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第33話 お父様
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海辺でパルナエと別れた後、研究所へ寄り、伝説野菜やドラゴンに関する書物を探してもらうよう依頼した。所蔵している史料が膨大なので、調査には時間がかかるという。調査報告は王子のもとに届くようお願いした。
今晩の宿については、エルド王子と同じ宿に泊まることになってしまった。警備上の理由からだ。スウミが別の宿に泊まるなら、警備を二つに分けなければいけないのだという。警備は要らないと断ったのだが、そうはいかないと王子は譲らなかった。王と王妃が不審死した後、ひとりで出歩いている貴族令嬢なんてスウミぐらいらしい。
しかたなくエルド王子とともに高級宿に入り、受付で手続きをしている時のことだった。
配達ギルドの配達員が入ってきて、「こちらにスウミ・デルファトル様はお泊まりでしょうか」と尋ねた。スウミが名乗り出ると、配達員は帽子と手袋を取り、気の毒そうな顔をして手紙を差し出した。受け取るとき、スウミの手は震えていた。
気づけばすぐそばにエルド王子がいて、心配そうに見守ってくれていた。
少し勇気づけられ、手紙の封を切った。
「社長へ。
マノです。すぐにデルファンに戻ってきてください。
手紙でこんなことをお伝えしたくなかったのですが、デルファトル公爵が亡くなりました。
葬儀の準備とかはマルヤさんたちがやってくれて、僕とビビカは仕事のほうを引き受けている状況で……」
それ以上先は読めなかった。いや、読もうとしたのだけれど、目で文字を追っても頭が動かなくて、何が書いてあるのかわからなくなってしまったのだ。
呆然と立ち尽くしていたら、エルド王子が「俺も読んでもいいか?」と聞いてきたので、手紙を渡した。
(デルファトル公爵ってお父様のこと? そうじゃないといいのだけれど。でもデルファトル公爵なんて他にいない……)
そっと包まれるように横から抱きしめられて、反射的に腕にしがみついた。
ああ、そうか、と理解した。王子も同じことを感じたばかりなのだ。
「エルド王子の悲しみが、いま本当にわかったように思います。親を失うとは、こういう気持ちになるものなのですね。とても信じられなくて……。それなのに、自分の体の真ん中に大きな鉛を入れられたように苦しくて、息ができないのです」
時折、視界にゆっくりと動くものが目に入って、なんだろうと思ったら、頭を撫でてくれているエルド王子の腕だった。なんだか奇妙なくらい体の感覚がなくなっていた。
すぐさま馬を飛ばしてデルファンにとって返した。エルド王子が同行してくれて、立ち寄った旅籠で馬を交替させながら進むことができた。おかげで王都まで4日かかるところを3日で走れた。馬を返しに行く手間と、王子に立て替えてもらった馬の賃料のことはあとで考えることにした。
長時間の騎乗で、王子も護衛たちも疲労の色が濃かった。スウミが元気なのは伝説野菜を食べたおかげなのだろう。王子の同行については何度も断ったが、エルド王子は「熱が出るより、いま離れるほうがつらい」と言って、王都まで一緒にいてくれた。申し訳ないと思うものの、心強かった。
王都を出てからはひとりになった。断固として同行を拒否したのだ。デルファンの屋敷で何があったのかわからないが、万が一のことを考えると、次期王を危険にさらすわけにはいかない。
(ここからは私ひとりで大丈夫。だって私は社長なんだから!)
そう自分を励ました。
王都の南門を出て、近道するため街道を逸れて森の小道に入ったとき、騎乗した集団がスウミを追いかけてきた。鎧を着込んだ騎士たちだ。王子の指示によるものだろう。振り返って頭を下げると、先頭にいた騎士が会釈を返してくれた。兜のせいで顔は見えないが、どことなく王子と似た背格好の騎士だった。
やがて花畑の丘と、そのてっぺんに立つ黒い建物が見えてきた。
馬を飛び降りて屋敷に駆け込むと、社員のマルヤとタイリルが出迎えてくれた。
「社長! ああ、私たち何て言ったらいいのか……」
「本当に言葉もありません。さあ、お父様はこちらです」
3階の当主の部屋のドアが開け放たれ、そこに棺が置かれていた。ぽつんと寂しげに、物のように。
「もう蓋を閉じてしまおうかとも話していたんですが、社長が帰ってこられてよかった」
「最期のご挨拶を……」
棺の上部の蓋を開けたら、そこに知らない顔があればいいのに。
だが――。
そこで眠っていたのは、間違いなく父だった。遺体を目にしても、まだ信じられない思いだった。
その日、急きょ葬儀が執り行なわれた。亡くなったのは1週間前で、もうこれ以上は引き延ばせなかったのだ。自分が帰ってくるまで遺体をそのままにしておいてくれた皆には感謝の気持ちしかない。特にマルヤとタイリルがいてくれて、どれだけありがたかったことか。気が動転して何もできなくなってしまったスウミのかわりに葬儀を仕切ってくれたのだ。傷ついた心に厚意がしみて、感謝の涙がこぼれた。
父は遺書を残していた。
当主の部屋の机の引き出しに、「スウミへ」と書かれた手紙が入っていたのだ。
葬儀の後、スウミは喪服姿のまま、父の部屋で読んだ。
「きっと私はもうこの世にいないのだろうね。近いうちにそうなることがわかっているから、この手紙を残しておくよ。
スウミ、ずっと隠していてごめんね。私は治る見込みのない病気だと医者から言われていたんだ。清掃先で伝説野菜を見つけたとき、ミシゲさんたちが私に野菜を譲ってくれたのは、そういうわけなんだよ。だけど、私はもういいんだ。そう思ったからスウミに伝説野菜を食べさせたんだ。どうか自分を責めないようにね。
ずっと後悔しているよ。なぜ浮気なんかしたんだろう。でも、そのおかげでスウミと出会えたのだから、皮肉なものだね。妻には本当に辛い思いをさせた。償いたいと思っていたが、結局何もできなかった自分が情けない。
私が死んだら、王家からお金がもらえるはずだ。これでも公爵だからね。見舞金とか葬儀代とか爵位の継承だのなんだので2000万ギルはもらえるだろう。借金返済にはこのお金を充ててほしい。実はずっと前からこうしようと決めていたんだ。内緒にしていたのは、会社を始めるというスウミのやる気に水を差したくなかったからだよ。私がいなくなった後のことを考えたら、社会に出てみるのが良いんじゃないかと思ってね。スウミならきっと大丈夫だから、これからも頑張って。あの世から応援しているからね。
追伸。エルド王子については、まあ悪くないと思うよ。彼が浮気する男かどうかはお父様には聞かないでくれ。でも多分しないんじゃないかな。偉そうなことを言えた立場じゃないが。
それじゃあ、元気でね。
可愛くて頼もしいスウミへ。
お父様より」
スウミは何度も何度も読み返した。遺書とは思えないような軽い口調で書かれていて、父がしゃべっているのをそのまま書いたような文章だった。
「ふふ、やだなあ……。私は2000万ギルより、お父様が生きていてくれたほうがずっと良かったのにな」
父の部屋を見回してみた。扉も床も高価な木材が使われており、天井にはドラコンが舞っている。そんな部屋に粗末な合板のチェストやベッドが置かれていた。残された衣類はすり切れた古着ばかり。書斎を覗けば、木彫りの像や椰子の実のお面が並んでいて、本など1冊もなかった。
わびしい気持ちになった。豪華な暮らしとまでいかなくとも、もう少し良い暮らしを父にさせてあげたかった。今ごろになって、そう思ったのだった。
今晩の宿については、エルド王子と同じ宿に泊まることになってしまった。警備上の理由からだ。スウミが別の宿に泊まるなら、警備を二つに分けなければいけないのだという。警備は要らないと断ったのだが、そうはいかないと王子は譲らなかった。王と王妃が不審死した後、ひとりで出歩いている貴族令嬢なんてスウミぐらいらしい。
しかたなくエルド王子とともに高級宿に入り、受付で手続きをしている時のことだった。
配達ギルドの配達員が入ってきて、「こちらにスウミ・デルファトル様はお泊まりでしょうか」と尋ねた。スウミが名乗り出ると、配達員は帽子と手袋を取り、気の毒そうな顔をして手紙を差し出した。受け取るとき、スウミの手は震えていた。
気づけばすぐそばにエルド王子がいて、心配そうに見守ってくれていた。
少し勇気づけられ、手紙の封を切った。
「社長へ。
マノです。すぐにデルファンに戻ってきてください。
手紙でこんなことをお伝えしたくなかったのですが、デルファトル公爵が亡くなりました。
葬儀の準備とかはマルヤさんたちがやってくれて、僕とビビカは仕事のほうを引き受けている状況で……」
それ以上先は読めなかった。いや、読もうとしたのだけれど、目で文字を追っても頭が動かなくて、何が書いてあるのかわからなくなってしまったのだ。
呆然と立ち尽くしていたら、エルド王子が「俺も読んでもいいか?」と聞いてきたので、手紙を渡した。
(デルファトル公爵ってお父様のこと? そうじゃないといいのだけれど。でもデルファトル公爵なんて他にいない……)
そっと包まれるように横から抱きしめられて、反射的に腕にしがみついた。
ああ、そうか、と理解した。王子も同じことを感じたばかりなのだ。
「エルド王子の悲しみが、いま本当にわかったように思います。親を失うとは、こういう気持ちになるものなのですね。とても信じられなくて……。それなのに、自分の体の真ん中に大きな鉛を入れられたように苦しくて、息ができないのです」
時折、視界にゆっくりと動くものが目に入って、なんだろうと思ったら、頭を撫でてくれているエルド王子の腕だった。なんだか奇妙なくらい体の感覚がなくなっていた。
すぐさま馬を飛ばしてデルファンにとって返した。エルド王子が同行してくれて、立ち寄った旅籠で馬を交替させながら進むことができた。おかげで王都まで4日かかるところを3日で走れた。馬を返しに行く手間と、王子に立て替えてもらった馬の賃料のことはあとで考えることにした。
長時間の騎乗で、王子も護衛たちも疲労の色が濃かった。スウミが元気なのは伝説野菜を食べたおかげなのだろう。王子の同行については何度も断ったが、エルド王子は「熱が出るより、いま離れるほうがつらい」と言って、王都まで一緒にいてくれた。申し訳ないと思うものの、心強かった。
王都を出てからはひとりになった。断固として同行を拒否したのだ。デルファンの屋敷で何があったのかわからないが、万が一のことを考えると、次期王を危険にさらすわけにはいかない。
(ここからは私ひとりで大丈夫。だって私は社長なんだから!)
そう自分を励ました。
王都の南門を出て、近道するため街道を逸れて森の小道に入ったとき、騎乗した集団がスウミを追いかけてきた。鎧を着込んだ騎士たちだ。王子の指示によるものだろう。振り返って頭を下げると、先頭にいた騎士が会釈を返してくれた。兜のせいで顔は見えないが、どことなく王子と似た背格好の騎士だった。
やがて花畑の丘と、そのてっぺんに立つ黒い建物が見えてきた。
馬を飛び降りて屋敷に駆け込むと、社員のマルヤとタイリルが出迎えてくれた。
「社長! ああ、私たち何て言ったらいいのか……」
「本当に言葉もありません。さあ、お父様はこちらです」
3階の当主の部屋のドアが開け放たれ、そこに棺が置かれていた。ぽつんと寂しげに、物のように。
「もう蓋を閉じてしまおうかとも話していたんですが、社長が帰ってこられてよかった」
「最期のご挨拶を……」
棺の上部の蓋を開けたら、そこに知らない顔があればいいのに。
だが――。
そこで眠っていたのは、間違いなく父だった。遺体を目にしても、まだ信じられない思いだった。
その日、急きょ葬儀が執り行なわれた。亡くなったのは1週間前で、もうこれ以上は引き延ばせなかったのだ。自分が帰ってくるまで遺体をそのままにしておいてくれた皆には感謝の気持ちしかない。特にマルヤとタイリルがいてくれて、どれだけありがたかったことか。気が動転して何もできなくなってしまったスウミのかわりに葬儀を仕切ってくれたのだ。傷ついた心に厚意がしみて、感謝の涙がこぼれた。
父は遺書を残していた。
当主の部屋の机の引き出しに、「スウミへ」と書かれた手紙が入っていたのだ。
葬儀の後、スウミは喪服姿のまま、父の部屋で読んだ。
「きっと私はもうこの世にいないのだろうね。近いうちにそうなることがわかっているから、この手紙を残しておくよ。
スウミ、ずっと隠していてごめんね。私は治る見込みのない病気だと医者から言われていたんだ。清掃先で伝説野菜を見つけたとき、ミシゲさんたちが私に野菜を譲ってくれたのは、そういうわけなんだよ。だけど、私はもういいんだ。そう思ったからスウミに伝説野菜を食べさせたんだ。どうか自分を責めないようにね。
ずっと後悔しているよ。なぜ浮気なんかしたんだろう。でも、そのおかげでスウミと出会えたのだから、皮肉なものだね。妻には本当に辛い思いをさせた。償いたいと思っていたが、結局何もできなかった自分が情けない。
私が死んだら、王家からお金がもらえるはずだ。これでも公爵だからね。見舞金とか葬儀代とか爵位の継承だのなんだので2000万ギルはもらえるだろう。借金返済にはこのお金を充ててほしい。実はずっと前からこうしようと決めていたんだ。内緒にしていたのは、会社を始めるというスウミのやる気に水を差したくなかったからだよ。私がいなくなった後のことを考えたら、社会に出てみるのが良いんじゃないかと思ってね。スウミならきっと大丈夫だから、これからも頑張って。あの世から応援しているからね。
追伸。エルド王子については、まあ悪くないと思うよ。彼が浮気する男かどうかはお父様には聞かないでくれ。でも多分しないんじゃないかな。偉そうなことを言えた立場じゃないが。
それじゃあ、元気でね。
可愛くて頼もしいスウミへ。
お父様より」
スウミは何度も何度も読み返した。遺書とは思えないような軽い口調で書かれていて、父がしゃべっているのをそのまま書いたような文章だった。
「ふふ、やだなあ……。私は2000万ギルより、お父様が生きていてくれたほうがずっと良かったのにな」
父の部屋を見回してみた。扉も床も高価な木材が使われており、天井にはドラコンが舞っている。そんな部屋に粗末な合板のチェストやベッドが置かれていた。残された衣類はすり切れた古着ばかり。書斎を覗けば、木彫りの像や椰子の実のお面が並んでいて、本など1冊もなかった。
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