11 / 30
第一章
10 奴隷
しおりを挟む
「なんか、疲れたな」
宿の二階の窓から、狭い路地裏をボーと見降ろしながら、勇一は思わずひとりため息をついた。
あの雨の日以来、すでに一週間がたっている。
ダーヴァの街は、もう直ぐ訪れるクルスティアル王子の来訪に向けて、飾り付けられていっている。
祭り事直前のそわそわした間隔に街の人はつつまれ、どんどん活気があふれてきて華やかになっていく。
それに反比例して、勇一のこころはどんどん沈んでいっていた。
この一週間、勇一は勇一なりに頑張ってクエストをこなした。
そして解ったことは、『冒険者は非常に辛い』という事実だった。
単なる高校二年生が、なんのチート能力もなしに異世界に放り込まれたら、死ぬほど苦労する。
そんな当たり前の現実が、立ちはだかった。
まず、やっぱりお金の問題だ。
どの世界でも金を稼がないと生きていけない。
実は、勇一は、元の世界の知識を使って金儲けしようとかとも考えた。
たしかマヨネーズで、お金が稼げたりするんだよな。
勇一の怪しい知識でそう考え、僅かな知識でマヨネーズの作り方を思い出そうとした。
だが『卵をかき混ぜるて#何か≪・・≫して作る』ぐらいまでしか思い出せない。
その#何か≪・・≫が、わからない。
勇一は、ネットもゲームもやるが、本格的なオタクでもなく、比較的普通の高校生だ。
それ程、偏った知識が多くあるタイプではなかった。
まあ、勇一に限らずいきなりマヨネーズつくれと言われて、ネットも見ずに実際につくれる高校生も、それ程、数が多くないだろう。
例え、作れたとしても、いったい何処で売るんだ? 朝市に店でも出すのか?
けっきょく、マヨネーズで一儲けするのは、諦めた。
出来ることをやろう。
そう考えなおした勇一は、やっぱり、冒険者ギルドで、依頼をこなした。
しかし、勇一がひとりでクリア可能な依頼を、命の危険を感じながら完了させても、銀貨二枚ほどしか手に入らない。
宿屋で一泊するのに銀貨二枚かかるとそれだけで何も残らないのだ。
だから、まず、一泊銀貨二枚の宿から、いま宿泊している一泊銀貨一枚の宿に移動した。
安いだけあってかなり宿は狭く汚い。でも文句は言っていられない。
宿代は銀貨一枚に減ったが、その他に必要な食品などを買い込むとけっきょく幾らも残らない。
それどころか、途中で怪我でもして、回復薬でも使おうものなら一気に赤字だった。
最初に雑誌やダウン等を売った金で武器等を買い揃えることが出来たから良かったものの、本来はこの僅かな収入から金をためて装備をそろえる必要があった。
正直、生活していくだけで苦しい。
まず、本来依頼は4~6人位のパーティーで行うのが前提なのだ。
勇一がひとりでクリア可能な依頼など、たいした物がない。
【木の札】同士でも、パーティーを組めば、それなりに報酬の多い依頼をこなせるはずだ。
「パーティーかあ」
また、勇一がため息をつく。
『パーティーを組む』
それは、元の世界のロールプレイゲームでも冒険を始めるにおいて第一段階の、ごくごく当たり前の行為だった。
だが、これが非常にハードルが高い。
色々とこじらせて、最近#コミュニケーション障害≪こみゅしょう≫ぎみになっていた勇一には、見知らぬ人に話しかけるだけでも大仕事だった。
それでも、背に腹は変えられない。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で、まずは、木の札を首からさげ、勇一と年齢も近そうなまだ少年の面影ののこる若い剣士に声をかけた。
『え? パーティーの勧誘?』
声をかけると、一人の剣士は、チラリと勇一の胸のプレートを確認してから、"チッ"っと小さく舌打ちをした。
『あのさあ、たぶん僕のことを勘違いしてるんじゃないかな。僕も、確かにまだ今は君と同じ木の札さ。だけど僕達は、あの有名な剣聖"アレクサス・カサレス"様の、弟子の"イブラムダル・ダル・アーフェイ"様の、弟子の"サーエルダグルク・ボルフサス"様の、弟子の"モー・イーズ・ポックルド"様の所で、三ヶ月も剣の修行をしてきてるんだよ。いわば冒険者の金の卵なんだよ。君のような田舎からでてきたような、本当の単なる駆け出しの新人冒険者とは訳が違うんだよ。一緒にしないでくれないかな』
はあ、そうですかあ、すごいんですねえ。
早口に一気にまくしたてられてしまって、思わずそんな程度の感想しかでてこなかった。
最初の勧誘からかなり心を削られてが、それでも諦めるわけにはいかない。
その後も、声を掛けまくった。そして断られまくった。
『無理。もう、仲間がいるんで』
『いやー 急に言われてもねー むりだねー』
『魔法使える? え?使えないの? じゃあ、いらない』
断られるたびに精神的ヒットポイントが削られ、心折れそうになる。
冒険ギルドは、すでに活躍しているパーティは多いが、まだパーティーを組んで居なさそうな者の数はすくない。
結局、冒険者ギルドにいる、木の札の男性にはすべて声をかけ終わったが、うまくいかなかった。
次に声をかけるとすると、銅の札の男性に声をかけるか、 あるいは木の札の女性の二択だ。
純粋に"勧誘が成功するかどうか"の難易度と言う点では、銅の札の男性に声をかけるほうが、難易度が高いだろう。
だが、勇一にとって、心の難易度としては木の札の女性に声をかけるほうが、難易度が圧倒的に高い。
初対面の女性に向かって声をかけるだけでも、難易度高いけど、さらに『パーティー』に勧誘するって!
いきなり難易度アルティメイトすぎるだろう!!
結局その後、三日間程悩んだ。
その間の三日間、一人で依頼をこなした。
そして、"こら、あかん"と改めて現実を認識しなおす結果となった。
女性をパーティに誘う!
そう腹をくくって、その日は冒険ギルドへ向かった。
勇一がひとりの女性を勧誘しようと近づく。
褐色の肌をしていて、茶色の髪というより"チャパツ"と言う言葉が似合いそうな髪をした女性。
キツイ目つきをした美人だが、どこか品が無いというか、元の世界で言うなら"美人だけど田舎ヤンキー風"の女性だった。
かなり難易度が高い感じの女性だったが、その日、冒険ギルドで一人で暇そうにしている木の札の女性が、彼女しかいなかった。他に選択肢がなかった。
『ああん? アタイに何か用?』
声をかけたら、まるでガンをつけるように、下から睨みつけてくる。
かなりの迫力だった。ひるみそうになるが、何とか踏ん張ってパーティーへと誘う。
『ああん? パーティーへの勧誘だあ? 悪いだけどさあアタイは…』
『マリー、おまたせ』
そこへ、一人の爽やかで真面目そうな好青年が近づいてきて声をかけてきた。どうやら彼女の仲間らしい。
『あーん。キルスティ~~ン もー おそいー。アタシー ひとりで さみしかったー(ハート)』
さっきまで、喧嘩を売られたヤンキーのように迫力満点だった女性が、急にシナをつくってデレデレとした態度で、その好青年に寄りかかる。
その態度の変化は、ちょっと引くくらいの変化だ。
『ごめんよ。マリー。受付けが少し混んでいたんだよ』
『もー、すぐ帰ってくるって言ってたのにー、もうちょっと待たされたらー、アタイ寂しさで死んじゃうところだったよー』
『ああマリー、寂しい思いをさせてごめんよ。だけど僕を残して死んだりしないでおくれよ。君がいないと僕は生きていけないよ』
『わたしもー。キルスティンがいないとー、生きていけなーい(ハート)』
もう、なんか、見てるのがあまりに馬鹿馬鹿しくなってきた勇一は、二人をそのままにそこを離れた。
その後も、がんばって何人かの女性に声をかけた。
『ごめんなさい。遠慮します』
かわいい女子に断られた日は、夜、ベッドの中で泣きそうな気分になった。
もう、無理かもしれんね。
勇一の心はすっかり折れかけていた。
もういいや、一人で孤独にがんばろう。
そう諦めかた時に、後ろから声をかけられた。
『あの~、パーティーメンバーを募集されてるって聞いたんですけど、まだ募集されてますか?』
ふりむくと、視界に誰もいなかった。
いや、いた。視界の下のほうにいた。やたらとちっこい女性がそこにいた。
見た目も顔も子供のように見えるのだが、ちゃんと冒険者の格好をしていて、背に弓矢を担いでいる。
『あの、私、その、実は、パーティーを首になってしまって、その、私すっごく体力がなくて、この前も、その、現地につくまでに、二時間ぐらい歩いたら、その、倒れてしまって、パーティーの人に担いでもらってしまって、あの、それで、首になっちゃって、がんばってるんですけど、その、パーティーを首になるのは三度目で、もう、この冒険ギルドでは、私をいれてくれるパーティーがなくって、その、私もう冒険者やめたほうがいいかなって思ったり、悩んだり、でも、止めたくなくて、その、弓矢だと単独だとつらいし、どうしようって思ってて、そしたら、その、あなたがパーティーメンバーを募集してるって聞いて、ひょっとしたら私でもって思って、その、迷惑になるかもしれないし、その、悩んだんですけど、その、どうでしょうか? まだパーティーメンバー募集してますか? その、募集に条件とかありますか? こんな私でもパーティーにいれてくれるでしょうか?』
もちろんOKだった。
彼女は、話を聞く分には、ひょっとすると冒険者としては実力が足りなかったり、問題があったりするのかもしれない。
でも、そんな事は関係ない。
勇一だって、駆け出し冒険者で似たようなものだ。
そんなことより、仲間が出来るという事が大切なんだ。
パーティーに仲間になろうと誘うと、彼女は泣きそうだった顔にニッコリと笑顔を浮かべた。
『本当にいいんですか? あ、あの私、ウノ・パウって言います。よ、宜しくお願いします』
こうして、やっとの思いで、勇一はひとり目のパーティメンバーを仲間にした。
はずだった。
それなにに次の日会って見ると、『ごめんなさい。ごめんなさい。その、昨日の話は、あの、無かったことにしてください。本当にごめんなさい』と断られてしまった。
その後ろで、あの雨の日以来、直接は何もしてこなかったモヒカンの男とその連れ達が、ニヤニヤと笑っていた。
「ああああ、ちくしょ。むかつく!
あのモヒカン野郎、見た目もなんか部活の林田クソ先輩野郎に似てて余計むかつくんだよな。
いつか絶対仕返ししてやるからな! おぼえてやがれよ、あのモヒカン野郎!」
思わず、其のときのモヒカンの男のニヤニヤした顔を思い出して、宿屋の窓から叫んでしまった。
窓の下を歩いていた通行人が、何事かと見上げてくる。
何となくにこやかに手を振ってごまかす。
まて、まて 落ち着け、俺。
あんなクソ野郎どものことを思い出して苛立っても仕方ないだろう。
それよりも、それよりも。今問題なのは、パーティーだよパーティ。
でもさぁ、おかしいよな。
俺の知ってるゲームとか異世界の話しでは、パーティー組む時なんて、『私とパーティー組んでくださあい ハート』とか言いながら、魔法使いの美少女とか、ビキニ鎧きたおっぱいでっかい女戦士とかが、向こうから誘ってくるものなはずなんだけどな。
なんで、こんな初歩の初歩でつまづいてんだよ。
叫んでも仕方ないと思いつつ、つい叫んでしまう。
かなり辛い状況ではあるが、打開策が無いわけではなかった。
勇一は、宿の窓の外、狭い路地の向かい側をみる。
そこには、#ある≪・・≫お店があった。
今、宿泊している一泊銀貨一枚の宿は安いだけあってかなり宿は狭く汚い。
そのうえ、宿屋のある場所がかなり柄が悪い。
ダーヴァの街全体が、華やかにかざりつけられているのに、この辺りはまったく飾りがない。
例の熊の紋章の旗も、鹿の紋章の旗も何処にもない。
暗く狭い路地では喧嘩が絶えないし、周りは怪しいお店がいっぱいある。
そして、宿と路地を挟んだ向かい側に軒を構える#ある≪・・≫お店は、奴隷をあつかうバルフォ奴隷商会だった。
奴隷。
この異世界では、それ程珍しい存在ではない。
道をあるけば重い荷物をかついでいる肉体労働奴隷をよく目にする。
金持ちの家には、当たり前のように奴隷のメイドがいるらしい。
『戦闘用の奴隷を買ってパーティーを組む』
それが、勇一の考えた打開策だ。
目の前にあるバルフォ奴隷商会を覗きにも行って来た。
ちょっと小太りのいかにも商人風の男が対応してくれた。
威厳らしいものがまるで無かったが、一応その店の店長との事だった。
結構丁寧に、奴隷達を見せてくれて、色々と説明もしてくれた。
奴隷は首輪をつけているが、それはあくまで"解り易くするため"の物らしい。
奴隷を奴隷たらしてめているのは、首輪ではなくて魔法の印だそうだ。
主人が専用の呪文を唱えると、魔法の印が奴隷の首を絞め、主人が解除しないかぎり最後には死にいたる。
また、たとえ呪文を唱えなくても奴隷が主人に害をなそうとすると、自然に首が閉まる。
その魔法の印があるが為、奴隷は主人には完全服従、決して逆らうことができないそうだ。
そんな奴隷が単なる肉体労働用の奴隷が金貨二十枚ほどから、パーティーで使うような戦闘用の奴隷は、金貨八十枚ほどから買える。
その店で一番価格の高い奴隷の価格は、魔法を扱える戦闘用奴隷の金貨百六十枚だった。
「金貨百六十枚かあ」
またも、思わず勇一はため息をついてしまう。
銀貨一枚かせぐのにヒイヒイ言っている新米冒険者には、非常に高い金額だ。
だが、勇一には、あてがあった。
そう、スマフォだ。
あれを売れば金貨八百枚になると言われている。
何でも屋で金貨八百枚と言われた時は、いまひとつピンと来なかったが、いまなら、それがどれほど途方もない金額なのか良くわかる。
なにせ、この異世界において一般的な農民の平均月収は"ゼロ"に近いのだ。
金貨一枚ですら、農民の生活では、大金だ。
金貨七百枚なんて、想像を絶するほどの大金だろう。
その大金が、スマフォを売れば手に入るのだ。
ちなみにバルフォ奴隷商会を見に行ったとき、小太りの店主に
『こっちの方面の奴隷はどうです?』と、ある奴隷を進められた。
その奴隷は、体に薄いショールみたいな布を一枚まいただけの、女性の奴隷だった。
もうショールが薄すぎて、胸の先っぽの突起や、下のほうの茂みも、透けて見えてしまっている。
誘うような薄い笑みを浮かべているその顔も整っていて、十分に美人だ。
でも、顔なんか見ずに、おもわず体にばかり目がいってしまう。なにせ、胸の先っぽのピンク色がはっきりと透けて見えてるのだ。元の世界で高校生二年生だった勇一に見るなと言うほうが無理と言うものだ。
女性は、いわゆる、夜の方面の奴隷であった。
今の勇一に、必要なのは戦闘用の奴隷だ。
今の所、買う必要はない。
買う必要はないはずだ。だが買わないとは言ってない。
ひょっとしてひょっとすると何かのまちがいで買ってしまうことも無きにしもあらずといった所だ。
おもわず値段を聞いてしまった。
『金貨百二十枚になります』
小太りの店主はニヤリと笑ってから続ける。
『と、いいたい所ですが、お客様には今後ともお取引をお願いしたいので特別に……
今回は金貨百枚ポッキリでお売りしますよ。さらに今なら、こちらのちょっとセクシーな寝巻きもセットでお付けしますよ』
その値段を聞いて、ゴクリとつばを飲みこんでしまう。
スマフォ売れば、戦闘奴隷を買った後でも、さらに買うことも可能な値段だな。
思わずそんな事を考えてしまった。仕方ない。だって男なんだもん。
「明日にでも、スマフォを売りにいくかなあ」
勇一にとって、スマフォは最後の切り札だ。
だが、どっちにしろ、今は完全に電源をきっているが放電していつか使えなくなってしまう。
売ってしまう以外に選択肢もない。
よし、売ってしまおう。
そう心に決めたら、ちょっと後ろ向きになりかけていた気持ちが、少し軽くなった。
そうだよ、スマフォ売っちまえば、かなりの大金になるんだ。
前衛で戦うパワー系の奴隷と、後衛で戦う魔法使いの奴隷、いっきに二人を買おうかな?
それとそれと、夜の奴隷も買ってしまうか?!買っちまうか?!
いや、まてまて、それならばいっそ女戦士とか、女魔法使いを買うって手もあるよな。
いいね、いいね!
女ばかりの奴隷パーティーで、ハーレムで、ウハウハ!
これこそ、正しい異世界生活だよな!
勇一の際限ない妄想が膨らんでいく。
その時、宿屋の二階の窓から見下ろす狭い路地に、一台のくたびれた馬車が入ってきた。
バルフォ奴隷商会の前にその馬車が止まった。
建物からごつい用心棒風の男達がでてきて、何かを叫びながら馬車の中から人を降ろしていく。
降ろされる人達は手を縄でしばれている。
そう、ここで奴隷として売られる予定の人たちだ。
この宿屋に泊まるようになってから、何度か見て、もうすっかり見慣れてしまった光景だ。
勇一はなんとはなしに、ボーと、窓からその風景を見下ろし続ける。
その間にも馬車から、奴隷が降ろされていく。
そして、馬車から、最後の奴隷だと思われる人物が降りてきた。
「え?!」
勇一は我が目を疑った。
思わず変な声で叫びそうになる。
「まさか?! おい! うそだろう!?!」
その馬車から最後に金髪を風になびかせながら降りてきたのは……
ディケーネだった。
宿の二階の窓から、狭い路地裏をボーと見降ろしながら、勇一は思わずひとりため息をついた。
あの雨の日以来、すでに一週間がたっている。
ダーヴァの街は、もう直ぐ訪れるクルスティアル王子の来訪に向けて、飾り付けられていっている。
祭り事直前のそわそわした間隔に街の人はつつまれ、どんどん活気があふれてきて華やかになっていく。
それに反比例して、勇一のこころはどんどん沈んでいっていた。
この一週間、勇一は勇一なりに頑張ってクエストをこなした。
そして解ったことは、『冒険者は非常に辛い』という事実だった。
単なる高校二年生が、なんのチート能力もなしに異世界に放り込まれたら、死ぬほど苦労する。
そんな当たり前の現実が、立ちはだかった。
まず、やっぱりお金の問題だ。
どの世界でも金を稼がないと生きていけない。
実は、勇一は、元の世界の知識を使って金儲けしようとかとも考えた。
たしかマヨネーズで、お金が稼げたりするんだよな。
勇一の怪しい知識でそう考え、僅かな知識でマヨネーズの作り方を思い出そうとした。
だが『卵をかき混ぜるて#何か≪・・≫して作る』ぐらいまでしか思い出せない。
その#何か≪・・≫が、わからない。
勇一は、ネットもゲームもやるが、本格的なオタクでもなく、比較的普通の高校生だ。
それ程、偏った知識が多くあるタイプではなかった。
まあ、勇一に限らずいきなりマヨネーズつくれと言われて、ネットも見ずに実際につくれる高校生も、それ程、数が多くないだろう。
例え、作れたとしても、いったい何処で売るんだ? 朝市に店でも出すのか?
けっきょく、マヨネーズで一儲けするのは、諦めた。
出来ることをやろう。
そう考えなおした勇一は、やっぱり、冒険者ギルドで、依頼をこなした。
しかし、勇一がひとりでクリア可能な依頼を、命の危険を感じながら完了させても、銀貨二枚ほどしか手に入らない。
宿屋で一泊するのに銀貨二枚かかるとそれだけで何も残らないのだ。
だから、まず、一泊銀貨二枚の宿から、いま宿泊している一泊銀貨一枚の宿に移動した。
安いだけあってかなり宿は狭く汚い。でも文句は言っていられない。
宿代は銀貨一枚に減ったが、その他に必要な食品などを買い込むとけっきょく幾らも残らない。
それどころか、途中で怪我でもして、回復薬でも使おうものなら一気に赤字だった。
最初に雑誌やダウン等を売った金で武器等を買い揃えることが出来たから良かったものの、本来はこの僅かな収入から金をためて装備をそろえる必要があった。
正直、生活していくだけで苦しい。
まず、本来依頼は4~6人位のパーティーで行うのが前提なのだ。
勇一がひとりでクリア可能な依頼など、たいした物がない。
【木の札】同士でも、パーティーを組めば、それなりに報酬の多い依頼をこなせるはずだ。
「パーティーかあ」
また、勇一がため息をつく。
『パーティーを組む』
それは、元の世界のロールプレイゲームでも冒険を始めるにおいて第一段階の、ごくごく当たり前の行為だった。
だが、これが非常にハードルが高い。
色々とこじらせて、最近#コミュニケーション障害≪こみゅしょう≫ぎみになっていた勇一には、見知らぬ人に話しかけるだけでも大仕事だった。
それでも、背に腹は変えられない。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で、まずは、木の札を首からさげ、勇一と年齢も近そうなまだ少年の面影ののこる若い剣士に声をかけた。
『え? パーティーの勧誘?』
声をかけると、一人の剣士は、チラリと勇一の胸のプレートを確認してから、"チッ"っと小さく舌打ちをした。
『あのさあ、たぶん僕のことを勘違いしてるんじゃないかな。僕も、確かにまだ今は君と同じ木の札さ。だけど僕達は、あの有名な剣聖"アレクサス・カサレス"様の、弟子の"イブラムダル・ダル・アーフェイ"様の、弟子の"サーエルダグルク・ボルフサス"様の、弟子の"モー・イーズ・ポックルド"様の所で、三ヶ月も剣の修行をしてきてるんだよ。いわば冒険者の金の卵なんだよ。君のような田舎からでてきたような、本当の単なる駆け出しの新人冒険者とは訳が違うんだよ。一緒にしないでくれないかな』
はあ、そうですかあ、すごいんですねえ。
早口に一気にまくしたてられてしまって、思わずそんな程度の感想しかでてこなかった。
最初の勧誘からかなり心を削られてが、それでも諦めるわけにはいかない。
その後も、声を掛けまくった。そして断られまくった。
『無理。もう、仲間がいるんで』
『いやー 急に言われてもねー むりだねー』
『魔法使える? え?使えないの? じゃあ、いらない』
断られるたびに精神的ヒットポイントが削られ、心折れそうになる。
冒険ギルドは、すでに活躍しているパーティは多いが、まだパーティーを組んで居なさそうな者の数はすくない。
結局、冒険者ギルドにいる、木の札の男性にはすべて声をかけ終わったが、うまくいかなかった。
次に声をかけるとすると、銅の札の男性に声をかけるか、 あるいは木の札の女性の二択だ。
純粋に"勧誘が成功するかどうか"の難易度と言う点では、銅の札の男性に声をかけるほうが、難易度が高いだろう。
だが、勇一にとって、心の難易度としては木の札の女性に声をかけるほうが、難易度が圧倒的に高い。
初対面の女性に向かって声をかけるだけでも、難易度高いけど、さらに『パーティー』に勧誘するって!
いきなり難易度アルティメイトすぎるだろう!!
結局その後、三日間程悩んだ。
その間の三日間、一人で依頼をこなした。
そして、"こら、あかん"と改めて現実を認識しなおす結果となった。
女性をパーティに誘う!
そう腹をくくって、その日は冒険ギルドへ向かった。
勇一がひとりの女性を勧誘しようと近づく。
褐色の肌をしていて、茶色の髪というより"チャパツ"と言う言葉が似合いそうな髪をした女性。
キツイ目つきをした美人だが、どこか品が無いというか、元の世界で言うなら"美人だけど田舎ヤンキー風"の女性だった。
かなり難易度が高い感じの女性だったが、その日、冒険ギルドで一人で暇そうにしている木の札の女性が、彼女しかいなかった。他に選択肢がなかった。
『ああん? アタイに何か用?』
声をかけたら、まるでガンをつけるように、下から睨みつけてくる。
かなりの迫力だった。ひるみそうになるが、何とか踏ん張ってパーティーへと誘う。
『ああん? パーティーへの勧誘だあ? 悪いだけどさあアタイは…』
『マリー、おまたせ』
そこへ、一人の爽やかで真面目そうな好青年が近づいてきて声をかけてきた。どうやら彼女の仲間らしい。
『あーん。キルスティ~~ン もー おそいー。アタシー ひとりで さみしかったー(ハート)』
さっきまで、喧嘩を売られたヤンキーのように迫力満点だった女性が、急にシナをつくってデレデレとした態度で、その好青年に寄りかかる。
その態度の変化は、ちょっと引くくらいの変化だ。
『ごめんよ。マリー。受付けが少し混んでいたんだよ』
『もー、すぐ帰ってくるって言ってたのにー、もうちょっと待たされたらー、アタイ寂しさで死んじゃうところだったよー』
『ああマリー、寂しい思いをさせてごめんよ。だけど僕を残して死んだりしないでおくれよ。君がいないと僕は生きていけないよ』
『わたしもー。キルスティンがいないとー、生きていけなーい(ハート)』
もう、なんか、見てるのがあまりに馬鹿馬鹿しくなってきた勇一は、二人をそのままにそこを離れた。
その後も、がんばって何人かの女性に声をかけた。
『ごめんなさい。遠慮します』
かわいい女子に断られた日は、夜、ベッドの中で泣きそうな気分になった。
もう、無理かもしれんね。
勇一の心はすっかり折れかけていた。
もういいや、一人で孤独にがんばろう。
そう諦めかた時に、後ろから声をかけられた。
『あの~、パーティーメンバーを募集されてるって聞いたんですけど、まだ募集されてますか?』
ふりむくと、視界に誰もいなかった。
いや、いた。視界の下のほうにいた。やたらとちっこい女性がそこにいた。
見た目も顔も子供のように見えるのだが、ちゃんと冒険者の格好をしていて、背に弓矢を担いでいる。
『あの、私、その、実は、パーティーを首になってしまって、その、私すっごく体力がなくて、この前も、その、現地につくまでに、二時間ぐらい歩いたら、その、倒れてしまって、パーティーの人に担いでもらってしまって、あの、それで、首になっちゃって、がんばってるんですけど、その、パーティーを首になるのは三度目で、もう、この冒険ギルドでは、私をいれてくれるパーティーがなくって、その、私もう冒険者やめたほうがいいかなって思ったり、悩んだり、でも、止めたくなくて、その、弓矢だと単独だとつらいし、どうしようって思ってて、そしたら、その、あなたがパーティーメンバーを募集してるって聞いて、ひょっとしたら私でもって思って、その、迷惑になるかもしれないし、その、悩んだんですけど、その、どうでしょうか? まだパーティーメンバー募集してますか? その、募集に条件とかありますか? こんな私でもパーティーにいれてくれるでしょうか?』
もちろんOKだった。
彼女は、話を聞く分には、ひょっとすると冒険者としては実力が足りなかったり、問題があったりするのかもしれない。
でも、そんな事は関係ない。
勇一だって、駆け出し冒険者で似たようなものだ。
そんなことより、仲間が出来るという事が大切なんだ。
パーティーに仲間になろうと誘うと、彼女は泣きそうだった顔にニッコリと笑顔を浮かべた。
『本当にいいんですか? あ、あの私、ウノ・パウって言います。よ、宜しくお願いします』
こうして、やっとの思いで、勇一はひとり目のパーティメンバーを仲間にした。
はずだった。
それなにに次の日会って見ると、『ごめんなさい。ごめんなさい。その、昨日の話は、あの、無かったことにしてください。本当にごめんなさい』と断られてしまった。
その後ろで、あの雨の日以来、直接は何もしてこなかったモヒカンの男とその連れ達が、ニヤニヤと笑っていた。
「ああああ、ちくしょ。むかつく!
あのモヒカン野郎、見た目もなんか部活の林田クソ先輩野郎に似てて余計むかつくんだよな。
いつか絶対仕返ししてやるからな! おぼえてやがれよ、あのモヒカン野郎!」
思わず、其のときのモヒカンの男のニヤニヤした顔を思い出して、宿屋の窓から叫んでしまった。
窓の下を歩いていた通行人が、何事かと見上げてくる。
何となくにこやかに手を振ってごまかす。
まて、まて 落ち着け、俺。
あんなクソ野郎どものことを思い出して苛立っても仕方ないだろう。
それよりも、それよりも。今問題なのは、パーティーだよパーティ。
でもさぁ、おかしいよな。
俺の知ってるゲームとか異世界の話しでは、パーティー組む時なんて、『私とパーティー組んでくださあい ハート』とか言いながら、魔法使いの美少女とか、ビキニ鎧きたおっぱいでっかい女戦士とかが、向こうから誘ってくるものなはずなんだけどな。
なんで、こんな初歩の初歩でつまづいてんだよ。
叫んでも仕方ないと思いつつ、つい叫んでしまう。
かなり辛い状況ではあるが、打開策が無いわけではなかった。
勇一は、宿の窓の外、狭い路地の向かい側をみる。
そこには、#ある≪・・≫お店があった。
今、宿泊している一泊銀貨一枚の宿は安いだけあってかなり宿は狭く汚い。
そのうえ、宿屋のある場所がかなり柄が悪い。
ダーヴァの街全体が、華やかにかざりつけられているのに、この辺りはまったく飾りがない。
例の熊の紋章の旗も、鹿の紋章の旗も何処にもない。
暗く狭い路地では喧嘩が絶えないし、周りは怪しいお店がいっぱいある。
そして、宿と路地を挟んだ向かい側に軒を構える#ある≪・・≫お店は、奴隷をあつかうバルフォ奴隷商会だった。
奴隷。
この異世界では、それ程珍しい存在ではない。
道をあるけば重い荷物をかついでいる肉体労働奴隷をよく目にする。
金持ちの家には、当たり前のように奴隷のメイドがいるらしい。
『戦闘用の奴隷を買ってパーティーを組む』
それが、勇一の考えた打開策だ。
目の前にあるバルフォ奴隷商会を覗きにも行って来た。
ちょっと小太りのいかにも商人風の男が対応してくれた。
威厳らしいものがまるで無かったが、一応その店の店長との事だった。
結構丁寧に、奴隷達を見せてくれて、色々と説明もしてくれた。
奴隷は首輪をつけているが、それはあくまで"解り易くするため"の物らしい。
奴隷を奴隷たらしてめているのは、首輪ではなくて魔法の印だそうだ。
主人が専用の呪文を唱えると、魔法の印が奴隷の首を絞め、主人が解除しないかぎり最後には死にいたる。
また、たとえ呪文を唱えなくても奴隷が主人に害をなそうとすると、自然に首が閉まる。
その魔法の印があるが為、奴隷は主人には完全服従、決して逆らうことができないそうだ。
そんな奴隷が単なる肉体労働用の奴隷が金貨二十枚ほどから、パーティーで使うような戦闘用の奴隷は、金貨八十枚ほどから買える。
その店で一番価格の高い奴隷の価格は、魔法を扱える戦闘用奴隷の金貨百六十枚だった。
「金貨百六十枚かあ」
またも、思わず勇一はため息をついてしまう。
銀貨一枚かせぐのにヒイヒイ言っている新米冒険者には、非常に高い金額だ。
だが、勇一には、あてがあった。
そう、スマフォだ。
あれを売れば金貨八百枚になると言われている。
何でも屋で金貨八百枚と言われた時は、いまひとつピンと来なかったが、いまなら、それがどれほど途方もない金額なのか良くわかる。
なにせ、この異世界において一般的な農民の平均月収は"ゼロ"に近いのだ。
金貨一枚ですら、農民の生活では、大金だ。
金貨七百枚なんて、想像を絶するほどの大金だろう。
その大金が、スマフォを売れば手に入るのだ。
ちなみにバルフォ奴隷商会を見に行ったとき、小太りの店主に
『こっちの方面の奴隷はどうです?』と、ある奴隷を進められた。
その奴隷は、体に薄いショールみたいな布を一枚まいただけの、女性の奴隷だった。
もうショールが薄すぎて、胸の先っぽの突起や、下のほうの茂みも、透けて見えてしまっている。
誘うような薄い笑みを浮かべているその顔も整っていて、十分に美人だ。
でも、顔なんか見ずに、おもわず体にばかり目がいってしまう。なにせ、胸の先っぽのピンク色がはっきりと透けて見えてるのだ。元の世界で高校生二年生だった勇一に見るなと言うほうが無理と言うものだ。
女性は、いわゆる、夜の方面の奴隷であった。
今の勇一に、必要なのは戦闘用の奴隷だ。
今の所、買う必要はない。
買う必要はないはずだ。だが買わないとは言ってない。
ひょっとしてひょっとすると何かのまちがいで買ってしまうことも無きにしもあらずといった所だ。
おもわず値段を聞いてしまった。
『金貨百二十枚になります』
小太りの店主はニヤリと笑ってから続ける。
『と、いいたい所ですが、お客様には今後ともお取引をお願いしたいので特別に……
今回は金貨百枚ポッキリでお売りしますよ。さらに今なら、こちらのちょっとセクシーな寝巻きもセットでお付けしますよ』
その値段を聞いて、ゴクリとつばを飲みこんでしまう。
スマフォ売れば、戦闘奴隷を買った後でも、さらに買うことも可能な値段だな。
思わずそんな事を考えてしまった。仕方ない。だって男なんだもん。
「明日にでも、スマフォを売りにいくかなあ」
勇一にとって、スマフォは最後の切り札だ。
だが、どっちにしろ、今は完全に電源をきっているが放電していつか使えなくなってしまう。
売ってしまう以外に選択肢もない。
よし、売ってしまおう。
そう心に決めたら、ちょっと後ろ向きになりかけていた気持ちが、少し軽くなった。
そうだよ、スマフォ売っちまえば、かなりの大金になるんだ。
前衛で戦うパワー系の奴隷と、後衛で戦う魔法使いの奴隷、いっきに二人を買おうかな?
それとそれと、夜の奴隷も買ってしまうか?!買っちまうか?!
いや、まてまて、それならばいっそ女戦士とか、女魔法使いを買うって手もあるよな。
いいね、いいね!
女ばかりの奴隷パーティーで、ハーレムで、ウハウハ!
これこそ、正しい異世界生活だよな!
勇一の際限ない妄想が膨らんでいく。
その時、宿屋の二階の窓から見下ろす狭い路地に、一台のくたびれた馬車が入ってきた。
バルフォ奴隷商会の前にその馬車が止まった。
建物からごつい用心棒風の男達がでてきて、何かを叫びながら馬車の中から人を降ろしていく。
降ろされる人達は手を縄でしばれている。
そう、ここで奴隷として売られる予定の人たちだ。
この宿屋に泊まるようになってから、何度か見て、もうすっかり見慣れてしまった光景だ。
勇一はなんとはなしに、ボーと、窓からその風景を見下ろし続ける。
その間にも馬車から、奴隷が降ろされていく。
そして、馬車から、最後の奴隷だと思われる人物が降りてきた。
「え?!」
勇一は我が目を疑った。
思わず変な声で叫びそうになる。
「まさか?! おい! うそだろう!?!」
その馬車から最後に金髪を風になびかせながら降りてきたのは……
ディケーネだった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。
もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです!
そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、
精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です!
更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります!
主人公の種族が変わったもしります。
他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので
そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。
面白さや文章の良さに等について気になる方は
第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
異世界列島
黒酢
ファンタジー
【速報】日本列島、異世界へ!資源・食糧・法律etc……何もかもが足りない非常事態に、現代文明崩壊のタイムリミットは約1年!?そんな詰んじゃった状態の列島に差した一筋の光明―――新大陸の発見。だが……異世界の大陸には厄介な生物。有り難くない〝宗教〟に〝覇権主義国〟と、問題の火種がハーレム状態。手足を縛られた(憲法の話)日本は、この覇権主義の世界に平和と安寧をもたらすことができるのか!?今ここに……日本国民及び在留外国人―――総勢1億3000万人―――を乗せた列島の奮闘が始まる…… 始まってしまった!!
■【毎日投稿】2019.2.27~3.1
毎日投稿ができず申し訳ありません。今日から三日間、大量投稿を致します。
今後の予定(3日間で計14話投稿予定)
2.27 20時、21時、22時、23時
2.28 7時、8時、12時、16時、21時、23時
3.1 7時、12時、16時、21時
■なろう版とサブタイトルが異なる話もありますが、その内容は同じです。なお、一部修正をしております。また、改稿が前後しており、修正ができていない話も含まれております。ご了承ください。
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
装甲列車、異世界へ ―陸上自衛隊〝建設隊〟 異界の軌道を行く旅路―
EPIC
ファンタジー
建設隊――陸上自衛隊にて編制運用される、鉄道運用部隊。
そしてその世界の陸上自衛隊 建設隊は、旧式ながらも装甲列車を保有運用していた。
そんな建設隊は、何の因果か巡り合わせか――異世界の地を新たな任務作戦先とすることになる――
陸上自衛隊が装甲列車で異世界を旅する作戦記録――開始。
注意)「どんと来い超常現象」な方針で、自衛隊側も超技術の恩恵を受けてたり、めっちゃ強い隊員の人とか出てきます。まじめな現代軍隊inファンタジーを期待すると盛大に肩透かしを食らいます。ハジケる覚悟をしろ。
・「異世界を――装甲列車で冒険したいですッ!」、そんな欲望のままに開始した作品です。
・現実的な多々の問題点とかぶん投げて、勢いと雰囲気で乗り切ります。
・作者は鉄道関係に関しては完全な素人です。
・自衛隊の名称をお借りしていますが、装甲列車が出てくる時点で現実とは異なる組織です。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる