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その手の暖かさ 僕×俺
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人が人を求めるのは、寂しさを埋め合わせるためで間違いないよな。
わざわざ寂しさを感じてしまう相手を、求めるのは不合理だよな。
そう、わかっているのに。
頭とは裏腹に、心は彼との時間を求めてしまう。
「どうしてお前は、俺なんかと一緒にいてくれるんだ?」
心の容量がいっぱいになって、どうしようもなくなると、勝手に彼を突き放してしまう。
自分でも、悪い癖だとわかっている。
その度に、彼は優しくするでもなく、ただ落ち着くまで側にいてくれる。
俺は余計に自分が情けなくなるんだ。
「俺のこと、嫌にならないのか?」
「面倒くさい生き方をしているなぁとはおもうよ。でもさ。」
彼の手が、俺の頬に触れる。
その暖かさに、涙腺が緩みそうになって、すぐに目をそらす。
ぎゅっと閉じた目蓋の上を、彼の指がなぞって、優しく一滴の涙が拭われる。
「先に救われたのは、僕の方だったんだよ」
君はもう、忘れているかもしれないけどね。
だから、僕は、君を永遠に愛するって決めてるんだ。
「なんだよ、それ・・・」
この手が、離れた時の寂しさを、想像するだけで恐ろしいのに。
今日もおれは、つかの間の暖かさに酔いしれる。
わざわざ寂しさを感じてしまう相手を、求めるのは不合理だよな。
そう、わかっているのに。
頭とは裏腹に、心は彼との時間を求めてしまう。
「どうしてお前は、俺なんかと一緒にいてくれるんだ?」
心の容量がいっぱいになって、どうしようもなくなると、勝手に彼を突き放してしまう。
自分でも、悪い癖だとわかっている。
その度に、彼は優しくするでもなく、ただ落ち着くまで側にいてくれる。
俺は余計に自分が情けなくなるんだ。
「俺のこと、嫌にならないのか?」
「面倒くさい生き方をしているなぁとはおもうよ。でもさ。」
彼の手が、俺の頬に触れる。
その暖かさに、涙腺が緩みそうになって、すぐに目をそらす。
ぎゅっと閉じた目蓋の上を、彼の指がなぞって、優しく一滴の涙が拭われる。
「先に救われたのは、僕の方だったんだよ」
君はもう、忘れているかもしれないけどね。
だから、僕は、君を永遠に愛するって決めてるんだ。
「なんだよ、それ・・・」
この手が、離れた時の寂しさを、想像するだけで恐ろしいのに。
今日もおれは、つかの間の暖かさに酔いしれる。
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みんなの感想(2件)
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僕×俺の長編作品にもチャレンジしてくれたら嬉しいです。
お話の描き方が綺麗で、もっと読みたくなります。
ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
リクエストなどありましたら是非!