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第3章:第1節
新たな攻略対象二人目 ルウト
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数時間後、私は屋敷外の庭内を回っていた。庭内には沢山の薔薇が薄暗い夜の中でまるで輝きを放つように、あちらこちらに咲いている。
(薔薇の花言葉は……『愛』『美』)
私は色ごとに咲いている薔薇を眺めながら庭内に歩く。
(色によって、花言葉も違ってくる)
そう思いながら庭内の奥に進むと、ある色の薔薇に目に入って私は近付いて観察する。
(『不可能』『存在しないもの』。かつてはそう言われていた青薔薇を咲かせることに成功して、花言葉は変わった)
それは青薔薇が一面咲いていて、アニメやゲーム上でしか存在しなかったそれは、私がいた前世にて研究を重ねて青薔薇を咲かせることに既に成功していた。
「青薔薇の花言葉は『夢かなう』『奇跡』そして……」
「……____『神の祝福』」
私が静かな声で青薔薇の花言葉を言いかけた時、背後から声が降ってきて言おうとしていた言葉を言われてしまう。
「青薔薇を咲かせることに成功した人間界では、こう言われているみてぇだな。」
「ルウト、さん…………」
後ろを振り返るとオレンジ髪を靡く高身長の男…ルウトが訝しげな顔を浮かべて顔を下に向けて私を見る。
________ルウト。人間界で夢音ルウトと呼び、『BLOODY PRINCE ~Devildom Guardian~』に登場する由奈の新たな攻略対象の一人で三つ子の真ん中っ子。
オレンジ髪のウルフカットに身長184㎝でかなりの高身長。短気で怒りやすく荒々しい性格。カルマに突っかかられることが多く、二人の言い合いが絶えない。
ルウトルートには実はこの強面とは裏腹に優しい一面があり、見た目と中身のギャップが激しい人である。
「ルウトでいい。」
そう言いながらルウトは訝しげな顔のまま、頭を掻く。
「……つーか、なんでオレなんだよ。」
「三人の中で私に対する欲がないから。」
「変わってんな、テメェ。オレ、一応敵視してるんだぞ」
「好意の眼差しで変なことされるよりマシ」
そうかよとルウトは、私に目を合わせずそっけなく答える。
「そういえばルウトはどうして、庭にいるんですか?」
「……たまたま庭内で歩いていたら、たまたまお前が青薔薇を見ているのを遭遇した。それだけのことだ。」
「自分の庭に歩いていたんですか?この時間に?」
「あ?自分の屋敷の庭内でウロウロしてはいけねぇのかよ!」
「…………そんなこと一言も言ってませんよ。」
ルウトが怒り口調で喋るので私の心境は少々呆れ気味。なんせルウトは俗に言うツンデレキャラであり、先程も言ったが彼には見た目と中身のギャップが激しい。ツンデレと言っても、ツン率が高くてデレに関しては三つ子のセレスやカルマでもあまり見せない。
(ゲーム上だとルウトは、カルマの前でデレはほぼ見せないらしい。)
そりゃそうだろう。カルマの場合はツンデレではなく、本気で苦手意識を持っているから。血の繋がりはあるから言葉を交わすが、長くは続かない。言い合いを始めるからだ。
(そのほとんどがほぼ、カルマに原因あったりする。どうでもいいことだけど。)
「……本当はテメェの援護なんざ、やりたくねぇ。」
「それならばやりたくないと、言えば良かったじゃないんですか?」
「セレスに釘刺されたから無理に決まってんだろう!」
それが出来れば苦労しねぇよとルウトは愚痴をこぼしながら歩き始めて、私もルウトの後ろについて歩く。
「何オレの後ろに歩いてんだ、テメェ。」
「違います。屋敷がこっちの方向ですから。それと私は、テメェではありません」
「…………スピカ」
ルウトはめんどくさそうに私の名前を言って、ガシガシと頭を掻く。
「とにかくだ。オレはお前の援護なんざやらねぇからな!」
「はいはい。そこに関しては自分で守るので安心して下さい。選んだ理由が私に対して欲がないからですので。」
「……チッ、ムカつく女だぜ。」
私は訝しげな顔をするルウトと共に屋敷に戻って行った。
(薔薇の花言葉は……『愛』『美』)
私は色ごとに咲いている薔薇を眺めながら庭内に歩く。
(色によって、花言葉も違ってくる)
そう思いながら庭内の奥に進むと、ある色の薔薇に目に入って私は近付いて観察する。
(『不可能』『存在しないもの』。かつてはそう言われていた青薔薇を咲かせることに成功して、花言葉は変わった)
それは青薔薇が一面咲いていて、アニメやゲーム上でしか存在しなかったそれは、私がいた前世にて研究を重ねて青薔薇を咲かせることに既に成功していた。
「青薔薇の花言葉は『夢かなう』『奇跡』そして……」
「……____『神の祝福』」
私が静かな声で青薔薇の花言葉を言いかけた時、背後から声が降ってきて言おうとしていた言葉を言われてしまう。
「青薔薇を咲かせることに成功した人間界では、こう言われているみてぇだな。」
「ルウト、さん…………」
後ろを振り返るとオレンジ髪を靡く高身長の男…ルウトが訝しげな顔を浮かべて顔を下に向けて私を見る。
________ルウト。人間界で夢音ルウトと呼び、『BLOODY PRINCE ~Devildom Guardian~』に登場する由奈の新たな攻略対象の一人で三つ子の真ん中っ子。
オレンジ髪のウルフカットに身長184㎝でかなりの高身長。短気で怒りやすく荒々しい性格。カルマに突っかかられることが多く、二人の言い合いが絶えない。
ルウトルートには実はこの強面とは裏腹に優しい一面があり、見た目と中身のギャップが激しい人である。
「ルウトでいい。」
そう言いながらルウトは訝しげな顔のまま、頭を掻く。
「……つーか、なんでオレなんだよ。」
「三人の中で私に対する欲がないから。」
「変わってんな、テメェ。オレ、一応敵視してるんだぞ」
「好意の眼差しで変なことされるよりマシ」
そうかよとルウトは、私に目を合わせずそっけなく答える。
「そういえばルウトはどうして、庭にいるんですか?」
「……たまたま庭内で歩いていたら、たまたまお前が青薔薇を見ているのを遭遇した。それだけのことだ。」
「自分の庭に歩いていたんですか?この時間に?」
「あ?自分の屋敷の庭内でウロウロしてはいけねぇのかよ!」
「…………そんなこと一言も言ってませんよ。」
ルウトが怒り口調で喋るので私の心境は少々呆れ気味。なんせルウトは俗に言うツンデレキャラであり、先程も言ったが彼には見た目と中身のギャップが激しい。ツンデレと言っても、ツン率が高くてデレに関しては三つ子のセレスやカルマでもあまり見せない。
(ゲーム上だとルウトは、カルマの前でデレはほぼ見せないらしい。)
そりゃそうだろう。カルマの場合はツンデレではなく、本気で苦手意識を持っているから。血の繋がりはあるから言葉を交わすが、長くは続かない。言い合いを始めるからだ。
(そのほとんどがほぼ、カルマに原因あったりする。どうでもいいことだけど。)
「……本当はテメェの援護なんざ、やりたくねぇ。」
「それならばやりたくないと、言えば良かったじゃないんですか?」
「セレスに釘刺されたから無理に決まってんだろう!」
それが出来れば苦労しねぇよとルウトは愚痴をこぼしながら歩き始めて、私もルウトの後ろについて歩く。
「何オレの後ろに歩いてんだ、テメェ。」
「違います。屋敷がこっちの方向ですから。それと私は、テメェではありません」
「…………スピカ」
ルウトはめんどくさそうに私の名前を言って、ガシガシと頭を掻く。
「とにかくだ。オレはお前の援護なんざやらねぇからな!」
「はいはい。そこに関しては自分で守るので安心して下さい。選んだ理由が私に対して欲がないからですので。」
「……チッ、ムカつく女だぜ。」
私は訝しげな顔をするルウトと共に屋敷に戻って行った。
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