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救出編
第四十五話 はるかの今後
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はるかの一が黒兜を倒し、彰悟が戦士として覚醒し、はるかの義父が逮捕されるという激動の1日から一夜開け、神谷たちによるはるかの義父への取り調べが始まった。
「単刀直入に聞くが、お前ははるかちゃんに虐待を加えていたな?」
「証拠は出てるんだろ?」
「あぁ。」
「じゃあ認めてやるよ。」
「ふざけんじゃねぇぞ!」
神谷が怒り、机を蹴飛ばした。
「ちょっと!神谷さん落ち着いてください!」
一緒に取り調べをしていた桜が止めに入る。
「あなたも、口の聞き方に気を付けてください。」
「ふん。いいからさっさと取り調べを進めてくれ。そんで弁護士を呼んでくれ。裁判でも刑務所でも行ってやるよ。」
「てめぇなんでそんな飄々としてやがる?」
「私は今回の件に関して悪いことをしたとは思っていませんから。」
「罪を認めないということか?」
「いいえ、違います。」
「どういうことだ?」
「確かに私のしたことは法的には間違っています。しかし、自分の中のルールには逆らっていません。肉を食べたいから肉を食べた。私のなかではそれくらいの話です。」
神谷と桜は呆れ返った。なおも義父は神谷たちを嘲笑うかのような受け答えをする。これは長くなる。神谷たちはため息を着いた。
………
「よ、よぉはるか。その後気分はどうだ?」
事件から数日後、近所のメンタルクリニックに入院しているはるかの元を一が尋ねた。もちろん一や彰悟たちは、まだはるかと義父のことを知らされていない。
「あ、一くんお見舞い来てくれたんだ!ありがと!ちょっと元気になった!」
はるかは、相変わらずの笑顔で一を迎えた。
そして暫く沈黙が続いたあと、一が口を開いた。
「そういえば、学校へはいつから来れそう?」
「…んー。もうちょっと休んでからかな。」
「そうか、寂しいな…。」
「そういえばまだ詳しいこと話してなかったよね?」
「え、あ、あぁ…。」
もちろん一はなぜはるかが入院しているのか、義父が神谷たちに連れていかれたのか気になっていた。だが、なんとなく色々なことを察しており、聞いてはいけないような気がしていた。
「もう少し、時間を置いたら話すよ。」
「無理しなくていいよ。ずっと話さなくもいいし。」
「でも、一くんには知っておいて欲しいかな?」
「そうなの?なんで?」
「教えなーい!」
イタズラにはるかが微笑む。どうやら一が心配していたほど悪い状態では無さそうだ。
「私ね、これからも芸能活動は続けようと思うんだ。」
「そうなんだ。応援するよ。でも、大丈夫?」
「んー、やってみないとわからないな。でも、私とパパの夢だから。」
「え、パパって…。」
「あ、私の本当のお父さんのことね。変わった人だったなぁ…。でも面白くて優しい人だった!バカにされちゃうかもしれないけど、パパね、音楽で世界中の人を笑顔にすることが夢だったの。だけど死んじゃったんだ…。だから、私がパパの分まで頑張って生きたい!たくさんの人を笑顔にしたい!まずは私が元気にならなきゃだけどね!」
はるかは笑いながら涙をこぼしていた。
「あれ、私、笑いながら泣いてる、変なの。あはは…。」
「変じゃないよ。はるかはすごいよ。」
一も、涙を流しながら微笑んだ。
「単刀直入に聞くが、お前ははるかちゃんに虐待を加えていたな?」
「証拠は出てるんだろ?」
「あぁ。」
「じゃあ認めてやるよ。」
「ふざけんじゃねぇぞ!」
神谷が怒り、机を蹴飛ばした。
「ちょっと!神谷さん落ち着いてください!」
一緒に取り調べをしていた桜が止めに入る。
「あなたも、口の聞き方に気を付けてください。」
「ふん。いいからさっさと取り調べを進めてくれ。そんで弁護士を呼んでくれ。裁判でも刑務所でも行ってやるよ。」
「てめぇなんでそんな飄々としてやがる?」
「私は今回の件に関して悪いことをしたとは思っていませんから。」
「罪を認めないということか?」
「いいえ、違います。」
「どういうことだ?」
「確かに私のしたことは法的には間違っています。しかし、自分の中のルールには逆らっていません。肉を食べたいから肉を食べた。私のなかではそれくらいの話です。」
神谷と桜は呆れ返った。なおも義父は神谷たちを嘲笑うかのような受け答えをする。これは長くなる。神谷たちはため息を着いた。
………
「よ、よぉはるか。その後気分はどうだ?」
事件から数日後、近所のメンタルクリニックに入院しているはるかの元を一が尋ねた。もちろん一や彰悟たちは、まだはるかと義父のことを知らされていない。
「あ、一くんお見舞い来てくれたんだ!ありがと!ちょっと元気になった!」
はるかは、相変わらずの笑顔で一を迎えた。
そして暫く沈黙が続いたあと、一が口を開いた。
「そういえば、学校へはいつから来れそう?」
「…んー。もうちょっと休んでからかな。」
「そうか、寂しいな…。」
「そういえばまだ詳しいこと話してなかったよね?」
「え、あ、あぁ…。」
もちろん一はなぜはるかが入院しているのか、義父が神谷たちに連れていかれたのか気になっていた。だが、なんとなく色々なことを察しており、聞いてはいけないような気がしていた。
「もう少し、時間を置いたら話すよ。」
「無理しなくていいよ。ずっと話さなくもいいし。」
「でも、一くんには知っておいて欲しいかな?」
「そうなの?なんで?」
「教えなーい!」
イタズラにはるかが微笑む。どうやら一が心配していたほど悪い状態では無さそうだ。
「私ね、これからも芸能活動は続けようと思うんだ。」
「そうなんだ。応援するよ。でも、大丈夫?」
「んー、やってみないとわからないな。でも、私とパパの夢だから。」
「え、パパって…。」
「あ、私の本当のお父さんのことね。変わった人だったなぁ…。でも面白くて優しい人だった!バカにされちゃうかもしれないけど、パパね、音楽で世界中の人を笑顔にすることが夢だったの。だけど死んじゃったんだ…。だから、私がパパの分まで頑張って生きたい!たくさんの人を笑顔にしたい!まずは私が元気にならなきゃだけどね!」
はるかは笑いながら涙をこぼしていた。
「あれ、私、笑いながら泣いてる、変なの。あはは…。」
「変じゃないよ。はるかはすごいよ。」
一も、涙を流しながら微笑んだ。
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