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再来編
第十七話 命捨ててでも…
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「なんだ、これは…。」
急いで現場に駆けつけた神谷はこの世の光景とは思えないものを見た。全長50メートル以上は軽くある怪物が暴れていたのだ。すでに辺りの建築物は崩壊し、瓦礫と化していた。その下には無惨な姿の死体の山と逃げ惑う群衆が広がっていた。
「なに、これ…。」
桜はそのあまりにも悲惨な光景に、絶望し嘔吐した。
「グアァァァァァァァァ!」
すると、先ほどまで暴れていた怪物が何やら不穏な動きを見せた。突然動くのをやめ、全身が発光した。
「今度は一体何をしやがる?!」
全身が発光した直後、どうやら怪物はエネルギーをためているように見えた。
「まさか?!」
神谷は慌ててそばにあるビルを探した。
「どこだ?どこかに無いか?」
しかし辺りのビルはどこも崩れていたり、今にも倒れそうになっていた。
「仕方ない…。一か八か…。」
神谷は咄嗟に走り出した。
「か、神谷さん!どこに行くんです?!神谷さん!」
「桜ちゃんは落ち着いたら市民を避難させて!俺はランドマークタワーに登ってデカブツをどうにかする!」
「ちょっと神谷さん!どうにかするって一体なにするんですか?!それに、ランドマークタワーって…。」
桜はランドマークタワーを見た。タワーのあちこちから火が上がり、倒れかかっている。
「危険です!戻ってください!」
「ごめん!どうしてもいかないと行けない気がするんだ!」
そう言って神谷は走り去った。
「神谷さん…。死なないでください…。」
……………
「…め。…じめ。…。」
「(…なんだ?何か聞こえる?)」
「一!」
「はっ!」
一は目を覚ました。どうやら気絶していたらしい。
「(今、何か聞こえたような…。女性の声?)」
一は何かに呼ばれて起きたような気がした。少しの間ボーッとして、ふと目の前を見た。
「な、なんだこれは?!」
一の目の前には驚くべき光景が広がっていた。ビルの中から周りを見回すとそこは正に地獄絵図と化していた。そして、怪物の動きは何故か静止していた。しかし、様子がおかしい。
「(なぜ怪物は止まっているんだ?まさか…エネルギーを充填しているのか?!)」
怪物は全身が発光していた。怪物の口からは大量の煙がでていた。
「(まさか口から火炎放射でも出すんじゃないだろうな…。そんなことになったら洒落にならない!どうにか止めないと!だけど…どうやって…。)」
一がそうこう考えているうちに、怪物の口から吐かれていた煙が止まった。一は凄まじい寒気がした。一の直感が告げていた。間違いなく、とてつもなく強い攻撃が来ると。
「くそっ!」
一は今いたビルから飛び出た。そして怪物の頭の方へ跳んだ。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
一が跳んだとほぼ同時に、怪物がビームのようなものを口から放射した。
『complete』
一はケータイを起動させた。
『0976 enter, magnum mode』
しばらくのタイムラグが生じてから、ケータイから出谷マグナム弾と、怪物のビームが真っ向から衝突した。
「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
一は思い切り叫んだ。思い切りケータイのボタンを押し続けた。しかし、ケータイには段々とヒビが生じてきた。そして、ついにはケータイが壊れた。一の放ったマグナム弾は消され、一は怪物の放ったビームをもろに食らった。
「う、ぐ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
一の体はまたビルに打ち付けられた。
「く、うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
それでもなお、怪物はビームを放射し続けた。一は苦しみながらも必死に絶えた。両手を目の前に突きだし、ビームを受け止めた。
「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
しかし無惨にも一の両腕が吹き飛んだ。それでも怪物の攻撃は続いた。
しばらくして怪物の攻撃は止まった。しかし、その頃にはもう、一の姿はなくなっていた…。
急いで現場に駆けつけた神谷はこの世の光景とは思えないものを見た。全長50メートル以上は軽くある怪物が暴れていたのだ。すでに辺りの建築物は崩壊し、瓦礫と化していた。その下には無惨な姿の死体の山と逃げ惑う群衆が広がっていた。
「なに、これ…。」
桜はそのあまりにも悲惨な光景に、絶望し嘔吐した。
「グアァァァァァァァァ!」
すると、先ほどまで暴れていた怪物が何やら不穏な動きを見せた。突然動くのをやめ、全身が発光した。
「今度は一体何をしやがる?!」
全身が発光した直後、どうやら怪物はエネルギーをためているように見えた。
「まさか?!」
神谷は慌ててそばにあるビルを探した。
「どこだ?どこかに無いか?」
しかし辺りのビルはどこも崩れていたり、今にも倒れそうになっていた。
「仕方ない…。一か八か…。」
神谷は咄嗟に走り出した。
「か、神谷さん!どこに行くんです?!神谷さん!」
「桜ちゃんは落ち着いたら市民を避難させて!俺はランドマークタワーに登ってデカブツをどうにかする!」
「ちょっと神谷さん!どうにかするって一体なにするんですか?!それに、ランドマークタワーって…。」
桜はランドマークタワーを見た。タワーのあちこちから火が上がり、倒れかかっている。
「危険です!戻ってください!」
「ごめん!どうしてもいかないと行けない気がするんだ!」
そう言って神谷は走り去った。
「神谷さん…。死なないでください…。」
……………
「…め。…じめ。…。」
「(…なんだ?何か聞こえる?)」
「一!」
「はっ!」
一は目を覚ました。どうやら気絶していたらしい。
「(今、何か聞こえたような…。女性の声?)」
一は何かに呼ばれて起きたような気がした。少しの間ボーッとして、ふと目の前を見た。
「な、なんだこれは?!」
一の目の前には驚くべき光景が広がっていた。ビルの中から周りを見回すとそこは正に地獄絵図と化していた。そして、怪物の動きは何故か静止していた。しかし、様子がおかしい。
「(なぜ怪物は止まっているんだ?まさか…エネルギーを充填しているのか?!)」
怪物は全身が発光していた。怪物の口からは大量の煙がでていた。
「(まさか口から火炎放射でも出すんじゃないだろうな…。そんなことになったら洒落にならない!どうにか止めないと!だけど…どうやって…。)」
一がそうこう考えているうちに、怪物の口から吐かれていた煙が止まった。一は凄まじい寒気がした。一の直感が告げていた。間違いなく、とてつもなく強い攻撃が来ると。
「くそっ!」
一は今いたビルから飛び出た。そして怪物の頭の方へ跳んだ。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
一が跳んだとほぼ同時に、怪物がビームのようなものを口から放射した。
『complete』
一はケータイを起動させた。
『0976 enter, magnum mode』
しばらくのタイムラグが生じてから、ケータイから出谷マグナム弾と、怪物のビームが真っ向から衝突した。
「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
一は思い切り叫んだ。思い切りケータイのボタンを押し続けた。しかし、ケータイには段々とヒビが生じてきた。そして、ついにはケータイが壊れた。一の放ったマグナム弾は消され、一は怪物の放ったビームをもろに食らった。
「う、ぐ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
一の体はまたビルに打ち付けられた。
「く、うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
それでもなお、怪物はビームを放射し続けた。一は苦しみながらも必死に絶えた。両手を目の前に突きだし、ビームを受け止めた。
「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
しかし無惨にも一の両腕が吹き飛んだ。それでも怪物の攻撃は続いた。
しばらくして怪物の攻撃は止まった。しかし、その頃にはもう、一の姿はなくなっていた…。
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