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第2章:第3節
オーナーと意気投合しました。
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数時間後私は、隣町にて街中を歩いていた。いつもならデパートに向かうのだが、デパート以外に違うところに行けば何か新しいものが発見するかもしれないからと思い、気分転換して通ったことがない道に進んていた。
(相変わらずこの街は凄い人集りだなー)
私は歩きながら辺りを見渡す。どこから見ても人がいっぱい居て、若者向けのお店が多い。まるでお祭り騒ぎである。
(ん?あれ、なんだろう…………)
歩いてる途中にふと、私はあるものに目に留まり立ち止まる。
店頭に並べられているのはどうやらレディース向けの服装で【MARGIN FRAME】と描かれたそれは、V系やゴスロリ系の服が置いてあった。
(服の好みは好きなんだけど、今の私は男だからな。)
私は鼻息をして再び歩き始める。
※※※※※※※※※※
(うーん………特に気になるものはないな。)
歩いてから三十分経過して、辺りはビル街へと変わり食べ物やコンビニ以外は殆どビルばかりと同じ景色を見る。
(戻ろっかな…………)
私は立ち止まって、さっき通った道へ戻っていく。
数分後経過した時、私はまた【MARGIN FRAME】の前にて立ち止まる。どうやら私は、このお店が気になっているようだ。
(見るだけなら……大丈夫かな?)
そう思い、私は【MARGIN FRAME】の中へ入っていく。私は、店頭に並べられている服を手にとって物色する。前世の時私はV系やゴスロリ系の服が大好きであったため、このお店の服と私の好みがマッチングしていた。
「いらっしゃいませ!」
暫くして、奥からV系の格好をした男の人が出てくる。この店の店員さんでまず間違いない。
「気になるものがございましたら何なりと言ってくださいね!」
「は、はい…………」
男の店員さんはそう言って、他のコーナーで品物を綺麗に整え始めた。雰囲気がまさにV系が好きですと言ってるのと同じなのだが、転生してもこのハイテンションに未だ慣れない。
(まぁ、黙ってジッと見られるよりマシだな………)
私はトップスの中の一つを手に取る。腰まであるゆったりとした赤のショルダーカットトップスを私の服に合わせて見る。
(V系のお店に来たら必ず、肩出しの服を見ちゃうんだよね。)
赤のショルダーカットトップスを自身の腕に掛けて、アクセサリーコーナーへ移動する。アクセサリーコーナーにはネックレスの他にピアスや指輪にブレスレット、チョーカーにガーターベルトが勢揃いしており、ハートやドクロ、十字架に三日月マークがある。
(チョーカーやガーターベルトが気になるなー)
今手にしてる赤のショルダーカットトップスに合いそうなアクセサリーを探してる中、三日月のアクセサリーがぶら下げてる黒いチョーカーを手にする。
(チョーカーと服の組み合わせ次第では、シンプルでも着こなせるんだっけ。)
私はチョーカーを手にして、店員さんの元へ歩み寄る。
「すみません。チョーカーの試着は出来ますか?」
「勿論ですとも!アクセサリーコーナーに鏡があるので、そちらに使って下さい!お手に持ってる商品は、こちらがお預けしますねー」
私は店員さんにショルダーカットトップスを渡して、アクセサリーコーナーへ戻る。早速私は手にした三日月のチョーカーを首元に締める。チョーカーはネックレスより短く、首輪とほぼ変わらない。人によっては感覚が違うため、チョーカーを買う前は試着することをオススメする。
「これが、チョーカー…………」
私は初のチョーカーに鏡をジッと見つめる。女性用なので此処に並べられているチョーカーは35~40㎝。私の首回りは39㎝でぴったりはまっていた。
「もしかしてチョーカーは初めてですか?」
背後から男の店員さんに声かけられたので私は後ろに振り返る。
「まぁ、そうです………」
私は店員さんの顔を見て、戸惑いながらも返事をする。
「V系やゴスロリ系にとってチョーカーはファッションの一部ですから、一つは持ってた方が良いです!」
「やっぱりそうですよね…………」
「今付けてる三日月のチョーカーも似合ってるんですが、俺としてはお嬢さんは十字架の方がお似合いかと」
そう言って店員さんは、アクセサリーコーナーに歩み寄り、銀色の十字架のチョーカーを手にする。今店員さんからお嬢さんって聞こえたような…………
「あの僕、お嬢さんではないんですが…………」
「アハハ、冗談はよして下さい。この店のオーナーの俺が、男女を見間違えるわけありませんよ。」
この人、オーナーだったのか。なんか漂うオーラが違うと思ったら……というか、即バレだった。
「それにお嬢さんのようなボーイッシュ系の女の子もご来店しますので、そこは安心して下さいね。」
「は、はぁー…………」
そう言って店員さん…オーナーさんは花を恥じらうような微笑みで私を見つめる。オーナーさんの顔立ちが美形であるため引きだっていた。おそらく、化粧落としたらイケメンに違いない。
「その反応からしてもしや、こういうの苦手だったりしますか?」
「いえ、そうではないんですが、お店の人とこういうのは慣れてなくて……」
このオーナー、会ったばかりの客に対してよく観察してるな。私は心の中で少し感心を持ち始める。
「大丈夫ですよ。俺だってV系のお店に来た時には緊張しまくりましたから。慣れれば問題ありません。」
「そうですよね。」
「あっ、俺ばかり喋ってたらチョーカーの試着出来ないよね。」
ただ、このオーナーの喋り方は丁寧語だったり普通に喋ったりとごちゃ混ぜになっているため、私にとっては気がかりである。
「チョーカーの試着が終わりましたら、俺を呼んで下さい。」
そう言ってオーナーさんは、店の奥へと行ってしまった。
(他の客の前でも接客はああなのか?)
せめて客の前では丁寧語のみで喋るべきだと私はそう思いながら、他のチョーカーの試着をした。
※※※※※※※※※※
(結局、買ってしまった。)
約一時間後、私は【MARGIN FRAME】のロゴが入った紙袋を手に学生寮へと向かっていた。
(ま、オーナーであるショウさんと少し意気投合したからいいや。)
あの後私は、オーナーさんであるショウさんを呼んでお会計を済ませる。お会計の際にショウさんからお店と自分の名前が記載した名刺を渡されていた。初めて来たお客さんに渡しているとか。
(……にしてもショウさんを見てると気のせいか、何処か神無月の面影が見えるんだよね。)
私はショウさんに渡された名刺を凝視する。名前には英語で『SYO』としか書いてないため苗字が分からない。ゲームの設定上では、神無月にはお兄さんがいるらしいのだが、ゲーム内は神無月のお兄さんはシリーズ中で唯一登場していない。
(もし、ゲームに登場していない人物に出会ったらどうなるんだろう……)
登場してる人物なら、内容が変わらないようにシナリオ通りにするしかないのだが、ゲームでさえ登場していないのだ。想像もつかない。
(どっちしろ、会うことを避けた方がいいかもしれない……)
私は少し警戒心を持って、学生寮へと向かうのだった。
※※※※※※※※※※
藤野スピカが帰った【MARGIN FRAME】の店内にて、この店のオーナー、ショウは先程のスピカを想像する。
銀色の髪に蒼の瞳、色白い肌のボーイッシュ系の服装するスピカを見てショウは何かを確信したかのようにニヤリと笑みを浮かべる。
「この俺が"見間違える"わけないよ。あの子は……________」
ショウは何かを呟いた後、商品の在庫の確認へと店の奥へと入って行った。
(相変わらずこの街は凄い人集りだなー)
私は歩きながら辺りを見渡す。どこから見ても人がいっぱい居て、若者向けのお店が多い。まるでお祭り騒ぎである。
(ん?あれ、なんだろう…………)
歩いてる途中にふと、私はあるものに目に留まり立ち止まる。
店頭に並べられているのはどうやらレディース向けの服装で【MARGIN FRAME】と描かれたそれは、V系やゴスロリ系の服が置いてあった。
(服の好みは好きなんだけど、今の私は男だからな。)
私は鼻息をして再び歩き始める。
※※※※※※※※※※
(うーん………特に気になるものはないな。)
歩いてから三十分経過して、辺りはビル街へと変わり食べ物やコンビニ以外は殆どビルばかりと同じ景色を見る。
(戻ろっかな…………)
私は立ち止まって、さっき通った道へ戻っていく。
数分後経過した時、私はまた【MARGIN FRAME】の前にて立ち止まる。どうやら私は、このお店が気になっているようだ。
(見るだけなら……大丈夫かな?)
そう思い、私は【MARGIN FRAME】の中へ入っていく。私は、店頭に並べられている服を手にとって物色する。前世の時私はV系やゴスロリ系の服が大好きであったため、このお店の服と私の好みがマッチングしていた。
「いらっしゃいませ!」
暫くして、奥からV系の格好をした男の人が出てくる。この店の店員さんでまず間違いない。
「気になるものがございましたら何なりと言ってくださいね!」
「は、はい…………」
男の店員さんはそう言って、他のコーナーで品物を綺麗に整え始めた。雰囲気がまさにV系が好きですと言ってるのと同じなのだが、転生してもこのハイテンションに未だ慣れない。
(まぁ、黙ってジッと見られるよりマシだな………)
私はトップスの中の一つを手に取る。腰まであるゆったりとした赤のショルダーカットトップスを私の服に合わせて見る。
(V系のお店に来たら必ず、肩出しの服を見ちゃうんだよね。)
赤のショルダーカットトップスを自身の腕に掛けて、アクセサリーコーナーへ移動する。アクセサリーコーナーにはネックレスの他にピアスや指輪にブレスレット、チョーカーにガーターベルトが勢揃いしており、ハートやドクロ、十字架に三日月マークがある。
(チョーカーやガーターベルトが気になるなー)
今手にしてる赤のショルダーカットトップスに合いそうなアクセサリーを探してる中、三日月のアクセサリーがぶら下げてる黒いチョーカーを手にする。
(チョーカーと服の組み合わせ次第では、シンプルでも着こなせるんだっけ。)
私はチョーカーを手にして、店員さんの元へ歩み寄る。
「すみません。チョーカーの試着は出来ますか?」
「勿論ですとも!アクセサリーコーナーに鏡があるので、そちらに使って下さい!お手に持ってる商品は、こちらがお預けしますねー」
私は店員さんにショルダーカットトップスを渡して、アクセサリーコーナーへ戻る。早速私は手にした三日月のチョーカーを首元に締める。チョーカーはネックレスより短く、首輪とほぼ変わらない。人によっては感覚が違うため、チョーカーを買う前は試着することをオススメする。
「これが、チョーカー…………」
私は初のチョーカーに鏡をジッと見つめる。女性用なので此処に並べられているチョーカーは35~40㎝。私の首回りは39㎝でぴったりはまっていた。
「もしかしてチョーカーは初めてですか?」
背後から男の店員さんに声かけられたので私は後ろに振り返る。
「まぁ、そうです………」
私は店員さんの顔を見て、戸惑いながらも返事をする。
「V系やゴスロリ系にとってチョーカーはファッションの一部ですから、一つは持ってた方が良いです!」
「やっぱりそうですよね…………」
「今付けてる三日月のチョーカーも似合ってるんですが、俺としてはお嬢さんは十字架の方がお似合いかと」
そう言って店員さんは、アクセサリーコーナーに歩み寄り、銀色の十字架のチョーカーを手にする。今店員さんからお嬢さんって聞こえたような…………
「あの僕、お嬢さんではないんですが…………」
「アハハ、冗談はよして下さい。この店のオーナーの俺が、男女を見間違えるわけありませんよ。」
この人、オーナーだったのか。なんか漂うオーラが違うと思ったら……というか、即バレだった。
「それにお嬢さんのようなボーイッシュ系の女の子もご来店しますので、そこは安心して下さいね。」
「は、はぁー…………」
そう言って店員さん…オーナーさんは花を恥じらうような微笑みで私を見つめる。オーナーさんの顔立ちが美形であるため引きだっていた。おそらく、化粧落としたらイケメンに違いない。
「その反応からしてもしや、こういうの苦手だったりしますか?」
「いえ、そうではないんですが、お店の人とこういうのは慣れてなくて……」
このオーナー、会ったばかりの客に対してよく観察してるな。私は心の中で少し感心を持ち始める。
「大丈夫ですよ。俺だってV系のお店に来た時には緊張しまくりましたから。慣れれば問題ありません。」
「そうですよね。」
「あっ、俺ばかり喋ってたらチョーカーの試着出来ないよね。」
ただ、このオーナーの喋り方は丁寧語だったり普通に喋ったりとごちゃ混ぜになっているため、私にとっては気がかりである。
「チョーカーの試着が終わりましたら、俺を呼んで下さい。」
そう言ってオーナーさんは、店の奥へと行ってしまった。
(他の客の前でも接客はああなのか?)
せめて客の前では丁寧語のみで喋るべきだと私はそう思いながら、他のチョーカーの試着をした。
※※※※※※※※※※
(結局、買ってしまった。)
約一時間後、私は【MARGIN FRAME】のロゴが入った紙袋を手に学生寮へと向かっていた。
(ま、オーナーであるショウさんと少し意気投合したからいいや。)
あの後私は、オーナーさんであるショウさんを呼んでお会計を済ませる。お会計の際にショウさんからお店と自分の名前が記載した名刺を渡されていた。初めて来たお客さんに渡しているとか。
(……にしてもショウさんを見てると気のせいか、何処か神無月の面影が見えるんだよね。)
私はショウさんに渡された名刺を凝視する。名前には英語で『SYO』としか書いてないため苗字が分からない。ゲームの設定上では、神無月にはお兄さんがいるらしいのだが、ゲーム内は神無月のお兄さんはシリーズ中で唯一登場していない。
(もし、ゲームに登場していない人物に出会ったらどうなるんだろう……)
登場してる人物なら、内容が変わらないようにシナリオ通りにするしかないのだが、ゲームでさえ登場していないのだ。想像もつかない。
(どっちしろ、会うことを避けた方がいいかもしれない……)
私は少し警戒心を持って、学生寮へと向かうのだった。
※※※※※※※※※※
藤野スピカが帰った【MARGIN FRAME】の店内にて、この店のオーナー、ショウは先程のスピカを想像する。
銀色の髪に蒼の瞳、色白い肌のボーイッシュ系の服装するスピカを見てショウは何かを確信したかのようにニヤリと笑みを浮かべる。
「この俺が"見間違える"わけないよ。あの子は……________」
ショウは何かを呟いた後、商品の在庫の確認へと店の奥へと入って行った。
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