。

 フリップとジャックは、戦力になるディック/キルシュ/グラッド/コペンを運ぶ。その後は、前線が逃したものを掃討する役目だ。

 最前線は、皆の大反対が有ったが、私とライが担当する。武器を使えるのが、私とライだけなので、これは皆に納得してもらうしか無い。その代わり、私もライも分体で参戦する。本体は、家でパロットたちに守られている。

 実は、武器はいくつか確保している。
 裏山や近くの山に居た魔物のドロップ品だ。

『ご主人さま。僕たちは、こっちの短剣を使います』

 武器や防具がドロップしたのだ。
 ドロップする確率は低い、ほとんど、ドロップしないと言ってもいいくらいだ。私たちの手元には4本の武器と、4つの防具がある。
 ライは二本の短剣を使うようだ。短剣と言っても、脇差のような物だ。逆手で構えて、カッコいい。ライは、男の子の格好で武器を構えている。

 私は、刀を使う。太刀に分類される物だ。持った状態で、街を歩いていたら完全に捕まる物だ。だけど、私は魔物スライムだ。それに、この刀は、日本刀ではない・・・。と、思う。ライが使うと宣言した短剣は、鑑定で”鋼”と出た。私が使おうとしている太刀の素材は、”鋼?”と出ている。”?”が怪しい。すごく怪しいが、気にしてはダメなのだろう。地球上に存在してはならない素材だとしても、これは”鋼”を鍛えたものだ。

 もう一つは、弓だ。使ってみたが、遠距離に攻撃が出来るが、私には、私たちには向いていない。矢も用意しなければならないので、備品の用意が必要になってしまうのも問題になった。

 防具は、必要ないという結論になった。
 身につけて、動いてみたが、大きかった。オートアジャスト機能くらい欲しかったが、無理なようだ。スライムボディを調整すればいいのだろうけど、動きが鈍くなったり、バランスが難しかったり、防具を身につけるほうが危険だと結論がでた。ライも同じだ。
 防具に関しては、パルが巣に使い始めた。新しい眷属?を誘致するのにちょうどいいのだと言っていた。
 正直な話をすると、パルたちが集める蜂蜜だけでかなりの分量になっている。商売をしてもいいと思われる位だ。
 討伐が終わったら、スライム印の蜂蜜と言って、売り出そうかと思っている。もちろん、通販限定だ。
 裏庭に埋めた。果実も、季節に関係ないように、実を付けてしまっている。困っている。キウイと枇杷と蜜柑と夏蜜柑と無花果とブルーベリーといちごが同じ時期にできているのだ。季節が無視されている。手入れも、家族が率先している。米とか、麦とか、育てたら、スローライフが出来るかもしれない。

 次は、作戦の立案だ。
 キング&クイーンが、敵性生物の数や戦力調査を行ってくれた。威力偵察は許可しなかったから、正確ではないが、数は把握できた。
 あと、魔物の色や、角の数から大まかな強さの把握が出来ている。

 私たちの相談は、まだ終わらない。

---

「茜!」

「わかっています。天子湖に向かうのですよね?私たちが行っても何も出来ませんよ?」

 そんなことは、榑谷円香も解っている。
 しかし、魔物が起こしている事態だ。それに、ハンターを突入させるにしても、現地で指揮を取るべき者が必要になる。

「円香。俺たちも行くぞ」

「わかった。孔明と蒼は、現地で、ハンターの統制を頼む」

「わかった」「いいぜ!突入のタイミングは、任せる。武装はOKだよな?」

「標準装備までなら許可ができる。それ以上は、現地の状態をみてからだ」

「円香!現地では、既に数名が犠牲になっている。もう限界だぞ」

「突っ込んだ、マスコミを制止した警官が二人と、自衛官が3人。あとは、マスコミ関係者が3人だ」

「っち。円香。マスコミへの連絡は」

「今後、警察も自衛隊も護衛のような事はしない。自己責任だと伝えた。あと、紛争地域と同じで、後ろから攻撃される可能性もあるとも伝えてある」

「・・・。無駄だな。アイツらは、自分たちは安全だと思っている」

「今回は、違うと思うぞ?目の前で、警察と自衛官とマスコミの関係者が魔物に拉致されたからな」

「それだけか?」

「消防と警官が、救出に向かおうとした」

「そうか・・・。死んだのだな?」

「あぁ。目の前で、オークの亜種に殺された。それで、マスコミも黙ったようだ」

「そうか、報道規制は?」

「していない。必要ないだろう?それに、現法では、報道規制は出来ない。最大でも協定だ」

 榑谷円香は、挑戦するような目線で、桐元孔明と上村蒼を見る。見られた二人は、肩を竦めるだめに留めて、挑発には乗らなかった。実際に、報道規制は必要がない。SNSで瞬時に情報が流れる時代だ。報道が制止を振り切って魔物の巣窟に突っ込んでいって、その結果、警官と自衛隊の隊員が連れて行かれた。助けようとした消防隊と警官が殺された。”非”は制止を振り払って、報道の自由を振りかざしたマスコミだ。BETを行うのなら、自分の命だけにすべきなのだ。
 しかしマスコミは、警官と自衛官に護衛を依頼している。

「千明。SNSとマスコミ対応は任せる」

「え?私は、現地に行けないの?」

「付いてきてもいいぞ?でも、危ないぞ?」

「円香さん。私は、事務所に・・・」「茜は、現地だ。情報を即時に引き出してほしい。ハンディのプリンタを準備してくれ、足りない物は、途中にある、エンチョーで買えばいい」

「はい」

「円香さん。私は?」

「危ないけど、いいのか?」

「はい!事務所に残っても・・・。うるさいのが来ると思うので、現地で対応した方が楽です。あ!エンチョーで癒やしが欲しいです!癒やし!」

「いいぞ。30まで許可を出す。茜と相談しろ、日々の費用は、お前たちが持てよ。帰りだぞ。いいか、振りじゃなくて、帰りまで待てよ」

「え・・・。あっはい!わかりました!無事に帰ってこないとダメですね。茜!」

「わかった。わかった。貴女の部屋も用意する」

「うん!」

「円香。茜。千明。そろそろ、いいか?武装は、車に積んである物だけ・・・。あとは、蒼が車を回してくればいいだけだな」

「そうだな。茜と千明の準備が出来たら、魔物たちの巣に向かうぞ!資料映像が必要になる。茜。孔明。頼むぞ」

 上村蒼は、近くの駐車場に置いてある。キャンピングカーを取りに行っている。5分くらいしてから、クラクションが鳴らされる。事務所に残った4人は、それぞれの荷物を持って、キャンピングカーに乗り込む。
 水や設備に使う燃料の補給は、ホームセンターで行う。ガソリンを入れて、天子湖に向かう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】 魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。 ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。 グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、 「・・・知ったからには黙っていられないよな」 と何とかしようと行動を開始する。 そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。 他の投稿サイトでも掲載してます。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

私のスキルが、クエストってどういうこと?

地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。 十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。 スキルによって、今後の人生が決まる。 当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。 聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。 少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。 一話辺りは約三千文字前後にしております。 更新は、毎週日曜日の十六時予定です。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

処理中です...