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深海忘却 俺受 高二
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深海忘却
それは、深い深い海に堕ちていく感覚に似ている。
もがけばもがくほど、見え無い何かに囚われていく。
そんな日々を越えて、変わったものは此処から見える景色だけで。
本質的なものは何も変わり得無いと理解した。
今年、俺達は高校二年生になった。
年を取る度に体感速度が速まる、というのは聞いたことがあるが確かにその通りだった。
月日は光陰のように過ぎ去り、今を過去に替える。
だが、決してその過ちを払拭してはくれない。
餓鬼の頃画いていた人生計画とは真逆。
かつて、落ちこぼれと蔑んでいた存在に俺はなっていた。
一度の過ちは一生の傷となり、死ぬまで付きまとうのか。
いつまで俺は、この無意味な日々を重ねれば良いのだ。
堕落しても尚、かつて神童と呼ばれていた面影が、自分を否定する。
俺は無力で思い上がっていただけの餓鬼だ。
それを痛いほど思い知ったあの日。
あの苦い記憶を、時々ふとした瞬間に思い出すのだ。
―けれど、つまりそれは。
何だかんだ言って、俺は今幸せで。
幸福の本当の意味を知ったから。
沢山の馬鹿と出逢い、笑い、月日を重ねて。
薄れていく苦しみに、俺は気づかされる。
思い出す、と謂うのはつまり忘れて居ると謂う訳で。
少し前迄は、確かに思い続けていた。
あの日の温度さえも、感じていれた。
それなのに、日々の生活に想いは風化され。
思いは過去の遺産として埋葬されるべきなのか。
はたまた、いつまでも心に留めておくべきなのか。
あの日をなかった事にして忘れてしまえる程俺は賢くもなく。
いつまでも想って生きていく程強くはなれない。
どこまでも、中途半端な自分自身は。
ただ一つ、穢いとしか言えない。
どちらにしても、あの日が消えるのを止められなくて。
少女の一生を狂わせたあの日を、無かった事にして良い筈が無い。
だから。
俺は、俺だけは忘れてはいけないのに。
前へ進もうとする度、後ろが削られてゆく。
そんな感覚だ。
それが堪らなく苦しくて。
俺は、進む事も戻る事も出来ずに唯その場で足踏みをする。
助けてくれ、と叫ぶ声は誰にも届かず深く深く。
本当は伝える気持ちも、意味も無いんだろう。
自問に自嘲して、自答に冷笑する。
「もう、許してあげれば?自分自身を」
誰かが零したその台詞も、深海に溶かされ忘却の渦へ。
それは、深い深い海に堕ちていく感覚に似ている。
もがけばもがくほど、見え無い何かに囚われていく。
そんな日々を越えて、変わったものは此処から見える景色だけで。
本質的なものは何も変わり得無いと理解した。
今年、俺達は高校二年生になった。
年を取る度に体感速度が速まる、というのは聞いたことがあるが確かにその通りだった。
月日は光陰のように過ぎ去り、今を過去に替える。
だが、決してその過ちを払拭してはくれない。
餓鬼の頃画いていた人生計画とは真逆。
かつて、落ちこぼれと蔑んでいた存在に俺はなっていた。
一度の過ちは一生の傷となり、死ぬまで付きまとうのか。
いつまで俺は、この無意味な日々を重ねれば良いのだ。
堕落しても尚、かつて神童と呼ばれていた面影が、自分を否定する。
俺は無力で思い上がっていただけの餓鬼だ。
それを痛いほど思い知ったあの日。
あの苦い記憶を、時々ふとした瞬間に思い出すのだ。
―けれど、つまりそれは。
何だかんだ言って、俺は今幸せで。
幸福の本当の意味を知ったから。
沢山の馬鹿と出逢い、笑い、月日を重ねて。
薄れていく苦しみに、俺は気づかされる。
思い出す、と謂うのはつまり忘れて居ると謂う訳で。
少し前迄は、確かに思い続けていた。
あの日の温度さえも、感じていれた。
それなのに、日々の生活に想いは風化され。
思いは過去の遺産として埋葬されるべきなのか。
はたまた、いつまでも心に留めておくべきなのか。
あの日をなかった事にして忘れてしまえる程俺は賢くもなく。
いつまでも想って生きていく程強くはなれない。
どこまでも、中途半端な自分自身は。
ただ一つ、穢いとしか言えない。
どちらにしても、あの日が消えるのを止められなくて。
少女の一生を狂わせたあの日を、無かった事にして良い筈が無い。
だから。
俺は、俺だけは忘れてはいけないのに。
前へ進もうとする度、後ろが削られてゆく。
そんな感覚だ。
それが堪らなく苦しくて。
俺は、進む事も戻る事も出来ずに唯その場で足踏みをする。
助けてくれ、と叫ぶ声は誰にも届かず深く深く。
本当は伝える気持ちも、意味も無いんだろう。
自問に自嘲して、自答に冷笑する。
「もう、許してあげれば?自分自身を」
誰かが零したその台詞も、深海に溶かされ忘却の渦へ。
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