205 / 323
第二十章 攻撃
第二百五話
しおりを挟む定期的に、オリヴィエかリーリアがルートガーのところで情報交換をしてくる事になっている。
「マスター。ルートガー殿も、獣人族に伝わる”詩”が何らかの関係がある物と考えているようです」
「そうか・・・。ヨーンにでも聞いたのか?」
「そのようです。マスターに知らせて欲しいと言っていましたが、マスターもナーシャ殿に聞いた旨を伝えてあります」
ルートガーも獣人族に話を聞いたようだ。無事、情報が集まっているのがわかる。
ローレンツにお願いして、ルートガーにも情報を流してもらう事にした。
アトフィア教のまともな司祭からの情報提供もあり、各大陸での状況もわかってきた
情報は徐々に集まってきているようだ。
ルートガーが、俺と話がしたいと連絡をしてきた。
ロックハンドでは、ルートガーが悪目立ちしてしまう。
ホームならその心配は必要ないので、ホーム内で話をする事になった。
朝から、オリヴィエとリーリアが、会談するための場所を作っている。
別に、身内みたいなものだからと言ったのだが、ステファナとレイニーもオリヴィエとリーリアに賛同している。どうやら、ルートガーが俺を襲ったのがまだ尾を引いているようだ。許していないわけではないらしいが、万が一を考えての事のようだ。
転移門がまとまっている場所を本格的な建物に改良して、そこに会談用の部屋を作るようだ。
この部屋のパーミッションは転移門を使える者なら問題ないという事にして、建物からは外に出られない設定にしてほしいという事だ。オリヴィエたちの気持ちもわかるので、シャイベを使って建物を作成して、パーミッションを設定する。
建物は、簡易的な宿泊施設にもして欲しいという事だ。
そのための設備も作成した。RADがあるので、作成が楽にできる。
建物に問題がない事を確認してから、オリヴィエがルートガーを呼びに行くようだ。
建物の中に作った応接室で待っている事になった。
30分ほどして、オリヴィエに連れられて、ルートガーが応接室に入ってきた。
「ツクモ様。早速ですが、これを見てください」
いきなり本題に入る事からも状況はあまり良くないのだろう。
渡された資料には、現状わかっている事や状況が書かれている。
「時間的な差はあると思いますが、現状チアル大陸では、ロックハンドに出た1例だけですが、他の大陸では最低でも3例・・・。多いところだと、10数例にもなっています」
「そうか」
「はい。リヒャルト殿がいらっしゃるゼーウ街では確認はされていないようですが、他では街にまで被害が出ているようです」
資料にも書かれている事だ。
「ルート。これは?」
最後の方に書かれている事が少しだけ不穏な感じがした。
「未確認な情報なのですが・・・」
人型以外にも現れたという事だ。
獣型で、大きさが様々な新種の魔物に襲われたと書かれている。
「人型以外にも居るのか・・・。小型化に成功したのか、それとも・・・」
「ツクモ様?」
「すまん。今まで見つかった新種は大きい事もあり注意していれば逃げられる可能性もあるとは思うけど、小型化されて・・・それこそ、蟲サイズにまで小さくされたら、近づくまで気が付かない可能性があるだろう?そうなったら、太刀打ちできないだろう」
「そ・・・。そんな・・・」
「ないとは言えないだろう?相手のスキルがわからないからな」
「そうですね。ツクモ様から渡された新種ですが、解析しても何もわからない現状ですし、どう対応してよいのかも定かではないです」
「すまん。ルート。これらの資料で分かる範囲で構わないから、時系列に並べ直してくれないか?」
「わかりました。大体、時系列になっていると思いますが・・・」
ルートガーが、資料をバラバラにして、時系列に並べ直していく。
やはりな・・・新種の色が具体的になっている。
合金を使い始めたのだろう。
「こうですね」
「ありがとう。中央から始まったと思って間違いなさそうだな」
「そうですね。ただ、中央もどういう順番なのかはっきりしません」
「それはしょうがないだろう?リヒャルトの資料にある、未帰還者が増え始めた時期と考えると、合致するのは、このゼーウ街と離れた集落の話になるだろう?」
「そうですね」
最初は、鉱石や金属を単体で使っている印象があるのだが、途中から関節に適した金属や武器や防具までつかい始めている。
もしかしたら、ゼーウ街で冒険者をさらった・・・。あっ!
「ルート!そう言えば、ミュルダ老に会うために来た奴らが居たよな?」
「はい」
「彼らはどうしている?」
「ダンジョン区に居ます」
「そうか、捕まった奴らの武器や防具の情報を思い出せるだけ聞き出して欲しい」
「それなら、すでに聞いています。ここに書いてあります」
資料の1枚を渡してきた。
内容を読んで、時系列を考える。
「なぁルート」
「そうですね。ツクモ様に言われて・・・」
時系列で考えるとよく分かる。
最初の頃は、腕を振り回すだけだったのが、武器をつかい始めている。
いろいろな武器を試しているような印象を受ける。
なぜそんな事をするのか?
攻勢をかける為の準備なのか?
エルフ大陸やアトフィア教の大陸に出てきた奴らは、殺す為だけに暴れているようにも感じられるのだが、殲滅までは行っていない。
連れ去りも発生していない。もしかしたら、発生していたのかも知れないが、情報では殺すだけ殺してから戦うだけ戦ってから帰っていく。
クローン・クローエが見たように、何人かはどこに行くのかを確認する為にストーキングしたようだが、魔法陣が現れて”跡形もなく”消えてしまったようだ。
クローン・クローエが持ち帰った素体が唯一の手がかり状態なのだ。
その手がかりも、俺だけではなく、他の者も何も見つけられない状況になっている。結局わかったのは、”何もわからない”ことだけなのだ。
「ルート。引き続き情報は集めるよな?」
「もちろんです」
「商隊への情報開示はどうしている?」
「していませんが?」
「・・・。したほうが良くないか?」
ルートガーは少しだけ考えてから
「そうですね。元老院から、商業区に情報を流してもらいます」
「そうだな。それがいいだろうな。それで、なんで情報を流していなかった?」
「え?対応方法が無いからです」
「あるだろう?」
「有るのですか?」
「・・・。逃げる。戦わない。すぐに逃げる」
「ツクモ様。それは、対応方法と言わないと思いますが?」
「立派な対応方法だろう?」
「逃げる・・・??」
「そうだ。逃げ方は伝える必要があるかも知れないけどな」
「逃げ方?」
「今まで、逃げ切った奴らも居るわけだろう?」
「そうですね。情報が出てきているという事は逃げ切っているのは間違いないですね」
「そうだな。でも、この情報を見ればわかるけど、犠牲者が必ず出ているよな?」
「そうですね」
「犠牲を出さないで逃げ切れば、こちらの勝ちでいいと思わないか?」
ルートガーがなにか考えている。
考えがまとまるまで待ってみるのも一興だろう。
出されている少しぬるくなった珈琲に口をつける。
「ツクモ様。逃げ切れるのですか?」
「わからないが、情報としてあげてあるけど、イサークたちはただの1人の犠牲も出さなかったぞ?」
「それは、ツクモ様たちが参戦したからではないのですか?」
「結果的に、俺たちも参戦したけど、俺の予想では、イサーク達だけでも逃げ切れたと思うぞ」
「・・・」
「あの魔物だけどな。たいして賢くできていないと思う」
「?」
「対峙した時に、カイやウミの攻撃を受けているにもかかわらず、ガーラントだけを狙って攻撃していた」
「それだと・・・。誰かを犠牲にして逃げ切れって事ですか?」
「違う。そうすると、馬鹿な事を考える奴らが出てくるだろう?」
「でしょうね」
奴隷じゃないけど、立場が弱い人間を犠牲にして逃げようとする奴や、自らが犠牲になって全体を逃がそうとする奴が出てくるだろう。それではダメなのだ。全員が助かる方法を提示しなければ意味がない。
「だから、そうなる前に・・・。奴らがどうやって攻撃対象を識別しているのかわからないけど、一度攻撃を始めたら、攻撃し続ける事になる」
「そう考えられますね」
「だから、見つけたら攻撃をしなければいいのではないか?」
「は?」
「だからな。攻撃と思われる行動をとらなければいいと思わないか?」
「あんた。頭がおかしくなったのではないのか?」
「なぜだ?イサークたちにも聞いたが、港から出てきて、最初に接触したのは、カトリナだったから、カトリナを攻撃してきて、カトリナが倒されてから、次に攻撃をしたのはピムだったようだぞ?」
「え?」
「だからな。もし、目に入る者を攻撃してくるのだとしたら、カトリナの後で攻撃するのはナーシャのハズなのに、接触してきたピムを攻撃対象にした。ピムが倒された次はイサークがピムを守って後退した時にガーラントが間に入って、新種に攻撃したらしいぞ」
「そうか・・・接触する事がスイッチになっていると考えたわけですね」
「正解!」
「確かに・・・」
「だから、見かけたら逃げろが正解だと思わないか?」
「えぇでも・・・」
「そうだな。その街道が使えなくなるかもって事だろうけど、それも心配しなくていいと思うぞ?」
「どうして?」
「書類を見てみて思った事だけどな。ルート。この新種は活動時間が限られているのではないのか?」
「え?」
ルートガーが書類を見直す。
エルフの集落は情報が錯綜しすぎていて参考にならない。それ以外の場所では、10分から長くても30分が襲われている時間だと考える事ができる。
今後、小型化してくれば活動時間が伸びる事も考えられるが、人型の場合には今のところは10ー30分くらいが活動の限界として考えてもいいだろう。
今後の事を考えて、1時間程度が限界点として見ておけば大丈夫な感じがする。
「言われてみれば・・・。それなら、その時間を考えれば・・・」
「確実な情報ではないと付け足す必要はあるだろうが、逃げられる事ができるのならいいだろう?」
「そうですね。わかりました。持ち帰って、元老院で話をまとめてみます」
「頼むな」
「はい」
ルートガーがソファーから立ち上がって、応接室を出ていこうとする。
「あっそうだ。ルート!」
「なんでしょうか?」
「俺とシロを気にしなくていいからな」
「え?」
「だから、子供だよ。お前とクリスの子供の話だ」
「はぁぁぁぁぁぁ?」
「気にしているのだろう?」
「・・・。あんた。なんで・・・。そうか、ミュルダ殿だな?」
「さぁな。でも、子供ができるような事はしているのだろう?クリスにも言っておけよ。気にしなくていいと・・・な」
「・・・。わかりましたよ。クリスが、あんたが結婚して子供を作るまでは・・・とか言っていたのは本当の事だからな」
「そうだろうと思っていたよ」
「その言葉を、そのままクリスに伝えるけどいいのか?」
「なんなら、俺だけじゃなくて、シロからだと伝えてもいいからな」
「わかりましたよ」
そう言って、いろいろ諦めた表情になって、ホームから帰っていった。
新種の魔物対策を忘れなければいいのだけどな。
「オリヴィエ!」
「はい」
「ロックハンドに戻るけど、なにかあるか?」
「いえ、大丈夫です」
「マスター!」
「どうした?」
クローエがパタパタと飛んできた。
「魔物の素材はどうしますか?」
「ん?素材?」
「はい。カイ兄やウミ姉たちが大量に狩り続けていて、素材が積み上げられています」
「え?」
急いで移動したが、クローエが言っていた通りの状態になっている。
テ○ガ装備とか好きで使っていたけどな。実際に使おうかと思ったら大変だろうな。ア○ルーもいないし、全部捨てるしか無いかな?
剥ぎ取り回数に制限があったゲームと違って、全部が素材となるからな。
肉に関しては、食用に回せそうにない。食用に適さないと鑑定で出ているから、ホーム内に居る動物で食べる奴らに与えればいいけど、素材は・・・。少しだけ持っていって、ガーラントに聞いてみようかな?
あとは、シャイベたちが吸収すればいいかな?
他のダンジョンの拡張もしなければならないから、必要になってくる事も考えられるからな。
「シャイベ!」
「はい。マスター!」
「素材だけど、少しだけもらっていくけど、あとは、お前や他のダンジョンコアで吸収していいぞ?拡張する時に必要だろう?」
「はい。吸収は嬉しいのですが・・・」
「どうした?なにか懸念事項があるのなら教えてくれ」
「はい。他のダンジョンコアに吸収させれば、ダンジョンの拡張ができるようになるとは思います」
「あぁ」
「そのかわり、これらの魔物がダンジョンに出現してしまう可能性があります。よろしいですか?」
そうか、吸収させて情報として渡すと、モンスターをハントするゲームに出てきたようなモンスターが、魔物種として出てくるのか?
「階層主とかで設定するのなら問題ないと思うけどな?」
「わかりました。それでしたら問題ありません。吸収したいと思います」
「頼むな」
「はい」
一通りの素材をライに格納してもらって、ロックハンドに向かう事にした。
剣や防具の素材になればいいし、ならなければ、吸収させればいいと軽い気持ちで持っていく事にした。
その後、ロックハンドで、ガーラントが狂喜したかのように全部の素材を持って工房に閉じこもってしまった。
よほど素材が嬉しかったようだ。
そう思う事にした。
数日間、食事以外は工房にこもりっきりになるなってしまったようだ。全部の素材を持っていったから、暫くは出てこないだろう。
0
お気に入りに追加
1,656
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる