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第十六話 神様から授かった力
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慌てて子葉に戻ると、先生はいろりの前であぐらをくんで、鉄鑿と木槌で小石を削っていた。杖に使う錫の鋳型を彫っているのかと思ったが、形が違う。どうやら先生の趣味の彫り物のほうであるらしい。小鳥を彫っていたようだ。きっと時間を潰していたのだろう。
私は申しわけない気持ちになって、慌てて頭を下げた。
「大変お待たせしてしまいました! 済みません、先生」
「いや、謝らなくていい」
先生は石を脇にどけて、膝についた石くずを払った。
「神様のところに行っていたのだろう。紅飛斗なら神様を優先するのは当然だ。そもそもさっきの夜魔襲来で、神様のところに行けと言ったのは俺だからな」
座るよう促されて、いろりを挟んだ正面に腰をおろした。
先生は膝に肘をついて、顔の前で両手を組んだ。
「神様といえば、さっきは神様の喜びごとで助かったな。まるで光の雨だった」
「はい、村だけでなく村の周辺まで浄化されたと紅飛斗長がおっしゃっていました。以前、森の中で夜魔に囲まれたときも、神様はあの光の雨で助けてくださったんですよ」
そのときは先生は意識を失っていたから、きっとご存じないことだろう。
「あのときは、倒れていた先生も光の雨に打たれていました」
「そうだったか……」
私は身を乗り出した。
「あの、先生を夜魔から救ったのは何だったのでしょう。血が効いたのでしょうか、それとも光の雨のおかげなのでしょうか……」
紅飛斗として、もし仲間が倒れたときのために知っておきたかった。
だが先生は気まずそうに呻いた。
「その話より先に、あのときのお礼を言わねばならないな」
私に向かって頭をさげた。
「済まない、とんでもないことを頼んだせいで、どう切り出したものか悩んでお礼がおくれた。我ながら情けない」
先生は立ち上がり、引き戸をしっかり閉めると、再び頭を下げた。
「せ、先生、頭を上げてください」
「いや、俺に血を与えてくれたこと、本当に感謝している。副長が戻られたら、改めてお礼を言いにご自宅へ伺うつもりだ。陽葉瑠のご両親にも頭を下げねばならんからな」
「そんな、そこまでしていただかなくて大丈夫です」
ちょっと指先を切って血を出しただけなのだ。そこまでしていただいたら、かえって悪い。
「あと、これをもらってくれるか」
先生は先ほど座っていたところに戻ると、脇に置いてあった布の包みを取り上げ、私に差し出した。包みの上にはさっきの石の小鳥が乗っている。
「この小鳥もいただいていいんですか」
「ああ、それはただのおまけだ。もし要らないなら……」
「い、いえ、いただきます」
「そうか」
先生は照れくさそうに笑った。
白い石を彫ってつくられた小鳥は、丸っこくてつぶらな瞳をしていて、今にも飛び立ちそうだ。手のひらに乗せていろんな角度から眺めていたら、
「あまりまじまじと見ないでくれ。趣味でやっているだけの未熟者だ」
と、先生が謙遜した。
「とんでもない。とっても可愛い小鳥です。留園先生は昔から手先が器用ですよね。翼のところなんて、本当の羽のようです」
「もういいから。そっちはいいから。包みのほうを開けてくれ。そっちが本体だ」
先生から促されて、包みをといてみた。中から鹿の干し肉が出てきた。かなりの贅沢品だ。
「わあ、いいんですか、鹿肉なんて滅多に食べられないのに」
「ご家族で召し上がってくれ」
お礼を言って、布を包み直していたら、先生が「それで、話の続きだが」と言った。
「俺が助かったのは、血のおかげか、それとも光の雨に打たれたからか、それは今まで俺にもわからなかった。だが、さっきわかったぞ」
先生はそこで言葉をとめた。
「さっきの襲来で、紅飛斗が一人、夜魔にやられた」
「それで、その方は……」
ごくり、と喉が鳴った。
「ぴんぴんしてる。光の雨に打たれたおかげだろう」
ほっと息を吐いた。つまり私の血には何の効果もなかったということのようだ。
「陽葉瑠には無駄に血を流させてしまったな」
「いいえ。先生が死んでしまうかもしれなというときでしたから、助かる可能性のあることは何でも試すべきでした。私は何も後悔していません」
「そう言ってくれるとありがたい」
「それで先生、私、ほかにも教えてほしいことがあるんです」
先生はびくりと肩を震わせた。
「神様の体液を授かると、力を授かる、あのときそうおっしゃいましたよね」
私が杖で夜魔を倒したとき、杖が光ったのだ。正確にはその光によって夜魔を倒すことができた。あれが授かった力というやつなのだろうか……。
先生の顔がみるみる赤くなっていく。
「せ、先生……?」
「いや、しかし、そうだな、良い機会だし、話してやろう。俺も師としての務めを果たさないと」
咳払いをしてから、先生は話し始めた。
「神様の体液を授かると、力が手に入る。これは昔から言われていることだ。あのとき、杖の錫を通して光を放ち、その光で夜魔が溶けたのは、陽葉瑠が神様の力を授かったからだろう」
「あれは辰様の力だったんですね……」
先生は頷いた。
「俺が知っているのは、鳥型の神様の血を飲んだ紅飛斗が金属を錫に変える力を授かったという話だ。その者が青銅の槍を握れば、たちまち錫の槍に変じたという」
「私には、そういう力はないみたいですが……」
「多分そのときの神様の力によるのだろうな。伝承に残るその鳥の神様は、鍛冶に関する喜びごとを得意とされていたという。辰様は夜魔を討つ光の雨を使われる。だから、陽葉瑠も夜魔を討つ光を授かったのだろう。ひょっとしたら餅も出せるんじゃないか」
お餅も……。いや、どうなのだろう。試しにお餅、お餅と念じてみたが、何も起こらなかった。何かこつがあるのだろうか。
「それで、体液というのは血のこと……なんですよね。あと唾液でしたか……」
大事なことなので一応確認しておきたかったのだが、言ったそばから後悔した。先生は顔が赤いが、私も多分真っ赤だろう。やっぱり言わなければ良かった。
「それを俺に言わせるか」
先生は私をにらんだ。
「辰様は人型だ。人のような見た目の神様なんて今まで例がないが、それはそれとして人型、しかも男神だ。そして陽葉瑠を娶ると言っておられる。まあ、なんだ、体液も……いろいろ……あるだろう」
「いろいろ……」
先生は壁の方を向いて、やけくそ気味につぶやいた。
「ああもう血以外だと唾液とか涙とか精液とかだわかったか」
「……はい」
恥ずかしすぎて、もういっそ消えたいぐらいだ。
しばらく無言の時が流れた。
ふう、と先生は溜息を吐いた。
「神様から力を授かるのは名誉なことだし、紅飛斗としては歓迎すべきことだ。……辰様の寵愛を受け続けていたら、そのうち陽葉瑠は旗星になれるかもしれないな」
恥ずかしさも吹き飛ぶほどびっくりした。
「私が旗星!?」
旗星というのは、紅飛斗の中でもっとも優れた者の称号だ。特に夜魔退治において功を上げた者が旗星に選ばれる。紅飛斗長は皆を束ねる組織のかなめ的存在だが、旗星のほうは皆が目指す憧れのような存在だった。どちらが一目置かれているかといえば、やはり旗星のほうだろう。
そんな立派なものに自分がなれるだなんて、これまで一度も思ったことはない。
「……神様から体液をもらい続ければ、陽葉瑠の力はどんどん増していくことだろう」
私が口を開こうとすると、先生は手で制した。
「言わなくていい! 何も言わなくていいんだ……」
「は、はい」
「旗星を目指して、頑張るといい……」
頑張るって、何をですか、先生……。
「それで、ここからが大事な話なんだが」
先生は腕を組んで、そう切り出した。なんだろう。もう大事な話は済んだと思うのだけれど。
「もうすぐ子葉生の三人が帰ってくるが、このことは秘密にしておけ。特に芭連にはな」
「こんな恥ずかしいこと、誰にも言えないです……。でも、どうして芭連なんですか」
「芭連は選抜組だ」
確かに芭連は努力で紅飛斗の子葉生になった。大きな体で寡黙な男の子。同い年とは思えないぐらい冷静で大人びているが、意外とおちゃめなところもある。
その芭連が話にどう関係してくるのかわからない。
「紅飛斗の家系じゃないから、芭連には錫の力を引き出せない。鉄の大剣で力任せに夜魔を破壊する戦い方しかできないし、紅飛斗長や旗星にもなれない。経験を重ねても自分の部隊を持つことすら許されていないんだ。もし将来芭連に子ができたとしても、子は紅飛斗になれない。もちろん結婚相手が紅飛斗なら話は別だがな。そんな芭連が陽葉瑠の力のことを知ったら……良からぬことを考えてしまうかもしれない」
「良からぬことって……」
「芭連は神様の体液を欲しがるかもしれないということだ。力を得れば、紅飛斗としての可能性が広がる」
そのとき私は、辰様と芭連が抱き合う姿を想像してしまった。たくましい体つきの若い男性同士で……。
「せ、先生、それって……」
なんだか顔が熱い。先生は私が赤面しているのを見て、あからさまにうろたえた。
「やめろ、何も考えるな! おかしな想像をするんじゃない」
「で、でも……」
「ち、違うことを考えるんだ、みだらなことは考えるな!」
「みだらって……」
「やめろと言っている! ああ、もう!」
「せ、先生、もし芭連が……」
「何も言うな、何も聞きたくない!」
口を塞がれた。
しかし、手のひらが私の唇に当たっていることに気づくと、先生は耳まで赤くして部屋から逃げていった。
それから数日後。
芽那、玖鎖良、芭連の三人と、私の父、そして当代の旗星がそろって村に帰還した。
私は申しわけない気持ちになって、慌てて頭を下げた。
「大変お待たせしてしまいました! 済みません、先生」
「いや、謝らなくていい」
先生は石を脇にどけて、膝についた石くずを払った。
「神様のところに行っていたのだろう。紅飛斗なら神様を優先するのは当然だ。そもそもさっきの夜魔襲来で、神様のところに行けと言ったのは俺だからな」
座るよう促されて、いろりを挟んだ正面に腰をおろした。
先生は膝に肘をついて、顔の前で両手を組んだ。
「神様といえば、さっきは神様の喜びごとで助かったな。まるで光の雨だった」
「はい、村だけでなく村の周辺まで浄化されたと紅飛斗長がおっしゃっていました。以前、森の中で夜魔に囲まれたときも、神様はあの光の雨で助けてくださったんですよ」
そのときは先生は意識を失っていたから、きっとご存じないことだろう。
「あのときは、倒れていた先生も光の雨に打たれていました」
「そうだったか……」
私は身を乗り出した。
「あの、先生を夜魔から救ったのは何だったのでしょう。血が効いたのでしょうか、それとも光の雨のおかげなのでしょうか……」
紅飛斗として、もし仲間が倒れたときのために知っておきたかった。
だが先生は気まずそうに呻いた。
「その話より先に、あのときのお礼を言わねばならないな」
私に向かって頭をさげた。
「済まない、とんでもないことを頼んだせいで、どう切り出したものか悩んでお礼がおくれた。我ながら情けない」
先生は立ち上がり、引き戸をしっかり閉めると、再び頭を下げた。
「せ、先生、頭を上げてください」
「いや、俺に血を与えてくれたこと、本当に感謝している。副長が戻られたら、改めてお礼を言いにご自宅へ伺うつもりだ。陽葉瑠のご両親にも頭を下げねばならんからな」
「そんな、そこまでしていただかなくて大丈夫です」
ちょっと指先を切って血を出しただけなのだ。そこまでしていただいたら、かえって悪い。
「あと、これをもらってくれるか」
先生は先ほど座っていたところに戻ると、脇に置いてあった布の包みを取り上げ、私に差し出した。包みの上にはさっきの石の小鳥が乗っている。
「この小鳥もいただいていいんですか」
「ああ、それはただのおまけだ。もし要らないなら……」
「い、いえ、いただきます」
「そうか」
先生は照れくさそうに笑った。
白い石を彫ってつくられた小鳥は、丸っこくてつぶらな瞳をしていて、今にも飛び立ちそうだ。手のひらに乗せていろんな角度から眺めていたら、
「あまりまじまじと見ないでくれ。趣味でやっているだけの未熟者だ」
と、先生が謙遜した。
「とんでもない。とっても可愛い小鳥です。留園先生は昔から手先が器用ですよね。翼のところなんて、本当の羽のようです」
「もういいから。そっちはいいから。包みのほうを開けてくれ。そっちが本体だ」
先生から促されて、包みをといてみた。中から鹿の干し肉が出てきた。かなりの贅沢品だ。
「わあ、いいんですか、鹿肉なんて滅多に食べられないのに」
「ご家族で召し上がってくれ」
お礼を言って、布を包み直していたら、先生が「それで、話の続きだが」と言った。
「俺が助かったのは、血のおかげか、それとも光の雨に打たれたからか、それは今まで俺にもわからなかった。だが、さっきわかったぞ」
先生はそこで言葉をとめた。
「さっきの襲来で、紅飛斗が一人、夜魔にやられた」
「それで、その方は……」
ごくり、と喉が鳴った。
「ぴんぴんしてる。光の雨に打たれたおかげだろう」
ほっと息を吐いた。つまり私の血には何の効果もなかったということのようだ。
「陽葉瑠には無駄に血を流させてしまったな」
「いいえ。先生が死んでしまうかもしれなというときでしたから、助かる可能性のあることは何でも試すべきでした。私は何も後悔していません」
「そう言ってくれるとありがたい」
「それで先生、私、ほかにも教えてほしいことがあるんです」
先生はびくりと肩を震わせた。
「神様の体液を授かると、力を授かる、あのときそうおっしゃいましたよね」
私が杖で夜魔を倒したとき、杖が光ったのだ。正確にはその光によって夜魔を倒すことができた。あれが授かった力というやつなのだろうか……。
先生の顔がみるみる赤くなっていく。
「せ、先生……?」
「いや、しかし、そうだな、良い機会だし、話してやろう。俺も師としての務めを果たさないと」
咳払いをしてから、先生は話し始めた。
「神様の体液を授かると、力が手に入る。これは昔から言われていることだ。あのとき、杖の錫を通して光を放ち、その光で夜魔が溶けたのは、陽葉瑠が神様の力を授かったからだろう」
「あれは辰様の力だったんですね……」
先生は頷いた。
「俺が知っているのは、鳥型の神様の血を飲んだ紅飛斗が金属を錫に変える力を授かったという話だ。その者が青銅の槍を握れば、たちまち錫の槍に変じたという」
「私には、そういう力はないみたいですが……」
「多分そのときの神様の力によるのだろうな。伝承に残るその鳥の神様は、鍛冶に関する喜びごとを得意とされていたという。辰様は夜魔を討つ光の雨を使われる。だから、陽葉瑠も夜魔を討つ光を授かったのだろう。ひょっとしたら餅も出せるんじゃないか」
お餅も……。いや、どうなのだろう。試しにお餅、お餅と念じてみたが、何も起こらなかった。何かこつがあるのだろうか。
「それで、体液というのは血のこと……なんですよね。あと唾液でしたか……」
大事なことなので一応確認しておきたかったのだが、言ったそばから後悔した。先生は顔が赤いが、私も多分真っ赤だろう。やっぱり言わなければ良かった。
「それを俺に言わせるか」
先生は私をにらんだ。
「辰様は人型だ。人のような見た目の神様なんて今まで例がないが、それはそれとして人型、しかも男神だ。そして陽葉瑠を娶ると言っておられる。まあ、なんだ、体液も……いろいろ……あるだろう」
「いろいろ……」
先生は壁の方を向いて、やけくそ気味につぶやいた。
「ああもう血以外だと唾液とか涙とか精液とかだわかったか」
「……はい」
恥ずかしすぎて、もういっそ消えたいぐらいだ。
しばらく無言の時が流れた。
ふう、と先生は溜息を吐いた。
「神様から力を授かるのは名誉なことだし、紅飛斗としては歓迎すべきことだ。……辰様の寵愛を受け続けていたら、そのうち陽葉瑠は旗星になれるかもしれないな」
恥ずかしさも吹き飛ぶほどびっくりした。
「私が旗星!?」
旗星というのは、紅飛斗の中でもっとも優れた者の称号だ。特に夜魔退治において功を上げた者が旗星に選ばれる。紅飛斗長は皆を束ねる組織のかなめ的存在だが、旗星のほうは皆が目指す憧れのような存在だった。どちらが一目置かれているかといえば、やはり旗星のほうだろう。
そんな立派なものに自分がなれるだなんて、これまで一度も思ったことはない。
「……神様から体液をもらい続ければ、陽葉瑠の力はどんどん増していくことだろう」
私が口を開こうとすると、先生は手で制した。
「言わなくていい! 何も言わなくていいんだ……」
「は、はい」
「旗星を目指して、頑張るといい……」
頑張るって、何をですか、先生……。
「それで、ここからが大事な話なんだが」
先生は腕を組んで、そう切り出した。なんだろう。もう大事な話は済んだと思うのだけれど。
「もうすぐ子葉生の三人が帰ってくるが、このことは秘密にしておけ。特に芭連にはな」
「こんな恥ずかしいこと、誰にも言えないです……。でも、どうして芭連なんですか」
「芭連は選抜組だ」
確かに芭連は努力で紅飛斗の子葉生になった。大きな体で寡黙な男の子。同い年とは思えないぐらい冷静で大人びているが、意外とおちゃめなところもある。
その芭連が話にどう関係してくるのかわからない。
「紅飛斗の家系じゃないから、芭連には錫の力を引き出せない。鉄の大剣で力任せに夜魔を破壊する戦い方しかできないし、紅飛斗長や旗星にもなれない。経験を重ねても自分の部隊を持つことすら許されていないんだ。もし将来芭連に子ができたとしても、子は紅飛斗になれない。もちろん結婚相手が紅飛斗なら話は別だがな。そんな芭連が陽葉瑠の力のことを知ったら……良からぬことを考えてしまうかもしれない」
「良からぬことって……」
「芭連は神様の体液を欲しがるかもしれないということだ。力を得れば、紅飛斗としての可能性が広がる」
そのとき私は、辰様と芭連が抱き合う姿を想像してしまった。たくましい体つきの若い男性同士で……。
「せ、先生、それって……」
なんだか顔が熱い。先生は私が赤面しているのを見て、あからさまにうろたえた。
「やめろ、何も考えるな! おかしな想像をするんじゃない」
「で、でも……」
「ち、違うことを考えるんだ、みだらなことは考えるな!」
「みだらって……」
「やめろと言っている! ああ、もう!」
「せ、先生、もし芭連が……」
「何も言うな、何も聞きたくない!」
口を塞がれた。
しかし、手のひらが私の唇に当たっていることに気づくと、先生は耳まで赤くして部屋から逃げていった。
それから数日後。
芽那、玖鎖良、芭連の三人と、私の父、そして当代の旗星がそろって村に帰還した。
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