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12 運命の恋
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【side ジェイミー】
私は男が入っていった、地下へと続く道を下りる。
そして組織のアジトと思われる場所の扉を、そーっと開けた。
その瞬間。
何かが光ったと思った時にはもう遅かった。
すぐに私の身体は動かなくなった。
拘束魔法だ。
「なっ……」
「立場が逆転したなあ、お嬢ちゃん」
私は、待ち伏せをされていたのだ。
* * *
アジトの中に運ばれた私は、城に侵入した男と、その仲間たちに取り囲まれた。
男の仲間と思われる杖を構えた男が私に拘束魔法を掛けたのだろう。
「お嬢ちゃんが追いかけて来るだろうことは分かってたぜ。『聖女の慕情』に興味津々だったからな。もっと話を聞きたくなったんだろう?」
「…………」
私が答えずにいると、男はにやにやと下品な笑いを浮かべた。
「話を聞きたいんじゃなくて、組織を潰したいだけだったか。まあ、どっちでもいいんだよ。結果は同じだからな」
男は私の身体の上に足を乗せると、どんどん体重をかけていく。
「…………うっ」
「どうして俺がペラペラ喋ったと思う? お嬢ちゃんを消せると思ったからだよ。お嬢ちゃんが単独で動いているだろうことは、すぐに分かったからな」
男は私の身体から一旦足を下ろすと、私の腹を蹴った。何度も何度も。
拘束魔法によって防御体制のとれない私は、されるがままだ。
「…………うぐっ、かはっ」
「あのときのお嬢ちゃんは、問答無用で俺を殺すべきだった。殺さずに話を聞きたがるから、こんなことになるんだぜ。昔から、好奇心は猫を殺すって言うだろ」
「この組織は何? どうして知られていない聖女の能力を……んぐっ」
「お嬢ちゃんに質問する権利はないんだよ。主導権は俺たちにあるんだからな」
男が私の頭をぐりぐりと踏んできた。
床に押し付けられた頬骨が悲鳴を上げる。
「だがまあ、冥途の土産に教えてやろう。俺たちは平和を愛する者たちの集まりだ」
「人の頭を踏みつけておいて平和? よく言うわね」
男は身体を屈めて私に顔がよく見えるようにしてから、口の端を極限まで釣り上げた不気味な顔をした。
「組織は平和のためなら悪にでもなる。『聖女の慕情』が世界を壊す可能性があるなら、『聖女の慕情』を消費させるために悲劇的な状況だって作る」
「『聖女の慕情』を持つ者が世界を破壊する可能性なんて、ほぼ無いも同然じゃない。たった一つしかない願いで世界を滅ぼそうなんて考える人は、かなり特殊だわ」
「そうかもしれないが、可能性はゼロじゃない。組織は世界が滅びる可能性をゼロにしないと気が済まないんだよ」
可能性がゼロじゃないから、たったそれだけで、ルーベンは三回も死んだの?
そんなのって、あんまりだ。
理不尽な組織への怒りが募る中、同時にとある考えも浮かんでしまった。
私がルーベンと恋に落ちなければ……。
聖女に愛されなければ、『聖女の慕情』を得ることもない。
もしそうなら、ルーベンが狙われることもなかった。
私は、怒りと悔しさとやるせなさと、言葉に出来ない感情の数々に押し潰された。
そして心の折れた私には、ただ涙を流すことしか出来なかった。
「おいおい、もう終わりか? もっと抵抗してくれないと嬲り甲斐がないぜ」
「なあ、仕返しは終わったか? じゃあそいつ、殺す前に俺に使わせてくれよ」
「いいぜ。ただし殺すのは俺がやるから、生かしたままにしろよ」
「オッケー」
男たちの声が遠くに聞こえる。
私はこのまま嬲られて殺されるのだろう。
何度も命がけで助けてくれたルーベンを不幸にする私なんて、もうどうなっても構わない。
だから私のことはどうでもいい。
今回もルーベンを守ることが出来なかった。
そのことだけが、心残りだ。
「手をあげろ!」
突如響いてきた声によって、男たちの動きがとまった。
そして何発か魔法が飛び交ったあと、男たちは私と同じように床に転がった。
「大丈夫……ではありませんね。帰ったらすぐに手当てをしましょう」
そう言って私の身体を持ち上げたのは、ルーベンだった。
「どうして、ここが……」
「あなたのことを追跡していたのです。城の外へ移動する際に転移魔法を使っていたので、痕跡を追うのに時間がかかってしまいましたが……その前に拘束を解かないとですね」
ルーベンに指示された王宮魔術師の一人が、私の拘束魔法を解いてくれた。
「万が一あなたが組織の一味だったらどうしようかと思いましたが、そうではないようで安心しました。いえ、安心するような状態ではないのですが」
ルーベンが私の涙を拭い、頬に付いた砂を優しく払いながら言った。
彼の手は、くすぐったくて、心地がいい。
「王宮は、組織のことを知っていたのですか?」
「はい。危険視はしていたのですが、なかなか尻尾を掴めずにいました。そんなとき、城の廊下で男を尋問するあなたを見つけて……組織が城に魔物を放とうとしたこと、そして組織の目的が判明しました」
「あの現場を、目撃されていたんですね」
「城には王宮魔術師が何人もいますから。透明化の魔法をかけつつ、しっかりと確認させていただきました」
私はやっと力が入り、動くようになった上体を起き上がらせた。
すると図らずもルーベンの膝の上に座る形になってしまった。
「あっ、えっと……?」
動揺する私をよそに、ルーベンは話を続けている。
話を遮るわけにもいかないので、その体制のまま聞き続けることにした。
「だからあなたは組織と敵対している者だとは思っていたのですが……もしもあの男に懐柔されて組織に入ろうとしていたらどうしようかと悩んでいたのです」
「こんな組織に入るわけがないじゃないですか。あなたを害そうとする組織なんかに」
「どうして俺を……いえ、どうしてと思うことはこれだけではありません。俺に正体を知られることを嫌がっていたことも、城で魔術師が魔物を召喚する予定を知っていたことも。あなたは分からないことだらけです」
これが私の四度目の人生だと言ったら、あなたは信じてくれるでしょうか。
……たとえ信じてくれなくても、きっと話す必要がある。
「あなたに話したいことが、いっぱい、いっぱい、あります」
「俺も聞きたいことが山ほどあります。あなたのことも、どうしてこんなにあなたに心奪われるのかも。分からないことだらけです」
あなたに私を知ってほしい。
私の過去も、現在も、すべてを。
「ぜんぶ教えます。ぜんぶ伝えます。これまでに起こったことも、私の気持ちも、何もかも」
だから、どうか、受け止めてください。
奇妙な人生を歩んできた私のことを、受け入れてください。
「このあとの予定はあいていますか?」
「きっと朝までかかっても話しきれません。とても長い話ですから」
とてもとても長い、まるで夢のような話。
どの人生でもあなたに愛された、幸せな女の話。
「それなら毎晩聞きましょう。王宮へ来てくれますね?」
「……はい」
今度の人生では、あなたを不幸にしないと誓います。
あなたを誰よりも幸せにすると誓います。
「ところで……あなたのお名前は?」
「ジェイミーです」
「良い名前ですね。俺はこの国の王子、ルーベンです」
「よく、知っています」
聖女の恋は始まらない。
だってすでに、恋の中。
――――――――――――――――――――
ここまでお読みいただきありがとうございました!
これにて『聖女の恋は始まらない』は完結となります。
楽しんで頂けていたら幸いです。
もし面白かったり、応援してやっても良いよ、と思ってくださった場合は、イイネを押してくださるととても嬉しいです!
また、長編小説『悪役令嬢は扉を開ける~乙女ホラーゲームの悪役になったので、ホラゲ展開を回避しつつ恋愛フラグは回収します!?~』や『ちょっとズレた死神と幸せに暮らす人生設計もアリですよね?』を連載中なので、お暇でしたら読んでやってください^^
それではまた、別の作品でお会いできますように。
私は男が入っていった、地下へと続く道を下りる。
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その瞬間。
何かが光ったと思った時にはもう遅かった。
すぐに私の身体は動かなくなった。
拘束魔法だ。
「なっ……」
「立場が逆転したなあ、お嬢ちゃん」
私は、待ち伏せをされていたのだ。
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男の仲間と思われる杖を構えた男が私に拘束魔法を掛けたのだろう。
「お嬢ちゃんが追いかけて来るだろうことは分かってたぜ。『聖女の慕情』に興味津々だったからな。もっと話を聞きたくなったんだろう?」
「…………」
私が答えずにいると、男はにやにやと下品な笑いを浮かべた。
「話を聞きたいんじゃなくて、組織を潰したいだけだったか。まあ、どっちでもいいんだよ。結果は同じだからな」
男は私の身体の上に足を乗せると、どんどん体重をかけていく。
「…………うっ」
「どうして俺がペラペラ喋ったと思う? お嬢ちゃんを消せると思ったからだよ。お嬢ちゃんが単独で動いているだろうことは、すぐに分かったからな」
男は私の身体から一旦足を下ろすと、私の腹を蹴った。何度も何度も。
拘束魔法によって防御体制のとれない私は、されるがままだ。
「…………うぐっ、かはっ」
「あのときのお嬢ちゃんは、問答無用で俺を殺すべきだった。殺さずに話を聞きたがるから、こんなことになるんだぜ。昔から、好奇心は猫を殺すって言うだろ」
「この組織は何? どうして知られていない聖女の能力を……んぐっ」
「お嬢ちゃんに質問する権利はないんだよ。主導権は俺たちにあるんだからな」
男が私の頭をぐりぐりと踏んできた。
床に押し付けられた頬骨が悲鳴を上げる。
「だがまあ、冥途の土産に教えてやろう。俺たちは平和を愛する者たちの集まりだ」
「人の頭を踏みつけておいて平和? よく言うわね」
男は身体を屈めて私に顔がよく見えるようにしてから、口の端を極限まで釣り上げた不気味な顔をした。
「組織は平和のためなら悪にでもなる。『聖女の慕情』が世界を壊す可能性があるなら、『聖女の慕情』を消費させるために悲劇的な状況だって作る」
「『聖女の慕情』を持つ者が世界を破壊する可能性なんて、ほぼ無いも同然じゃない。たった一つしかない願いで世界を滅ぼそうなんて考える人は、かなり特殊だわ」
「そうかもしれないが、可能性はゼロじゃない。組織は世界が滅びる可能性をゼロにしないと気が済まないんだよ」
可能性がゼロじゃないから、たったそれだけで、ルーベンは三回も死んだの?
そんなのって、あんまりだ。
理不尽な組織への怒りが募る中、同時にとある考えも浮かんでしまった。
私がルーベンと恋に落ちなければ……。
聖女に愛されなければ、『聖女の慕情』を得ることもない。
もしそうなら、ルーベンが狙われることもなかった。
私は、怒りと悔しさとやるせなさと、言葉に出来ない感情の数々に押し潰された。
そして心の折れた私には、ただ涙を流すことしか出来なかった。
「おいおい、もう終わりか? もっと抵抗してくれないと嬲り甲斐がないぜ」
「なあ、仕返しは終わったか? じゃあそいつ、殺す前に俺に使わせてくれよ」
「いいぜ。ただし殺すのは俺がやるから、生かしたままにしろよ」
「オッケー」
男たちの声が遠くに聞こえる。
私はこのまま嬲られて殺されるのだろう。
何度も命がけで助けてくれたルーベンを不幸にする私なんて、もうどうなっても構わない。
だから私のことはどうでもいい。
今回もルーベンを守ることが出来なかった。
そのことだけが、心残りだ。
「手をあげろ!」
突如響いてきた声によって、男たちの動きがとまった。
そして何発か魔法が飛び交ったあと、男たちは私と同じように床に転がった。
「大丈夫……ではありませんね。帰ったらすぐに手当てをしましょう」
そう言って私の身体を持ち上げたのは、ルーベンだった。
「どうして、ここが……」
「あなたのことを追跡していたのです。城の外へ移動する際に転移魔法を使っていたので、痕跡を追うのに時間がかかってしまいましたが……その前に拘束を解かないとですね」
ルーベンに指示された王宮魔術師の一人が、私の拘束魔法を解いてくれた。
「万が一あなたが組織の一味だったらどうしようかと思いましたが、そうではないようで安心しました。いえ、安心するような状態ではないのですが」
ルーベンが私の涙を拭い、頬に付いた砂を優しく払いながら言った。
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「あっ、えっと……?」
動揺する私をよそに、ルーベンは話を続けている。
話を遮るわけにもいかないので、その体制のまま聞き続けることにした。
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「……はい」
今度の人生では、あなたを不幸にしないと誓います。
あなたを誰よりも幸せにすると誓います。
「ところで……あなたのお名前は?」
「ジェイミーです」
「良い名前ですね。俺はこの国の王子、ルーベンです」
「よく、知っています」
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――――――――――――――――――――
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