我ら専属しばかれ隊、通称ふんどしたい

我が美しき女神へ捧ぐ

輝かしい日々 2 終話

　ああ、我が最愛なる美しき女神。直接、私に罰を与えて下さる現人神。
　凍てつく様な視線も麗しく、振るう鞭は灼熱の熱さ。
　貴いエリーゼ様への思いで、清めの作業もあっという間に終わってしまう。
　
　しかし、奉納道具もだいぶ増えた。領地に来てからは他の部隊の方々以外も、鍛錬所に顔を出して頂けることも増えた。皆様の期待に応えたい思いで溢れそうだ。

　今までは成人男性用の鞭を淑女の方々に使って頂いていたが、ここにきて身長体重、握力に、身体に残る聖痕の種類の違いまで細かく指定できる喜び。
　また、それに合わせて鍛錬所も変化をつける事にした。
　いくつも候補があったが、限られた敷地をどう有効に使うべきか白熱した討論と、つい長引いてしまった奉納の儀。

　結果、エリーゼ様とアニス様がご利用になる事を想定したものになった。
　近距離からの的になれるように弓場を改造し
　至近距離からの的になれるように、斧と投げナイフ用の射場を作り
　対人対策として、捕虜となった時相手に屈しない為の模擬拷問訓練場を用意。

　だが、これで満足してはいけない。
　慢心こそ、エリーゼ様が嫌われる所業。常に自らを戒めなければ！

　……戒め、いましめ、しめ。
　よし！今日の午後は鍛錬の後に「あらなわ」を作る奉仕作業を行おう！

　だが、縄の作り方はまだ未熟。エリック隊長に鞭打ち行のお願いをしてみよう。
　気合を入れて振らないと、隊長は良しと仰って下さらないからな。

　場所は小石が尖っている射場の方が、喜んで頂けるだろうか。
　利用した事は無いが、手のひらと膝の下の痛みがたまらないと誰か言っていたな。
　あとは、飛竜のバラ鞭の方がお好みの様子だが、如何せん私は長編鞭の方が得意だ。多少音を立てて、周囲の小石を隊長に飛ばしながら打てば、ご満足いただけるかもしれない。

　よし！男は度胸だ。なんでも試してみるもんだ！上手くいけば「あらなわ」作りもご一緒頂けるかもしれない。
　「いなわらもどき」を水で柔らかくしたあと、木の棒で叩く。だったな。
　こう、上手くこすり合わせられないのがもどかしくてイイんだ。
　撚り合わせるときの草の堅さ、長時間の無理な姿勢での痛み。
　思い出しただけで、つい漲ってしまう。

　さあ、張り切って午前の鍛錬を終わらせてしまおう。
　しかし、同士にも声をかけて一緒に縄をなうべきだろうか。エリック隊長を独占する形になると、新人に示しが付かない。不満が出たその時は、お詫びとして奉仕させて頂こうか。どのお詫びが最適か。

　悩ましいな！
　この悩ましさを鍛錬にぶつけよう！

　ああー今日もイイ一日になる予感がするぞ。






なんだかんだ言っても、結局目的がそれっていうｗ