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貴方とお友達になりたいの!
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さすがにドン引きしていたら、それが顔に出てたのかお兄様が焦ってご機嫌取りをし始めた。とりあえずもうしないと約束してくれたので良しとするか…。他にも何かされていないかお父様に確認したけれど、今のとこ何も無いみたい。よかった。
「そうだ。マリディス、アリア。お前たちに紹介したい人がいるんだ」
「?」
「あー…でも、その前にアリアは着替えてきなさい」
「あ、はい…」
泥だらけの格好でお客様に会うことはできないので、私はメイドたちと部屋に戻った。お客様って誰だろう。アリティアと王子が婚約を結ぶのはもう少し大きくなってからだったような。まあ、かなりの有力候補でほぼ私になるということは避けられそうもないようだけど。正式に婚約を取り交わすのはもう少し先だから、それまでに何か索を講じないと。
「お嬢様。髪飾りはこちらのリボンでよろしいですか?
「はい」
私は両親とお兄様とは違う栗色の髪。お母様の方のお爺様が栗色だったらしい。目はお兄様と同じ蒼だけど、私のは少し濃い蒼。まあ、肌は白いし、いい感じに仕上がると思う。ラノベの挿絵にあったアリティアもかなり美人だったし当然か。まあ、悪役令嬢の性格が滲み出てキツイ感じだったけどね。
「お嬢様、ご不満なところはございませんか?」
「いえ、今日もとても素敵だわ。お洋服、汚しちゃってごめんなさい」
「お気になさらず。私どもはお嬢様のお世話をすることができて光栄ですもの」
「ありがとう」
この家のメイドや執事、働いてる人たちは皆できた人間だと思う。前世では、医師や看護師、入院患者、お見舞いの家族とか色んな人たちをみてきたけど、全然格が違う。まあ、このメイドたちもそこそこの家柄の娘らしいし。今の私の世界は温かいものがいっぱいで、前世よりもずっと幸せだ。
「お父様、アリティアです」
「入りなさい」
客間の扉を開けてもらい室内を見回すと、小さな女の子を抱いた人と、その隣には父親かしら。女性は薄い桃色の髪にエメラルドグリーンの眼で、ふんわりとした可愛い人。男の人の方は銀の髪に灰色の目。お父様はキリッとした感じだけど、この人は女性と一緒でほんわかしていた感じ。なんていうか柔らかい家族って感じね。
「アリティア、こちらは学生時代から付き合いがある、ホワイルト夫妻だ」
「初めまして。私、マイアー家の長女、アリティアと申します」
「大きくなったね、アリティアちゃん。私たちは君がもっと小さい時に会っているんだよ。私はヒスライア。よろしくね」
「私はカトレアよ。こちらは娘のアンリーヌ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「ほら、お前も挨拶しなさい」
ヒスライアさんの影から同い年くらいの男の子が出てきた。ヒスライアさんで見えなかった…。アンリーヌちゃんは薄い桃色だけど、この男の子は真っ白。目も薄い灰色で髪はほとんど白い。儚げだけど、その目からは意志の強さが伺えた。ただ、少しだけ頬が赤くなっているのが可愛い。
「ガルディア。よろしく」
「この子は少し人見知りなんだ。ガルディアもアリティアちゃんと同い年よ」
「よろしくね、ガルディア」
「ああ」
「私とお友達になってくれますか?」
「僕で、よければ…」
私とガルディアのファーストコンタクト。話せば面白い子だと分かって、私とガルディアは仲良しになった。もちろん、お兄様もガルディアと仲良くしていた。仕事でしばらく国外にいたらしいけど、これからは王都で暮らすみたい!頻繁に会って遊べそうだわ!
私の人生初のお友達!前世でも友達いなかったから、私にとってガルディアはとても大切な存在よ。
「そうだ。マリディス、アリア。お前たちに紹介したい人がいるんだ」
「?」
「あー…でも、その前にアリアは着替えてきなさい」
「あ、はい…」
泥だらけの格好でお客様に会うことはできないので、私はメイドたちと部屋に戻った。お客様って誰だろう。アリティアと王子が婚約を結ぶのはもう少し大きくなってからだったような。まあ、かなりの有力候補でほぼ私になるということは避けられそうもないようだけど。正式に婚約を取り交わすのはもう少し先だから、それまでに何か索を講じないと。
「お嬢様。髪飾りはこちらのリボンでよろしいですか?
「はい」
私は両親とお兄様とは違う栗色の髪。お母様の方のお爺様が栗色だったらしい。目はお兄様と同じ蒼だけど、私のは少し濃い蒼。まあ、肌は白いし、いい感じに仕上がると思う。ラノベの挿絵にあったアリティアもかなり美人だったし当然か。まあ、悪役令嬢の性格が滲み出てキツイ感じだったけどね。
「お嬢様、ご不満なところはございませんか?」
「いえ、今日もとても素敵だわ。お洋服、汚しちゃってごめんなさい」
「お気になさらず。私どもはお嬢様のお世話をすることができて光栄ですもの」
「ありがとう」
この家のメイドや執事、働いてる人たちは皆できた人間だと思う。前世では、医師や看護師、入院患者、お見舞いの家族とか色んな人たちをみてきたけど、全然格が違う。まあ、このメイドたちもそこそこの家柄の娘らしいし。今の私の世界は温かいものがいっぱいで、前世よりもずっと幸せだ。
「お父様、アリティアです」
「入りなさい」
客間の扉を開けてもらい室内を見回すと、小さな女の子を抱いた人と、その隣には父親かしら。女性は薄い桃色の髪にエメラルドグリーンの眼で、ふんわりとした可愛い人。男の人の方は銀の髪に灰色の目。お父様はキリッとした感じだけど、この人は女性と一緒でほんわかしていた感じ。なんていうか柔らかい家族って感じね。
「アリティア、こちらは学生時代から付き合いがある、ホワイルト夫妻だ」
「初めまして。私、マイアー家の長女、アリティアと申します」
「大きくなったね、アリティアちゃん。私たちは君がもっと小さい時に会っているんだよ。私はヒスライア。よろしくね」
「私はカトレアよ。こちらは娘のアンリーヌ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「ほら、お前も挨拶しなさい」
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「ガルディア。よろしく」
「この子は少し人見知りなんだ。ガルディアもアリティアちゃんと同い年よ」
「よろしくね、ガルディア」
「ああ」
「私とお友達になってくれますか?」
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私の人生初のお友達!前世でも友達いなかったから、私にとってガルディアはとても大切な存在よ。
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