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攫われた婚約者

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 俺の婚約者、マリア姫が攫われた。
 山を越え谷を越え、見知らぬ村や街を渡り歩き、嵐の中も小舟で進み、命からがらやっとの思いでここまでたどり着いた。

「魔王、姫を返せ!」

「返せって…俺攫ってないよ」

「えっ…ど、どういう…」

俺が動揺していると柱の陰からマリア姫が出てきた。




「ごめんなさい…あなたと結婚したくなかったの」






ー完ー
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