【完結】神産みの箱 ~私が愛した神様は

ゴオルド

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第三十五話 私に光をくれたから

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 蒼斗あおとは浮かれていた。
 クリスマスに智則とものりと過ごせる事で非常に浮かれていた。だから、駅のホームの階段から落ちるという失敗をしてしまう。

 入院は免れたが、右足を折ってギプスで固定されていた。
 お見舞いに来た圭介けいすけは、ベッドに足を投げ出して上半身だけを起こした状態になっている蒼斗に苦笑いを浮かべる。

「蒼斗ってバカだとは思っていたけど、本物のバカだったね。冬休みなのに、骨折るって……」

 圭介は、ため息をついて目の前の蒼斗へ視線を向ける。蒼斗に同情する。

「うるせぇ……」

 蒼斗が不貞腐れてそっぽを向いた。

「トモもこんなバカの相手しなきゃいけないなんて可哀想だなぁ」

 圭介から預かったデザートをテーブルにおいた智則は、圭介にニッコリと笑顔を向ける。

「階段から落ちた時は死んじゃうかと思ったんで、生きてて良かったです」
「トモは本当いい子だね」

 圭介がポンポンと智則の頭を叩いた。

「おい。触るな」

 圭介は、ニタリと笑うと、トモをギュッと抱きしめた。

「圭介! てめぇ、こっち来い!」

 蒼斗が手を伸ばすけれど、それ以上動けなくて届かない。圭介は面白そうに笑う。

「ははっ。嫌ですぅ。ベッドから動けないどっかのバカの代わりに俺がトモを可愛がってあげようかなぁ」

 そのまま智則の頭をナデナデと撫でるので、トモは恥ずかしがって下を向く。

「赤くなっちゃってトモは本当可愛いなぁ」
「くそっ……! トモくん! それ以上圭介のする事に喜んだら承知しねぇからな!」

 圭介は、悔しそうな蒼斗に満面の笑みでクスクスと笑う。
 智則は、理不尽だと思いつつ、どうもできない。

「圭介先輩、あまり揶揄わないであげて下さい」
「トモが言うなら離れてあげるね」

 離れてくれた圭介にホッと胸を撫で下ろす。

「それじゃ、俺は予定がぎっちりだからもう行くね。早く治るといいね。それと、メリークリスマス」
「メリークリスマス……」
「はい。メリークリスマスです」

 蒼斗は仏頂面で、トモは笑顔で、ヒラヒラと手を振る圭介を見送った。

 二人きりになった室内で蒼斗はボソリと呟いた。

「イブなのに……出掛けられないなんて……」

 智則は、がっかりして項垂れる蒼斗の横に行き、そっと頭を撫でた。
 ベッドに座った状態だと、智則の胸の辺りに蒼斗の頭がくる。

「俺は……蒼斗先輩と一緒なら……どこでも構いませんよ……」

 智則が恥ずかしいのを誤魔化すようにヘラッと笑えば、蒼斗は智則の腰に腕を回してギュッと抱きつく。
 普段は智則が蒼斗の胸に顔を埋めるのに、今は智則の胸に蒼斗が顔を埋めている。
 それがなんだか可愛くてクスクスと笑いながら蒼斗の頭を撫でていた。

(先輩の髪──触り心地いいな……)

 そんな事を思っていれば、蒼斗がそっと上目遣いで智則を見上げてきた。

「欲情して勃った……」
「へ……?」
「ほら、見ろよ……」

 智則が体を離して蒼斗の股間に視線をやれば、確かにズボン越しにもっこりと主張している。

「トモくんのせいだから、トモくんがどうにかして」
「でも、足は大丈夫なんですか?」
「動かさなきゃ大丈夫」

 蒼斗にジッと見つめられると智則は頷いてしまう。

「口で……いいですか?」
「うん。して?」
「は、はい……」

 ベッドに上ってそっと蒼斗のズボンを下ろす。
 空気に触れた蒼斗のモノは、更に主張して大きくなったように見えた。
 智則は、そっと唇を寄せて先端を舌先でチロチロと舐め始める。
 裏筋に何度か舌を這わせて、亀頭だけを口に含んで、焦らすようにゆっくりと頭を上下に動かす。
 そのうちに深く飲み込みように蒼斗のモノを喉の奥へと誘う。

「トモくん……上手くなったよな……っ」

 蒼斗がそっと智則の頭を撫でる。
 智則は、褒められた事が嬉しくて夢中で頭を動かした。
 えずくような事もなく、喉の方まで飲み込めるようになって蒼斗を喜ばせる。
 喉の奥に当たるようにすると、智則自身も気持ちいいと発見したのはいつからだったか。
 
「トモくんさぁ、もしかして……フェラで感じてんの?」

 蒼斗に吐息混じりで掛けられた言葉で、智則の体が余計に熱くなった。
 先ほどから智則のモノも勃ち上がってしまっていた。

「すげぇな……喉の奥の自分の気持ちいい所に擦り付けてるだろ? そこ好きなんだろ?」

 智則が軽く頷いて上目遣いで見上げれば、興奮した様子の蒼斗が見えて智則も興奮してしまう。
 唾液が沢山出て、グチョグチョと卑猥な音を立てる。

(俺……先輩の咥えたまま……イキそう……)

 体がもっと刺激を求めている。
 喉の奥の気持ち良さに震える。

「そんな激しく動かしたら……出るぞ……。ほら、イクぞ……ちゃんと受け止めろよ……イク──ッ!」

 蒼斗の気持ち良さそうな声に刺激されて、智則も脳内で快感を覚える。
 蒼斗がイッたと同時に、まるで中イキした時のような感覚に襲われて頭がボーッとする。
 喉の奥に射精されたら、そのままそれを飲み干した。

「トモくん……その顔……イッただろ? エロ過ぎ。脱いでこっち来て」

 蒼斗を気持ち良くさせたかったのに、智則は自分が気持ちよくなってしまって恥ずかしかった。
 蒼斗に言われたまま、智則は服を脱ぐ。

「俺の咥えてイッちゃうなんて、トモくんは本当にえっちになったな」

 蒼斗に揶揄うように言われても、今の智則にはそれも快感になってしまう。
 既にギンギンなのにぐっしょりと濡れていた智則のモノを見て、蒼斗は楽しそうに笑った。

「先輩……俺が上で動くから……挿れてもいい……?」

 熱に浮かされたように強請る智則に蒼斗も頷いてしまいそうなのを堪えて口角を上げた。蒼斗のイタズラ心が刺激されて堪らない。

「俺はさっきイッたしな。どうしようか? トモくんが俺に触らないでもう一回勃たせられたらいいよ」

 智則は少し考えて、真っ赤になりながら四つん這いになって蒼斗の顔に尻を向けた。

「そうそう。うわぁ……丸見え。ヒクヒクして……挿れて欲しそうだな……」
「は、恥ずかしいのでそういう事言わないで下さいよ……」
「それがいいんだろ? ほら、キュッと締まった」

 智則が蒼斗の言葉で感じるているのは事実で、余計に羞恥心で震えていた。

「トモくん……自分で慣らすの見せて」

 智則は、恥ずかしがりながらも、自分の蕾をたっぷり濡らしてソコに指を挿し入れた。

「くっ……んっ……ふぁ、あっ」

 智則の甘い声は、すぐに部屋に響いた。
 智則自身の指を飲み込む尻の蕾を見て、蒼斗はゴクリと喉を鳴らした。
 蒼斗のモノは、智則が自分で自分を攻め立てる姿に反応してすぐに勃ってしまった。

「トモくん……もっと腰上げて……こっち……」

 智則は、言われるまま蒼斗の顔に尻を近付けた。
 すると、蕾に入っていた指との境目を舌で舐められて堪らなくなって悶えてしまう。

「蒼斗……せんぱいっ……ふぁ……そんな事しちゃ……だめ……」

 気持ち良さに震えていれば、智則の目の前に蒼斗のモノが勃っているのを確認できた。指を引き抜いて蒼斗の上に跨がる。そこにそっと腰を落としていった。

「おい。まだ挿れていいって言ってな──いっ」
「だって……先輩もう勃ってました……」
「言うじゃん」

 ニヤリと笑った蒼斗にキュンと胸が鳴って首の後ろへと腕を回した。座ったまま深くキスをする。
 見つめ合えば、蒼斗は真っ赤になる智則が可愛くて更に自分のモノを硬くした。
 智則も、欲情した蒼斗の顔を見て興奮してしまう。

「動いていいですか? 足……痛くない?」
「全然平気。俺の上でいっぱい腰振って……」
「痛くなったら言ってくださいね──くっ……ぅん……あっ……!」

 智則がゆっくりと腰を上下に揺らす。
 その腰を蒼斗が掴んで動くのを手伝ってやる。

「いい……すげぇ気持ちいい……」
「あっ、あっ、あんっ……はぁ……っ」

 二人の繋がった場所からグチュッ、ズチュッと音がする度にお互いに夢中になった。

「やらしい音させてさぁ……自分の気持ちいい所に擦って……トモくんは本当えっちだよな……」

 蒼斗が智則の腰を撫でれば、智則はゾクゾクとした快感でキュッと内壁で蒼斗のモノを締め付ける。

「あっ……! 俺がこんなに気持ち良くなっちゃうの……んっ! 蒼斗先輩のせいだよっ」
「お前にこうやって挿れていいのは俺だけだからな──」

 この蒼斗の独占欲が智則の体にゾクゾクと快感与えて煽る。

「あっ、あんっ、先輩だけっ!」

 智則は、蒼斗が嬉しそうに笑うのを間近に見て更に腰を激しく動かした。

「先輩っ! イクよイク……!」
「ほら、前も扱いてやるからイク所見せろ……」

 蒼斗が智則のモノを掴んで上下に扱けば、智則は気持ち良さでわけがわからなくなる。

「締めすぎ……! 中イキ間近だな……」
「あっ、あっ! ふっ……ああっ……せん、ぱい──ッ!」
「っ! すごっ……ははっ……きゅうきゅう締めてくるぞっ……おい、腰止めんな! 俺もお前の中で出すぞ……!」

 智則は激しく腰を上下に動かして、ずっとイッたままの快感に耐えていた。
 苦しいくらいの快感で視界が潤んで喘ぐ声も止まらず蒼斗を見つめる。
 蒼斗は、その顔が堪らなく好きだ。

「ああっ──! 蒼斗先輩っ……んぁ! あっ、俺……もうダメ──っ!」
「本当……トモくんは、最っ高だな──ッ!」

 蒼斗も絶頂を迎えた。智則がぐったりと蒼斗に寄り掛かるようにすれば、蒼斗はギュッと抱き締めて支えてやる。
 はぁはぁと肩で息をしていれば、目が合って微笑み合った。

「トモくんからすごいプレゼント貰ったな」
「何言ってるんですか……」

 智則は、先ほどまでの大胆な自分が恥ずかしくなって顔を赤くする。

「でも、俺は、ガンガン攻められてぐちゃぐちゃになって、ボロボロ泣きながら喘ぐトモくんを見るのが好きだ」
「たまには手加減して下さい……」
「声が枯れるまで攻められるの好きなくせに」

 ニヤニヤする蒼斗に智則は顔を更に赤くする。

「き、嫌いじゃないです……」

 蒼斗の胸の奥がキュッと鳴った。

「トモくん……して欲しいとしか聞こえないんだよ……俺は今動けないから煽るなよ」
「それなら──俺がまた動いてあげますよ」

 智則は、蒼斗にグッと体重を掛けた。

「ト、トモくん!? おわっ──!」

 ドサリッ。

 智則は、上半身を倒してベッドに仰向けになった蒼斗を見下ろしてそっとキスをした。

「先輩……メリークリスマス……」
「メリークリスマス……トモくん。…………──ト、トモくん? ちょ、ちょっと……待てって……お前……それ……そんな事したら……やばいだろ──っ」

 蒼斗が智則に翻弄されたのは後にも先にもこの時だけかもしれない。
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