51 / 60
激戦編
第五十話 黒い卵
しおりを挟む
「おいどういうこって一?!どこにもこいつらを産み出してるもんなんかねぇじゃねぇか?!」
僕と彰悟はどうにか最上階で合流することができた。ここまで来る間に何百体もの顔物を倒したが、依然てして怪物は増える一方だ。
「…おかしい!なにか見落としてるはずだ!」
「んなことねぇよ。一部屋残さず隈無く入って調べたぞ!見逃してるとしたらお前の方じゃないか?」
「…いや違う。僕も念入りに探したけど見つからなかった…。まだどこか見てないところがあるんじゃないか…?」
「…見てないとこなんてもうどこも…ん?そういや一つまだ行ってないとこがあるぞ」
「なんだって?!それはどこ?」
「…んー、そこら辺に階段ねぇか?さっきエレベータに乗った時には表示されてなかったから、行くとしたら階段しかないと思うんだけど…」
「それってもしかして…屋上?」
そういえばそうだ。たしかにまだ屋上には行っていなかった。僕はあわてて屋上に向かう階段を探した。
「あった!」
廊下の一番奥の突き当たり付近に、上の階へと繋がる階段が見つかった!
「よし!行くぞ!」
僕と彰悟は追ってくる怪物を払い除けながら全力で階段を昇った。階段を昇りきったところで扉を見つけた。幸い鍵はかかっていなかったので、扉を開け、怪物が追ってこれないように屋上側から鍵をかけた。破壊されるのも時間の問題だとは思うが、気休めにはなるだろう。
「おい一あれ…」
何やら彰悟が青ざめた顔をしながら、扉とは反対の方向に指を差す。彰悟が指差した方を見ると、そこには全長3メートルほどだろうか、かなり大きな黒い卵のようなものが、床に血管のような、気の枝のような管をはって鼓動していた。
「これどうすりゃいいんだ…?とりあえず攻撃してみるか…」
彰悟がソードモードになっていたサンをマグナムモードに切り替え、銃口を黒い卵に向けた。するとその瞬間、卵の中から怪物が出現し、彰悟に襲いかかった。
「くそっ!やっぱりこいつがこんな大量の怪物を産んでたんだな!」
間一髪彰悟は怪物の攻撃を避け、反撃したが次々と怪物が産み出される。おまけに鍵を閉めた扉も破壊され、階下から怪物が押し寄せてきた。
「次から次へと!これじゃ怪物が邪魔で卵本体を叩けねぇ…!ん、そうだ!おい一、俺を思いっきり空に向かってぶん投げろ!」
突然彰悟が思いもよらないことを言い出した。
「え?なんで?」
大量の怪物と応戦し、たださえ頭が回らないなか、僕は思わず聞き返した。
「いいから、早くしろ!」
言われるがまま彰悟の足首を握りしめ、空に向かって彰悟を思い切り投げ飛ばした。20メートルほどだろうか、彰悟の体は空高く空中に舞った。
「よし、空中なら怪物も邪魔にはならねぇな!喰らえ!」
彰悟はマグナムを連射し、それは見事に卵に命中した。楕円形だった卵はいびつな形へと変化した。
「よっしゃ!これであとは残った怪物を片っ端から倒せばいいな!」
しかし、安心したのも束の間二人はこの後驚くべき光景を見ることになる…。
僕と彰悟はどうにか最上階で合流することができた。ここまで来る間に何百体もの顔物を倒したが、依然てして怪物は増える一方だ。
「…おかしい!なにか見落としてるはずだ!」
「んなことねぇよ。一部屋残さず隈無く入って調べたぞ!見逃してるとしたらお前の方じゃないか?」
「…いや違う。僕も念入りに探したけど見つからなかった…。まだどこか見てないところがあるんじゃないか…?」
「…見てないとこなんてもうどこも…ん?そういや一つまだ行ってないとこがあるぞ」
「なんだって?!それはどこ?」
「…んー、そこら辺に階段ねぇか?さっきエレベータに乗った時には表示されてなかったから、行くとしたら階段しかないと思うんだけど…」
「それってもしかして…屋上?」
そういえばそうだ。たしかにまだ屋上には行っていなかった。僕はあわてて屋上に向かう階段を探した。
「あった!」
廊下の一番奥の突き当たり付近に、上の階へと繋がる階段が見つかった!
「よし!行くぞ!」
僕と彰悟は追ってくる怪物を払い除けながら全力で階段を昇った。階段を昇りきったところで扉を見つけた。幸い鍵はかかっていなかったので、扉を開け、怪物が追ってこれないように屋上側から鍵をかけた。破壊されるのも時間の問題だとは思うが、気休めにはなるだろう。
「おい一あれ…」
何やら彰悟が青ざめた顔をしながら、扉とは反対の方向に指を差す。彰悟が指差した方を見ると、そこには全長3メートルほどだろうか、かなり大きな黒い卵のようなものが、床に血管のような、気の枝のような管をはって鼓動していた。
「これどうすりゃいいんだ…?とりあえず攻撃してみるか…」
彰悟がソードモードになっていたサンをマグナムモードに切り替え、銃口を黒い卵に向けた。するとその瞬間、卵の中から怪物が出現し、彰悟に襲いかかった。
「くそっ!やっぱりこいつがこんな大量の怪物を産んでたんだな!」
間一髪彰悟は怪物の攻撃を避け、反撃したが次々と怪物が産み出される。おまけに鍵を閉めた扉も破壊され、階下から怪物が押し寄せてきた。
「次から次へと!これじゃ怪物が邪魔で卵本体を叩けねぇ…!ん、そうだ!おい一、俺を思いっきり空に向かってぶん投げろ!」
突然彰悟が思いもよらないことを言い出した。
「え?なんで?」
大量の怪物と応戦し、たださえ頭が回らないなか、僕は思わず聞き返した。
「いいから、早くしろ!」
言われるがまま彰悟の足首を握りしめ、空に向かって彰悟を思い切り投げ飛ばした。20メートルほどだろうか、彰悟の体は空高く空中に舞った。
「よし、空中なら怪物も邪魔にはならねぇな!喰らえ!」
彰悟はマグナムを連射し、それは見事に卵に命中した。楕円形だった卵はいびつな形へと変化した。
「よっしゃ!これであとは残った怪物を片っ端から倒せばいいな!」
しかし、安心したのも束の間二人はこの後驚くべき光景を見ることになる…。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説


【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる