女官になるはずだった妃

女官になる。
そう聞いていたはずなのに。

あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく

「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」

そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。

秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。

皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。


縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。


誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。




更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
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