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1 未精通な青年が玩具と愛撫で精通させられる話(玩具責め/直後責め)

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 そこは、とあるバーの2階にある特別な部屋。「とある条件」を満たしたモノだけが宿泊することを許されるその部屋には、今夜も宿泊者がいた。


「んっひぃ……あ゛っ♡」
 開口具をつけられ、閉じることを許されなくなった口からひっきりなしに漏れる喘ぎが部屋中を満たす。部屋には拘束された青年と、その拘束を施し、笑みを浮かべて青年を見つめている男性の二人がいた。青年が涙で曇った視界でどうにか相手をにらみつけようとしても、その瞳から先ほどまでの強気な色は消え失せてしまっていた。

「ふふ、維人くん、どう?気持ちいいかい?」
「うぁ……う゛んん…あ゛っ♡」
 出てくるのは返事ではなく唾液と喘ぎばかりだったが、男は楽しむように青年……維人を拘束したベッドに腰掛けた。太ももも拘束をされているためにひくひくとぎこちないけいれんを繰り返す腰をなでれば、緊張に力がこもるのがよくわかる。
 男性は維人の開口具を外すとすぐそばに置いていたフェイスタオルで口元の唾液を拭う。まるで赤子のような扱いに、蕩けていた瞳にわずかに力が戻る。
「も゛…これっ♡……あ゛ぁ!?ひぃっ……やめ…や、めてっ♡♡」
「うーん、これって?拘束のこと?でも維人暴れちゃうじゃん」
「ぢがう゛ぅっ」
「じゃあどれかなあ?言ってくれないとわかんないなあ」
「ひっん…ぅう゛っ」
 幼い子供がむずがるように、維人はほとんど動かない体をよじる。男がその手を維人の腰から離してゆっくりと上に持ち上げると、維人はぐっと息をつめた。男の手はそのまま、ローターを付けた乳首に触れる。

「あ゛あっ♡」

「それともこっちかな?」
「ん゛~~っ」
 ローションで滑りをよくされた乳首は、ゆるやかに続く弱いローターの刺激を強く感じさせた。ぷっくりと膨れた乳首は勃ちあがっていて、男の指先で押し付けられたローターから逃げようとしてはさらに強く押し込められる。
「ぢがう゛ぅ」
 ぽろぽろと眦からこぼれる涙をそっとぬぐった男は、仕方ないとでもいうかのように乳首のローターへの出力を止めた。しかし、ふうふうと体全体で息継ぎをする維人は、次の瞬間びくんっと体をはねさせた。

 男が、維人のペニスにつけたローターの振動を強めたためだった。

「あ~~っっ♡♡らめっそ、れえぇえっ♡♡」
 一層足をばたつかせようとする維人の力で、ベッドがきしむ。
「なんでダメなのかな?」
「でなっ、でな゛い゛がら゛あ゛っ」
「うん、そうだね」

 男は満面の笑みを浮かべて維人のペニスをゆるりと握った。裏筋をなぞられ、すこし強い力で鈴口をぐりぐりと触られる激しい刺激に限界まで体をのけぞらせる。そのペニスは張り詰めて透明な粘液をとどめなく流していた。
「でな、でないぃぃっ♡それ、しょれ、だめなのに゛ぃっっ♡」
 これまでに経験したことのないような強い刺激に、維人は目を白黒させる。どうにか男の手を止めようと懇願しても男は笑うだけだった。
「ほら、頑張れ頑張れ」
「んっ…あ?」
 
 絶え間なく漏れていた喘ぎ声が、ふっと途絶えた。男が維人の顔を覗き込むと、蕩けて焦点の合わない瞳が大きく見開かれて、ビクッと大きく一度体をはねさせると小刻みにけいれんを繰り返し始めた。
「ドライでイくの癖になっちゃうかな」
「~~~っ♡ら、めっ」
 息ができないほどの快感が全身を駆け巡る中、再度男がペニスを扱く手を動かし始めた。射精を伴わない絶頂はすぐに次の絶頂を呼び起こし、維人ははげしく首を横に振ってせめて少しでも快楽から逃げようとする。手をめちゃくちゃに動かして意味もなく握ったり広げたりを繰り返すのを見て、男はペニスを扱いていない方の手を維人の右手と絡ませた。
「ほら、まだ足りないだろう」
「だめええっ、もうやめるうっ♡」
「うんうん、頑張れ」
 一度ペニスを扱く手を止めた男は、維人の頭を優しくなでると体勢を変える。体重をかけないように維人にまたがった男は、ビクビクと逃げようとするように反応するペニスを両手で包み込んだ。
「ほら、乳首のローターも強くしてあげようね」

「ひぃんっ♡」

 ビィィィンと唸りをあげた乳首ローターとともに、ペニスのローターの振動が最強にまで押し上げられる。跳ね回るペニスにはペニス用ベルトのように射精を阻止するようなものがあるわけでもなかった。それでも、ペニスからは先走りばかりがだらだらと流れ出る。

「ほら、もう少ししたら出せるからね、頑張ろうね」
 優しい言葉をかけながら、男の手の動きがだんだんと激しくなっていく。根元から先端までを数往復したかと思えば、磨かれた爪の腹で強めに鈴口を刺激する。そのたびに維人の口からは絶え間なく喘ぎ声が漏れた。
「んぅうう♡」
 苦しげな声を漏らす維人は、絶頂寸前の快楽からおりられないままにぎゅうと目をつむってその刺激から逃避する。

そのペニスは、成人したいまもまだ経験したことのない未知の快楽に向けて着実に快楽を蓄積していった。



 ***



「んいぃぃっ♡」
 初めてドライでの絶頂を迎えてから、すでに三時間が経過していた。時折水分を口移しで与えられていながらも、玩具や手を使って快楽は絶え間なくその身に与えられていた。
「うん、もうそろそろだな」
 男は、維人の張り詰めたペニスの根元に触れる。射精に至れないペニスの根元をかるく縛って快楽の感覚を強めたのは三十分ほど前のことだった。すでにパンパンに膨れていた睾丸が、徐々に上にせりあがってきている。

「いぐぅ゛っ!!……ひぎっ♡いぎだい゛ぃ~~!」
「おー、じゃあ覚悟決めてな」
 しゅるりとペニスを戒めていた紐を解けば、くぱくぱと開閉を繰り返す鈴口から勢いよく先走りが流れる。それだけでも気が狂いそうな快感なのだろう、もはや快感のあまり視界は白に染まり、その瞳には何も映っていなかった。
「んひぃっ……あっ♡あっ…なんがぐる゛ぅ……」
 睾丸を優しく揉まれながら速いペースで扱かれると、腹の奥からぐるぐると熱いものがこみ上げてくる。あまりにも焦ったいスピードに、ぎこちなくカクカクと腰を振る。

「ほら、出しちゃえ」

 一際つよく先端をしごかれた瞬間、維人の口から甲高い喘ぎが漏れた。




「…!?あ゛ぁぁぁっ♡れるぅっ♡でぢゃう゛ぅぅぅ♡♡♡」


 ぽたりと、一滴。先ほどから止まらなかったカウパー汁よりもドロっとした白い粘液が鈴口から垂れた。

 次の瞬間、それまでの焦ったさはなんだったのかというほど勢いよく精液が迸る。ドピュドピュと溢れる粘液の塊のようなところが鈴口を押し広げるたびに腰が跳ねる。
「あぉぁ……♡」
 ドライ逝きとはまた異なる快楽に維人はようやくこの快楽から逃れられるのだとわずかに腹から力を抜いた。精通の強烈な快感に浸りながらも意識を飛ばそうとした瞬間、



 ゴリュッ


「んへぇっ?」



 口からこぼれたのは、間抜けな声だった。その原因は間違い無く、過敏になった先端を強い力で撫でられたせいだろう。
 ようやく終わると思っていた快楽が、これまで以上の強さでまだ大人になったばかりのペニスを襲う。状況をつかめない維人を、男は待ってくれなかった。
「射精してすぐの先っぽはね、息できないほど気持ちいいでしょ」
「ひぎぃぃっっ♡!?」
 容赦なく掌を押しつけてぐりんぐりんと手首を回し始めた男に、維人は激しく抵抗する。拘束がよわければ、きっと無理やり拘束が外れてしまっただろうというくらい大きな反応をする。
「今日は無理でも、慣れたら歯ブラシなんかも使ってあげるからね」
「ひぃぃっやだぁぁ♡ぎっ♡んひぇっ」

 結局、男の気が済んで維人が解放されたのはさらに維人が1度の射精と7回のドライオーガニズムを決めて完全に反応がなくなってからだった。
「はー、まあ明日から練習すりゃもうちょい射精できるか」
 満足そうに男は維人の体を清め始める。精通を支えたばかりの体は潮吹きも難しかったが、反応を見る限り可能性は0ではない。

「……愛してるよ、維人」
 泣きすぎて腫れた維人のまぶたにキスを落として、男はまた後処理を再開させた。




 ***




「はあ、よかったですね」
 バーのマスターは、維人の話に対してつまらなさそうに相槌を打った。「友人」に対して「部屋」を貸している男にとって、興味があるのは部屋を修復不可能なほどに汚損していないかだったからだろう。
「郁、本当に怖かったんだって…」
「そりゃ好きな人の正真正銘のはじめてもらえて張り切らない男がいるかよ」
 イチャイチャと喧嘩を始める2人に、マスターは苦笑いを浮かべてコーヒーを渡す。そろそろバーも店仕舞いだ。
「また来ても?」
「ええ、いつでも歓迎しますよ」
 

 カランコロン


 朝早いバーの入り口の扉が開く。会話を止めて3人が視線を送った先には、どこか幼さを残した顔立ちの青年が立っていた。ネギや卵の入った駅前にある24時間営業のスーパーのビニール袋ががさりと音を立てる。
「あれ、咲くんおかえりー」
「はーい、ただいまー」
 朝日に照らされて耳元のピアスを光らせながら、青年もとい咲はニコニコと笑った。
「2人が今日泊まりだったんだね!その感じだとようやく初めてのエッチできたんだねー」
「うん…はは、改めて言われると恥ずかしいかも……」
「そう?凄く幸せそうな雰囲気してていいなーって思うけどなあ。ほんと、ご馳走様でーす」
 ガサガサと音を鳴らしながらバーの厨房に歩を進める咲に、呆れたようにマスターが「裏口から入りなさい」と小言を言うのももうお決まりのことだった。

 咲はマスターと同居している……らしい。というのも、客の中でも咲の目撃が始まったのはつい最近のことだった。さらに、多くの場合咲は夜のバー営業中にみかけることはほとんど無い。
「全くとんだ拾い物です」
「まあまあ、いつか良いことありますってー」
 大抵の場合このように朝帰りをしている。これまで郁も維人も「健全な」おとまりはすでに何度かしているけれども、いまいち咲のことを掴めていなかった。


「あ、そろそろ行かないと」
 穏やかなテンポで進む会話は、郁のスマホに設定されていたアラームによって中断された。
「おや、もうそんな時間ですか」
「ざんねーん、また来てね」
 バーカウンターの向こうで隣に立って笑うバーの主人とその同居人。長居させてくれた2人で頭を下げて立ち去ろうとすると、咲がわざわざバーの扉を開けた。
「うわ、モテそう」
「ありがとうございます」
 郁に肩を抱かれるようにして扉を潜った維人は、聞こえてきた小さな声にパッと咲の顔を見る。だが、突然凝視されたことに驚いたような顔をする咲がいるだけで思わず首を傾げた。……慣れないことをして疲れているからだろうか?
 そのまま首を傾げつつ去っていく維人と、その様子にクエスチョンマークをつけつつエスコートする郁。2人の後ろ姿にひらひらと手を振りながら、咲は小さな声で呟いた。


「ご馳走様……やっぱりあの2人の精なら美味しい・・・・と思ったんだよね」




  そこは、とあるバーの2階にある特別な部屋。「とある条件」を満たしたモノだけが宿泊することを許されるその部屋には、今夜も宿泊者がいた。

 とある条件とは、バーのマスター……ではなくその同居人、咲の審美眼にかなうこと。なぜ寝室を貸すことを許しているのか、その本意を確かめる人はいまのところ、いない。
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