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相部屋の人の悩み
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ついに俺は明日、魔王を倒しにいく。
本当は魔王を倒しにいくのは気が進まない。
だが先日、幼馴染にプロポーズをした際に条件を出されてしまったのだ。
「私、強い男がいいの。魔王を倒してきたら結婚してもいいわ」
そんなわけで今日は明日に備えてしっかり休むため、宿屋に泊まりにきた。
「大人一名で泊まりたいんですが」
「あー、すみません今満室なんですよね」
「そ、そんな…」
明日は魔王を倒すという一世一代のイベントなのに…ここに来て俺は野宿を強いられるのか。
困り果てていると後ろから知らない男が声をかけてきた。
「あ、僕の部屋ツインルームなのでベッド一つ空いてますよ。それでもよければ使ってください」
「本当ですか。それは助かります」
宿屋のスタッフにも了承を得て、見知らぬ男と相部屋になりツインルームに案内された。
2人とも各々ベッドに入り消灯してしばらくすると、暗闇の中、隣から大きなため息が聞こえた。
「はあ…」
「どうかされました?」
「あ、すみません、どうも今の職業が自分に合わなくてついため息を漏らしてしまいました」
「何か悩みでも?俺もちょうど寝れないですし良かったら聞きますよ」
「それはありがたい。いやー自分は今の職を辞めたいんですけど、自分が辞めたら困る人がたくさんいるんですよね」
「あーわかります。特に替えのきかない職業だと更にやめづらいですよね」
「そうなんですよ。自分は性格上今の職がちょっと合わなくて…もうちょっと違う職に就きたいんですよね」
「周りの迷惑とか考えなくていいと思いますよ。自分の人生だし自由に生きましょうよ」
「うわーありがとうございます。辞める勇気が出ました」
朝起きると男はすでに宿を出ていて、街の掲示板には”魔王失踪”と書かれた紙が貼られていた。
ー完ー
本当は魔王を倒しにいくのは気が進まない。
だが先日、幼馴染にプロポーズをした際に条件を出されてしまったのだ。
「私、強い男がいいの。魔王を倒してきたら結婚してもいいわ」
そんなわけで今日は明日に備えてしっかり休むため、宿屋に泊まりにきた。
「大人一名で泊まりたいんですが」
「あー、すみません今満室なんですよね」
「そ、そんな…」
明日は魔王を倒すという一世一代のイベントなのに…ここに来て俺は野宿を強いられるのか。
困り果てていると後ろから知らない男が声をかけてきた。
「あ、僕の部屋ツインルームなのでベッド一つ空いてますよ。それでもよければ使ってください」
「本当ですか。それは助かります」
宿屋のスタッフにも了承を得て、見知らぬ男と相部屋になりツインルームに案内された。
2人とも各々ベッドに入り消灯してしばらくすると、暗闇の中、隣から大きなため息が聞こえた。
「はあ…」
「どうかされました?」
「あ、すみません、どうも今の職業が自分に合わなくてついため息を漏らしてしまいました」
「何か悩みでも?俺もちょうど寝れないですし良かったら聞きますよ」
「それはありがたい。いやー自分は今の職を辞めたいんですけど、自分が辞めたら困る人がたくさんいるんですよね」
「あーわかります。特に替えのきかない職業だと更にやめづらいですよね」
「そうなんですよ。自分は性格上今の職がちょっと合わなくて…もうちょっと違う職に就きたいんですよね」
「周りの迷惑とか考えなくていいと思いますよ。自分の人生だし自由に生きましょうよ」
「うわーありがとうございます。辞める勇気が出ました」
朝起きると男はすでに宿を出ていて、街の掲示板には”魔王失踪”と書かれた紙が貼られていた。
ー完ー
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