僕が可愛いって本当ですか?

さよ

文字の大きさ
上 下
15 / 21
本編

あなたが描くもの 1※

しおりを挟む
「……ん、…………っ……」
「…………っ……はぁ」

 何度もキスをしながらお互いの敏感なところを触る。ぴったりくっつき陰茎同士を擦り合わせ、幸多の後ろに指を這わせた。魔法できれいにし、液を垂らす。
 中を探りながら抜き差しすれば幸多の体は気持ちよさそうに揺れ、一緒につかんだモノもぐちぐちと音を立てた。

「…………ぁ」

 しばらくそうしていると、指の間に白濁した液が伝う。デンドルムはいったん離れて、幸多に後ろを向かせた。

「椅子に手をついて」
「わかった」

 ほぐれた穴に亀頭をくっつけ、一気に貫く。

「っぅあ」
「はぁ……」

 指で持ち上げられ形を変える尻を眺め、時間が迫る中やっと手に入れた状況にうっとりと浸った。
 ぴったりと密着したまま奥に何度か押しつける。

「っ、……う……っ」

 不思議な感覚に、幸多は唇をかむ。後ろから覆い被さって乳首を引っ張りながら腰を振られて幸多は一度イかされ、べしゃりと椅子にもたれかかった。
 幸多は休む暇なく持ち上げられ、デンドルムは背中にキスをしたあと腰をしっかりつかんで、ねっとりとえぐるように揺さぶった。

「……あっ……や、あぁ……」
「幸多っ」

 デンドルムの長いものの先端が幸多の奥をゴツッと突き、そのたびにぞわりと快感が走り声を上げる。
 自分の体を支えていた幸多の腕は力が抜け、しがみついた椅子がガタガタと鳴った。二人の荒い息が消え、ベッドでまどろむ頃にはオレンジ色が窓から差し込んでいた。

◇ ◇ ◇

「やっぱりこうなるよね」

 ヒューは一人で食事をしながらぼやく。
 デンドルムに与えた期間を過ぎればこの家を出るつもりだった。無理だろうな、と思った自分がいたが気づかないふりをした。
 いつまでも独り占めしたいという気持ちをどうにもできなかっただけで、その行動に意味などなかったが。

「確実に幸多が減る。……はぁ~」

 大きなため息をつきながら、机に突っ伏した。

 翌日、デンドルムが用意していた指輪を付け、夫夫の誓いを交わす。お互いを見合って指を絡め、魔石のはまった指輪にじっと見とれた。

「オレが結婚するなんてなぁ……」

 そう言ってお茶を飲んで和んでいたのに、その落ち着きはどこへ行ったのか夜には元気になって頑張るのはやめてほしい、と思う幸多だった。
 ヒューはそれほど子どもにこだわっていないようだけれど、デンドルムはどこか焦っているように見える。

 以前考えていた“望むもの”を聞いたら、その理由も判明した。

「幸多もヒューも、オレを置いていっちまうだろ。寿命を延ばす方法なんか見つかっちゃいないし、お前らがいなくなった後、数百年も生きるんだ。子がいると思えば、オレはさびしくとも生きていける」

 ヒューは魔力が多いだけで、体だけなら人間だ。平均的な寿命は幸多とそれほど変わらないだろう。

(僕が生める間に叶えてあげたいけれど……)

 授かるかどうかは神のみぞ知る。頑張るしかないかなぁ……なんて考えていたら、一年も経たずに身ごもった。
 気持ち悪かったり痛いといったことは何もなかったが、不安で仕方がない幸多の側には常に二人がいた。

「……早く会いたいなぁ」
「無事に会えるよ、きっと」

 座り込んでお腹の上に手を置いた幸多は微笑む。見た目や色が遺伝することは少ないそうだけれど、魔力だけは親に似るらしい。
 あふれる魔力を確認したヒューは、嬉しそうに笑って「俺との子どもだ」と言った。
 デンドルムは落ち着かないのか、後ろでそわそわと歩き回ることが増えた。その姿を呆れたように見るヒューも、結局は何も言わずに幸多に視線を戻す。

 二ヶ月後、光を反射してキラキラと輝く紫の卵がコロンと生まれた。それを布でくるみ、ヒューと二人で魔力の泉へ向かう。
 転移で飛んだ先には大きな湖があった。深い青が風によって波打って流れていく。
 暗く深い底に、どれほど卵が沈んでいるのかはわからない。

「この湖に、卵を……?」
「そうだよ。僕らの子どもが魔力をたくさん吸収しながら育っていくんだ」

 幸多は卵を取り出し両手で抱えて湖に近づいた。ヒューもそれに続いて手を添え、傾けるとするりと落ちていく。卵を目で追うが、すぐに見えなくなる。
 水面をしばらく眺め、必ず会えると心で呼びかけて家へと帰った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

独占欲強い系の同居人

狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。 その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。 同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!

結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)  でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない! 何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ………… ……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ? え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い… え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back… ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子? 無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布! って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない! イヤー!!!!!助けてお兄ー様!

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

究極の雨男で疎まれていた俺ですが異世界では熱烈歓迎を受けています

まつぼっくり
BL
ずっとこの可笑しな体質が嫌だった。でも、いつかこの体質で救える命もあるんじゃないかと思っていた。 シリアスそうでシリアスではない 攻 異世界の虎さん✕ 受 究極の雨男 ムーンさんからの転載です

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

処理中です...