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【第六章】 美女が風呂に入ったら覗くのがお約束、と相棒が言っていた
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そのとき、大きな音とともにアジトが揺れた。
慌てて部屋から飛び出すと、アジトの入り口はふき飛んでおり、アジトの中から外が丸見えだった。
そして入り口だった場所に立つ人影が三つ。
「たのもーう!」
「わざわざ入団なんかしないで、最初からリディアが全部壊しちゃえばよかったじゃない」
「さっきも言ったが、正面突破だけでは芸が無いであろう?」
「結局、正面突破してますけどね」
ヴァネッサとドロシーと、魔王リディア……リディアだ。
三人を見たグリフィンは、素早い動きで俺の元に駆け寄り、首元にナイフを当てた。
「お前ら、こいつがどうなってもいいのか!?」
「もしかして……俺、人質にされちゃってます?」
グリフィンが俺のことをにらんだ。
「あいつらはお前の仲間だろう」
「まあ、そうですね」
だからといってノータイムで人質にされるとは思わなかった。
さすがは悪党。
悪いことをするのに躊躇が無い。
「こんなに女子がいるのに、ショーンくんが人質になるなんて……!」
私が人質になってみたかった、とドロシーがズレた嘆きをした。
俺だって自分が人質になるとは思ってもみなかった。
「どうするのよ、リディア。ショーンが人質に取られちゃったわよ!?」
「ま、生きていればそういうこともある」
「人生経験を積めて良かった、みたいなことを言ってる場合!?」
「若いときの苦労は勝手でもせよ、と言うであろう?」
ヴァネッサは焦ってくれているようだが、リディアのペースに巻き込まれつつある。
「ぎゃあぎゃあうるさいな! 両手を上げて武器を捨てろ!」
イマイチ緊迫感に欠ける場に、グリフィンの大声が響き渡った。
「くっ……」
グリフィンの言葉を聞いたヴァネッサが悔しそうな顔で長剣を床に置いた。
一方でリディアとドロシーは、ただ両手を上げた。
「妾はもともと武器を持っておらんぞ」
「私もです。えっと、武器を捨てる代わりに服を脱ぎ捨てた方が良いでしょうか?」
「ちょっと待つのじゃ。露出は妾の担当じゃぞ!?」
「担当制だったんですね。それなら私は笑顔担当が良いです。あっ、でも笑顔ならヴァネッサちゃんの方が……」
ドロシーのズレた発言にリディアが乗っかった。
この二人はどうあっても緊張感を持てないらしい。
「お前らは俺を舐めてるのか?」
グリフィンの額には青筋が浮かんでいる。
人質を取られているのだから、真面目にやってほしい。
……リディアはさておき、ドロシー的には真面目にやった結果があれなのだろうが。
「盗賊団の親分はお前か。妾と取引をしようではないか」
「この状況で取引だと? チビッ子、笑わせてくれるな」
「妾たちを見逃してくれるなら、盗賊団に紛れ込んでいた諜報員の顔を教えてやろう」
ぶち切れ寸前のグリフィンに、リディアが意外な提案をした。
いつの間にそんな情報を得ていたのだろう。
それともこれはリディアのハッタリだろうか。
「どうしてお前がそのことを知ってるんだよお!?」
これまで黙っていた小物感漂う男が声を荒げた。
しかしリディアは動じない。
「旅の途中で、盗賊団に所属していた過去のある諜報員に出会ったのじゃ」
「逃げたいから嘘を吐いている可能性があります。簡単に信じられる話ではありませんね」
バーナードもリディアの言葉を疑っているようだった。
「……この隙にダイブするべきだとは思わんか?」
「ダイブ? 何の話をしてるんだあ!?」
「お前には関係の無い話じゃよ。それよりも今は諜報員の話じゃ」
俺はリディアの言葉にハッとした。
リディアは、俺がラッキーメイカーを使う隙を作ってくれているのだ。
この状況を打開する因果の糸を掴まなければ!
俺は身体中の力を抜き、因果の世界にダイブ…………出来ない。
何度も試してみたが、上手くいかない。
考えられる理由は。
「ダメです。小さなとうもろこししか食べていないのでエネルギーが足りません……」
「なんじゃ。情けないのう」
呆れた様子のリディアが手から放った魔法が、グリフィンの顔面に命中した。
首元からナイフが離れた隙を見逃さず、俺はスライディングでグリフィンから離れた。
さらにその隙を見逃さなかったドロシーが、持っていた瓶のふたを開ける。
すると瓶の中から飛び出した毒蜂が盗賊団の三人を襲い始めた。
「よいしょ、っと」
すべてが終わった後で、ヴァネッサが床から長剣を拾った。
* * *
盗賊団の三人を縄で縛り、この村の村長に引き渡した。
彼らがどのような処遇を受けるかは分からないが、俺たちが関わるべきことではないだろう。
彼らが貯めていた食料やアイテムもアジトから発見され、無事に村へと返還された。
「さて。汗をかいたことだし風呂にでも入るか! そして明日の朝食はご当地飯じゃな」
俺たちは盗賊団の問題を解決した褒美として、無料で村に宿泊させてもらえる上に、明日はご馳走までしてもらえることになった。
「ショーンよ、風呂におけるお約束は分かっておるな?」
リディアが小声で囁いた。
また風呂を覗けと言いたいのだろう。
「……リディアさん」
しかし今の俺には、そんな余裕は無かった。
気になって仕方がないことがあるからだ。
「あなたは一体、誰ですか?」
――――そして俺は、一体誰だ?
リディアは、片方の口の端を上げてニヤリと笑った。
――――――――――――――――――――
ここまでお読みいただきありがとうございます。
そしてたくさんの応援をありがとうございました!!
この話で第六章は終了となります。
……みなさんは、どの時点で気付きましたか?
ちなみに
第一章のテーマは『うまい話には裏がある』
第六章のテーマは『繋がる』
でした。
もし応援してやってもいいよと思ってくださったら、フォローやイイネ、☆評価を押して頂けると、とても嬉しいです!
慌てて部屋から飛び出すと、アジトの入り口はふき飛んでおり、アジトの中から外が丸見えだった。
そして入り口だった場所に立つ人影が三つ。
「たのもーう!」
「わざわざ入団なんかしないで、最初からリディアが全部壊しちゃえばよかったじゃない」
「さっきも言ったが、正面突破だけでは芸が無いであろう?」
「結局、正面突破してますけどね」
ヴァネッサとドロシーと、魔王リディア……リディアだ。
三人を見たグリフィンは、素早い動きで俺の元に駆け寄り、首元にナイフを当てた。
「お前ら、こいつがどうなってもいいのか!?」
「もしかして……俺、人質にされちゃってます?」
グリフィンが俺のことをにらんだ。
「あいつらはお前の仲間だろう」
「まあ、そうですね」
だからといってノータイムで人質にされるとは思わなかった。
さすがは悪党。
悪いことをするのに躊躇が無い。
「こんなに女子がいるのに、ショーンくんが人質になるなんて……!」
私が人質になってみたかった、とドロシーがズレた嘆きをした。
俺だって自分が人質になるとは思ってもみなかった。
「どうするのよ、リディア。ショーンが人質に取られちゃったわよ!?」
「ま、生きていればそういうこともある」
「人生経験を積めて良かった、みたいなことを言ってる場合!?」
「若いときの苦労は勝手でもせよ、と言うであろう?」
ヴァネッサは焦ってくれているようだが、リディアのペースに巻き込まれつつある。
「ぎゃあぎゃあうるさいな! 両手を上げて武器を捨てろ!」
イマイチ緊迫感に欠ける場に、グリフィンの大声が響き渡った。
「くっ……」
グリフィンの言葉を聞いたヴァネッサが悔しそうな顔で長剣を床に置いた。
一方でリディアとドロシーは、ただ両手を上げた。
「妾はもともと武器を持っておらんぞ」
「私もです。えっと、武器を捨てる代わりに服を脱ぎ捨てた方が良いでしょうか?」
「ちょっと待つのじゃ。露出は妾の担当じゃぞ!?」
「担当制だったんですね。それなら私は笑顔担当が良いです。あっ、でも笑顔ならヴァネッサちゃんの方が……」
ドロシーのズレた発言にリディアが乗っかった。
この二人はどうあっても緊張感を持てないらしい。
「お前らは俺を舐めてるのか?」
グリフィンの額には青筋が浮かんでいる。
人質を取られているのだから、真面目にやってほしい。
……リディアはさておき、ドロシー的には真面目にやった結果があれなのだろうが。
「盗賊団の親分はお前か。妾と取引をしようではないか」
「この状況で取引だと? チビッ子、笑わせてくれるな」
「妾たちを見逃してくれるなら、盗賊団に紛れ込んでいた諜報員の顔を教えてやろう」
ぶち切れ寸前のグリフィンに、リディアが意外な提案をした。
いつの間にそんな情報を得ていたのだろう。
それともこれはリディアのハッタリだろうか。
「どうしてお前がそのことを知ってるんだよお!?」
これまで黙っていた小物感漂う男が声を荒げた。
しかしリディアは動じない。
「旅の途中で、盗賊団に所属していた過去のある諜報員に出会ったのじゃ」
「逃げたいから嘘を吐いている可能性があります。簡単に信じられる話ではありませんね」
バーナードもリディアの言葉を疑っているようだった。
「……この隙にダイブするべきだとは思わんか?」
「ダイブ? 何の話をしてるんだあ!?」
「お前には関係の無い話じゃよ。それよりも今は諜報員の話じゃ」
俺はリディアの言葉にハッとした。
リディアは、俺がラッキーメイカーを使う隙を作ってくれているのだ。
この状況を打開する因果の糸を掴まなければ!
俺は身体中の力を抜き、因果の世界にダイブ…………出来ない。
何度も試してみたが、上手くいかない。
考えられる理由は。
「ダメです。小さなとうもろこししか食べていないのでエネルギーが足りません……」
「なんじゃ。情けないのう」
呆れた様子のリディアが手から放った魔法が、グリフィンの顔面に命中した。
首元からナイフが離れた隙を見逃さず、俺はスライディングでグリフィンから離れた。
さらにその隙を見逃さなかったドロシーが、持っていた瓶のふたを開ける。
すると瓶の中から飛び出した毒蜂が盗賊団の三人を襲い始めた。
「よいしょ、っと」
すべてが終わった後で、ヴァネッサが床から長剣を拾った。
* * *
盗賊団の三人を縄で縛り、この村の村長に引き渡した。
彼らがどのような処遇を受けるかは分からないが、俺たちが関わるべきことではないだろう。
彼らが貯めていた食料やアイテムもアジトから発見され、無事に村へと返還された。
「さて。汗をかいたことだし風呂にでも入るか! そして明日の朝食はご当地飯じゃな」
俺たちは盗賊団の問題を解決した褒美として、無料で村に宿泊させてもらえる上に、明日はご馳走までしてもらえることになった。
「ショーンよ、風呂におけるお約束は分かっておるな?」
リディアが小声で囁いた。
また風呂を覗けと言いたいのだろう。
「……リディアさん」
しかし今の俺には、そんな余裕は無かった。
気になって仕方がないことがあるからだ。
「あなたは一体、誰ですか?」
――――そして俺は、一体誰だ?
リディアは、片方の口の端を上げてニヤリと笑った。
――――――――――――――――――――
ここまでお読みいただきありがとうございます。
そしてたくさんの応援をありがとうございました!!
この話で第六章は終了となります。
……みなさんは、どの時点で気付きましたか?
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